「低用量ピル=避妊薬」のイメージが強いですが、低用量ピルは女性が抱える多くの悩みに対して優れた効果を発揮する治療薬なのはご存じですか?
ピルには低用量ピルの他に高用量ピルや中用量ピル、アフターピルなどがあります。その中でもバランスの取れた効果を有する低用量ピルは人気が高く、さまざまな種類が開発及び販売されています。服用目的に合わせて低用量ピルの種類を選ぶことによって、より高い症状の改善効果を発揮します。
今回は低用量ピルにはどのような種類があるのか?服用した際にどのような副作用を起こす可能性があるのか?おススメの商品は何なのか?など、気になるポイントを中心に解説していきます。低用量ピルってどんな薬なのか知りたい方は、ぜひご覧ください。
低用量ピルは女性の体に大きな影響を与える医薬品です。間違った使い方をすると治療効果が弱まるだけでなく、副作用の発症リスクも高めてしまいます。
最初に低用量ピルに関するよくある質問、その回答を選りすぐってピックアップしました。低用量ピルの服用を検討している方や低用量ピルがどんな薬なのか服用前に知っておきたい方は、質問と回答の両方をチェックして正しい使い方を理解しておきましょう。
低用量ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモン、2種類の女性ホルモンによって構成された女性用のお薬です。女性ホルモンの減少や乱れを原因とする諸症状に対して、優れた改善効果を発揮します。
低用量ピルの服用で期待できる主な効果は以下の通りです。
低用量ピルは相性(そうせい)と呼ばれる種類に分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
ピルの種類 | 特徴 |
---|---|
1相性ピル | ・女性ホルモンの配合量がすべて同じ錠剤で構成 ・飲み間違いのリスクゼロ ・薬の管理が簡単 ・ピルを初めて使う方向け |
2相性ピル | ・女性ホルモンの配合量が異なる2つの錠剤で構成 ・服用期間によって2つの錠剤を飲み分ける必要あり ・商品ラインナップは3つの中で最も少ない |
3相性ピル | ・女性ホルモンの配合量が異なる3つの錠剤で構成 ・服用期間によって3つの錠剤を飲み分ける必要あり ・自然なホルモンバランスの変化を再現しやすい ・不正出血を起こしにくい |
また、配合されている黄体ホルモンの種類と開発時期によって、第1~4世代に分けられます。
第1世代は避妊以外に、肌荒れや子宮内膜症などの治療効果が高いのが特徴です。最も新しい第4世代はホルモンの配合量が最も少なく、副作用を起こしにくいのが特徴です。
どの世代を使ったらいいのか分からない方は、個人で判断せずに専門の医師に相談するのがおススメです。
低用量ピルを服用した際、以下のような副作用を起こすことが報告されています。
稀な副作用として血栓症が挙げられます。手足のしびれやろれつが回らないなどの症状が現れた場合は血栓症を発症している恐れがあるので、すぐに医師の診察を受けてください。
低用量ピルの正しい服用方法として、生理初日からの服用開始が推奨されています。避妊目的で低用量ピルを服用する場合は、生理初日~5日目までに服用すれば避妊効果が期待できるといわれています。
生理開始から5日目以降に服用を開始すると避妊効果が大きく減退するため、避妊目的で低用量ピルを服用したい方は注意が必要です。
低用量ピルは多くの製薬会社が製造しており、種類が豊富かつ商品ごとに特徴が異なります。目的に合わせて商品を選ばなければ、治療効果が期待できなくなる恐れがあります。しかし、これまで低用量ピルを使ったことがない方だと、どれを購入すればいいのか分からないですよね?
