HIVという言葉を聞いたことあるが、具体的にどんな病気かわからない方は多いのではないでしょうか。
HIVは感染経路を知ることで防ぐことのできる病気です。しかし、普段から気をつけていてもHIVにかかってしまう可能性はあります。
本記事ではHIVの初期症状に加えて、治療薬や検査方法を紹介します。
HIVとエイズの違いや、HIVに関するよくある質問を紹介します。よくある質問は以下の4つです。
1つずつ紹介します。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫系を攻撃し、体の感染防御力を低下させるウイルスです。
HIVの感染が進行すると、エイズ(後天性免疫不全症候群)を引き起こし、通常では防げる感染症や病気に対して非常に弱くなります。例えば、風邪のような軽い症状でも、HIV患者は重篤化する可能性があります。
HIVは主に体液を通じて感染し、治療には抗レトロウイルス薬が使用されますが、完全に治すことは現時点ではできません。
HIVは、ヒト免疫不全ウイルスで、免疫系を攻撃するウイルスです。
エイズ(AIDS)は、HIV感染が進行して免疫力が極度に低下した状態を指し、さまざまな感染症やがんのリスクが高まります。
HIVはウイルスで、エイズはそのウイルスによって引き起こされる病状です。
参考文献:NIID国立感染症研究所「AIDS(後天性免疫不全症候群)とは」
HIVに感染する主な原因は、感染者の体液(血液、精液、膣分泌液、母乳)との接触です。
具体的には、性行為、血液の共有(例えば、注射器の共有)、母子感染(出産時や授乳時)などで感染します。
HIVは現時点で完全に治療することはできません。
治療できない原因は、HIVが感染後に体内で潜伏し、免疫系を攻撃し続けるためです。ただし、抗レトロウイルス薬を使用することで、ウイルスの増殖を抑え、病気の進行を遅らせることは可能です。
薬による適切な治療により、HIV感染者は通常の寿命を全うすることができます。
テンビルEM | デュオビル | HIV検査キット | |
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有効成分 | テノホビルジソプロキシルフマル、エムトリシタビン | ジドブジン、ラミブジン | - |
効果 | HIVウイルス、B型肝炎ウイルスの増殖抑制 | HIV感染症の進行抑制 | HIV判定 |
1箱あたり単価 | 1本 6,633円~ | 1本 5,400円~ | 1箱 2,280円~ |
製薬会社 | シプラ | シプラ | Boson Biotech |
HIV治療薬の種類や、おすすめの治療薬、検査キットを紹介します。
HIV感染の疑いがある場合に参考にしましょう。紹介する治療薬と検査キットは以下の3つです。
1つずつ解説します。
テンビルEMは、HIVの予防や治療に使用される経口薬です。
テンビルEMの主成分はテノフォビルとエムトリシタビンで、抗レトロウイルス薬として、HIVの増殖を抑える効果があります。テンビルEMは、HIV感染のリスクが高い人に対して、予防目的(PrEP)で使用されることが多いです。
また、既にHIVに感染している人の治療にも使用されます。
テンビルEMはエムトリシタビンとテノホビルジソプロキシルフマルを有効成分とするHIV感染症治療薬で、「ツルバダ」のジェネリック医薬品です。
HIVウイルス、B型肝炎ウイルスの増殖抑制を主な薬効とし、性交渉する前から薬を服用して、HIV感染のリスクを減らすという予防薬として利用されるタイプの医薬品です。
参考文献:KEGG「医療用医薬品 : テノゼット」
デュオビルは、HIVの治療に使用される抗レトロウイルス薬です。
デュオビルの主成分はラミブジンとジドブジンの2つで、HIVの増殖を抑える作用を持ちます。デュオビルは、HIV感染者のウイルス量を減少させ、免疫機能の維持を助けるために使用されます。
デュオビルは通常他の抗レトロウイルス薬と併用して治療が行われます。
グラクソ・スミスクラインから販売されている「コンビビル」のジェネリック医薬品で、デュオビルはインドの製薬会社「シプラ」が開発・販売を行っています。
デュオビルには、抗HIV薬であるジドブジンとラミブジンの成分が配合され、逆転写酵素の活性を阻害し、HIVの増殖を抑制します。
参考文献:KEGG「医療用医薬品 : エピビル」
HIV検査キットは、自宅で簡単にHIV感染の有無を確認できるツールです。
HIV検査キットは血液や唾液を使用して、HIV抗体の有無を検出する仕組みになっています。結果は通常、数分から20分ほどで確認できますが、陽性の場合は必ず医療機関で再検査を受け、確定診断を受ける必要があります。
HIV検査キットは、プライバシーを守りながら早期発見ができますが、正確な診断のためには、専門医のフォローが重要です。
HIV検査キットは、年々増加傾向にあるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の検査を自宅に居ながら、ご自分で行うことができる検査キットです。
Boson Biotech Co.,Ltd.が製造販売しています。
参考文献:エイズ予防情報ネット「保健所等におけるHIV即日検査のガイドライン」(PDF)
HIV(エイズ)の症状と感染経路について解説します。
症状や感染経路を知ることで、重症化や感染を未然に防ぎましょう。HIV(エイズ)について解説する項目は以下の4つです。
