カンジダとは、何らかの要因で常在菌であるカンジダ菌が性器に感染してしまい、不快な症状が起こる状態をいいます。常在菌とは、ほとんどのヒトの身体に常に存在しているものの病原性を示さない菌です。
カンジダ症は男性より女性の発症率が高く、頻発部位は膣や外陰部であり、膣に炎症を起こしている状態はカンジダ膣炎または膣ガンジダ症、外陰部に炎症を起こしている状態は外陰炎と呼ばれます。
健康な状態では発症しませんが、ストレスや過労などで体力や免疫力が低下すると、カンジダが異常に繁殖してしまい、カンジダ症が発症します。
誰もが発症する可能性がある病気で、性行為の経験がなくても発症する感染症です。
カンジダの原因は、ほとんどのヒトの体内に存在している常在菌であるカンジダ菌です。
体内にカンジダ菌が少量存在することは正常であり、アシドフィルス菌やビィフィズス菌というヒトの健康状態を良好な状態に保つ作用を持つバクテリアが餌として食しています。
そのため通常は膣内でカンジダが異常に増殖しないように保たれているのですが、何らかの要因でバランスが崩れると、カンジダ菌が異常な増殖を始め、カンジダ症が発症します。
主な原因としては免疫力の低下・ホルモンバランスの乱れ・抗生物質の服用・発症部位の高温多湿化のほか、性行為を通じて感染するケースもあります。
カンジダ症の主な要因の1つに免疫力の低下があげられます。
免疫力が低下すると、原因菌であるカンジダ菌への抵抗力が低下し、通常抑えられている増殖を抑えられなくなり、カンジダ菌が異常に繁殖してしまいます。
免疫力が低下する要因には、日常生活における疲労や風邪、ストレス等の体調の変化、ステロイド剤や免疫抑制剤の使用などがあげられます。
特にストレスの関与が示唆されており、ストレスにより生みだされるコルチゾールが、免疫システム自体を弱め、またカンジダ菌が好む血液中の糖を増加させることにより、カンジダ菌が異常繁殖することが知られています。
ホルモンバランスの乱れもカンジダ発症の原因にあげられます。
女性ホルモンである卵胞ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロンのバランスが崩れると、カンジダ菌の成長を過剰に促進する可能性があることが示唆されています。
またホルモンバランスの変化は、膣粘液の自浄能力を低下させ、カンジダ菌の異常繁殖に繋がる可能性が高まります。ホルモンバランスは、妊娠や出産でももちろん変化しますし、生理周期にともなってももちろん変化します。
妊娠は特に膣内酸性度が低下することにより、カンジダ菌が繁殖しやすい環境が作られます。
抗生物質の使用もカンジダ症の要因になり得ます。
抗生物質を服用すると、有害なバクテリアとともに、本来であれば身体を守っている良い働きもするバクテリアも両方とも破壊されていまいます。
もともとの膣内細菌も破壊されてしまうので、体内の菌叢バランスが崩れ、普段は抑えられているカンジダ菌が増殖しやすい環境が整うこととなります。その結果、カンジダ菌が異常増殖を始めてしまい、カンジダ症が発症します。
抗生物質は使いやすい薬であり、多くの病気の治療薬として使用されていますが、常在菌を撹拌し、常在菌の多様性を失わせることがわかってきました。
また耐性菌が生み出される要因ともなりますので、使用は慎重におこなう必要があります。
発症部位の高温多湿化もまたカンジダ発症の原因といえます。
通気性の悪い下着や衣類を着用していると、陰部が蒸れたり汗をかいたりして、陰部が高温多湿化します。カンジダ菌は高温多湿な状態を好みますので、増殖に繋がる可能性があります。
生理中にナプキンを使用していると蒸れやすく注意が必要です。タンポンに切替えるか、頻回にナプキンを交換するようにしてください。
また通気性の良い下着の着用は欠かせません、カンジダが疑われる方は合成繊維の下着ではなく、綿などの素材を選択するといいでしょう。体を締めつける下着の着用や衣服の着用はお避けください。
性行為を通じてカンジダ症に感染する例は全体の5~10%といわれており、非常に少ないです。
カンジダ症は性感染症の1つだと思われている方も多いかと思いますが、性感染症というよりはむしろ「日和見感染症」です。
日和見感染症とは免疫が正常であれば感染しませんが、何らかの状態で菌のバランスが崩れると、通常体内に存在する菌が異常増殖を始め発症する病気です。
