ドラスマの副作用とは?頭痛・耳鳴りなどの症状を徹底解説
ドラスマの副作用について、重大な症状から軽微なものまで詳しく解説します。持続性勃起や視力障害など注意が必要な症状、頭痛や耳鳴りといった比較的よく見られる副作用の内容などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
お薬通販部スタッフ[監修]

ドラスマは、有効成分アバナフィルを含むED(勃起不全)治療薬で、比較的即効性に優れているのが特徴です。
正しく服用すれば安全性は担保されるといえますが、一部のケースでは副作用が報告されており、中には注意すべき重大な反応も存在します。
この記事では、ドラスマで報告されている副作用の種類や発現頻度、安全に服用するための注意点などについてわかりやすく解説します。
目次
ドラスマの服用による重大な副作用

ドラスマは、正しく服用する限り安全性が高いといえるED治療薬ですが、まれに重篤な副作用が報告されています。
これらの副作用は発生頻度こそ非常に低いものの、迅速な対応を怠ると身体機能に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
ここからは、ドラスマの服用による重大な副作用として以下を解説します。
持続性勃起
持続性勃起は、性刺激の有無にかかわらず勃起状態が4時間以上続く症状です。
アバナフィルを含むPDE5阻害薬すべてに共通する副作用で、ドラスマにおいてもまれな発現が報告されています。
持続性勃起を放置すると陰茎内の血流が滞り、組織の酸欠や壊死を招くおそれがあります。
結果として、将来的な勃起不全を引き起こす場合があるため、非常に深刻です。
このような症状があらわれた場合は直ちに医療機関を受診し、専門の治療を受ける必要があります。
特に、既往歴として鎌状赤血球貧血や多発性骨髄腫、白血病などがある場合には発症リスクが高まる可能性があります。
突発性難聴
ドラスマの服用後に報告されている副作用の1つに突発性難聴があります。
これは、片耳または両耳の急激な聴力低下が起こり、数時間から数日のうちに進行するタイプの聴覚障害です。
しばしば「耳鳴り」や「めまい」といった初期症状を伴い、放置すると難治性になることがあります。
米国FDA(食品医薬品局)は、PDE5阻害薬全体にこのリスクが存在することを警告しており、ドラスマ(アバナフィル)も例外ではありません。
症状が出た場合は服用を中止し、すみやかに耳鼻咽喉科を含む医療機関に相談してください。
視力喪失
視覚に関する副作用として、視力の急激な低下または片眼の視力喪失が報告されることがあります。
これは、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)と呼ばれる症状で、視神経への血流が遮断されることによって発症します。
高血圧や糖尿病、心血管疾患の既往歴がある人、または50歳以上の男性に多く見られる傾向があり、PDE5阻害薬の使用との関連が指摘されています。
突然の視野の欠損やかすみ、片眼で物が見えにくくなるといった違和感があれば、直ちに使用を中止し、眼科専門医を受診する必要があります。
なお、視覚への影響は非常にまれですが、万が一に備えた観察が重要です。
ドラスマの服用によるその他の副作用

前述した副作用以外でも、ドラスマの服用によって以下のような副作用が報告されています。
頭痛
ドラスマを含むPDE5阻害薬では、頭痛が最も頻度の高い副作用と報告されています。
これは血管拡張作用によって脳の血管にも影響が及び、一時的に血流が増加するために生じると考えられています。
痛みの程度は軽度から中等度が多く、時間の経過とともに改善することがほとんどです。
どうしても不快感が強い場合には、市販の鎮痛薬で対応することも可能ですが、併用については医師や薬剤師に相談してください。
かゆみ
ドラスマの服用後に、皮膚のかゆみ(そう痒感)があらわれるケースもあります。
これは軽度なアレルギー反応や血行の変化によって、皮膚の感覚が過敏になることが原因とされています。
症状が一時的であれば経過観察で問題ありませんが、赤みや膨疹(じんましん)を伴う場合や、全身に広がる場合は薬剤アレルギーの可能性もあります。
そのため、早めに医療機関を受診してください。
めまい
ドラスマの服用によって、ふらつきや立ちくらみを伴うめまいの症状が報告されています。
これは血圧の一時的な低下や、自律神経への影響が関与していると考えられます。
立ち上がった瞬間や入浴直後など、血圧が変動しやすいタイミングで感じやすくなります。
運転や高所での作業、機械操作の前には服用を避けるなど、安全への配慮が必要です。
耳鳴り
耳鳴りも、ごくまれに報告されているドラスマの副作用です。
アバナフィルは血流に影響するお薬で、内耳への血流の変化が影響していると考えられています。
多くの場合は数分〜数時間で解消されますが、片側のみの症状や、難聴を伴う場合は突発性難聴の前兆である可能性も否定できません。
気になる場合は、医療機関を受診してください。
発疹
皮膚に赤みやぶつぶつがあらわれる発疹(皮膚の過敏反応)も、ドラスマの服用によってまれに見られる副作用の1つです。
これらは軽度の皮膚アレルギーであることが多く、かゆみを伴う場合もあります。
症状が悪化する、あるいは広範囲に拡大するようであれば服用を中止し、医療機関を受診してください。
過去に薬剤アレルギーの既往がある方は、服用前に医師へ相談しておくと安心です。
まぶたの腫れ
目の周囲、特にまぶたの腫れ(眼瞼浮腫)は、アレルギー性の反応または血管の拡張によって起こる可能性があります。
違和感だけでなく、視界の妨げになることもあるため注意が必要です。
軽度であれば様子を見ても構いませんが、呼吸困難や喉の腫れ、発熱などを伴う場合はアナフィラキシーの可能性もあるため、すみやかに医師へ相談してください。
ドラスマの副作用に関する臨床試験結果

