レクサプロ(エスシタロプラム)の効果・副作用は?服用時の注意点も解説
お薬通販部スタッフ[監修]
レクサプロはエスシタロプラムを有効成分とする、うつ病や社会不安障害の改善などによく用いられる抗うつ剤です。
服用している人が多くいるものの、いくつかの副作用も報告されています。時には、副作用が強く出てしまい、服用の継続を断念する人も少なくありません。
この記事では、レクサプロの効果・副作用を解説します。「レクサプロにはどのような効果があるのか」「どのような副作用が起こるのか」と疑問に思っている人は、ぜひこの記事を最後までお読みください。
目次
レクサプロ(エスシタロプラム)の主な効果
レクサプロは、主に以下の2つの効能・効果があります。
それぞれの病気に対して、どのように服用するのかを詳しく紹介します。
うつ病・うつ状態の改善
レクサプロは、うつ病やうつ状態の治療に用いられます。
うつ病とは、無気力な状態や憂鬱な状態が続く病気のことです。神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの減少が原因で起こると考えられています。
うつ病は、日本人の約15人に1人が生涯で発症するといわれている一般的な病気です。レクサプロは、セロトニンの再取り込みを阻害して脳内のセロトニン濃度を上げることで抗うつ作用を発揮します。
社会不安障害の改善
レクサプロは、社会不安障害の治療にも用いられます。
ただし、DSMなどの適切な診断基準に基づいて、社会不安障害だと診断された人しか服用できません。
社会不安障害は『社会恐怖』とも呼ばれており、周りから注目されたり、人前で恥ずかしい思いをしたりすることが怖くなる病気です。
怖い思いをすることを避けるために、人が多いところに行かなくなり、電車やバスに乗れなくなる人が多くいます。パニック障害を併発するケースも珍しくありません。
レクサプロ(エスシタロプラム)の重大な副作用
レクサプロには、以下4つの重大な副作用が報告されています。
それぞれの副作用を詳しく見ていきましょう。
痙攣
痙攣(けいれん)は、0.1%の人で報告されている重大な副作用です。
痙攣とは、自分の意思とは関係なく筋肉が急激に収縮する発作のことです。一部の筋肉だけに見られることもあれば、全身の筋肉が痙攣を起こすこともあります。
てんかんなどの痙攣性疾患、または痙攣性疾患の既往歴がある人がレクサプロを服用すると、痙攣発作を起こすことがあります。
そのため、てんかんなどを持っている人は、慎重に服用しなければなりません。
セロトニン症候群
レクサプロでは、発症頻度は不明で重大な副作用としてセロトニン症候群が報告されています。
セロトニン症候群とは、セロトニン系のお薬を服用すると起こるおそれがある副作用として知られており、以下のような症状が代表的です。
通常、これらの副作用は服用を開始して数時間以内にあらわれます。服用を中止すれば症状が落ち着くことがほとんどです。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
レクサプロでは、発症頻度は不明で重大な副作用として抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が報告されています。
主な症状は以下のとおりです。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群は、抗利尿ホルモンであるバソプレシンによって体内に多くの水分が溜まり、ナトリウム濃度が低くなることで起こります。
レクサプロの服用を中止し、水分摂取量の制限を行うなどの治療が必要です。
QT延長・心室頻拍
レクサプロでは、重大な副作用としてQT延長と寝室頻拍が報告されており、発症頻度は不明です。
特に、肝機能障害がある人や高齢の人、遺伝的にお薬の代謝酵素であるCYP2C19の活性が低下している人では、レクサプロの血中濃度が上昇し、これらの副作用が起こりやすくなるおそれがあります。
そのため、もともとQT延長がある人はレクサプロを服用できません。
レクサプロはセロトニンに対してのみ効果があり、うつ症状だけでなく、不安障害にも効果がある薬です。減少したセロトニンの量を増やし、セロトニンの作用を強めることでうつ病・うつ状態や気分障害、不安障害の症状を軽減します。 1箱:11,100円 |
レクサプロ(エスシタロプラム)で出現頻度の高い副作用
レクサプロでは、重大な副作用の他にも副作用が報告されています。
ここでは、特に出現頻度が高い以下の副作用を詳しく見ていきましょう。
順番に解説します。
精神・神経系:傾眠・浮動性めまい・頭痛
傾眠や浮動性めまい、頭痛は比較的頻度が高い副作用であり、特に傾眠は22.6%と多くの人で出現しています。
傾眠は意識障害の1つで、ウトウトしているときに軽い刺激を与えると意識を取り戻す状態のことです。副作用で傾眠があらわれる原因は、現状わかっていません。
浮動性めまいは、身体がふわふわする感覚があったり実際にふらついたりする症状のことです。
全身:倦怠感
倦怠感は、5%以上の人で報告されている副作用です。
レクサプロを飲み始めてから身体がだるいと感じる場合は、副作用の影響が考えられます。通常は、2週間程度で身体が慣れて倦怠感が気にならなくなります。
服用を始めてすぐの頃は「立つのもつらい」「仕事に行けない」と感じるほど倦怠感が強くでることもありますが、少しずつ落ち着いてくるでしょう。
どうしても強い倦怠感が気になる場合は、医師に相談してください。
消化器系:悪心・口渇
レクサプロは、消化器系の副作用が出やすいことも特徴で、悪心や口渇が比較的高頻度で見られます。
特に悪心(吐き気)は、20.7%と高い頻度であらわれると報告されている副作用です。レクサプロを服用するとセロトニンが刺激され、胃腸が過剰に働くため悪心が起こると考えられています。
しかし、悪心の副作用は永遠に続くわけではありません。飲み始めのときに出やすい副作用で、多くは2週間ほど服用を続けると症状が消失します。
