約100年前に世界的に大流行して多数の死者を出したスペイン風邪も、実はインフルエンザの一種であったのは知っていますか?
インフルエンザにはさまざまな種類があり、毎年変異を繰り返しています。
現在ではインフルエンザに効く治療薬も開発されており、適切に使用することで症状の重症化が防げます。
また、インフルエンザの感染経路や初期症状を知ることによって、感染の予防や早期治療へと繋げることができます。
今回はインフルエンザに効く治療薬はどのようなものがあるのか?主な症状や感染経路について、詳しく解説していきます。
インフルエンザの治療薬は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品に分類されています。
病院を受診してインフルエンザの診断を受け、医師から処方箋を出してもらうのが一般的です。
インフルエンザの治療薬は薬局やドラッグストアなど、市販では購入することができませんので注意が必要です。
国内で処方されているインフルエンザ治療薬及び解熱薬について、分かりやすいよう比較表を用意しましたのでご覧ください。
タミフル | リレンザ | カロナール | |
---|---|---|---|
主な効果 | インフルエンザウイルスの増殖阻害 | インフルエンザウイルスの増殖阻害 | 解熱及び鎮痛 |
剤形 | 錠剤(内服薬) | 粉末(吸入剤) | 錠剤(内服薬) |
副作用 | 普通 | 普通 | 少ない |
予防目的 |
可能 | 可能 | 不可 |
購入できる |
病院、一部の通販サイト | 病院、一部の通販サイト | 病院、市販、海外通販 |
特徴 | タミフルは世界で初めて承認された抗インフルエンザの内服薬で、A型およびB型のインフルエンザの治療および予防に効果がある治療薬です。 | リレンザは吸入式のインフルエンザ治療薬で、成分を直接肺に届けることで呼吸器系に対する効果が期待できます。 | カロナール・ジェネリック(パナドール)は有効成分アセトアミノフェンが配合された解熱鎮痛薬で、ロキソニンなどと比較して効果が穏やかなので副作用を起こしにくいのが特徴です。 |
価格 | 1錠1,035円~ | 1セット8,530円~ | 1錠53円~ |
インフルエンザと風邪は現れる症状が似ているものの、医学的には全く別の病気に分類されています。
インフルエンザには季節性インフルエンザと新型インフルエンザ、この2種類が存在します。
新型インフルエンザは感染力が非常に高く、一度発生すると全国に広がってしまう恐れがあります。
場合によっては世界的な大流行になる可能性もあり、全世界で約5,000万人の死者を出したスペイン風邪も新型インフルエンザに該当します。
季節型インフルエンザは、日本で冬になると流行するインフルエンザが該当します。
新型インフルエンザほど危険度は高くありませんが、それでも普通の風邪より重症化しやすいので注意が必要です。
インフルエンザはウイルスの種類によって、A型・B型・C型の3つに分けることができるのは知っていますか?
発症した際の主な症状に大きな違いはありませんが、型によって細かな違いが存在します。
続いて、インフルエンザの型ごとの特徴を、詳しく解説していきます。
A型インフルエンザは、日本で流行するインフルエンザの大部分を占めています。
A型は人だけでなく動物にも感染するウイルスで、他の型と比較して進化しやすい特徴を持っています。
インフルエンザウイルスが進化すると元から持っている免疫では対応できませんので、結果として流行しやすいのです。
A型インフルエンザは他の型より症状が重症化しやすいので、高齢者や小児、妊婦や持病を持っている方は合併症を発症するケースもあります。
参考文献:健栄製薬「猛威をふるうインフルエンザA型とは? ウイルスや症状の特徴をチェック」
B型インフルエンザは人以外に感染することがなく、ウイルスの型も2種類しかありません。
B型はA型のような進化しにくく、免疫を持っている方も多くいらっしゃいます。そのため、A型ほど流行しにくいといわれています。
現れる症状はA型と殆ど同じですが、一度発症すると症状が長引きやすい特徴を持っています。
参考文献:健栄製薬「インフルエンザB型はA型とどう違う?これからの季節に取り入れたい対策」
C型インフルエンザに感染するのは殆ど子供で、一度感染したら免疫がつくので再感染することはないといわれています。
また、A型やB型のように流行することはありません。
症状も軽度で治まりますので、知らないうちに感染して知らないうちに治っているケースが多いです。
参考文献:インフルエンザNavi「【A型・B型・C型】インフルエンザの種類とそれぞれの症状について」
