健康の増進と維持に欠かせない休養活動である睡眠。

毎日健康で元気に過ごすためには、適切な睡眠時間と質を保つことが大切であるとされています。

しかし、仕事や学校、育児で忙しい毎日。

ストレスや心配事、生活リズムの乱れなどから、寝つきが悪くなり、翌日に疲れを残してしまう、という方も多いのではないでしょうか。

毎晩、一瞬で心地よく入眠し、朝スッキリ起きて、朗らかに1日の活動につなげたいですよね。

今回の記事では、今すぐ眠れる正しい入眠テクニックとして、眠れない理由や一瞬で寝るための呼吸法や脱力法、就寝前の習慣などを解説します。

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眠れない理由を知って一瞬で寝る体質を目指す方法

なかなか寝付けないのは、脳や神経の状態や生活リズム、寝室の環境などが関係しています。

一瞬で寝られない原因は脳と神経の緊張状態

一瞬で寝られない原因は、自律神経である「交感神経」と「副交感神経」のバランスが関係しています。

交感神経は、脳や体を興奮状態にさせ、昼間や活動量の多い時間帯に優位になる自律神経です。

一方、副交感神経は、脳や体を落ち着かせ、夜間やリラックスタイムに優位になるとされています。

通常、2つの神経は脳が24時間コントロールしていて自然に切り替わるもの。

不眠を加速させるNG習慣と生活リズムの乱れ

人間の体には、体内時計が備わっています。

夜になると眠くなり、朝になると目覚めるのは、体内時計が睡眠と覚醒のリズムをしっかりと刻んでいるためです。

しかし、寝る前に以下のような習慣があると、睡眠に影響が出る可能性があります。

また、昼夜逆転の生活や育児、交代勤務などによって生活リズムが崩れる場合も体内時計が乱れて、睡眠に影響が出てしまうでしょう。

起床後に朝日を浴びて体内時計をリセットし、日中に光を多く浴びることで夜間のメラトニン分泌量を増加させ、入眠を促進するというのが理想です。

眠れない夜を作る部屋の環境と照明の問題点

一瞬でぐっすりと寝るためには、部屋の環境を整えることが大切になります。

問題のある寝室の環境は以下の通りです。

照明が明るすぎる	睡眠を促すメラトニンの分泌を抑制してしまう。 白っぽい昼光色の照明より、やわらかいオレンジ色の照明がおすすめ
窓から光が漏れている	街灯などの外からの光は睡眠を妨げる可能性があるため、遮光カーテンやアイマスクで遮断するようにする
ベッドが窓の近くにある	窓の近くは、外気温の影響を受けやすいため、壁側に配置するのがおすすめ
快適な室温になっていない	夏は26℃前後、冬は20℃前後、湿度は40〜70%程度に保つのがよいとされ、夏のエアコンはつけっぱなし、冬は加湿器を使うようにする

一瞬で寝る方法はある？呼吸法や米軍式メソッドも紹介

布団に入ったら、あれこれ考え出してしまう前に、一瞬で寝るのが理想ですよね。

呼吸法や脱力法、ツボ押しを活用することで、眠りやすくなる可能性があります。

呼吸法と脱力で副交感神経を優位に導く方法

呼吸法や脱力などの方法で副交感神経を優位にすることで、リラックス効果を高め、睡眠を促す効果が期待できます。

睡眠の質を高める呼吸法は以下の通りです。

呼吸法	方法
腹式呼吸	・息を吸う時にお腹を膨らませ、吐く時にへこませる呼吸法 ・鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐き出すのが基本 ・吐く時は、吸う時の倍ほどの時間をかけてゆっくりと行う ・横隔膜を動きやすくするため、仰向けに寝て、膝を軽く曲げた状態で行うのがおすすめ
片鼻呼吸法	・片方の鼻を塞ぎ、もう片方の鼻から息を吸い、反対側の鼻から息を吐き出す呼吸法 ・左右の鼻の通りを整え、自律神経のバランスを調整する効果がある
4-7-8呼吸法	・4秒かけて鼻から息を吸い、7秒間息を止め、8秒かけて口からゆっくりと息を吐き出す呼吸法