今回は数ある低用量ピルの中でも、おススメの商品を5つご紹介します。比較表を用意しましたので、それぞれの違いが分からない方はぜひご覧ください。
トリキュラー | マーベロン | ダイアン35 | セラゼッタ | エブラ(避妊パッチ) | |
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1箱あたり価格 | 1箱21錠入 960円~ | 1箱21錠入 920円~ | 1箱21錠入 1,7160円~ | 1箱28錠入 1,881円~ | 1箱3枚入 3,380円~ |
特徴 | ・3相性ピル ・第2世代に分類 ・不正出血を起こしにくい |
・1相性ピル ・第3世代に分類 ・避妊だけでなくニキビにも有効 |
・1相性ピル ・第3世代に分類 ・アジア人向けに開発 |
・1相性ピル ・第3世代に分類 ・黄体ホルモンのみ配合 |
・肌に貼るパッチタイプ ・第3世代に分類 ・1週間に1回貼り替えるだけ |
有効成分 | レボノルゲストレル、エチニルエストラジオール | デソゲストレル、エチニルエストラジオール | 酢酸シプロテロン、エチニルエストラジオール | デソゲストレル | ノルエルゲストロミン、エチニルエストラジオール |
効果 | 避妊、生理痛緩和など | 避妊、生理痛緩和など | 避妊、生理痛緩和など | 避妊、生理痛緩和など | 避妊、生理痛緩和など |
製薬会社 | バイエル | オルガノン | バイエル | MSD | ジョンソン&ジョンソン |
トリキュラーは大手製薬会社バイエルが製造販売している、第2世代の低用量ピルです。飲み分けが必要な3相性ピルですが、錠剤ごとに赤褐色、白色、淡黄褐色の3色に色分けされています。薬の管理がしやすく、飲み間違いのリスクを抑えることが可能です。
トリキュラーはドイツに本拠地を置くバイエル薬品が製造販売する避妊薬として知られる低用量ピルです。
避妊の他にも月経困難症、子宮内膜症の改善にも使用されています。有効成分のエチニルエストラジオールとレボノルゲストレルが女性ホルモンの分泌を調整し、避妊効果を発揮します。
マーベロンは身体への負担が少ない第3世代に分類される、使いやすさに優れた1相性ピルです。毎日同じ錠剤を飲み続けるだけで効果を発揮しますので、飲み間違いが気になる方も安心してご使用いただけます。
第3世代の低用量ピルであるため副作用の発症リスクが第1世代や第2世代より低く、体への負担を抑えたい方におススメです。
マーベロン(Marvelon)は、低用量女性ホルモンを含有するピルです。体への影響を最小限に抑えながら、避妊効果を高めることができます。
ピルの飲み忘れを含めた妊娠率は9%で、他の避妊方法に比べて高い避妊効果が期待できます。そのため女性の意思だけで実施可能な避妊法として、妊娠を望まない多くの女性に選択されています。
ダイアン35はトリキュラーと同じドイツのバイエル社が製造販売している、第3世代の1相性ピルです。小柄なアジア人向けに開発された経緯を持つため、日本人の体質に合った特徴を有しています。
「他の低用量ピルだと副作用が辛い」という方は、ダイアン35の服用を検討してみましょう。
ダイアン35は、ドイツのバイエル薬品が、体格が小さめのアジア人向けに開発した低用量ピルです。
薬に含まれる女性ホルモン量を低く配合し、副作用を少なく軽減しました。服用方法を守れば、100%に近い状態で避妊できます。
セラゼッタは低用量ピルの中でも珍しい、黄体ホルモンのみを配合したミニピルに該当する商品です。適切に服用した際の避妊効果は一般的な低用量ピルと同等ですが、重篤な副作用である血栓症の発症リスクがほぼゼロといわれています。
セラゼッタには女性ホルモンが配合されていませんので、授乳中の女性も服用することが可能です。
セラゼッタは、MSDが製造しているミニピルです。
有効成分としてデソゲストレルを含んでいるため、排卵を抑制する効果が確実に発揮されることで避妊効果を得ることができます。また、デソゲストレルは子宮内膜へも作用して避妊効果を発揮します。
エブラ(避妊パッチ)は皮膚に貼るだけで内服薬と同等の効果を発揮する、パッチタイプの避妊アイテムです。
低用量ピルは毎日飲み続けなければいけませんが、エブラ(避妊パッチ)は1週間ごとに貼り替えるだけなので、治療に掛かる負担が大きく軽減できます。パッチは肌色の薄型であるため、貼った後にパッチが目立ってしまう心配はありません。
エブラ(避妊パッチ)は、ヤンセン・シラグ社が開発した避妊薬です。
シートタイプの避妊薬で、皮膚にパッチを貼ることで体内に有効成分を取り込み、低用量ピルと同様の効果をもたらします。
1週間に1枚貼るだけという手軽さが多忙な日常生活を送る女性に支持されており、アメリカでも人気の避妊薬となっております。
低用量ピルが避妊や生理痛の軽減、生理周期の安定などに対して優れた効果を持つのはここまで紹介してきた通りです。しかし、なぜそのような効果を低用量ピルが持っているのか、効果のメカニズムについて疑問に思った方もいるのではないでしょうか?