そのほか、糖尿病を有する方は、高血糖がカンジダの除去を妨げるためカンジダを発症するケースが多くみうけられます。また肥満の方は、体内に存在する過剰な糖質が菌の成長を手助けするためカンジダの発症が多いことが報告されています。
カンジダ症の90%は自然発生的に発症する自己感染がほとんどです。
カンジダ菌はほとんどの人の体内に存在しているものであり、性器の粘膜付近の他、消化管や皮膚にも生息しています。健康な人にもあり、異常に増殖しない限り問題ありません。
しかしながら、何らかの要因でカンジダ菌を抑えている正常な環境が壊れると、カンジダ菌の異常繁殖が始まり、カンジダ症を発症してしまうのです。
性行為が原因で発症するカンジダ症は5~10%といわれています。
割合は低いものの性行為でも感染はしますので、自身がカンジダ症を発症しているとパートナーにも感染する恐れがあります。
頻回な性行為はカンジダ症の発症率を高めることが知られています。また他の性感染症に感染している場合は、膣内の環境が通常と異なる場合が多く、カンジダ症の発症率が高まることが示唆されています。
女性の発症率が圧倒的に高い病気ですが、男性にも発症することがありますので、お互いに何かしらの症状を有している場合は、性行為をしない、そしてパートナーとともに検査を受けることを心がけましょう。
カンジダの症状としては、女性の場合は白いおりものの増加、おりものの性状の変化、強いかゆみ、性器の灼熱感、傷みを伴う炎症などがあげられます。その他、排尿障害や性交痛を訴える方もいます。
外陰部の軽度の浮腫や発赤、白色おりものの付着が見られるケースもあります。
男性の場合は、包皮や亀頭部位に、かゆみ、発赤、白苔、びらん、小水疱などが現れます。
自覚症状としてはかゆみや何かしらの違和感を訴えるケースが多く、まれですが、尿道炎を起こされる方もいます。
カンジダ菌は高温多湿を好むため、性器の構造上、カンジダ症の男性の発症割合は少なく、比較的女性が発症しやすい病気です。
女性がカンジダ症を発症すると、自覚症状として、外陰部や膣部の強いかゆみ、およびおりものの増加が発現します。外陰部や膣内の強いかゆみは、我慢できない程であり、あまりのかゆさに掻くことを止められず、性器周囲にひっかき傷を作ってしまうケースも見受けられます。
かゆみと並んで頻発する症状としては、おりものの増加と、おりものの性状変化があげられます。
おりものが白くなり、また粘着性が高くなることが知られており、粥状、ヨーグルト状、オカラ状、豆腐のカス状、酒かす状などと呼ばれます。
このおりものは膣内の壁や頚部に塊状に付着している場合もあります。
また外陰部でもおりものの付着が見られ、その他、軽度の浮腫や発赤が見られる場合もあります。
その他、外陰部や膣部に灼熱感を訴えたり、ヒリヒリした焼け付く痛みを訴えられたりするケースもあります。また、それほど頻度は高くありませんが、排尿障害を発症されるケースや、性交痛を訴えられるケースもあります。
治療せずに放置してしまうと、症状はどんどん悪化し、慢性化しますので、早期治療が肝心です。
糖尿病を合併している方やステロイドを使用していた方は、膣部よりも股部および外陰部に炎症を発症する例が多いようです。
男性の場合は、カンジダ菌を保有していたとしても、症状を訴えるケースは非常に稀ですが、
に症状を現すことが多く見受けられます。
カンジダ症を発症すると、主な症状は亀頭包皮炎です。自覚症状としてはかゆみや違和感を覚える程度におさまることが多くなります。他覚症状としては、亀頭や包皮に白苔やカサつきといった症状が発現します。
その他、亀頭部および冠状溝周辺や亀頭部に小水疱やびらん、発赤や紅色の湿疹、白苔が見られることが多くあります。
また高温多湿な状態により、角層がふやけかつ白くなり、組織耐久性や角層のバリア機能が低下する状態である浸軟を認めることも数多くありますのでご注意ください。
その他、亀頭部がただれたり、小膿疱が出現したり、カンジダ菌が尿道に入り込むことにより尿道炎を発症したりするケースもあります。
治療せずに放置してしまうと、かゆみが増し、また包皮から分泌物が出たりしますので、早期治療が肝心です。
カンジダ症の治療には、抗菌薬の内服や膣内挿入、軟膏やクリームなどの薬で治療をおこなうほか、膣洗浄をおこない、患部を清潔に保ちます。
