眠りにつくのに時間がかかる、夜中に何度も目が覚めてしまうなど、現代社会では多くの人々が不眠症に悩まされています。

このような睡眠障害の治療薬として、近年特に注目を集めているのがロゼレムです。

ロゼレムは、体内の睡眠リズムを調整するホルモンであるメラトニンの働きを促進し、自然な眠りへと導く薬剤として知られています。

ロゼレムと不眠症：作用メカニズムと特徴

ロゼレムは、不眠症、とりわけ寝つきの悪さ（入眠困難）の改善を目的として開発された睡眠薬です。

従来の睡眠薬とは異なり、ロゼレムはメラトニン受容体作動薬というカテゴリーに分類されます。

メラトニンは、体内の生体リズムを調整する重要なホルモンで、脳の松果体から分泌されます。

ロゼレムは、このメラトニンと類似した作用を持ち、脳内のメラトニン受容体に働きかけることで、自然な眠気を引き起こし、健康的な睡眠・覚醒サイクルの維持を助けます。

不眠症は単なる「眠れない」という状態ではなく、日中の活動や生活の質に著しい影響を及ぼす深刻な睡眠障害を指します。

不眠症には主に4つのタイプがあります。

ロゼレムは、特に入眠障害に対して高い効果を示すことが期待されています。体内時計の調整を通じて自然な眠りを促進するため、他の睡眠薬に比べて依存性が低く、翌日の眠気も少ないという利点があります。

不眠症を治療するロゼレムの効果

「夜、なかなか寝付けない…」 そんな悩みをお持ちのあなたへ。睡眠薬のロゼレムの効果と、その効果を最大限に引き出すポイントをわかりやすく解説します。

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2024.12.05

ロゼレムは武田薬品工業株式会社が製造・販売しているラメルテオン錠です。有効成分のラメルテオンには体内時計を調整して睡眠のリズムを作り、慢性的な不眠状態を改善する作用があります。精神疾患が原因の不眠に用いられる抗不安薬や向精神薬とは異なり、メラトニン受容体作動薬に分類される新しい治療薬で、睡眠リズムを取り戻すことがロゼレムの主な目的です。 1箱：41,110円

臨床試験結果から見るロゼレムの有効性

ロゼレムの効果については、国内外で複数の大規模な臨床試験が実施され、その有効性が科学的に実証されています。

ここでは、特に重要な3つの臨床試験結果を詳しく見ていきましょう。

二重盲検比較試験結果 1

65人の慢性的な不眠症患者を対象とした試験では、ロゼレム8mgを服用したグループは、プラセボ（偽薬）を服用したグループに比べて、睡眠に入るまでの時間が有意に短縮されました。

睡眠に入るまでの時間を測定する「睡眠ポリグラフ検査」による客観的な測定では、ロゼレム8mgを服用したグループは、プラセボを服用したグループに比べて平均13.5分も早く眠りにつくことができたという結果が出ています。この結果は、ロゼレムの入眠困難改善効果を明確に示しています。

二重盲検比較試験結果 2

さらに大規模な971人の慢性的な不眠症患者を対象とした試験でも、ロゼレムは有効性を示しました。

1週間の服用後、ロゼレムを服用したグループは、プラセボグループと比較して、睡眠に入るまでの時間が有意に短縮されました。

具体的には、服用前の約77分から1週間後には約61分に短縮され、プラセボグループ（約66分）との差が明確に現れました。

長期投与の臨床試験結果

190人の慢性的な不眠症患者を対象とした長期投与試験では、ロゼレムを長期間服用しても、睡眠潜時（眠りにつくまでの時間）の短縮効果が維持されることが確認されました。

服用前の約70分から、24週間後には約39分まで短縮され、その効果が長期にわたって持続することが示されました。

ロゼレムの有効成分「ラメルテオン」とは？

眠れない夜に悩まされているあなたへ。睡眠薬「ロゼレム」の有効成分「ラメルテオン」についてわかりやすく解説します。

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2024.12.05

まとめ

ロゼレムの有効性は、複数の臨床試験で実証されています。

国内第II相試験（65人対象）では、ロゼレム服用群がプラセボ群より平均13.5分早く入眠できました。

より大規模な国内第III相試験（971人対象）でも、1週間後に睡眠潜時が有意に短縮されました。

さらに、長期投与試験（190人対象）では、24週間後も睡眠潜時短縮効果が持続することが確認されました。

これらの結果は、ロゼレムが短期的にも長期的にも入眠困難の改善に効果的であることを示しています。