超低用量ピルとは、経口避妊薬(ピル)の中で含有するホルモン量が極めて低用量な薬剤を指します。 LOC(Low-dose Oral Contraceptives)と略されることもあります。
ピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の配合剤であるのがほとんどなのですが、含有する卵胞ホルモンの量により、高用量ピル・中用量ピル・低用量ピル・超低用量ピルに分類されます。
含有するホルモン量は、高用量ピルは50μg以上、中用量ピルは35μg以上、低用量ピルは30~35μg以上とされており、超低用量ピルは含有する卵胞ホルモン量がさらに少なく設定された25μg未満のピルを指します。
超低用量ピルは含有するホルモン量を極めて少なくすることで、副作用の軽減が期待される薬剤です。
超低用量ピルは、卵胞ホルモン作用をもつ人工合成物質であるエストロゲンと、黄体ホルモン作用をもつ人工合成物質であるプロゲスチンを含み、直接的に女性の体内のホルモンバランスに作用します。
現在市場にあるほとんどの超低用量ピルは、卵胞ホルモンとしてエチニルエストラジオールを含有しています。
一方、プロゲスチンの種類は薬剤により異なり、代表的なものにはレボノルゲストレル、デソゲストレル、ゲストデン、ドロスピレノンなどがあげられます。
超低用量ピルに含まれる卵胞ホルモンであるエチニルエストラジオールの量は25μg未満であり、卵胞ホルモン由来の副作用の軽減が期待できます。
現在販売され市場に出回っている超低用量ピルのほとんどは、卵胞ホルモン成分としてエチニルエストラジオールを含有しています。
卵胞ホルモン(エストロゲン)は女性らしさを保つ女性ホルモンの1種であり、エチニルエストラジオールの他、エストロン、エストリオールがあります。
その中でもエチニルエストラジオールは作用が最も強く、性成熟期に卵巣より一番多く分泌されます。エストロゲンには子宮内膜を増殖する作用があり、受精卵が着床しやすい環境を整えることで、妊娠を促します。
そのためエチニルエストラジオールを内服すると、脳がエストロゲンの体内含有量は十分であると認識することで、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)の量を減らし、結果として卵胞ホルモンの分泌量が減少します。
そのため子宮内膜の増殖が抑えられ、また卵胞の発育がストップすることで排卵が抑制され、避妊効果が示されるのです。
エチニルエストラジオールは1993年にフィンランドにて初めて経口避妊薬の一成分となり、2009年には欧州で、2010年には米国にてピルの一成分として販売されました。 それ以降世界的にピルの一成分として普及するようになりました。
現在販売されている超低用量ピルは、含有される黄体ホルモン(プロゲステロン)作用をもつプロゲスチンの種類が薬剤により異なります。
プロゲステロンは排卵後に大量に分泌されるホルモンであり、エストロゲンにより肥厚した子宮内膜をさらに妊娠に適した環境に変化させることで、受精卵が着床しやすいようにします。
超低用量ピルを内服すると、脳が体内のプロゲステロン量が十分であると認識し、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)の量が少なくなることで、プロゲステロンの分泌量が減少します。
子宮内膜が妊娠に適した環境とならないことで避妊効果を示します。
プロゲスチンの代表的なものにはレボノルゲストレル、デソゲストレル、ゲストデン、ドロスピレノンなどがあげられます。
月経前症候群(PMS)と呼ばれる月経前に発症する精神的および身体的症状の主な原因はプロゲステロンといわれています。 プロゲステロンは、だるい、腹痛、身体が熱いなどの不快な症状を引き起こしたり、精神的に不安定にさせたりする作用も有しており、それらの影響で月経中イライラする人もいます。
プロゲスチンを内服すると、プロゲステロンの分泌量が減少するため、PMSの症状の軽減が期待されます。 この作用から、超低用量ピルは避妊のみならず、PMSや月経時困難症などにも使用されています。
超低用量ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という卵巣から分泌される女性ホルモンの配合剤であり、女性の体内ホルモンに直接働きかけます。