カンジダ症は全体の90%が自己感染によるものであり、発症要因として体力や免疫力などの低下やホルモンバランスの変化があげられますので、生活習慣の改善を図ったりもします。
カンジダ症は再発率が非常に高い疾患であり、再発症例に関しては、原因がある程度わかっている場合には原因を除去したり、治療薬剤を変更したりします。
パートナーが感染している例も考えられますので、パートナーとともに治療をおこなうことを視野に入れる必要があります。
カンジダの治療法の1つに投薬治療があります。
治療薬には、抗菌薬の内服剤や膣錠・膣坐剤、クリーム、軟膏などがあげられます。
膣錠・膣坐剤とは、膣内に挿入する薬剤のことを指します。
急性膣ガンジダ症の場合は、膣錠・膣坐剤による連日治療が基本となります。
毎日来院し、膣洗浄後に膣錠・膣座剤を膣深部に挿入します。
毎日の来院が難しい場合は、週1回来院し、膣洗浄後に膣錠を膣深部に挿入します。
通常は膣錠や膣坐剤とともに、軟膏やクリームなどの外用剤を併用するケースが多くあります。
外用剤は1日2~3回、外陰部などの患部に直接塗布します。
膣錠や膣坐剤の治療効果判定は治療開始から1週間後におこなわれ、効果不十分の場合は治療薬の切り替えなどを検討します。
また乳酸菌整腸薬を服用し、膣内をガンジダ菌が増殖しにくい酸性に保つ治療法もあります。
膣内に存在する乳酸菌はデーデルライン桿菌といい、膣内を弱酸性に保ちカンジダ菌の増殖を抑制します。
カンジダ症は免疫力低下により引き起こされるため、ビタミン剤の服用により栄養状態の改善を図ることもあります。
カンジダ症が発症したら、一般的注意としては、
などがあげられます。
合併症のない急性のガンジダ症の場合は、連日膣洗浄をおこない、投薬治療をおこなうことが基本です。
連日来院が困難な場合は、週1回の薬剤投与の加えて、来院時に膣洗浄をおこないます。
ただし治療効果は連日治療の方が優れています。
膣洗浄とは、膣内を精製水で洗い流す処置です。
カンジダ菌の増殖を抑制する作用が期待できますし、外陰部や膣の状態を清潔に保つことが可能です。
再発を繰り返すカンジダ症に関しては、再発の要因を探るのが第一であり、もしその要因が膣洗浄剤であると考えられる場合は、膣洗浄剤に使用を取りやめます。
膣洗浄は基本的に精製水でおこなうものであり薬剤を用いないのですが、膣洗浄効果を高める薬剤は市販されており、臭いの気になる女性の多くが使用しています。
けれども膣洗浄剤は逆に膣の自浄作用を弱め、膣の健康問題に発展するケースが多く、常用はおすすめできません。
カンジダ症の発症は自己感染によるものがほとんどであり、発症要因として、免疫力や体力低下、ホルモンバランスの変化などがあげられます。
肥満や糖尿病に罹患していると、カンジダ症の発症リスクが高まることがわかっています。
そのため生活習慣の改善を図り、カンジダ菌の増殖を引き起こした根本原因を取り除くことは非常に有効な治療法です。
カンジダ菌は糖質を餌として発育および増殖します。
ブドウ糖のみならず、ほとんどの単糖および二糖類により、カンジダ菌の病原性が増すことがわかっています。
現在低糖質な食事がダイエットに効果的だと流行っておりますが、カンジダ菌の増殖抑制にも非常に有効となりますので、活用されるといいでしょう。栄養状態を改善することは再発防止にも繋がります。
その他、カンジダ菌は口腔内に生息しており、食べ物と共に消化管に流れ込み、胃腸にカンジダ菌が送り込まれることとなります。
特に就寝前の歯磨きは徹底するようにしてください。
殺菌剤が入ったうがい薬はカンジダ菌の数を減らすのに効果的ではありますが、他の常在菌にも影響を与えてしまい、健康被害に繋がる可能性がありますので、常用することはおすすめできません。
カンジダ症の治療には抗真菌薬を使用し、カンジダ菌の増殖を抑制し、かゆみや異常なおりものの症状の消失を目指します。
カンジダ菌は健康な人でも所持しているものですので、カンジダ菌はある一定程度まで減ることを目標とし、消失までは追い求めません。
一般的に、ケトコナゾールなどのイミダゾール系、イトラコナゾール・フルコナゾールなどのトリアゾール系、テルビナフィン塩酸塩などのアリルアミン系の抗真菌薬が使用されます。
内服薬もあれば、外用薬、膣錠も存在しますので、症状などに応じて使い分けが可能です。
いずれの剤型もカンジダ症に有効です。
