マーベロンの有効成分を徹底解説!ピルの種類と使い分け
マーベロンは避妊効果のある低用量ピルです。この記事では、マーベロンを含めたピルの有効成分の臨床結果や効果、種類と適応症、使い分けなどに関して解説しています。
お薬通販部スタッフ[監修]

マーベロンを含む低用量ピルは、現代女性にとって避妊や健康管理の選択肢のひとつとなっています。
この記事では、医学的根拠に基づいた信頼性の高い情報をもとに、マーベロンの有効成分とその薬理作用について詳細に解説しています。
排卵抑制や子宮内膜の変化など、そのメカニズムを科学的に掘り下げることで、その効果や安全性に対する理解を深めてください。
さらに、低用量ピルに含まれる黄体ホルモンの比較や、低用量ピルの種類ごとの特性についても解説します。
これにより、個々のニーズに合った最適なピルを見つけることができるでしょう。
低用量ピルに関する理解を深め、健康的な生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。
デソゲストレル(黄体ホルモン) | 0.15mg |
エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン) | 0.03mg |
目次
薬理作用

マーベロンの主な効果は以下の3つです。
①排卵を抑制する効果 | マーベロンを連続服用すると、体内の卵胞・黄体ホルモンが一定に保たれます。 これにより、脳下垂体から分泌されるゴナドトロピンという排卵を促すホルモンの分泌が阻害され、排卵が抑制されます。 |
②子宮内膜の性状を変化させる効果 | 子宮内膜の性状が薄く変化し、受精卵の着床が阻害されます。 |
③子宮頸管の粘液の性状を変化させる効果 | 子宮頸管粘液の性状や組成を粘性の高いものへ変化させ、子宮腔内への精子の通過が阻害されます。 |
薬理を作用を裏付ける試験成績

上記の薬理作用を裏付ける試験データを紹介します。
マーベロンの臨床試験では、これらの試験に加え、実際の人を用いた試験で明らかな排卵抑制、着床阻害、精子通過性障害の効果を確認しています。
デソゲストレルの薬理試験結果
排卵抑制作用 | ラット、ラットを用いた試験で、デソゲストレルの投与で排卵は完全に抑制されていました。 |
着床阻害 | ラットを用いた試験で、デソゲストレルの投与で、卵着床数が有意に減少することが確認されています。 |
精子通過性障害 | ウサギに対して、偽妊娠誘発後にデソゲストレルを投与する試験が行われています。 デソゲストレルを125μg/日投与したところ、受精卵の数は減少し、さらに 500μg/日投与すると卵の受精は完全に阻害されました。 |
以上の結果から、デソゲストレルには排卵抑制作用、着床阻害・精子通貨性障害を引き起こす作用があります。
エチニルエストラジオールの薬理試験結果
排卵抑制作用 | ラット、ウサギに対して、投与した用量に依存して、排卵の抑制が確認されています。 |
着床阻害 | ラットを用いた試験で、着床阻害が確認されています。 |
以上の結果から、エチニルエストラジオールには排卵抑制作用、着床阻害を引き起こす作用が確認されています。
マーベロンが血液中に吸収されるまでの時間

服用した薬がどのように体内に吸収されるか確認するために、服用した薬剤の血中濃度が測定されています。
健康な成人女性が本錠を1錠服用したところ、血液中のデソゲストレル、エチニルエストラジオール濃度が最高値になるのは、服用後約2時間後でした。
このことから、服用から約2時間で体内に十分吸収されたことがわかります。
また、健康な成人女性が本錠を1日1錠、21日間連続服用したところ、ほぼ15日目に血液中のデソゲストレル、エチニルエストラジオール濃度が一定になりました。
つまり、服用した成分が体内で一定になるには、2週間以上必要です。
マーベロンが胎盤を通過する割合

人での試験結果はありませんが、ラットを用いた試験を参考にできます。
妊娠中のラット3匹に、マーベロンの有効成分と同じ薬剤を与えました。
投与した量を100とすると、投与2時間後には0.03%、24時間後では0.01%、48時間後では0.01%未満の移行が確認されています。
まとめると、妊娠中のラットに投与すると、胎児へ移行すると、胎児への移行後は胎児内で代謝されることが分かります。
マーベロンの母乳への移行性

こちらも人での試験結果はありませんが、ラットを用いた試験を参考にできます。
授乳中のラット3匹に、マーベロンの有効成分と同じ薬剤を与えました。
母乳中の濃度は2時間後に最高濃度を示し、7.5時間で最高値の半分まで減少、その後48時間で消失が確認されています。
このように母乳への移行が認められています。
低用量ピルの4つ種類