超低用量ピルを内服すると、上記2つの女性ホルモンが体内に入ることで、脳が女性の体内ホルモンの量は十分であると認識し、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少します。
体内のホルモンバランスが変化することで、排卵が抑制され、子宮内膜の変化(月経にむけて厚くなる)が起きないことにより、受精卵が着床しにくくなります。
また子宮の入り口部分に位置する子宮頸部の粘液成分を変化させることで、子宮内に精子が入りにくくなり、トータルで避妊効果を有します。
超低用量ピルを服用すると、体内の女性ホルモンの量を管理している脳は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の体内量は十分であると認識します。
女性ホルモンの管理は脳の中でも間脳の視床下部が担っており、脳下垂体から分泌されるホルモン放出刺激ホルモンの量を変動させることで、体内の女性ホルモン量を適切に保っています。
女性ホルモンの体内量は十分であると認識した脳は、脳下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌量を減少させます。
FSHはエストロゲンの分泌に、LHはプロゲステロンの分泌に関与しているため、エストロゲンとプロゲステロンに影響される排卵に変化が訪れます。
FSHの刺激により成熟するはずの卵胞が成熟せず、排卵が抑制されます。
服用タイミングによっては卵胞がすでに成熟していることも考えられます。 その場合は、成熟した卵胞から分泌されるエストロゲンを脳が認識することで、分泌量が増え排卵を促すはずのFSHとLHの分泌量が増えないため、排卵が抑制されます。
超低用量ピルを服用すると、卵巣の発育自体がストップすることとなり、排卵が抑制されて避妊に効果を示します。
超低用量ピルを服用すると、体内のエストロゲンおよびプロゲステロンのどちらの分泌量も減少します。 子宮内膜が増殖したり肥厚したりすることがなくなり、薄い状態のまま維持されることとなり、受精卵が着床しにくい環境となることで、避妊効果を示します。
超低用量ピルを服用することで、体内の女性ホルモンの量を管理している脳は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の量は体内に十分あると認識するのです。
脳の中でも視床下部が体内の女性ホルモンの血中濃度を管理しており、血中濃度の増減によって脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の量を調整しています。
エストロゲンは、FSHにより成熟した卵胞から分泌され、子宮内膜を肥厚し、受精卵が着床しやすい状態にする作用があります。 またLHは成熟した卵胞から分泌されるエストロゲンの量が頂点に達すると分泌量が増え始め、プロゲステロンの分泌を促します。
プロゲステロンには、エストロゲンにより肥厚した子宮内膜をさらに厚くし、子宮内膜を湿潤な状態にし、受精卵がより着床しやすい環境に変化させる作用を有します。
妊娠するためには、精子が子宮の中に入り、卵子にたどり着く必要があります。 本来であれば、子宮の入口部分である子宮頸部から分泌される頸管粘液が、精子の子宮内への通過を手助けしています。
この頸管粘液はエストロゲンとプロゲステロンのバランスにより性状が変化する特性があり、超低用量ピルを服用することで性状に変化が起こります。
エストロゲンが優位な場合は、頸管粘液は、粘り気が少ない伸びやすい無色透明の液であり、分泌量も多くなります。そのため精子の子宮への侵入が容易となります。
プロゲステロン優位の場合は、頸管粘液は粘り気があり伸びにくい不透明な液となり、分泌量も少なくなります。当然精子の子宮への侵入はエストロゲン優位の場合に比べ難しくなります。
超低用量ピルを服用すると、エストロゲンおよびプロゲステロンのホルモンバランスが変化し、エストロゲン分泌量低下の影響により、頸管粘液が通常より精子の子宮内への侵入を容易なものとしないことにより、避妊効果を示します。
体内の女性ホルモン量を管理している脳は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の体内量は十分であると認識し、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少します。