イミダゾール系の抗真菌薬はカンジダ治療で最も一般的に使用されている薬です。
トリアゾール系の抗真菌薬とあわせてアゾール系と呼ばれています。
剤型は多岐にわたり、膣錠・膣坐剤、軟膏、クリーム、経口内服薬が存在します。
合併症を併発していない急性外陰腟カンジダ症の場合は、腟洗浄後に腟錠・腟坐剤を腟の深部に挿入する方法が一般的です。
連日病院に来てもらい、イミダゾール系の抗真菌薬を1日1個使用します。
使用される薬剤は
などがあげられます。
もし連日の退院が難しい場合は、膣錠による週1回投与もおこなわれており、使用される薬剤にはバリナスチン腟錠、オキナゾール腟錠の高用量錠などが用いられます。
またエンペシド、フロリード、オキナゾールにはそれぞれクリーム剤も存在しており、膣錠・膣坐剤と併用して、1日数回患部に塗布する治療法が用いられることもあります。
クリーム剤にはその他、ニゾラール(一般名:ケトコナゾール)などもよく使用されます。
トリアゾール系の抗真菌薬もカンジダ治療では良く用いられます。
最も使用されているイミダゾール系の抗真菌薬とトリアゾール系は合わせてアゾール系と呼ばれされます。
いずれも標的分子はシトクロム P450ステロール14α-デメチラーゼ(CYP51)という分子であり、細胞膜を構成するエルゴステロールという成分の合成を阻害します。
細胞膜が正常な成分で構成されなくなることにより、細胞膜、そして最終的には細胞壁が障害を受けます。
細胞の変形・膨化が起こり、真菌の成長が阻害されることで真菌に対して効果を示します。
代表的な薬剤には
などがあげられます。
イトリゾールは剤型としてカプセル、内用液、注射剤が用意されており、口腔咽頭カンジダや食道ガンジダなど発症部位において適宜剤型を選択可能です。
ジフルカンは剤型としてカプセル、ドライシロップ、注射剤が用意されており、小児への適応もあるのが特徴的です。またいずれもジェネリック医薬品がすでに販売されています。
症状や発症部位、ご予算に応じて、適宜適切な薬剤、剤型をご選択ください。
アリルアミン系の抗真菌薬もガンジダ治療で使用される抗真菌薬の1つです。
スクアレンエポキシダーゼという真菌の細胞膜に必要なステロールの合成に関与している酵素を阻害します。
そして真菌の細胞膜の主成分であるエルゴステロールの生合成を阻害して、真菌の細胞膜に障害を引き起こすことで、真菌の増殖を抑制し、真菌に対して効果を発揮します。
代表的な薬剤には、ラミシール(一般名:テルビナフィン塩酸塩)などがあげられます。
剤型として錠剤、外用液、外用スプレー、クリームが用意されています。
強い抗真菌活性と、幅の広い抗真菌スペクトルを有するのが特徴であり、カンジダの発育を抑制するのはもちろん、特に白癬菌に対する効果が優れており、水虫の治療にも広く使用されています。
主に皮膚ガンジダ症に使用し、錠剤である内服剤は「外用抗真菌剤で治療困難な患者に限る」という適応症になっています。
特徴的な剤型は外用スプレーであり、塗りにくい指の間や、皮膚で擦れる箇所などにも使用できます。
数多くのジェネリック医薬品が発売されており、予算に応じて選択することが可能です。
カンジダ治療には主にアゾール系であるイミダゾール系とトリアゾール系、またアリルアミン系の抗真菌薬が使用されます。
イミダゾール系が一般的に広く用いられており、代表的な薬剤としてクロトリマゾールやニゾラールがあげられます。またアリルアミン系の代表的な薬剤としてはラミシールがあげられます。
剤型は膣内のガンジダに対しては膣錠、外陰部の治療に対しては軟膏やクリームなどの外用剤を用います。
1週間後に経過を観察し、もし症状の改善度が悪い場合は薬剤を変更したり追加したりします。
症状が消失すれば治療は完了です。
カンジダ菌はもともと健康な人でも持ち合わせているものなので、治療後に検査をしてカンジダ菌のレベルを調べるかどうかは医療機関ごとに異なります。
クロトリマゾールは、日本で承認されバイエル薬品より販売されているエンペシドのジェネリック医薬品です。イミダゾール系の抗真菌薬であり、トリアゾール系と合わせてアゾール系に分類されます。
細胞膜の主成分の合成阻害により、真菌の増殖を阻害します。先発品であるエンペシドには膣錠、外用液(ローション)、クリーム、トローチと4つの剤型が存在します。
