ソクナイト(ルネスタジェネリック)の副作用とは?発現頻度も解説
ソクナイト(ルネスタのジェネリック医薬品)における、副作用と発現頻度について解説します。重大な副作用から比較的まれなものまで、臨床試験データに基づく情報を紹介。副作用リスクを抑えるためのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
お薬通販部スタッフ[監修]

ソクナイトは、不眠症の治療に使用される睡眠薬のひとつで、ルネスタのジェネリック医薬品として知られています。
入眠のしやすさや持続的な効果が期待できる一方、副作用へのリスクもあります。
この記事では、ソクナイトの服用によって起こりうる副作用について、重篤な症状から比較的まれなものまで詳しく解説します。
また、臨床試験で確認された発現頻度の情報や、副作用をできるだけ抑えるための注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
ソクナイトの服用による重大な副作用

ソクナイトは、不眠症の治療に広く使用されているお薬ですが、以下の重大な副作用も報告されているため、注意しなければなりません。
これらの症状は発現頻度が低いものの、重篤化するリスクもあるので、服用中に異常を感じた場合は、すみやかに医療機関を受診することが重要です。
アナフィラキシー
ソクナイトの服用により、アナフィラキシーが生じることがあります。
皮膚のかゆみや発疹、顔や喉の腫れ、息苦しさ、血圧の低下、意識混濁などが急激に起こるのが特徴です。
症状は突然現れることが多く、発症後は迅速な対応が求められる救急疾患のひとつです。
過去にお薬によるアレルギーの経験がある人は、事前に医師に伝えてください。
依存性(薬物依存)
ソクナイトは長期間の連用によって依存性を生じる可能性があります。
依存には、身体的なものと精神的なものの両方が含まれ、服用をやめた際に不眠や不安、落ち着きのなさ、けいれんなどの離脱症状があらわれることがあります。
特に自己判断での長期服用や、推奨用量を超えた服用は依存リスクを高めるため、期間や用量について医師の指示を守ることが大切です。
呼吸抑制
ソクナイトは中枢神経に作用するお薬のため、まれに呼吸機能を抑制する副作用があらわれることもあります。
特に、呼吸器系の持病がある人や、アルコールを併用している場合には注意が必要です。
症状としては、呼吸が浅くなる、回数が減る、息苦しさを感じるなどの症状が見られ、重症化すると意識障害や呼吸停止に至るリスクもあります。
肝機能障害
ソクナイトの服用により、AST(GOT)やALT(GPT)などの肝酵素値が上昇し、肝機能障害が疑われるケースが報告されています。
ほとんどは軽度ですが、黄疸や倦怠感、食欲低下などの症状がある場合、肝障害が進行しているおそれがあります。
服用中に定期的な血液検査を受けることで早期に異常を察知できるため、肝機能に不安がある人は事前に医師へ相談してください。
精神症状・意識障害
まれに、混乱や幻覚、妄想、異常行動などの精神症状があらわれることがあります。
これらは睡眠薬全般で知られている副作用であり、特に高齢者ではリスクが高くなる傾向があります。
また、服用後に判断力が低下したまま行動をとると、本人や周囲に危険を及ぼす可能性もあるため、服用後はすぐに就寝することが重要です。
一過性全健忘・もうろう状態・睡眠随伴症
ソクナイトの副作用として、服用後に記憶が抜け落ちる「一過性全健忘」が起こる場合があります。
また、寝ぼけたような状態(もうろう状態)や、無意識のうちに行動してしまう睡眠随伴症も報告されています。
本人に記憶がないため、服用前後は外出・運転・火の使用などを避けてください。
このような症状が一度でもあらわれた場合は服用を中止し、医師に相談することを推奨します。
ソクナイトの服用によるまれな副作用