呼吸法を実践する際には、ゆっくり深く、呼吸だけに意識を集中させ全身の力を抜くことがポイントです。

長く息を吐くことに集中することで、リラックス効果を高められます。

また、リラックスできる脱力法には「筋弛緩法」があります。

身体に力を入れて筋肉を緊張させたあとに、脱力して筋肉を緩めることでリラックスできる方法です。

手と足でそれぞれ行います。

手はグーに握って力を入れ、足は足首を曲げてアキレス腱を伸ばし、それぞれ5秒ほどキープしたあとに脱力。

米軍式入眠法は戦場でも活用された即眠テクニック

米軍式入眠法は、戦争中の危険な状況下でも最適な休息をとるために、アメリカ軍が開発した、独自の入眠法です。

筋肉の緊張を解いて雑念を排除するという方法で行われ、6週間の練習で96％の兵士が2分以内に眠れるようになったという研究結果もあります。

具体的な方法は以下の通りです。

脱力する際には、体が布団に沈みこむイメージを持つとよいでしょう。

脱力が難しい時には先に力を入れてから力を抜く「筋弛緩法」を試すのがおすすめです。

頭の中のリセットでは、ハンモックに揺られる、ゆっくりカヌーをこぐ、星空を静かに眺めるなどのイメージや風景を思い浮かべてみましょう。

考えごとが浮かばないようにするのは難しいですが、練習することでスムーズにできるようになります。

足裏のツボ押しで脳と体をリラックスさせるコツ

足には全身のさまざまな症状の緩和に役立つツボが多く存在します。

一瞬で寝るために、足裏のツボを押すことで、脳と体のリラックスを促しましょう。

【湧泉（ゆうせん）】

湧泉は、足の五本指を曲げたときに、足の裏にできるくぼみ付近にあるツボです。

全身の倦怠感や疲れ、不眠、ストレス、高血圧、月経に伴う冷えやのぼせに効果が期待できるでしょう。

【失眠（しつみん）】

失眠は、かかと中央のわずかなへこみ部分にあるツボです。

即効性があるツボの一つで、下半身の冷えやむくみの緩和、不眠の改善に効果が期待できます。

皮膚が硬い部分にあるツボのため、握りこぶしを作り、指の関節部分で押したり、ゴルフボールなどを使うのもおすすめです。

ツボ押しは、入浴後や寝る前などのリラックスしているときに、痛気持ちいい程度に押して行うようにしましょう。

ツボ押しのあとには、水分をしっかり摂ることで、代謝が高まり老廃物が排出されやすくなります。

ツボ押しを避けたほうがよいのは、食事直後、飲酒後、発熱時、足に怪我をしているとき、妊娠初期、生理中などです。

ハイプロンは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、作用時間が短い点が特徴で、入眠障害や中途覚醒といった睡眠障害をお持ちの方に適応があります。ふらつきなどの副作用も少ない点が特徴です。 1箱：3,590円

エスゾピックは、不眠症の治療薬です。GABAが活性化することでストレスによる脳の過剰な興奮を抑え、寝つきを良くします。作用時間が短く翌日に眠気が残りにくいのが特徴です。 1箱：1,690円～

ハイプナイトは非ベンゾジアゼピン系のGABA受容体作動薬で、催眠作用および鎮静作用を発揮します。なかなか寝付けない、夜中に目が覚めるという症状の改善効果があります。 1箱：2,750円～

ソクナイトは、ルネスタのジェネリック医薬品の睡眠薬です。超短時間型で依存性や耐性が少なく翌日に眠気を持ち越さない安全性の高い睡眠導入剤として世界中で多く利用されています。 1箱：3,240円～

今すぐ寝たい人が試すべきリラックス習慣と音環境

スムーズに一瞬で寝るためには、環境を整えることが大切です。

さまざまな方法を試して、自分が入眠しやすい方法を見つけてみましょう。

すぐに眠れる音楽と睡眠導入サウンドの選び方

音楽は、スムーズに一瞬で寝るための有効なツールですが、選び方を間違えると逆に脳が覚醒してしまう可能性もあるため注意が必要です。

寝る前に適切な音楽を選んで、脳がリラックスできる環境を整えましょう。

一瞬で眠れる音楽や睡眠導入サウンドのおすすめの選び方は以下の通りです。

歌詞のない音楽を選ぶ	歌詞があると脳が解釈使用とするため、リラックス効果を得られない可能性がある。
ゆったりとしたテンポの音楽を選ぶ	心拍数に近い音楽が、リラックス効果を高める。モーツァルトやバッハなどのバロック音楽がおすすめ。
自然音の入っている音楽を選ぶ	自然音は1/fゆらぎという心拍数に近いリズムを持ち、リラックス効果を得られる。雨音、波の音、川のせせらぎ、鳥のさえずりなどがおすすめ。
低周波の音が入っている音楽を選ぶ	4,000Hz以下の低周波の音は、脳のα波を誘発してリラックス効果を高めるとされる。

睡眠導入のために音楽を聴く際には、心地よく聴ける程度の小さめの音量で、スピーカーから流すのがおすすめです。

不眠症に悩むなら睡眠薬やサプリの活用も視野に

不眠症に悩んでいる場合は、睡眠薬やサプリに頼るのも一つの方法です。

睡眠薬は、寝つきを良くしたり、眠りを深くしたりする効果が期待でき、脳の神経活動を抑制する睡眠薬と、自然な眠気を促す睡眠薬の大きく2タイプに分けられます。

また、サプリは自律神経や体内時計を整えるサポートをして、時間をかけてじっくりと改善を目指すことが可能です。 

メラトニンやバレリアン、GABA、グリシン、テアニンなどの成分が含まれるため、睡眠の質を高めることが期待できるでしょう。

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深くぐっすり眠るために大切な就寝前の習慣

脳の興奮を鎮め、深くぐっすり眠るためには、寝る前の少なくとも1時間は家事や仕事、勉強に追われずにリラックスする時間を持つことが大切です。

寝る前にリラックスできる環境を整えて、心と体をしっかり休ませましょう。

おすすめの就寝前の習慣は以下の通りです。

入浴	38〜40℃のぬるめのお湯に浸かって体を温めることで寝つきがよくなる
ストレッチやヨガ	筋肉の緊張をほぐすことでリラックスできて深い眠りにつながる
リラックスできる音楽を聴く	ヒーリングミュージックやα波の音楽がおすすめ
アロマを焚く	ラベンダーやカモミールなどの香りでリラックス効果が高まる
読書	軽く読書をすることで心を落ち着かせ自然な眠気を促す
日記を書く	頭の中が整理されることで気持ちが落ち着く。感謝の気持ちを思い起こすと心が穏やかに。

まとめ

良質な睡眠のためには、生活リズムを整えて、自律神経がバランスよく働くように促すことが大切です。

呼吸法や脱力法、ツボ押しなどの方法を実践し、自分に最適な寝る前のリラックス方法も探してみるとよいでしょう。

また、眠れないことが続く時は、医療機関を受診することも大切です。