トローチはHIV感染症患者における口腔ガンジダ症(軽症・中等症)に使用されます。
日本でもエンペシドのジェネリック医薬品は発売されており、剤型は膣錠、クリーム、ジェル、ローションが販売されています。クリームは油と水が混合している剤型です。
ジェルは水性基剤をベースに製造されており、クリーム剤よりも伸びがよく、皮膚になじむジェル状の製剤です。ローションは有効成分を水溶性の液体に溶かすもしくは懸濁してある液体状の剤型です。
それぞれの剤型には一長一短がありますが、肥厚した皮膚にはクリーム、頭部など毛髪がある場合にはローション、冷却効果も期待したい場合にはジェルを選択されるといいでしょう。
またガンジダ症の再発に対しては、エンペシドの膣錠とクリーム剤が一般用医薬品、要指導医薬品として佐藤製薬より販売されており、処方せんなしにドラッグストアで購入することが可能です。
ニゾラールとは、日本で承認されヤンセン・シラグより販売されているイミダゾール系の抗真菌薬です。イミダゾール系はトリアゾール系とともにアゾール系に分類されます。
細胞膜の主成分であるエルゴステロールの合成を阻害することで、真菌の成長を阻害することで抗真菌作用を有します。有効成分名はケトコナゾールです。ヤンセン・シラグからはクリームとローションが販売されています。
海外ではフケ取り用のシャンプーの他、内服経口剤も販売されています。フケの原因も真菌であるため作用機序は同様です。
内服経口剤においては、肝障害の危険性が高いとして、ヨーロッパ・オーストラリア・中国では販売が中止されており、アメリカでは厳しい使用制限が敷かれています。
外用剤は対象外となるため、ニゾラールは基本的に表在性のガンジダ症に対して、外用剤として使用される抗真菌薬となります。外用剤として強い抗真菌作用を有しており、およそ2週間の塗布で高い治療効果を示すことが認められています。
またクリーム剤においては塗布72時間後でも感染防御効果を有するほど皮膚貯留性が高く、抗真菌作用の優れた持続性が報告されています。
ラミシールは大手製薬会社であるノバルティスが開発製造した抗真菌薬です。
現在はサンファーマがノバルティスからラミシールの製造販売承認を承継し、サンファーマの販売提携会社である田辺三菱製薬より販売されています。
アリルアミン系の抗真菌薬であり、一般名はテルビナフィン塩酸塩です。
真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼの選択的阻害作用を有し、スクアレンからスクアレンエポキシドへのエポキシ化を阻害して、真菌の細胞膜の主成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで、細胞膜に障害を起こし、真菌に対して効果を示します。
経口内服剤、クリーム、ローション、スプレーの4つの剤型が販売されています。
外用剤であるクリーム・ローション・スプレーは皮膚ガンジダ症に使用されます。
経口内服剤は外用抗真菌剤で治療困難な患者のみが対象であり、罹患部位や重症度、感染の範囲により内服が適当であると判断された患者にのみ使用が許可されています。
いずれの剤型もカンジダ菌に対する優れた抗真菌活性が認められています。
日本でも数多くのジェネリック医薬品が販売されており、剤型としては経口内服剤、クリーム、ローションが販売されています。
カンジダ治療薬は、初発の場合は日本国内においては、医師の処方せんが必要です。
初発のカンジダ症治療薬を入手したい場合には、まず病院やクリニックを受診し、医師の診察を受けてください。医師がカンジダ症と診断すれば、処方せんが発行され、調剤薬局でカンジダ治療薬を入手できます。
カンジダを再発された場合は、ドラッグストアなどの一般薬局で再発用のカンジダ治療薬を入手することが可能です。また再発カンジダ用の治療薬は商品によってはAmazonや楽天などの一般的な通販サイトでも取扱いがあります。
また診察を受けることが恥ずかしいという方には、海外で販売されている治療薬を個人輸入できます。
個人使用目的に限定され、かつ数量は限られますが、処方せんなしでインターネットを介して購入可能です。
初めてカンジダ症を発症された方は、病院やクリニックを受診の上、医師の診察を受ける必要があります。
初発のカンジダ症治療薬は、医師が診断の上、処方せんを処方し、調剤薬局の薬剤師により調剤される処方せん医薬品(別名、医療用医薬品)に指定されているからです。