続いて、低用量ピルの効果がどのようにして現れるのか?そのメカニズムについて詳しく解説していきましょう。
低用量ピルは主にエストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモンとプロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモン、2種類のホルモンで構成されています。
低用量ピルに含まれる、それぞれのホルモンの作用は以下の通りです。
卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用 | 黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用 |
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・排卵の抑制 ・生理周期の安定化 ・ホルモンバランスの安定化 ・子宮内膜の増殖抑制など |
・排卵の抑制 ・子宮内膜の安定化 ・頸管粘液の粘度上昇 ・卵管の運動抑制など |
女性は一定周期で卵巣から卵子が排出される、排卵が起きています。妊娠するためには排卵が必須で、排卵が抑制されると妊娠する可能性が大きく減少します。
低用量ピルを服用すると妊娠中と同じようなホルモンバランスになり、脳が妊娠中と錯覚します。妊娠中は排卵しないように脳が体へ指令を送るため、妊娠していないのに排卵が抑制されるのです。
低用量ピルは正しい服用によって、90%を超える避妊効果を発揮する優れた避妊薬です。しかし、女性ホルモンに影響を与える作用は、避妊以外にもさまざまな効果をもたらします。
「低用量ピルは避妊目的だけに使える薬」と思っていた方は、以下に紹介する避妊以外の効果についても詳しく知っておくことが重要です。
不規則な生活やストレスの蓄積は、月経周期の乱れを招きます。月経周期が乱れると不妊症のリスクが高まる他、肌荒れや生活習慣病の発症リスクも高まってしまいます。
低用量ピルを服用すると配合された女性ホルモンの作用によって、乱れた月経周期を安定させることができます。月経周期の乱れに悩まされている方は、低用量ピルの服用がおススメです。
生理痛が起きる原因は、子宮を収縮させるプロスタグランジンと呼ばれる物質です。プロスタグランジンは炎症や痛みの作用を増強させる効果があり、子宮周辺でプロスタグランジンが増えると生理痛を発症します。
低用量ピルを服用するとホルモンバランスが安定して、プロスタグランジンの分泌が抑制されます。低用量ピルの服用は生理痛の軽減だけでなく、予防にも一定の効果が期待できます。
参考文献:大正製薬「生理痛はなぜ起こるの?痛みはどう対処するのが正解?」
月経周期の安定や生理痛の軽減の他にも、低用量ピルの服用で以下のような効果が期待できます。
どれも低用量ピルごとに指定された、適切な服用方法を守った際に初めて効果が期待できます。また、短期間の服用で効果を実感するのは難しいので、しっかりと飲み続けることが大切です。
ピルには女性ホルモンの含有量に応じて、低用量ピル以外に高用量ピルや中用量ピルなども存在します。含有量が多いほど治療効果が高い反面、副作用の発症リスクは高くなってしまいます。
低用量ピルは他のピルと比較して女性ホルモンの含有量が少なく、安全性の高さが特徴として挙げられます。もちろん、副作用が全く起きないわけでないので、服用する際は副作用や注意点を知っておかなければいけません。
低用量ピルの副作用は以下の通りです。
いずれの副作用もホルモンバランスが整う過程で起きる一過性のもので、軽度かつ数日で症状は治まります。
稀な副作用として血栓症が挙げられます。以下の症状が現れた場合は血栓症を発症している可能性があるため、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
低用量ピルを服用する際は、以下に挙げるポイントに注意を払う必要があります。
低用量ピルの飲み忘れに気付いた場合、飲み忘れの日数によって以下のように対処法が異なります。
1日飲み忘れの場合 | 思い出したタイミングで1回分を服用。次回からいつも通り服用を開始する。 |
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2日連続飲み忘れの場合 | 思い出したタイミングで2回分を服用する。次回からいつも通り服用を開始する。 |
3日以上連続飲み忘れの場合 | 服用を中止して、次回の生理から1週目の服用を開始する |
2日以上飲み忘れが続いた場合、避妊効果が一気に落ちてしまいます。避妊目的で低用量ピルを服用している方は、他の避妊方法を実施しましょう。
国内で低用量ピルを購入する方法として、病院の受診が真っ先に挙げられます。しかし、仕事や家事が忙しい方、諸事情で病院の受診が難しい方も多くいらっしゃいます。
病院を受診する以外に、低用量ピルを購入する方法は無いのか気になりますよね?その疑問について詳しく解説していきます。
医薬品には購入する際に医師の処方箋が必要な「医療用医薬品」と、医師の処方箋が必要ない「一般用医薬品」があります。低用量ピルは医療用医薬品に分類される治療薬なので、ドラッグストアや薬局など市販で購入することはできません。
市販で低用量ピルとして販売されているものは偽物の可能性が非常に高いので、購入しないようにしましょう。
市販での購入ができないなら、通販はどうなのでしょうか?結論から書くと、海外メーカーの低用量ピルであれば一部の通販サイトで購入可能です。一部の通販サイトとは個人輸入代行サイトのことで、お薬通販部も個人輸入代行サイトに含まれます。
お薬通販部では海外メーカー製造の低用量ピルを多数取り扱っており、購入方法も国内の通販サイトと大きな違いはありません。初めての方でも利用しやすいのでおススメです。
最後にここまで紹介してきた5種類の代表的な低用量ピルの口コミについて、それぞれ2つずつピックアップしてご紹介します。
実際に商品を使用した女性の声をもとに、その効果や副作用、使用感などリアルな体験談を口コミから知ることができます。どの低用量ピルを購入すればいいのか悩んでいる方、いつも口コミで購入する商品を選んでいる方はぜひチェックしておきましょう。