ジスロマックの服用後いつから性行為できる?クラミジアを治療しないリスクも
お薬通販部スタッフ[監修]
ジスロマックは、クラミジアや淋菌などの細菌感染症だけでなく、喉の痛みやマイコプラズマなどにも効果が期待できる抗生物質です。
「ジスロマックを使ってクラミジアの治療をしているのだけど、服用後いつから性行為を行えるのか」と疑問に思っている人は少なくありません。
処方時に「性行為を行わないように」と注意されることはあっても、「いつから性行為を行っても大丈夫です」と教えてもらえることはほとんどありません。
できればすぐに性行為を再開したい、普段どおりの生活を早く始めたいと考えるものです。
この記事では、ジスロマックの服用後いつから性行為を行っても問題ないのか、クラミジアを治療しないリスクを含めて詳しく解説します。
ジスロマックの服用後に性行為はいつから可能?
結論として、クラミジアが完治したことが検査で確認できた後、具体的にはジスロマックの服用後3〜4週間で性行為を行えるといえます。
クラミジアの原因菌は、クラミジア・トラコマチスです。
ジスロマックの服用後、クラミジア・トラコマチスが患部で見つからなければ改善されたと判断できます。治療後、約2週間で患部から原因菌がいなくなることがほとんどです。しかし、治療後すぐに完治したと判断はできません。
抗生物質の影響で一時的に原因菌が死滅しているだけのこともあるため、ジスロマックの服用後3〜4週間のタイミングで完治したかどうかの最終的な検査を行います。
このことから、性行為は服用後3〜4週間で行えるといえます。
検査で陰性が確認できてから
性行為を行えるのは、ジスロマックを正しく服用し、その後の再検査でクラミジアの陰性が確認できてからです。
服用から3〜4週間後に再検査を行い、クラミジアの原因菌があらわれずに陰性となれば、完治したと判断されるでしょう。
ジスロマックを処方してもらうときに医師から「3週間後にまた来てください」のように指示を受けるはずです。
クラミジアは、ジスロマックなどの抗生物質を服用したら終わりではなく、再検査を受けて陰性が出て初めて完治したことになります。必ず医師の指示どおりに再受診し、クラミジアの原因菌が死滅しているかどうかの検査を受けてください。
ジスロマックでクラミジアの治療を行う場合、1,000mgを1回服用したら服薬は終了です。ただし、完治するまでには時間がかかるので注意しましょう。
服用後に症状がなくなっても完治とはいえない
ジスロマックの服用後に症状が完全になくなったからといって、クラミジアが完治したとはいえない点に注意してください。
クラミジアは、感染しても自覚症状が出ないことがほとんどです。
男性では排尿痛や尿道不快感、そう痒感、女性では子宮頸管炎や骨盤内付属器炎、肝周囲炎などを引き起こすことがあります。
おりものの量が増えたり性交痛などがあったりする場合は、クラミジア感染を疑いましょう。ジスロマックを服用すると、クラミジアの原因菌の数が減少していくので、症状も次第に見られなくなります。
ただし、症状が出ていない=感染していない(完治した)わけではありません。ジスロマックでの治療後、再検査を行って陰性が確認されたら完治したと判断されます。
クラミジアを治療しないリスク・危険性
クラミジアは自覚症状が乏しいため、「治療しなくても問題ないのではないか」と考える人もいます。
しかし、クラミジアを治療しないまま放置しておくと、以下のリスク・危険性があります。
順番に解説します。
自然治癒することがない
基本的に、クラミジアが自然治癒することはほとんどありません。
治療せず放置しておくと、長期間にわたって感染した状態が続くことになります。
クラミジアの症状が一時的に改善してきても、治癒したわけではないため、そのまま性行為を行うと相手を感染させてしまうリスクが高いといえます。
クラミジアを完治させるためには、ジスロマックなどの抗生物質を使った適切な治療が必要です。
症状が乏しいので油断してしまう人が多くいますが、治療しないと自然治癒することはほぼないので注意しましょう。
他の部位で炎症が起こる
クラミジアを放置すると、感染が広がり他の部位でも炎症が起こる場合があります。
それぞれの性別ごとに起こりうる症状は以下のとおりです。
性別 | 病気 | 症状 |
男性 | 尿道炎 | ・分泌物 ・軽い排尿痛 ・尿道の痒み・不快感 |
精巣上体炎 | ・陰嚢の腫れ ・痛み ・軽い発熱 | |
女性 | 子宮内膜炎 | ・下腹部の痛み・不快感 ・発熱 ・不正出血 |
卵管炎・卵巣炎 | ・下腹部の痛み ・発熱 ・おりものの増加 | |
子宮頚管炎 | ・不正出血 ・おりものの増加 | |
骨盤腹膜炎 | ・高熱 ・下腹部痛 ・おりものの増加 ・不正出血 |
このように、クラミジアを放置しておくとさまざまな部位に炎症が起こり、合併症を生じる原因となります。下腹部に強い痛みを生じたり発熱したりすることもあるため、早めに適切な治療を受けることが重要です。
自覚症状がほとんどないため、性行為を行うパートナーがいる人は定期的に性病の検査を行うのをおすすめします。
重症化すると不妊になる
クラミジアを治療せず放置し、重症化すると不妊になることがあります。
不妊は、男性でも女性でもなるおそれがあるので十分に注意しましょう。男性不妊外来を受診した83例に対して、クラミジア抗体検査が行われました。