低用量ピルは、含まれるプロゲステロン(黄体ホルモン)の種類によって、4つに分類されます。
第1世代から第4世代の黄体ホルモンは、それぞれ開発順に番号が付けられていて、第4世代が一番新しい低用量ピルです。
新しいものが一番優れているというわけではなく、それぞれに得意な治療法がありますので、詳しく見てみましょう。
第1世代
黄体ホルモン:ノルエチステロン
低用量ピルとしてはじめて使われるようになった製品です。
月経困難症のコントロールに優れていて、月経時の出血が減ることで知られています。
一方で、不正出血や肌荒れ、多毛など黄体ホルモンの作用による副作用が比較的出やすい薬です。
第2世代
黄体ホルモン:レボノルゲストレル
第1世代の低用量ピルで、不正性器出血が多かったため、子宮の内膜維持作用を増強するために、レボノルゲストレルという黄体ホルモンを使った製剤が開発されました。
特に、トリキュラーとラベルフィーユ(トリキュラーのジェネリック)は、21日間の連続服用中に錠剤に含まれるホルモン量が徐々に増えるように設計されていて、自然のホルモンサイクルに近い形で服用できます。
これにより、第2世代の低用量ピルは不正出血が起こりにくく、安定した生理周期を実現できるお薬として知られています。
第3世代
黄体ホルモン:デソゲストレル
第2世代のレボノルゲストレルは生理周期の安定には優れていましたが、体内で男性ホルモンの活性を強められ、多毛やニキビなどの肌荒れが強く出るという副作用がありました。
そこで、男性ホルモンの働きを抑える低用量ピルとして、デソゲストレルという黄体ホルモンを使って開発されたのが、マーベロンを始めとする第3世代の低用量ピルです。
ニキビ治療などの副次的効果が得られるため、一部の人には美容目的で利用されています。
第4世代
黄体ホルモン:ドロスピレノン
製剤に含まれるホルモン量がとても少ない、超低用量ピルといわれる薬です。
ホルモン量が少ないため、副作用が起こりにくいという特徴があります。
日本人における避妊目的での有効性、安全性は確認されていません。用途については注意してください。
主に、月経困難症の治療薬として使用されています。
配合量による違い

ピルは、含まれるエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)の量によって、超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピル、緊急避妊薬に分けられます。
一括りにピルといっても対応できる症状が違うので注意しましょう。
超低用量ピル
使用目的:月経困難症の治療、子宮内膜の治療
エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)の配合量が0.03mgより少ないホルモン剤を指します。
ヤーズを始めとする超低用量ピルの添付文書によると、月経困難症、子宮内膜症の治療とあり、避妊を目的として使えません。
月経困難症や子宮内膜症の治療として、医師に処方される場合は保険適用となります。
これらの症状で悩む女性は、医療機関を受診するとよいでしょう。
低用量ピル
使用目的:避妊
エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)の配合量が 0.05mgより少ないホルモン剤を指します。
マーベロンを始めとする低用量ピルの添付文書によると、避妊を目的とした使用が明記されています。
避妊以外にも、副次的効果として、ニキビなどの肌質改善や、月経困難症の治療目的として処方されますが、国内で承認された治療法ではないため自費診療となり、保険は適用されません。
中用量ピル
使用目的:月経困難症、生理日の移動
中用量ピルのエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)配合量は1錠あたり 0.05mg以上あります。
低用量ピルと比べて卵胞ホルモンの配合量が多いため、十分な効果が得られる一方で、吐き気や頭痛などの副作用が出現しやすいです。
日本では プラノバールという名前で使用されています。
アフターピル(緊急避妊薬)
使用目的:緊急避妊
避妊を正しくできなかった場合に、望まない妊娠を防ぐために使用します。
多量の女性ホルモンが含まれており、副作用が出る場合があります。
性交渉後72時間以内の服用によって、高い避妊効果が得られます。
原則的には医師の処方箋が必要になりますが、以下の方法により試験的に薬局で購入できます。
詳しくは、厚生労働省のサイトを参照してください。
また海外にて認可されている医薬品については、当サイトをはじめとする輸入代行サービスで入手いただくことが可能です。
マーベロンの有効成分について:まとめ

マーベロンは、排卵抑制、子宮内膜の変化、子宮頸管の粘液性状の変化を通じて避妊効果を発揮します。
主成分であるデソゲストレルとエチニルエストラジオールの試験結果は、これらの作用を裏付けています。
また、血中濃度測定では2時間で吸収され、15日目に安定することが確認できました
さらに、妊娠中の胎盤の通過、母乳への移行が確認されています。妊娠、授乳中の使用は控えましょう。
低用量ピルには第1から第4世代まであり、それぞれの特性と治療目的が異なります。
含量による違いもあり、超低用量ピルは月経困難症治療に、低用量ピルは避妊やニキビ治療に使用されています。
それぞれのピルの特性を十分に理解して、個々の目的に合ったピルを選択する必要があります。
詳しくは医師または薬剤師に相談しましょう。
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