インフルエンザは感染してもすぐに症状が現れることはなく、1~3日間の潜伏期間があります。
潜伏期間中は体調に大きな変化は現れませんが、体内ではインフルエンザウイルスが爆発的な増殖を繰り返しています。
潜伏期間が終わると高熱や倦怠感など、さまざまな症状が現れてきます。
インフルエンザは主に以下の通りです。
インフルエンザ感染者の口や鼻、鼻水や唾の中には、大量のインフルエンザウイルスが存在しています。
そのため、感染者が触れたものに接触したり、咳や唾がかかったりするとインフルエンザに感染してしまいます。
日本では空気が乾燥してくる11月下旬から翌年4月辺りまでが、インフルエンザの流行時期といわれています。
1月末から3月上旬が流行のピークになりやすく、この時期はインフルエンザ感染により注意を払うことが重要です。
インフルエンザは予防可能な病気の一つです。適切な予防を実施することによって、症状の悪化を防ぐだけでなく感染リスクを大きく下げることが可能です。
インフルエンザの予防に有効な方法を詳しく紹介していきましょう。
インフルエンザの予防に最も有効なのが予防接種です。
インフルエンザの流行が始まる前にインフルエンザワクチンを接種することによって、もしインフルエンザに感染しても重症化しにくくする効果が期待できます。
「予防接種をしたからインフルエンザに感染することはない」と思っている方がいますが、予防接種は症状の重症化を抑える効果しか持っていません。
予防接種にインフルエンザの感染を防ぐような効果はありませんので、その点は勘違いしないようにしましょう。
インフルエンザウイルスは飛沫感染及び接触感染が主な感染原因なので、手洗いやうがいはインフルエンザ予防に対して高い効果が期待できます。
インフルエンザが流行している時期は、こまめな手洗いとうがいがおすすめです。
もしインフルエンザに感染してしまった場合は、感染を広げないためにもマスクの着用や咳をする際にハンカチで口を覆うなど、咳エチケットを心がけることが重要です。
また、感染予防の観点から見てもマスクの着用は有効なので、家族や接触する機会の多い方がインフルエンザに感染している場合は積極的にマスクを着用しましょう。
どれだけインフルエンザ対策をしていても、インフルエンザにかかってしまうことがあります。
もしインフルエンザにかかってしまった場合は、以下に紹介する対処法を実行するのがおすすめです。
インフルエンザかどうか判断するためには、医療機関を受診して検査を受けるか市販の検査キットを購入する必要があります。
おすすめは医療機関の受診で、もし検査結果が陽性だった場合はそのまま治療薬を処方してもらえます。
また、検査キットを使うより正確な結果が得られるので、特別な事情が無い限り病院を受診したほうが良いでしょう。
リレンザは粉末を吸入して使用する、吸入タイプのインフルエンザ治療薬です。インフルエンザウイルスが増殖している肺や気管支に直接薬剤を届けることができるため、早期の症状改善が目指せます。また、副作用が局所的な症状に治まりやすいので、安全性に優れた特徴を備えています。
インフルエンザは感染力が非常に高いので、体内にインフルエンザウイルスが存在している間は外出を控えて他人との接触を避けなければいけません。その期間を「隔離期間」と呼びます。
隔離期間は一般的に、発症前日から発症後3~7日間が目安といわれています。
隔離期間中はマスクの着用と併せて手洗いやうがいを徹底して、感染を広げないよう対策してください。
病気になったときは身体を休めるのが一番ですが、これはインフルエンザに感染した際も同じです。
また、インフルエンザは高熱を伴いやすいため、水分補給も重要です。
栄養補給も大切ですが、脂っこいものなど消化の悪い食事は体力消耗の原因となるため、消化の良い食事を選んでください。
高熱が続くと体力を消耗してしまうため、解熱薬で熱を下げるのもインフルエンザの対処法として有効です。
解熱薬には併用に注意すべき薬がありますので、解熱薬を服用する際は医師や薬剤師に相談するのが良いでしょう。
アメリカの大手製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソンが製造販売するタイレノールは、アセトアミノフェンを含有している解熱鎮痛剤で、解熱以外にも、痛みを伴う様々な症状の治療薬として使用されています。
先発薬カロナールと同じ有効成分アセトアミノフェンが配合されたカロナール・ジェネリック(サラ)は、タイのタイナコーンパトナが製造販売している解熱鎮痛薬です。
以下のいずれかに該当する方は、インフルエンザにかかったときに重症化しやすいので注意が必要です。