この結果、IgA抗体またはIgG抗体のどちらか一方が陽性であった、クラミジアに感染しているか感染したことがあるケースは83例中20例(24.1%)でした。
また、女性では、クラミジアが卵管閉塞や卵管留水症を引き起こすことがわかっています。長期間の感染で卵管がダメージを受け、排出された卵子を取り込めなくなり不妊症になるケースもあります。
これらのことから、クラミジアは不妊の原因の1つであると考えられています。
ジスロマックは、大手製薬会社ファイザーが開発したマクロライド系抗生物質です。長時間体内にとどまる特徴があり、呼吸器感染症、リンパ管、リンパ節感染症、副鼻腔炎などの治療に使用されます。 1箱:4,060円~ |
ジスロマックを服用するときの注意点
ジスロマックは、アジスロマイシンとして1,000mgを1回服用するだけでクラミジアの治療ができる利便性の高いお薬です。
1回しか服用しなくて良いので、医療機関でもジスロマックを使った治療がよく行われています。
しかし、服用時には注意点があるため確認しておきましょう。
順番に解説します。
治療中は性行為をしてはいけない
クラミジアの治療中は、性行為を行わないでください。
治療を開始して症状がなくなったとしても、患部にはまだクラミジアの原因菌が潜んでいる場合があります。症状がないからといって性行為を行うと、パートナーに感染させる危険性があるので注意してください。
たとえ、コンドームを使用したとしても性行為は厳禁です。また、オーラルセックスも感染の原因となるので避けてください。
ジスロマックの服用後、3〜4週間後に再検査を行って陰性が確認されれば性行為を行っても問題ありません。
パートナーの陰性も確認する
どちらか一方で感染が確認されたら、パートナーもクラミジアの検査を受けましょう。
クラミジアは、性行為による粘膜接触や分泌液を介して感染するため、一方がクラミジアの場合は他方も感染している可能性があります。
自覚症状がなかったとしても感染している可能性が十分にあるため、症状がないから大丈夫と思わず必ず医療機関を受診しましょう。
女性は産婦人科、男性は泌尿器科を受診してください。
アルコールの摂取を控える
ジスロマックの効果が持続している7〜14日間は、アルコールの摂取を控えてください。
ジスロマックは肝臓で代謝されるお薬です。
ジスロマックの主成分である、アジスロマイシンを投与された健常成人男性で行った研究では、尿中に排泄された未変化体および代謝物の割合はそれぞれ8.4%と0.66%でした。
未変化体とは、肝臓で代謝されずそのままの形で腎臓から排出されたもののことです。この結果から、アジスロマイシンは主に肝臓で代謝されるお薬であることがわかります。
アルコールも肝臓で代謝されるため、飲酒すると肝臓に負担がかかり代謝に影響が出るおそれがあります。
ジスロマック服用後の性行為に関するよくある質問
最後に、ジスロマック服用後の性行為に関して以下の3つの質問にお答えします。
順番に見ていきましょう。
完治した後に性行為で再感染することはある?
完治した後でも、性行為で再感染することがあります。
クラミジアは完治した後も免疫がつかないため、感染している人との性行為を行うと完治した後でも再感染するリスクがあります。
再感染のリスクを最小限にするためにも、パートナーにもクラミジアの検査を受けてもらい、必要に応じて適切な治療をしてもらいましょう。
また、不特定多数の人と性行為を行わないことも大切です。
クラミジアの治療中でもゴムありなら性行為してもいい?
コンドーム(ゴム)をつけても、クラミジアの治療中は性行為を行えません。
コンドームは性行為による感染を防ぐ効果がありますが、コンドームが覆われていない部分がパートナーに接触し、感染するおそれがあります。
そのため、コンドームをつけていたとしてもクラミジアの治療中は性行為を避けるべきだといえるでしょう。
万が一性行為を行ってしまった場合は、感染リスクがあるのでパートナーに医療機関を受診してもらうよう促してください。
クラミジアの潜伏期間は1〜3週間であるため、感染リスクのある性行為を行ってから1〜3週間後を目安に検査を受けるとよいでしょう。
クラミジアの治療薬を飲んでから何日で治る?
クラミジアが完治するのは、一般的に治療薬を服用してから約3〜4週間後です。
服用開始から2週間ほど経てば、原因菌が患部からいなくなるといわれています。
しかし、完治するまでの期間には個人差があるため、3〜4週間後に再検査を行ってクラミジア感染の有無を調べることが一般的です。
ジスロマックは1回のみの服用で治療が完了しますが、1日でクラミジアが治ることを意味しているわけではありません。
服用期間が短いためすぐに完治すると勘違いされるケースもありますが、再検査で陰性が確認されるまではパートナーに感染させるリスクがあるので注意してください。
まとめ
ジスロマックの服用後、性行為ができるのは約3〜4週間後です。
服用が1回で終わるためすぐに完治すると思われがちですが、再検査を行って陰性が確認できるまでは性行為を行えません。
多くの場合は、1回の治療でクラミジアの原因菌を完全に殺菌できます。
しかし、まれに再検査で陽性となるケースもあるため、ジスロマックの服用後は必ず再検査を受けて治療が完了したかを確認してください。
クラミジアは感染しても自覚症状がないことが多いので、パートナーがいる人は定期的に検査を受けることが重要です。
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