アシビルクリーム

有効成分であるアシクロビルは、ヘルペスウイルスに感染した細胞に入り、アシクロビル三リン酸（ACV-TP）に変わります。
ヘルペスウイルスが増えるためにはデオキシグアノリン三リン酸（dGTP）が必要ですが、ACV-TPと似ているため、ヘルペスウイルスが間違ってACV-TPを取り込んだ結果、ウイルスの増殖が止まり、症状の悪化を防ぐことができます。

アシビルクリームは一度塗布するとおおよそ8時間後に皮膚の下層まで浸透し、薬効を発揮します。

参考文献：医療用医薬品 : ゾビラックス「16. 薬物動態」

アシビルクリーム1本あたりアシクロビル50mgを配合。

この臨床試験の目的は、単純口唇ヘルペスの治療のために、ニュージーランドの医療グレードのカヌカ蜂蜜と局所アシクロビルの効果比較です。
試験は前向き並行ランダム化対照非盲検優位性試験で、設定は2015年9月10日から2017年12月13日までのニュージーランド全土の76の地域薬局で行われました。
参加者は、単純口唇ヘルペスの発症から最初の72時間以内にランダム化された成人952名です。
被験者に対し、5%のアシクロビルクリームまたは医療グレードのカヌカ蜂蜜（90%）/グリセリン（10%）クリームのいずれかに1:1でランダムに割り当てられ、両方とも1日に5回塗布しました。主要な結果尺度は、ランダム化から正常な皮膚（ステージ7）に戻るまでの時間でした。
結果は、正常な皮膚に戻るまでの日数の中央値が、アシクロビルで8（8～9）日、ハチミツで9（8～9）日でした。重篤な有害事象は報告されませんでした。

アシクロビル（アシビルクリームの有効成分）とハチミツを用いたヘルペス治療において、皮膚が正常に戻るまでの日数は共に約8-9日で有意な差は見られませんが、ともにヘルペスに対して効果があることが実証されています。また重篤な副作用の報告もありません。

参考文献：National Library of Medicine「単純口唇ヘルペスの局所治療におけるカヌカ蜂蜜とアシクロビルの比較：ランダム化比較試験」（英文による解説）

1日2回のバラシクロビルと1日5回のアシクロビルの有効性と安全性を比較した臨床試験を紹介します。

臨床試験の目的は、免疫正常者の再発性性器単純ヘルペスウイルス（HSV）治療で、1日2回のバラシクロビルと1日5回のアシクロビルの有効性と安全性を比較です。
方法は、再発性器HSV感染症の病歴を持つ患者739人に、次の再発の治療のため、管理されたランダム化二重盲検法でバラシクロビル（500mgを1日2回）またはアシクロビル（200mgを1日5回）を5日間経口投与して行われました。
結果、バラシクロビルとアシクロビルの間に有意差は検出されず、両者の治療結果に差はな発生していません。また安全性プロフィールも両者は同等で、有害な経験はまれで一般に軽度でした。
このことから本試験ではバラシクロビル500mgを1日2回投与が、アシクロビル200mgを1日5回投与するのと同等の有効性を実証したことになります。
さらにバラシクロビルは、アシクロビルの確立された有効性と安全性を維持しながら、より便利な1日2回の投与計画を提供できることが可能性として示されました。
この研究によって、バラシクロビルを1日2回投与することが、アシクロビルを1日5回投与するのと同じ効果があることが確認されました。バラシクロビルは、アシクロビルの効果を保ちつつ、投与回数を減らすことが可能です。

参考文献：National Library of Medicine「患者が開始した再発性性器ヘルペスの治療におけるバラシクロビルとアシクロビル：ランダム化二重盲検臨床試験。国際バラシクロビル HSV 研究グループ」（英文による解説）

適量を患部に1日5回、4日間塗布してください。
症状が出たらすぐに塗布し、早く治療を始めると効果が期待できます。

7日間使用後、症状が改善しないまたは悪化する場合、他の治療への切り替えを検討してください。
皮膚への塗布を想定しており、目や口、鼻、膣内などには使用してはいけません。皮膚表在性のヘルペスに使用してください。

使い忘れた場合は気が付いた時点ですぐに使用してください。次の使用時間が近い場合は、使い忘れた分はスキップしましょう。
また本剤は避妊用ラテックス製品と接触しないように注意してください。

参考文献：おくすり110番「アシクロビル（用法）」

アシビルクリームを使用してヘルペスが治癒されることで、以下のような副次的効果が期待できます。