参考文献:塩野義製薬「インフルエンザ」
高齢者は免疫力や体力が低下しているため、インフルエンザに感染すると重症化しやすいといわれています。
持病を持っている方はさらに注意が必要なので、感染予防対策はしっかり実施しましょう。
子供がインフルエンザにかかると、中耳炎や脳炎などの合併症を発生しやすいです。
妊婦は胎児の影響で免疫力が低下していますので、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなっています。
かかった際のリスクも高く、自身だけでなく胎児の発育にも影響を与える恐れがあります。
このように子供や妊婦はインフルエンザの感染リスクが高いため、インフルエンザが流行しているときは感染経路に注意を払ってください。
感染者がいそうなところに行く際はマスクをする、帰宅時に手洗いをするなど感染対策をしっかり行いましょう。
インフルエンザは身体の抵抗力や免疫力が落ちていると、感染しやすいだけでなく重症化しやすくなります。
基礎疾患がある方や免疫力が低下している方は、インフルエンザの予防対策を積極的に実施してください。
インフルエンザ治療薬はA型インフルエンザ及びB型インフルエンザに対して、優れた治療効果を発揮します。
しかし、間違った服用方法をすると治療効果が期待できないだけでなく、副作用の発症リスクも高めてしまう恐れがあります。
注意すべき点を知ることで、安心・安全にインフルエンザの治療ができます。
インフルエンザ治療薬はインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果によって、症状の改善を図ります。
そのため、インフルエンザの感染初期に服用するのがとても大事です。
インフルエンザが体内に侵入すると増殖が始まり、48~72時間で最も多くなるといわれています。
48時間以内にインフルエンザ治療薬を服用すれば、早い段階でインフルエンザの増殖を抑えられます。
体内のインフルエンザウイルスの数が少ないほど治療薬の効果が高くなるので、インフルエンザの発症直後に服用するのが一番です。
参考文献:中外製薬「インフルエンザ情報サービス」
インフルエンザ治療薬の代表格であるタミフル及びリレンザを服用した際の、主な副作用は以下の通りです。
また、下記のような重篤な副作用も起こすことが報告されています。
リレンザは併用に注意すべき薬はとくにありませんが、タミフルには併用に注意すべき薬が以下の通りあります。
持病でワルファリンを服用している方は、かかりつけの医師に併用について必ず相談してください。
参考文献:KEGG「タミフル」
タミフル及びリレンザには、併用禁忌とされる薬はありません。
以下に該当する方は、インフルエンザ治療薬を服用する際に注意が必要です。
現在販売されているインフルエンザ治療薬は、各国の厳しい検査をクリアしたものしか販売が許可されていませんので、安全性はしっかり保証されています。
しかし、用法用量を間違えると副作用の発症リスクが高まりますので、必ず医師の指示に従って使用してください。
子供がタミフルを使用した後に、異常行動を起こして死亡したという事例が過去にいくつかありました。
実は、タミフル以外のインフルエンザ治療薬でも、使用後に異常行動を起こす事例が報告されています。
子供にインフルエンザ治療薬を使用する際は、異常行動を起こすことを念頭に入れて看病しましょう。
タミフルは世界で初めて承認された抗インフルエンザの内服薬で、A型およびB型のインフルエンザの治療および予防に効果がある治療薬です。
インフルエンザウイルスの喉、気管支、肺での増殖を抑制することで、インフルエンザの症状を軽減し、回復を促進します。
オセフルは、インフルエンザの治療を行う際の第一選択薬として多くの医療機関で処方されているタミフルのジェネリック医薬品で、A型とB型インフルエンザのいずれに対しても効果を発揮します。
最後にインフルエンザ治療薬としてよく用いられているタミフルとリレンザ、解熱鎮痛薬として病院でも処方されているカロナールの3種類について、口コミをいくつかピックアップしてご紹介します。
インフルでお馴染みのタミフルですね。というか市販で売ってるなんてビックリです!年に一度インフルをもらい高熱を出して辛い思いをしてますので、あれば嬉しい商品ですね!!最近流行りのコロナには感染してないけど、いざというときにストック用で購入するのもありですね。
職場の人たちが、インフルエンザでバタバタと休み始めて、自分がかかるのも時間の問題と、感じました。予め、常備薬として買っておいたタミフルを予防目的で飲んでいたら、私にはかからなくて、ホッとしました。