ドラスマの有効成分であるアバナフィルは、即効性と高い選択性を特徴とするPDE5阻害薬であり、軽度から重度の勃起不全(ED)を対象とした複数の臨床試験で、有効性と安全性が検証されています。
本項では、52週間にわたる長期オープンラベル試験(ClinicalTrials.gov: NCT00853606)の結果に基づき、副作用の発現状況や有効性に関するデータをまとめました。
この試験では、過去の第III相試験から移行した712名のED患者(糖尿病合併例を含む)を対象に、アバナフィルを100mg(必要に応じて200mgまたは50mgに調整)で投与し、長期的な忍容性と効果を評価しました。
項目 | 内容 |
試験名 | 長期オープンラベル試験(NCT00853606) |
対象 | 軽度〜重度のED患者712名(うち686名が有効性・安全性評価対象) |
用量 | アバナフィル100mg(必要に応じて50mgまたは200mgへ調整) |
評価期間 | 52週間 |
以下は、アバナフィルを50mg、100mg、200mgの3用量で服用した場合と、プラセボ(偽薬)を服用した群との間で報告された主な副作用の発生率を整理したものです。
症状 | 発現率 | 備考 |
頭痛 | ≥2% | 最も多く報告された副作用。大半は軽度。 |
潮紅(ほてり) | ≥2% | 投与後の一過性反応として報告。 |
鼻咽頭炎 | ≥2% | 季節性の要因である可能性。 |
鼻閉(鼻づまり) | ≥2% | 軽度で経過観察にて改善。 |
本試験では、副作用による治療中止率は3%未満であり、アバナフィルの長期使用に対する高い忍容性が示されました。
また、200mgに増量した非応答者の65%が効果を得たとされ、忍容性と有効性のバランスを取りながら柔軟に用量調整が可能である点も特徴です。
副作用は早期に対処すれば回復が見込めることが多く、定期的に診察を受けたり、服薬状況を医師に相談しながら服用することで、重い副作用のリスクを減らせるでしょう。
ドラスマの副作用を抑えるポイント

ここでは、ドラスマの副作用を抑えるポイントとして以下を解説します。
正しい用法用量を守る
ドラスマの副作用を防ぐ最も基本的なポイントは、用法用量を守ることです。
ドラスマの推奨用量は通常100mgで、最大でも200mgを超えてはいけません。
また、1日1回の服用にとどめ、24時間以内の再服用は避けてください。
必要以上の量を服用しても効果が強まるわけではなく、逆に頭痛やめまい、血圧低下、視覚異常などの副作用を引き起こすリスクが増加します。
なるべく空腹時に服用する
ドラスマは、食事の有無にかかわらず服用できるお薬です。
ただし、脂質の多い食事の直後に服用すると吸収が遅れ、効果の発現に時間がかかってしまう場合があります。
なるべく空腹時に服用することで、お薬がすみやかに吸収され、安定した効果が得られやすくなるでしょう。
空腹時の服用が難しい場合でも、軽食後30〜60分程度は時間を空けてから服用するのが理想的です。
過度なアルコール摂取は控える
アルコールとドラスマを併用すると、血管拡張作用が重なって血圧が急激に下がることがあります。
これにより、めまいや立ちくらみ、動悸などの症状が生じるリスクが高まります。
また、アルコールそのものが勃起機能を一時的に低下させるため、薬の効果が十分に発揮されないこともあります。
少量の飲酒であれば大きな問題はありませんが、なるべく飲酒を控えて服用するのが安全です。
グレープフルーツと一緒に飲まない
グレープフルーツや関連する飲料には、「フラノクマリン類」と呼ばれる成分が含まれ、アバナフィルの代謝を妨げる作用があります。
その結果、お薬が体内に長く残ることになり、想定以上に血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれる可能性が高まります。
この作用は、グレープフルーツそのものに限らず、100%ジュースやグレープフルーツを使用した加工食品(マリネやドレッシングなど)にも及ぶため注意が必要です。
ドラスマを服用する場合は、数時間前後にわたってグレープフルーツの摂取を避けるようにしてください。
症状がひどい場合は医師に相談する
ドラスマの服用後に強い副作用があらわれた場合は、自己判断での継続服用を避け、すぐに医師の診察を受けてください。
特に、持続性勃起や視力・聴力の急変などは重大な副作用に分類され、放置すると不可逆的な後遺症に発展する可能性があります。
服用を開始したばかりの時期や、体調に不安がある場合は、定期的に医師の指導を受けながら継続可否を判断してください。
まとめ

ドラスマは、効果の即効性と持続時間のバランスに優れたED治療薬です。
ただし、服用方法を誤ると、副作用が出やすくなったり、十分な効果が得られなかったりすることもあります。
特に注意すべき副作用としては、持続性勃起や視力・聴力に関わる異常などが報告されています。
また、軽度ではありますが頭痛やめまい、発疹などの軽い症状が起きることもあります。
ドラスマの服用後に体調の変化が気になる場合は無理をせず、服用を中止して医師に相談してください。
副作用を抑えるためには、1日1回・最大200mgまでの用量を守ることが重要です。
さらに、服用タイミングや食事の内容、アルコールやグレープフルーツとの相互作用にも注意が必要です。
副作用に関して少しでも不安を感じた場合は、すみやかに医療機関に相談してください。
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