超低用量ピルは、含有するホルモン成分により複数の種類が存在します。
現在販売されている超低用量ピルの卵胞ホルモン成分は、ほとんどがエチニルエストラジオールです。 一方、黄体ホルモン成分は薬剤の種類によりさまざまであり、黄体ホルモン成分の違いにより薬剤それぞれに特徴があります。
代表的な薬剤としては、黄体ホルモン成分であるプロゲスチンとして
があげられます。
ヤーズは日本において承認され販売されていますが、メリアン、マーシロン、ロエッテは日本では未承認であり、入手する際は個人輸入する必要があります。
日本で初めて子宮内膜症に関する適応を取得したピルとなります。
ヤーズはバイエルが製造販売する超低用量ピルであり、有効成分として卵胞ホルモン成分であるエチニルエストラジオールと、黄体ホルモン成分であるドロスピレノンを含みます。
ヤーズ配合錠とヤーズフレックス配合錠の2種類が販売されています。 両剤とも1錠あたりに含まれるホルモン量は同じですが、適応と用法が異なります。
ヤーズ配合錠の適応は月経困難症のみですが、ヤーズフレックス配合錠の適応は子宮内膜症に伴う疼痛の改善および月経困難症です。
ヤーズ配合錠は28日間を服用周期とし、最初の24日間は連続して実薬を服用し、残りの4日間は成分を含まないプラセボを服用します。
一方、ヤーズフレックス配合錠は24日目までは出血の有無にかかわらず連続投与し、25日目以降に3日間連続で出血が認められた場合、または連続投与が120日に達した場合は、4日間休薬します。
ヤーズフレックス配合錠は最大124日間を1服用周期とできる薬剤であり、服薬中は月経を抑えることが可能です。つまり月経を年に数回に留めることも可能であり、月経のタイミングを自分自身でコントロールできる超低用量ピルとなります。
日本では避妊の適用はありませんが、海外では適応があり、避妊薬として使用されています。
メリアンはバイエルが販売する超低用量ピルであり、有効成分として卵胞ホルモン成分であるエチニルエストラジオールと、黄体ホルモン成分であるゲストデンを含有します。
一相性のピルであり、実薬に含まれるホルモン含有量は一定であり、1錠あたりエチニルエストラジオールを0.02mg、ゲストデンを0.075mg含有します。
ゲストデンとは第三世代のプロゲスチンであり、男性ホルモンであるアンドロゲン作用が抑えられており、体重増加やニキビの副作用が軽減されています。
また悪玉コレステロールを上げることなく善玉コレステロールを上昇させる作用も有しており、副作用として懸念される脂質代謝への影響が軽減されています。
21錠タイプと28錠タイプが用意されており、21錠タイプとは服用周期28日の内、最初の21日間は連続して実薬を服用し、残り7日間は休薬するタイプであり、28錠タイプとは残りの7日間は有効成分を含有しない偽薬(プラセボ)を服用するタイプです。お好みに応じてご選択ください。
初心者の方は、服薬習慣をつける意味で28錠タイプの服薬がおすすめです。
残念ながら日本で未承認の薬剤となりますので、服用を希望される際は海外から個人輸入してご利用ください。
マーシロンはメルク社が開発し、オルガノン社などの提携会社が販売している超低用量ピルであり、有効成分として卵胞ホルモン成分であるエチニルエストラジオールと、黄体ホルモン成分であるデソゲストレルを含有します。
一相性のピルであり、実薬に含まれるホルモン含有量は一定であり、1錠あたりエチニルエストラジオールを0.02mg、デソゲストレルを0.15mg含有します。
日本では承認されていませんが、同じ成分であり、1錠あたりに含まれるエチニルエストラジオール/デソゲストレル量が0.03mg/0.15mgのマーベロンという低用量ピルは日本で承認を受け、MSD社より販売されています。
マーベロンよりエチニルエストラジオール含有量を減らしていることにより、卵胞ホルモン由来の副作用である頭痛や吐き気、乳房の張りといった副作用が軽減されている薬剤です。
21錠タイプと28錠タイプの2種類が販売されており、21錠タイプとは服用周期28日間の内、最初の21日間は毎日実薬を服用し、最後の7日間は休薬するタイプであり、28錠タイプとは最後の7日間は有効成分を含有しないプラセボ(偽薬)を服用するタイプです。
日本未承認の薬剤ですので、使用に際しては海外より個人輸入する必要があります。
