代表的な避妊方法としてコンドームの着用と並んで、ピルの服用が挙げられます。ピルには有効成分の配合量や種類によっていくつかの種類に分類され、超低用量ピルもその一つに含まれます。
超低用量ピルは「超低用量」という名前から分かる通り、有効成分の配合量がとても少ないのが特徴です。普通に考えて有効成分の配合量が少ないと効き目が弱いように思えますが、実際はどうなのか気になりますよね?
今回は超低用量ピルの種類や期待できる効果、現れやすい副作用など気になるポイントについて、それぞれピックアップして詳しく解説していきます。「超低用量ピルについて、服用する前にどんな薬なのか知っておきたい」という方はぜひご覧ください。
世界各国と比較して日本はピルの普及率がとても低く、ピルに関する理解度もそれほど高くないのが現状です。ピルの中でも超低用量ピルはどちらかというとマイナーな商品に位置しているため、どのような薬なのか知らない方も多いのではないでしょうか?
まずは超低用量ピルに関する、よくある質問と回答を用意しました。こちらをチェックして、超低用量ピルがどのような薬なのか知っておきましょう。
ピルは主に卵胞ホルモンと黄体ホルモン、2つの有効成分で構成された治療薬を指します。卵胞ホルモンの配合量が0.03mgより少ない治療薬を、超低用量ピルと呼びます。
超低用量ピルは正しく服用することで、高い避妊効果を発揮します。しかし、国内では超低用量ピルは避妊薬として使うことが承認されていないため、病院で超低用量ピルが避妊薬として処方されることはありません。
超低用量ピルは配合されている黄体ホルモンの違いによって、以下のような世代に分けられます。
世代 | 配合されている主な黄体ホルモン |
---|---|
第1世代 | ノルエチステロン |
第2世代 | レボノルゲストレル |
第3世代 | デソゲストレル |
第4世代 | ドロスピレノン |
現在流通している主な超低用量ピルには、第4世代であるドロスピレノンがよく配合されています。第4世代は最も新しい世代であり、副作用や肌トラブルの発症リスクが少ないのが特徴です。
参考文献:日本プライマリ・ケア連合学会「明日から実践できるOC/LEP処方」(PDF)
超低用量ピルは低用量ピルや中用量ピルなどと比較して、副作用を起こしにくいといわれています。しかし、副作用が全く起きないというわけではなく、以下のような副作用を起こす可能性があります。
血栓症は稀な副作用で、発症する可能性はとても低いです。
しかし、発症した際は命の危険を伴う恐れがあるため、手足のしびれや痛み、喋りにくいなど血栓症の症状が現れた際はすぐに医師の診察を受けてください。
参考文献:くすりのしおり「ヤーズ配合錠」
超低用量ピルを飲み始めるタイミングは、他のピルと同じように生理初日または生理開始から5日以内の服用が推奨されています。それ以外のタイミングで飲み始めてしまうと、避妊効果が弱まってしまいます。
推奨タイミング以外で服用を開始した場合は、最低1週間は他の避妊対策を実施してください。また、服用する際は毎日同じ時間に服用するのがとても重要です。
超低用量ピルは種類が豊富で、どれを選べばいいのか一般の方だと判断がしにくいのが難点です。
今回はおススメの超低用量ピルを5種類厳選し、それぞれの比較表を以下に用意しました。
商品名 | ヤーズ | ヤスミン | ヤミニLS | マーシロン | クリザンタ |
---|---|---|---|---|---|
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区分 | 先発医薬品 | 先発医薬品 | ジェネリック | 先発医薬品 | ジェネリック |
商品の特徴 | ・医療用医薬品として使われてきた実績あり ・休薬期間が短い(4日間) |
・偽薬なしで使いやすい ・大手製薬会社の製造だから安心 |
・ヤーズのジェネリック医薬品 ・経済負担が軽減可能 |
・第3世代の黄体ホルモンを配合 ・偽薬付きも購入可能 |
・ヤスミンのジェネリック医薬品 ・圧倒的な価格の安さ |
1箱あたり価格 | 1箱 2,426円~ | 1箱 2,331円~ | 1箱 1,926円~ | 1箱(21錠入り)1,726円~ | 1箱 1,503円~ |