ソクナイトは一般的に忍容性の高いお薬とされていますが、それでも一定の頻度で副作用があらわれることがあります。
ここでは、重大な副作用には該当しないものの、服用中によく報告されている発現頻度の低い副作用として以下を紹介します。
これらの副作用は通常は軽度で一過性のことが多いですが、症状が持続する場合や日常生活に支障が出る場合には、医師に相談することが推奨されます。
傾眠
ソクナイトを服用した人の中には、日中に強い眠気(傾眠)を感じる場合があります。
これは薬の作用が翌朝以降まで残ることにより起こるもので、「持ち越し効果」と呼ばれる現象の一部です。
とくに、高齢者や肝機能の低下した方では薬の代謝が遅れるため、翌朝のふらつきや集中力低下などにも注意が必要です。
味覚異常
ソクナイトに特有の副作用として知られているのが、味覚異常(特に苦味や金属様味)です。
PMDAのデータによると、臨床試験において5%以上の頻度で味覚異常が報告されており、比較的よく見られる症状とされています。
これは有効成分が唾液中に溶け出し、舌に作用することによって起こるもので、お薬自体の性質によるものです。
味覚異常が気になる場合は、錠剤をすばやく水で飲み込み、口の中に長く留めないことが重要になります。
頭痛・めまい
ソクナイトの服用後に、軽度の頭痛やめまいを訴える人もいます。
これらは中枢神経への作用によるもので、特に眠気とあわせてあらわれることがあります。
通常は数時間で治まるケースが多いものの、日常生活に支障が出る場合や繰り返し起こる場合は医師の判断が必要です。
口の渇き(ドライマウス)
ソクナイトの副作用として、唾液分泌の減少による口の渇き(ドライマウス)が報告されています。
これにより、話しにくさや食べづらさ、口臭などを感じることもあるでしょう。
水分をこまめに摂る、糖分を含まないガムを噛むなどの対応で多くの場合は軽減できますが、乾燥が長引く場合は医師に相談が必要です。
その他
上記以外にも、以下のような副作用がまれに報告されています。
副作用 | 主な症状 | 重症度 | 推奨される対応 | 備考 |
倦怠感 | 身体のだるさや疲労感が抜けにくい状態 | 軽度〜中等度 | 通常は経過観察し、日常生活に支障があれば医師へ相談する。 | 持ち越し効果や睡眠の質の影響が関与する可能性あり。 |
悪心(吐き気) | 食後や服用後にむかつき・吐き気を感じる状態。 | 軽度 | 症状が続く場合は医師に報告。食後すぐの服用を避ける。 | 胃部不快感と関連して同時にあらわれることがある。 |
胃部不快感 | 胃の張り、もたれ、軽い痛みなどを感じる。 | 軽度 | 空腹時または軽食後の服用を試み、改善しない場合は医師に相談。 | 消化器系の副作用として報告されている。 |
発疹・そう痒感(皮膚症状) | 皮膚に赤み・かゆみ・軽度の発疹があらわれることがある。 | 軽度〜中等度 | 症状が持続、または広範囲に及ぶ場合は服用中止と医療機関の受診を検討。 | 薬剤アレルギーの初期症状として注意が必要。 |
睡眠リズムの乱れ | 入眠後の中途覚醒や過眠傾向など、睡眠パターンの変化。 | 軽度 | 服用タイミングを調整し、医師の指導に基づき用量の見直し。 | 個人差が大きく、効果時間の個体差による影響がある。 |
情緒不安定・不安感 | 服用後に気分の浮き沈みや不安感があらわれる。 | 軽度〜中等度 | 継続的に症状がある場合は、服薬の適正を再評価する。 | 精神症状として早期に観察されることがある。 |
これらの症状は多くの場合、軽度かつ一時的ではあるものの、複数の症状が重なったり悪化したりする場合には医療機関の受診が推奨されます。
ソクナイトの副作用に関する臨床試験結果

ソクナイトはルネスタのジェネリック医薬品であり、有効性および安全性についてはエスゾピクロンを用いた複数の臨床試験データがもとになっています。
副作用に関しては、国内外で実施された臨床試験において、一定の頻度で発現する症状が確認されています。
ここでは、日本国内で行われた第Ⅲ相試験のうち、成人不眠症患者を対象とした代表的なデータを1つ紹介します。
試験の概要は以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
対象者 | 成人不眠症患者(計315例) |
用量 | エスゾピクロン1mgまたは2mgを就寝前に投与 |
期間 | 4週間 |
評価方法 | 医師による診察、患者自身による症状の自己申告、血液検査などを組み合わせて実施 |
このような設計のもとで、安全性および副作用の発現状況が詳細に観察されました。
以下は、この臨床試験において実際に報告された副作用のうち、発現件数が確認された代表的な項目です。
副作用 | 発現件数 | 発現率(%) |
味覚異常 | 32件 | 10.2% |
傾眠(眠気) | 12件 | 3.8% |
頭痛 | 5件 | 1.6% |
口の渇き | 4件 | 1.3% |
悪心 | 3件 | 1.0%未満 |
この試験では、味覚異常(特に苦味)が最も多く報告され、副作用全体の約1割に相当しました。
傾眠や頭痛といった中枢神経系に関わる症状も見られましたが、いずれも軽度かつ一過性であり、服用を中止する必要がないケースが大半とされています。
また、2mg群よりも1mg群で副作用の発現率が低かったことから、初めて使用する場合は低用量から開始することが安全性の観点から推奨されます。
ソクナイトの副作用を抑えるためのポイント