ロエッテはファイザーから販売されている超低用量ピルであり、有効成分として卵胞ホルモン成分であるエチニルエストラジオールと、黄体ホルモン成分であるレボノルゲストレルを含有します。
一相性のピルであり、実薬に含まれるホルモン含有量は一定であり、1錠あたりエチニルエストラジオールを0.02mg、レボノルゲストレルを0.10mg含有します。
レボノルゲストレルは第二世代のプロゲスチンであり、男性ホルモンであるアンドロゲン活性も併せ持っており、プロゲステロンレセプターへの親和性は第三世代のプロゲスチンに比べて落ちますが、国によっては避妊の適応の他、中等度の尋常性ざ瘡の治療に用いられているケースもあります。
また避妊に失敗した際、性行為後に服用することで避妊効果を示す緊急避妊薬として使用されるケースもあります。
21錠タイプと28錠タイプの2種類が用意されており、21錠タイプとは28日間の服用周期の内、初めの連続21日間は毎日実薬を服用し、残り7日間は休薬するタイプであり、28錠タイプとは残り7日間は有効成分を含まないプラセボ(偽薬)を服用するタイプです。
残念ながら日本では承認されていないので、入手を希望される場合は海外より個人輸入してください。
超低用量ピルを服用すると避妊効果のみならず、月経周期の安定、月経痛の軽減、ニキビ発症の軽減、子宮体がんや卵巣がんなどの子宮疾患の予防が期待できます。
これは超低用量ピルが女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を有効成分として含有しており、体内のホルモンバランスに直接作用し、バランスを整えることが期待できるからです。
実際に「避妊」以外にも、月経困難症や子宮内膜症に伴う疼痛の改善に適用を有する超低用量ピルもあります。日本国内では超低用量ピルに避妊の適応はありませんが、海外では避妊薬として広く使用されています。
超低用量ピルを服用すると月経月経周期を安定させ、また旅行などの予定に合わせ月経周期を調整することが可能です。
超低用量ピルは、一般的に28日間の服用周期であり、最初の21日間に毎日実薬を服用し、最後の7日間は休薬もしくは実薬の成分を含まない偽薬(プラセボ)を服用します。
ただしヤーズなど服用周期がこの限りではない薬剤も存在することはご承知おきください。
この休薬期間もしくはプラセボ服用期間に月経が起きます。実薬の服用完了後2~3日程度で月経が開始するのが一般的です。
そのため、月経周期が不安定な方や、正常な月経周期(25日~38日)から大きく逸脱している方、月経周期の変動が激しい方は、超低用量ピルを服用すると月経周期を28日間に整えることが可能です。
また一相性という、実薬に含まれるエストロゲンとプロゲステロンの配合量が不変である超低用量ピルでは、旅行などに合わせて簡単に月経期間をずらすことが可能です。
実薬服用期間である21日間が完了しても、休薬しない、もしくはプラセボを服用することなく、新しいPTPシートから実薬を取り出し、旅行の最後の日まで服用すればいいのです。
そうすることで旅行中に月経になることはなく、旅先から戻り実薬完了させた数日後、先延ばししていた月経が始まるはずです。
超低用量ピルを服用すると月経痛の軽減が期待できます。
月経痛は子宮内膜から産生される物質であるプロスタグランジンが誘引します。 月経痛は個人差が大きいですが、月経痛がひどい方の経血や子宮内膜に含有されるプロスタグランジンの量は、月経痛が軽い人の量に比べて多いことがわかっています。
プロスタグランジンの構造はホルモンとよく似ており、子宮の収縮作用、子宮に流入する血液量の減少作用、子宮内が神経痛により過敏に反応するようにする作用があることが知られています。 その他、疼痛が発生するプロセスへの関与も示唆されています。
月経は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンによって、子宮内膜が肥厚し、妊娠に適した環境になったものの、受精卵が着床せず、肥厚した子宮内膜が子宮から剥がれ落ちることで起こる現象です。
超低用量ピルを服用すると、エストロゲンとプロゲステロンのホルモンバランスに直接的に作用することでどちらの ホルモン分泌量も減少し、子宮内膜の肥厚が抑制されます。
子宮内膜より分泌されるプロスタグランジンの量も減りますので、結果として、月経痛の軽減が期待できます。
超低用量ピルを服用することで、 月経前に頻発するニキビの発症を軽減できます。