1つずつ解説します。
HIV(エイズ)に感染すると、無症状の期間が続きますが、ウイルスは免疫系を徐々に破壊します。
エイズ(AIDS)に進行すると、免疫力が極端に低下し、通常は防げる感染症やがんなどが発生しやすくなります。
HIV感染の初期症状は、感染後2~4週間ほどで現れることがあり、インフルエンザに似た症状が多いです。
具体的な症状は、発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れ、筋肉痛、倦怠感、頭痛、発疹などが挙げられます。初期症状は1〜2週間で自然に治まることが多く、その後は無症状の期間が続きます。
初期症状だけでHIV感染を判断することは難しく、確定診断にはHIV検査が必要です。
HIV(エイズ)の感染経路について解説します。
感染経路を知ることで、普段からHIV(エイズ)に感染しないための予防をしましょう。
HIV(エイズ)の感染経路は以下の3つです。
1つずつ解説します。
HIV(エイズ)は、性行為によって感染する可能性があります。
特に、コンドームを使用しない性交や、感染者の血液や体液(精液、膣分泌液)が粘膜に触れることでリスクが高まります。性行為による感染は、男女間、同性間問わず発生する可能性があります。
コンドームの適切な使用やPrEP(暴露前予防薬)の使用で感染リスクを大幅に減らすことができます。
参考文献:NIID国立感染症研究所「AIDS(後天性免疫不全症候群)とは」
HIV(エイズ)は、感染者の血液が直接他人の体内に入ることで感染します。
血液感染の主な経路には、注射器の共有、血液製剤の使用、不衛生な針による刺青やピアスなどが含まれます。また、事故や医療行為中の針刺しもリスクとなります。
血液を介した感染は非常に効率的ですが、適切な対策で予防が可能です。
HIV(エイズ)は感染している母親から子どもへ、妊娠中、出産時、または授乳を通じてウイルスが伝わります。
しかし、適切な抗レトロウイルス治療を受けることで、母子感染のリスクを大幅に減らすことができます。
レトロウイルス治療を受けた場合、母子感染率は1%以下に抑えられることが多いです。
HIVは予防できます。
具体的にはコンドームの使用、注射器の使いまわしを避ける、PrEPの使用、HIV検査を定期的に受けるなどの方法があります。
適切な対策を取ることで、HIV感染のリスクを大幅に減らすことができます。
参考文献:NIID国立感染症研究所「AIDS(後天性免疫不全症候群)とは」
PrEP(プレップ)は、HIV感染を予防するためにHIV陰性者が日常的に服用する薬です。
PrEPは適切に使用することでHIV感染のリスクを90%以上減らすことができます。特に、感染リスクが高い人に対して非常に効果的な予防手段です。
ただし、他の予防法(コンドームの使用など)と併用することが推奨されます。
PrEP(プレップ)とは、「Pre-Exposure Prophylaxis(暴露前予防)」の略です。
PrePはHIVに感染していない人が、HIV感染を予防するために服用する薬です。特に、HIV感染リスクが高い人に推奨されており、適切に服用することで、HIV感染のリスクを90%以上減らすことができます。
PrEPは、毎日1錠服用することで効果を発揮し、性行為や注射器の共有などの行動を取る前に予防策として使用されます。
参考文献:shclinic.ncgm.go.jp「PrEPの基礎知識」
HIV(エイズ)の治療方法に併せて、検査方法も紹介します。
完治はできないものの、治療をすることで症状を和らげる事ができます。また、検査方法も紹介するので、感染の可能性がある場合は必ず検査しましょう。
1つずつ解説します。
HIVの治療には、抗レトロウイルス薬(ARV)と呼ばれる内服薬が使われます。
この治療法はART(抗レトロウイルス療法)とも呼ばれ、複数の薬を組み合わせてウイルスの増殖を抑えます。ARTはHIVを完全に治すことはできませんが、ウイルス量を低く保ち、免疫機能を維持し、エイズへの進行を防ぐことができます。
毎日継続して内服することが重要で、適切に治療を続けると、HIV感染者は通常の寿命を全うすることが可能です。
参考文献:MSDマニュアル家庭版「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の薬物治療」
HIV(エイズ)の検査キットは、薬局やドラッグストア、またはオンラインショップで購入できます。
HIV検査キットは、血液または唾液を使ってHIV抗体や抗原を検出する仕組みになっています。HIV(エイズ)は感染後、体がHIVに対して抗体を作るまでに時間がかかるため、通常は感染から約3か月後に検査を行います。
HIV(エイズ)検査は、指先に小さな穴を開けて血液を採取するタイプと、口の中を専用のスワブで拭き取るタイプがあります。血液や唾液を試験紙に載せることで、HIV感染の有無を確認します。
HIV(エイズ)の検査結果は通常15分から30分で表示され、陽性か陰性かが分かります。
HIV(エイズ)の感染経路を理解し、適切な対処をすることで予防できることがわかりました。
本記事で紹介した対処法も大切だが、万が一感染の疑いがある場合はすぐに医師の診察および処方を受けるのが原則です。
最後に、本記事で紹介した薬や検査キットを実際に使ってみた方の口コミも参考にしてください。