レクサプロ(エスシタロプラム)のその他の副作用
レクサプロでは、傾眠や倦怠感、悪心など以外にも以下のような副作用がいくつか報告されています。
頻度 | 1~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
副作用 | あくび 不眠症 体位性 めまい イライラ 感腹部不快感 下痢 食欲減退 腹痛 嘔吐 便秘 | 無力感 浮腫 体重増加 発疹 腹部膨満 胃炎 食欲亢進 起立性低血圧 胃炎 | 頻脈 徐脈 出血傾向 肝炎 アナフィラキシー反応 パニック発作 失神 幻覚 月経過多 |
上記の症状が起きた場合は、レクサプロの副作用が起こっている場合があります。
服用し続けると落ち着く副作用もありますが、症状がひどい場合は医師に相談することを推奨します。
レクサプロ(エスシタロプラム)を服用するときの注意点
レクサプロは、飲み方に注意が必要なお薬です。
注意点を把握していない状態で服用すると、思わぬ副作用が出るおそれがあるので気をつけましょう。
ここでは、以下4つの注意点を解説します。
順番に見ていきましょう。
服用の禁止・注意に該当しないことを確かめる
レクサプロの服用に関する禁止・注意に該当しないことを確かめてから服用してください。
レクサプロは、基本的に以下に該当する人は服用できません。
上記に該当する人は服用できないので気をつけてください。
また、以下の人は注意して服用しなければなりません。
該当する人がレクサプロをどうしても服用したい場合は、事前に医師に相談することが必要です。
飲み始めに賦活症候群が起こる場合がある
レクサプロの飲み始めに、賦活症候群(ふかつしょうこうぐん)が見られることがあります。
賦活症候群とは、抗うつ薬で見られやすい副作用の1つで、アクチベーションシンドロームとも呼ばれています。お薬の成分が中枢神経を刺激し、気分が高揚したり不安感や焦燥感が高まったりする副作用です。
症状が長く続いたり強く出たりすると、自傷行為を行う人も出てくるため注意する必要があります。
用量を減らすと離脱症候群が起こる場合がある
レクサプロを服用する量を減らすと、離脱症状が起こることがあります。
離脱症状で見られる主な症状は、以下のとおりです。
レクサプロは離脱症状が比較的少ないといわれています。
しかしながら、突然服用を中止したり、自己判断で用量を勝手に減らして服用したりすると、症状が出やすくなります。量を減らすときは急に服用をやめるのではなく、医師の指示に従いましょう。
副作用の症状がきつい場合は医療機関を受診する
レクサプロでは、人によって副作用が強く出てしまうことがあります。
特に悪心や傾眠、倦怠感などの副作用が出やすく、日常生活に影響が出る場合も少なくありません。
服用を続けると、身体がお薬に慣れて副作用が軽減されていくこともありますが、どうしても症状がひどく服用の継続が難しいと感じたときは、我慢せずに医師へ相談してください。
医師に相談すれば、副作用を抑えるお薬を処方してもらえたり、レクサプロ(エスシタロプラム)以外の治療法に変更してもらえたりすることがあります。
レクサプロ(エスシタロプラム)の効果・副作用に関するよくある質問
最後に、レクサプロの効果や副作用に関する以下の3つの質問にお答えします。
疑問の解消にお役立てください。
レクサプロの効果が出るまでどれくらいかかる?
レクサプロの効果を実感できるまでには、2週間〜数ヶ月ほどかかります。
そのため、服用し始めに大きな変化がなくても心配しすぎる必要はありません。
服用を続けると、徐々に効果が出てくるでしょう。ただし、効果が出ていない期間であっても悪心や倦怠感などの副作用があらわれる場合があります。
効果がわからないのに副作用だけ出てきついと感じ、服用を途中でやめてしまう人も少なくありません。効果や副作用に関して不安がある人は、医師に相談してください。
レクサプロの服用を勝手にやめても大丈夫?
レクサプロの服用を、自己判断で勝手にやめることは避けてください。
服用を突然やめると、吐き気や頭痛、イライラ、倦怠感などの離脱症状があらわれるおそれがあります。
特に長期にわたって服用している人は、レクサプロを服用している状態に身体が慣れているため、離脱症状が出やすくなります。
そのため、突然服用をやめるのではなく、少しずつ減量していくことが大切です。
レクサプロを服用すると太るって本当?
レクサプロを服用すると、副作用で食欲が亢進することで太る可能性があります。
ただし、食欲亢進の副作用が起こる頻度は高くなく、現段階で報告されている頻度は1%未満です。レクサプロは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるお薬の一種として知られています。
SSRIの中では、食欲亢進の副作用が出る頻度は低いといえます。体重増加や食欲亢進の副作用が気になる人は、医師に相談してください。他のSSRIに変更すると、副作用が軽減されることがあります。
まとめ
レクサプロを服用すると、痙攣や傾眠、倦怠感、悪心などの副作用が起こる場合があります。
服用を始めてすぐに症状があらわれることも多く、服用後に2週間程度で症状が軽減されていきます。服用を続けるのが難しいと感じるほど副作用が強く出た場合は、無理に服用を続けず医師に相談してください。
なお、急にお薬の服用をやめると離脱症状が起こるおそれがあるので、なるべく医師の指示に従うことが大切です。
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レクサプロはセロトニンに対してのみ効果があり、うつ症状だけでなく、不安障害にも効果がある薬です。減少したセロトニンの量を増やし、セロトニンの作用を強めることでうつ病・うつ状態や気分障害、不安障害の症状を軽減します。
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