ソクナイト(エスゾピクロン)を安全かつ効果的に服用するには、副作用を最小限に抑えるための工夫や注意が必要です。
以下に挙げるポイントは、実際に報告されている副作用の発現状況や薬物動態に基づき、推奨されている対応策です。
正しい用法用量を守る
ソクナイトは、成人で通常1日1回2mg、高齢者で1mgから服用開始することが基本とされています。
過剰服用は副作用のリスクを高める要因となり、特に傾眠や記憶障害、注意力の低下などがあらわれやすくなるでしょう。
自己判断での増量や不適切なタイミングでの服用は避け、必ず医師の指示に従って正しい量・タイミングで服用することが重要です。
不安な場合は低用量から服用を開始する
初めてソクナイトを使用する場合や副作用に不安がある方は、1mgなどの低用量から開始することが推奨されています。
実際の臨床試験でも、1mgと2mgでは副作用の発現頻度に差が見られており、低用量での服用がリスクの軽減に繋がる可能性があります。
医師に相談したうえで、体調の変化に応じて用量を調整してもらうのが重要です。
食事と同時・食直後の服用を避ける
ソクナイトは空腹時の方が吸収が早く、効果が安定しやすいとされています。
一方、食後や高脂肪食と同時に服用すると、お薬の吸収が遅れたり、作用の発現が鈍くなったりすることがあります。
また、食事の影響で効果にばらつきが出ることが、副作用の一因になることもあります。
そのため、食事から少なくとも2時間以上空けてからの服用が理想的です。
アルコールの過剰摂取を避ける
アルコールとソクナイトを併用すると、中枢神経抑制作用が増強され、強い眠気、ふらつき、呼吸抑制などの副作用が生じやすくなります。
PMDAでも、アルコールとの併用は避けるよう注意喚起がなされており、少量の飲酒であっても薬の作用に影響を及ぼす可能性があります。
特に寝酒の習慣がある方は、ソクナイトを服用する期間中は飲酒を控えることが望ましいでしょう。
グレープフルーツと併用しない
ソクナイトの服用時は、グレープフルーツとの併用は避けてください。
グレープフルーツには、お薬の代謝に影響する酵素「CYP3A4」の働きを阻害するフラノクマリン類が含まれています。
お薬と併用すると、代謝が阻害されて血中濃度が上昇し、結果として副作用のリスクが高まる可能性があります。
ソクナイトの作用を安定させるためにも、グレープフルーツジュースなどの飲料ではなく、必ず水やぬるま湯で服用してください。
なお、グレープフルーツジュース以外にも、夏ミカンやダイダイ、ライムなどが代謝に影響するリスクがあります。
まとめ

ソクナイトは、入眠しやすさと睡眠の持続性をサポートする一方、用法を誤ると副作用が生じるおそれもあります。
重大な副作用としては、アナフィラキシーや呼吸抑制、精神症状などが挙げられており、異変を感じた際には迅速な受診が求められます。
また、味覚異常や眠気、口の渇きといった比較的よく見られる症状も、継続使用にあたっては無視できません。
副作用のリスクを減らすためには、医師の指示に従って正しい用法用量で服用することが基本です。
さらに、アルコールやグレープフルーツとの併用を避ける、食後の服用を控える、低用量から開始するといった対応が、安全性を高めるポイントとなります。
過剰に不安を抱える必要はありませんが、副作用について正しく知っておくことが、安心して治療を続けるための第一歩です。
自身の体調変化にも注意を払いながら、適切な服用を心がけてください。
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