処方せん医薬品はその効果が非常に高く、副作用の発現も懸念され、使用にあたり注意が必要な薬剤であり、厚生労働省が指定しています。
一般消費者の使用にあたっては、医師の診断および薬剤師の説明が必要不可欠であるとされています。
そのため初発のカンジダ症治療薬は、ドラッグストアや一般薬局、楽天やAmazonなどの通販サイトでは取扱いがありません。
初発のカンジダ症が疑われる場合は、まず病院やクリニックを訪れてください。医師が身体の状態を診断し、カンジダ症の診断が下れば、カンジダ症治療薬の処方せんが発行されます。
その処方せんを調剤薬局に持ち込むと、薬剤師がその処方せんに基づいて調剤し、薬の注意事項などをあなたに説明します。そうして初めてカンジダ症の治療薬を入手することが可能となるのです。
カンジダ症を再発された場合は、一般薬局やドラッグストアで治療薬を購入することが可能です。
有効成分としてミコナゾール、オキシコナゾール、イコナゾール、クロトリマゾールなどを含有する再発カンジダ用治療薬が販売されています。
剤型は膣錠とクリーム剤が用意されているケースがほとんどです。
膣ガンジダ症には膣錠が、外陰部のカンジダ症にはクリーム剤を使用します。ほとんどの商品が第一類医薬品に指定され、一部の商品は要指導医薬品に指定されています。
一般薬局で取り扱いのある医薬品はOTC医薬品といわれており、要指導医薬品と一般用医薬品に分類されます。要指導医薬品は医療用医薬品から一般用へと切替え後間もない商品であり、副作用などへの懸念から薬剤師の説明を聞いた上で購入することが義務付けられており、インターネットでの販売は禁止されています。
一般用医薬品は第一類医薬品・第二類医薬品・第三類医薬品に分類され、第一類医薬品は副作用などの安全性上特に注意が必要であるか、一般用医薬品として使用実績が少ない医薬品が指定され、適切なルールの下、インターネットでの販売が許可されています。
その他、カンジダ症に限らず、性器のかゆみなどに効果を示す薬剤も一般薬として販売されており、一般薬局およびインターネットにて購入可能です。
初発のカンジダ症の患者さまで病院を受診するのが恥ずかしい方、また再発の方でも店頭での購入が恥ずかしい方は、インターネットで購入されるといいでしょう。
初発のカンジダ症治療薬を通販にて購入希望の方は、日本国内で承認されている治療薬ではなく、海外市場で販売されている治療薬を個人輸入する方法があります。
日本国内では、初発のカンジダ症治療薬は処方せん医薬品に指定されており、医師の診断に基づいて発行される処方せんを調剤薬局に提出し、薬剤師から入手する必要があります。
そのため、日本国内において代表的な通販サイトである楽天やAmazonなどでは、取り扱いがありません。
一方、海外市場で販売されている初発のカンジダ症治療薬は、個人使用目的であり、かつ一定数量までであれば、厚生労働省に事前に通知することなく海外から輸入可能であることが薬機法で規定されています。
医師の診察および処方せんは不要です。個人輸入代行業者を介して、代行業者が提供する通販サイトより購入ください。
再発のカンジダ症治療薬も同様に海外から個人輸入してもいいですし、国内においても一般用医薬品については、インターネットにて購入可能です。
カンジダ症とは、何らかのきっかけにより、もともと体内に存在しているカンジダ菌が異常に増殖することで、かゆみなどの症状が発現する病気です。
高温多湿な環境を好むため、性器の構造上、男性より女性に頻繁にみられる病気です。 ストレスなどで免疫力が低下したり、抗生物質を服用したり、ホルモンバランスが乱れたりすることで発症します。
性感染症と認識されていますが、性行為の経験がない方でも発症する可能性がある病気で、発症した場合は抗真菌薬にて治療をおこないます。 再発率も高い病気ですので、投薬治療に加えて生活習慣の改善も必要とされます。
医薬品情報サイト
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行政機関サイト
厚生労働省
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医療保険制度の制定も担い、海外医薬品の輸入に関する規則や検査もおこなっています。