月経前のニキビの発症には、女性ホルモンの1つである黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量の増加が関連しています。
プロゲステロンには男性ホルモン作用であるアンドロゲン作用を持つものがあり、皮脂腺を刺激し皮脂の分泌を促進する作用があるためです。
排卵後から次の月経までに分泌量が増えるため、この時期にあごや口の周囲にニキビができやすくなります。
このニキビは思春期に頻発する、皮脂の過剰分泌が原因の思春期ニキビとは根本的に異なります。通称「大人ニキビ」と呼ばれており、ホルモンバランスの乱れが主な原因により発症するのです。
超低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンが含有されていますので、服用することでプロゲステロンの分泌量が減少します。 体内のホルモンバランスが整い、月経前のニキビの発症を抑制することが可能です。
ホルモンバランスの乱れは、肌の乾燥やストレス、食生活の乱れ、睡眠不足などで起こりますので、これらに気を付けホルモンバランスが乱れないようにしましょう。
超低用量ピルを服用すると、女性特有である 子宮に関連した疾患などの発症の予防が期待できます。
現代の女性は、子宮を酷使しています。
昔の女性は初婚年齢も若く、また初産年齢も若く、生涯に複数人の子供を設けることが一般的であったため、月経が起こらない時期が長期間ありました。 けれど現代女性は晩婚化・未婚化が進み、初産の年齢は高齢化の一途をたどっています。
また少子化により女性一人が生涯に産む子供の数は減少しています。加えて、体型の欧米化により、初経年齢は若くなり、閉経年齢は延長しているのが現状です。 女性ホルモンにさらされている期間が長く、その影響により、子宮関連の疾患の罹患率も上昇しています。
超低用量ピルを服用すると、子宮体がんや卵巣がんの発症率が減少することがわかっています。
作用機序は諸説ありますが、子宮内膜の異常増殖が原因で発症し、エストロゲンの体内量が多い人の発症率が高い傾向があることがわかっている子宮体がんは、超低用量ピルを服用することで、エストロゲンの分泌量が減り、子宮内膜の増殖を抑えられることで発症率が低減していると考えられています。
卵巣がんは、超低用量ピルの排卵抑制作用にて、 排卵により起こる卵巣上皮の損傷が少なくなることが、卵巣がんの発症率を低減していると考えられています。
超低用量ピルは、日本国内においては、処方せん医薬品という、医師からの処方せんを必要とする医薬品に指定されています。
処方せん医薬品はその効果が高く、医薬品の適正使用には医師が関わる必要があると判断された医薬品で、医師の診察を受ける必要があります。
診察の上、超低用量ピルの使用が妥当と医師が判断すれば、処方せんが発行されます。処方せんを調剤薬局に提出することにより、超低用量ピルを受け取ることとなります。
そのためドラッグストアでは取り扱っていませんし、一般的な通販サイトであるAmazonや楽天でも取り扱っていません。
通販で購入したい場合は、個人で使用かつ限られた数量の条件付きではありますが、海外医薬品を個人輸入することが可能です。
日本国内で承認されている超低用量ピルを入手したい場合は、病院または専門クリニックを訪れてください。
大きな病院を訪問する際は、婦人科や産婦人科を訪ねるとよいでしょう。また専門クリニックを訪問する際も、同様に婦人科や産婦人科を掲げているクリニックをご選択ください。
医師が診察の上、超低用量ピルの使用が妥当と判断すれば、超低用量ピルの処方せんが発行されます。 その処方せんを調剤薬局に提出すると、薬剤師が処方せんに基づき調剤します。
その後、薬剤師から薬の注意事項など聞くことで初めて超低用量ピルを手にすることとなります。
婦人科にておこなわれる内診に抵抗あり、受診を躊躇する方もいるかと思いますが、超低用量ピルの処方において内診は必須とはされておりません。問診や血圧などから診断をおこなうケースもあります。
この対応は病院やクリニックにより異なりますので、診断方法が気になる方は、訪問前にホームページや電話などで問い合わせされることをおすすめいたします。
超低用量ピルは処方せん医薬品という、医師の診断を必須とし、調剤は医師が発行する処方せんに基づき調剤薬剤師がおこなうことが規定されている医薬品に指定されており、別名、医療用医薬品ともいいます。
