臨床試験の結果から読み解くプロトピック軟膏の有用性について
プロトピック軟膏はアトピー性皮膚炎にともなう炎症の緩和に効果的な治療薬です。臨床試験の結果に基づいて、プロトピック軟膏の有用性について解説します。
お薬通販部スタッフ[監修]

プロトピック軟膏は免疫抑制剤の一種で、有効成分のタクロリムスはアトピー性皮膚炎にともなうかゆみや赤みを緩和するのに効果的です。
非ステロイド性の外用薬のため、一般的なアトピー性皮膚炎の治療薬に比べ肌の菲薄化リスクが少ないメリットがあります。
本記事ではプロトピック軟膏の有用性について、臨床試験の結果をもとに解説します。
目次
プロトピック軟膏について

プロトピック軟膏はタクロリムスを有効成分に配合した抗炎症薬の一種です。はじめに、プロトピック軟膏の特徴や適応症状、製薬会社について解説します。
特徴
プロトピック軟膏の特徴は過剰な免疫の働きを抑制することで、アトピー性皮膚炎にともなう炎症を抑える点です。
非ステロイド性の免疫抑制剤のため、ステロイド製剤が持つ皮膚の菲薄化リスクが低い点がメリットとなっています。
適応症状
プロトピック軟膏の適応症状はアトピー性皮膚炎です。ステロイド製剤では十分な効果が期待できない、もしくは用いられない際にプロトピック軟膏の使用が検討されます。
製薬会社
プロトピック軟膏は、東京に本社がある国内大手の製薬会社「アステラス製薬」が製造・販売しています。
アステラス製薬ではプロトピック軟膏以外に、前立腺がん治療薬の「イクスタンジ」や免疫抑制剤の「プログラフ」、過活動膀胱治療薬の「ベタニス」などが主力商品となっています。
![]() プロトピック軟膏はアトピー性皮膚炎に対する外用剤で、免疫抑制作用によってアトピー性皮膚炎を改善させます。薬剤がアトピー性皮膚炎の皮膚状態が悪い部分のみから吸収されるので、正常な肌には影響がありません。 1箱:3,376円~ |
臨床試験の結果から読み解くプロトピック軟膏の有用性

プロトピック軟膏の有用性について、国内および海外で行われた臨床試験の結果をもとに解説します。
国内第Ⅲ相試験・1
躯幹および四肢にアトピー性皮膚炎を発症している患者を対象に、プロトピック軟膏を1日2回、3週間にわたり塗布する比較試験が行われました。
その結果、93.6%(78例中73例)の患者に、中等度以上の改善が見られました。
国内第Ⅲ相試験・2
顔面および頚部にアトピー性皮膚炎を発症している患者を対象に、プロトピック軟膏を1日2回、1週間にわたり塗布する比較試験が行われました。
その結果、97.3%(73例中71例)の患者に、中等度以上の改善が見られました。
ランダム化二重盲検溶媒対照試験(海外)
中等度から重度のアトピー性皮膚炎を発症している2歳から15歳の351名を対象に、12週間のランダム化二重盲検溶媒対照試験が行われました。
その結果、タクロリムス塗布群では溶媒群と比べ、有意に多くの患者が90%以上の臨床的改善を示しました。
二重盲検ランダム化第Ⅲ相試験(海外)
中等度から重度のアトピー性皮膚炎を発症している成人、および小児に対して12週間の二重盲検ランダム化第Ⅲ相試験が行われました。
その結果、いずれのケースでも基剤群と比較してアトピー性皮膚炎にともなうかゆみや赤みの有意な改善が見られました。
特に成人ではタクロリムス軟膏が頭頚部を含む、すべての皮膚領域のアトピー性皮膚炎の治療に効果的であると示唆されています。
まとめ

臨床試験の結果から、プロトピック軟膏の有効成分であるタクロリムスが、アトピー性皮膚炎の改善に効果的と分かりました。
なかでも成人に関しては頭頚部を含む、すべての皮膚領域のアトピー性皮膚炎に対して効果的であると示唆されています。
今回の記事を参考にプロトピック軟膏の効果について理解し、用法用量を守って正しく使用してください。
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