プロトピック軟膏は日本の大手製薬会社「アステラス製薬」が製造・販売しているアトピー性皮膚炎治療薬です。

プロトピック軟膏に限らず医薬品には併用注意があるケースも多く、使用する前にしっかりと理解しておきましょう。

プロトピック軟膏の特徴

プロトピック軟膏の特徴は、炎症の原因となるヒスタミンのはたらきを阻害し、アトピー性皮膚炎にともなうかゆみや赤みを緩和する点にあります。

アトピー性皮膚炎の治療に用いられるステロイド製剤に比べて分子構造が大きいため、首や顔など皮膚が薄い箇所の症状改善に役立ちます。

併用注意とは

併用注意は特定の医薬品と併用することで有効成分の効果が増減したり、何らかの健康被害を招いたりする医薬品、もしくは食品です。

有効成分の効果が増強するのはメリットに思われがちですが、医薬品の有効成分が体内に長く留まるため副作用の発現リスクが高くなります。

プロトピック軟膏に限らず医薬品を購入した際には添付文書やパッケージを確認し、併用注意や正しい使用方法について確認しておくことが重要です。

プロトピック軟膏の併用注意薬

内服タイプのタクロリムス錠には併用注意薬がありますが、プロトピック軟膏（タクロリムス外用薬）に関しては併用注意はありません。

プロトピック軟膏はアトピー性皮膚炎に対する外用剤で、免疫抑制作用によってアトピー性皮膚炎を改善させます。薬剤がアトピー性皮膚炎の皮膚状態が悪い部分のみから吸収されるので、正常な肌には影響がありません。 1箱：3,376円～

プロトピック軟膏の使用に際して注意が必要な人

プロトピック軟膏の使用に際して注意が必要な人は以下の通りです。

それぞれについて詳しく解説します。

腎・肝機能障害をお持ちの人

軽度から中等度の腎機能障害をお持ちの人は、腎機能障害を増悪させる恐れがあるため、自分の判断でプロトピック軟膏を使用しないでください。

重度の肝機能障害をお持ちの人がプロトピック軟膏を使用すると、血中濃度の上昇を招く恐れがあるため、使用を検討している方はかかりつけ医に相談することが重要です。

皮膚感染症をともなう人

皮膚感染症をお持ちの人がプロトピック軟膏を使用すると、症状を悪化させる恐れがあります。

やむを得ず使用する際には皮膚感染症を発症している箇所を避けるか、もしくは抗菌薬や抗ウイルス薬による適切な治療を受けてください。

妊婦もしくは妊娠している可能性がある女性

妊婦または妊娠している可能性がある女性に関しては、プロトピック軟膏の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用してください。

動物を用いた実験において催奇形作用や胎児毒性が認められたと報告されています。また、プロトピック軟膏の有効成分を経口投与した場合、胎盤を通過することが分かっています。

授乳婦

プロトピック軟膏の有効成分は乳汁中に移行する可能性があります。授乳中にプロトピック軟膏を使用する方は、母乳の中断を検討してください。

65歳以上の人

66歳以上の方は一般的に生理機能が低下しています。

プロトピック軟膏を使用すると、有効成分の血中濃度が高くなる恐れがあるため、かかりつけ医に相談のうえで使用を検討してください。

2歳以上の小児

2歳以上の小児に関しては0.1%ではなく、0.03%のプロトピック軟膏を使用してください。

0.1%のプロトピック軟膏を使用した場合、副作用の発現率を高める恐れがあります。

まとめ

プロトピック軟膏の有効成分であるタクロリムスには、炎症の原因となるヒスタミンのはたらきを阻害し、アトピー性皮膚炎にともなうかゆみや赤みを緩和する作用があります。

ステロイド製剤に比べると分子構造が大きく健康な皮膚には吸収されないうえ、顔や首など皮膚が薄い箇所でも安心です。

しかし、化学的に製造された医薬品は副作用のリスクをともなうため、事前に併用注意薬や使用上の注意点を理解しておく必要があります。