処方せん医薬品はその効果が高い医薬品が指定され、その性質上、副作用にも気を配る必要があり、一般消費者が適正に使用するためには、医師の判断および薬剤師の関与が必須だとされている医薬品であり、厚生労働省が指定しております。そのため、一般薬局やドラッグストアでは取り扱われていません。
一般薬局やドラッグストアで取り扱われる医薬品は一般用医薬品といわれており、薬剤師の説明が必須な第一類医薬品から、安全性上注意が必要な第二類医薬品、安全性上は多少の注意のみが必要な第三類医薬品が含まれます。
また処方せん医薬品は長期間の使用実績から日本人における安全性が確立されますと、スイッチOTC医薬品といって、一般薬局やドラッグストアで取り扱いが可能となります。
最初は要指導医薬品という、購入にあたって必ず管理薬剤師の説明を受ける必要がある医薬品に指定されるのが一般的です。
このように医薬品の販売方法は、使用実績や安全性の確立とともに移り変わっていくものなのです。
超低用量ピルを通販にて入手したいとお考えの方は、日本国内にて承認が得られた超低用量ピルではなく、海外市場で承認を得て販売されている超低用量ピルを個人輸入してください。
日本国内では、超低用量ピルは処方せん医薬品に指定されており、医師の診断を受ける必要があり、診断に基づき発行される処方せんにて調剤薬局から入手することが可能です。
このルートが唯一であるため、日本国内で人気な通販サイトであるAmazonや楽天などでは、超低用量ピルは取り扱っていません。
一方、海外で承認され、市場にて販売されている医薬品は、個人で使用する目的であるのならば、限られた数量ではありますが、厚生労働省に事前に通知することなく、海外から輸入可能であると薬機法にて規定されています。
個人輸入する場合は、個人輸入代行業者の利用がおすすめです。 利用方法は通常のショッピングで使用する通販サイトとほぼ同様であり、個人輸入代行業者のウェブサイトにアクセスの上、取り扱っている医薬品リストの中から入手したい医薬品を選択するのみです。
個人輸入代行業者は数多く存在しますが、厚生労働省から販売に際して許可を取得している日本の個人輸入代行業者が、海外市場で承認されている医薬品のみを取り扱う、実績が豊富な海外の個人輸入代行業者を選択するといいでしょう。
超低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロン様成分を含有し、 正しく飲めばほぼ100%に近い状態で避妊することが可能な経口避妊薬です。
直接、体内のホルモンバランスに作用し、バランスを整えることで、月経周期をコントロールすることが可能です。
含有するエストロゲンを非常に少なくしておりますので、エストロゲン由来の頭痛・吐き気、乳房の張りといった副作用が低減されています。 ただし全く副作用がないわけではないことはご留意ください。
その他、月経痛の軽減や月経前のニキビの軽減、子宮体がんや卵巣がんなどの女性特有の子宮系疾患の発症率の低減も期待できる薬剤です。
医薬品情報サイト
WebMD
病気や症状についての情報や日常生活における習慣など、健康に関するニュースが載っているサイトです。
医薬品の有効成分だけではなく、健康食品の検索も可能です。
また、BMI電卓やフィットネスカロリー・フードカロリーカウンター、排卵計算機などのツールも充実しています。
製薬会社サイト
バイエル薬品株式会社
1973年設立の大阪府に本社を置く日本の製薬会社メーカー。将来の医療ニーズを的確に把握して、グローバル規模でおこなわれる開発計画に早期参画し、革新的な製品の世界同時申請・承認を実現するための革新的な治療薬や診断薬を開発しています。
法人サイト
日本産科婦人科学会
日本婦人科学会と産科婦人科医学会とが1949年に統合して発足したの医学系学会です。
女性と子供のために産科学、婦人科学の発展や産婦人科医の育成に努め、医療の発展に大きく貢献している。
女性医療・保険委員会
女性が生涯を通して、健康な生活を営むことができるように支援するため、第一線の医療に携わっている。
プライマリ・ケア医と産婦人科医が協力して情報を発信する、医療のための学会情報提供サイト。
福岡県薬剤師会
1889年結成、薬剤師並びに薬事に関係ある者で構成されていて、会員は、いろいろな職種に携わる薬剤師が参加しており、日本薬剤師会と協力し、薬学および薬業の進歩発展、薬剤師の職能の向上に貢献している。