有効成分 | ドロスピレノン、エチニルエストラジオール | ドロスピレノン、エチニルエストラジオール | ドロスピレノン、エチニルエストラジオール | デソゲストレル、エチニルエストラジオール | ドロスピレノン、エチニルエストラジオール |
効果 | 月経困難症の改善、避妊など | 避妊、生理痛緩和など | 月経困難症の改善、避妊など | 避妊、生理痛緩和など | 避妊、月経困難症の改善 |
製薬会社 | バイエル | バイエル | ルピン | MSD | シプラ |
ヤーズは日本の医療機関で月経困難症の治療薬として、長年処方されてきた実績を持っています。「病院で処方されているものと同じものが欲しい」という方におススメの超低用量ピルです。
ピルは3週間服用した後、休薬期間が7日間必要です。しかし、ヤーズは4日間と短いので、休薬によるホルモンバランスの変化を抑えることが可能です。
ヤスミンは大手製薬会社バイエルが第4世代避妊薬として特許を取得した経緯を持つ、世界各地で使われている超低用量ピルです。
血栓症の発症リスクが第1世代~第3世代と比較して低いため、血栓症が気になる方におススメです。
避妊だけでなく生理不順や生理痛など、ホルモンバランスの変化を原因とする諸症状の緩和にも服用することが可能です。副作用に関しても低用量ピルや中用量ピルより少なく、安全性に優れた特徴を有しています。
ヤミニLSはヤーズのジェネリック医薬品として開発された、低価格が魅力の超低用量ピルです。
一般的な超低用量ピルには、卵胞ホルモンが1錠当たり0.03mg配合されています。ヤミニLSは1錠当たり0.02mgと少ないため、体への負担が抑えられ副作用の発症リスクも低いのが特徴です。
マーシロンは第3世代の黄体ホルモンであるデソゲストレルが配合された、偽薬付きも購入可能な超低用量ピルです。
偽薬付きと偽薬なし、どちらも避妊効果やその他の効果に関して違いはありません。
多くのピルが21日間の服用と7日間の休薬を繰り返すことによって、1か月通して避妊効果を発揮します。薬を飲む習慣をつけたい方や飲み忘れを防ぎたい方は、通常商品ではなく偽薬付きを購入するのがおススメです。
クリザンタはヤスミンのジェネリック医薬品として開発された、1箱当たり2,000円以下で購入できるコストパフォーマンス抜群な超低用量ピルです。
有する効果はヤスミンと同等ですが、価格面ではクリザンタの方が圧倒的に優れた特徴を持っています。「避妊に掛かる費用を少しでも節約したい」という方に、ぜひおススメしたい超低用量ピルがクリザンタです。
超低用量ピルは優れた避妊効果、そしてホルモンバランスの調整作用を持つ治療薬です。いったいどんな成分が配合されていて、その成分がどのような働きをしているのか気になる方も多いのではないでしょうか?
続いて、超低用量ピルに配合されている成分と、その成分が持つ働きについて詳しく解説していきましょう。
超低用量ピルに配合されているドロスピレノンは、第4世代の黄体ホルモンとして開発された有効成分です。月経困難症や子宮内膜症の改善に対して、優れた効果を発揮します。
また、抗アンドロゲン作用によって体重や体毛の増加、ニキビや肌荒れなどの副作用を起こしにくい特徴を有しています。
参考文献:PMDA「ヤーズフレックス配合錠に関する資料」(PDF)
エチニルエストラジオールは体内で生成されているエストラジオールと似た構造を持つ、卵胞ホルモンの一種です。エチニルエストラジオールは排卵の抑制作用や子宮内膜を安定させる作用、経血量を減少させる作用など、数多くの作用を持っています。
エチニルエストラジオールには血栓症の発症リスクを高める作用もあるため、使用する際は注意が必要です。
参考文献:KEGG「医療用医薬品:ドロエチ」
ピルにはさまざまな種類が存在しますが、主に使われているのは低用量ピルと超低用量ピルの2つです。一見すると、名前に「超」が付いているかどうかの違いしかないように見えますが、実は特徴や効果が微妙に異なっています。
2つの違いがまだ分からない方は、以下の解説をチェックしてそれぞれの特徴を知っておきましょう。
低用量ピルは1錠当たりに含まれる卵胞ホルモンの量が0.03~0.05mgの間に該当するピルです。主な効果は避妊ですが、生理不順や生理痛の軽減、PMSの改善などの効果も有しています。
適切に服用した際の避妊効果は約99%と非常に高く、「絶対に妊娠したくない」という方から高い評価を得ている治療薬です。
超低用量ピルは1錠当たりに含まれる卵胞ホルモンの量が0.03mg以下のピルです。黄体ホルモンはドロスピレノンが主に配合されています。
有する主な効果は低用量ピルと同じですが、日本では避妊薬として承認されていません。しかし、海外では低用量ピルと同様に、避妊薬として使われている実績を持っています。卵胞ホルモンの含有量がとても少ないため、副作用の発症リスクは低用量ピルより低いです。
ピルは避妊薬として有名ですが、服用すると女性ホルモンの分泌に影響を与えるため、体への負担や副作用などの安全性が気になるところです。
超低用量ピルは卵胞ホルモンの含有量が少なく、安全性は低用量ピルなど他のピルより高いといえます。しかし、副作用の発症リスクがゼロというわけではありません。超低用量ピルの服用中は、他のピルと同様に体調の変化に注意を払う必要があります。
超低用量ピルを服用した際の主な副作用は以下の通りです。
いずれの症状も服用の初期段階で一時的に現れるものが殆どです。軽度の症状で治まりやすいので、あまり気にする必要はありません。
上記とは別に、血栓症が稀な副作用として挙げられます。血栓症は重篤な症状を招く恐れがあるため、発症した際はすぐに医師の診察を受けてください。
超低用量ピルを服用する際は、以下のポイントに注意を払ってください。
超低用量ピルは毎日飲み続けることが何より重要です。万が一飲み忘れをした場合は、飲み忘れをしたタイミングによって、対処法が以下のように異なります。
飲み忘れの日数 | 対処法 |
---|---|
1日飲み忘れた場合 | ・思い出したタイミングで飲み忘れ分を服用し、当日から通常通り服用を再開する |
2日飲み忘れた場合 | ・思い出したタイミングで2錠服用し、翌日から通常通り服用を再開する ・避妊効果が落ちるため、服用再開から7日間はコンドーム着用など他の避妊対策を実施する |
3日以上飲み忘れた場合 | ・一旦服用を中止して、次回の生理開始日から1週目の服用を開始してください。 ・避妊効果が落ちるため、次の服用を開始するまでコンドームの着用など他の避妊対策を実施する |
医薬品の中には使い方を間違えると命の危険を伴うものもあるため、種類によって購入できる場所が限られています。超低用量ピルも服用方法について注意が必要な医薬品の一つで、病院を受診して処方箋を出してもらうのが主な購入方法です。
続いて「超低用量ピルをもらうために病院へ行くのは面倒」という方に向けて、処方箋を出してもらう以外の購入方法があるのかどうかについて解説していきます。
頭痛薬や胃腸薬など市販で購入できる医薬品は、市販での販売が許可されている要指導医薬品や一般用医薬品に分類されます。要指導医薬品や一般用医薬品は購入者の自己判断で使用でき、安全性が確保されている薬が該当します。
超低用量ピルは市販での販売が許可されていない、医療用医薬品に分類されます。国内で購入するには処方箋が必ず必要となる薬なので、ドラッグストアや薬局など市販での購入は不可能です。
参考文献:中外製薬「医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品」
Amazonや楽天など、大手の通販サイトでは超低用量ピルの購入は不可能です。通販で超低用量ピルが購入できるのは、海外の医薬品通販サイト若しくは国内の個人輸入代行サイトです。
個人輸入代行サイトの一つであるお薬通販部は、正規ルートで超低用量ピルが購入できます。安全性や購入のしやすさに優れていますので、通販で超低用量ピルを購入したい方はお薬通販部の利用がおススメです。
最後に超低用量ピルの各商品について、実際に使用した方の口コミをご紹介します。口コミは良い評価だけでなく悪い評価も含まれるので、商品説明では見えない部分を知るのに口コミのチェックは非常に有効です。
気になる超低用量ピルがあった方は、ぜひ口コミも確認して購入の判断材料にしてみましょう。