ザガーロ(デュタステリド)とデュタスの違いは?AGA治療薬の効果も比較
お薬通販部スタッフ[監修]
この記事では、ザガーロ(デュタステリド)とデュタスの違いを詳しく解説します。
デュタスは、インドのドクターレディーズラボラトリーズが開発したAGA治療薬です。
AGA治療薬には、他にもザガーロやプロペシアなどのさまざまな種類があります。
デュタスとザガーロは特に違いがわかりにくいため、「ザガーロ(デュタステリド)とデュタスは何が違うのか」「効果に違いはあるのか」と疑問に感じている人は少なくありません。
この記事では、ザガーロとデュタスの特徴や効果の違いを詳しく解説します。副作用や服用上の注意、ミノキシジルやフィナステリド(プロペシア)との違いも紹介しているので、参考にしてください。
目次
ザガーロ(デュタステリド)とデュタスの主な違い
ここでは、ザガーロ(デュタステリド)とデュタスの特徴を表にまとめました。
薬剤名 | ザガーロ | デュタス |
有効成分 | デュタステリド | デュタステリド |
作用 | Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼを阻害してジヒドロテストステロンの産生を抑制する | Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼを阻害してジヒドロテストステロンの産生を抑制する |
効能効果 | 男性におけるAGA(男性型脱毛症) | 男性におけるAGA(男性型脱毛症) |
上記の表のとおり、ザガーロとデュタスの有効成分はデュタステリドであり、作用や効果に大きな違いはありません。詳しく見ていきましょう。
デュタスはザガーロのジェネリック医薬品
ザガーロは先発医薬品であり、デュタスはザガーロのジェネリック医薬品にあたります。
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許が切れた後に作られる有効成分や品質、効果などが同等なお薬のことです。
新薬は、通常次のような流れで開発が進められます。
新薬発売に至るまでには、9〜17年の歳月と数百億円以上の資金が必要です。
新薬の特許が切れた後は、他の製薬会社も同じ有効成分を使ってお薬の販売ができるようになります。
かかる歳月は3〜4年と短く資金も数億円程度で済むため、ジェネリック医薬品は先発医薬品よりも薬価が安価であることが特徴です。
デュタスはザガーロのジェネリック医薬品で、効果や有効成分に違いはありません。
デュタステリドは前立腺肥大症治療薬として開発されていた
デュタステリドは、もともとAGAではなく前立腺肥大症の治療薬として開発されました。
前立腺肥大症とは、男性の尿道の周りにある前立腺が肥大して尿道を圧迫し、尿路機能障害を起こす病気のことです。
前立腺肥大症の治療薬として、アボルブカプセルが販売されています。アボルブカプセルも、ザガーロやデュタスと同じく、有効成分としてデュタステリドを含んだお薬です。
デュタステリドは、5αリダクターゼを阻害してテストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを抑制し、前立腺肥大症を治療します。
ザガーロ(デュタステリド)とデュタスの主な効果
ザガーロとデュタスは、どちらも有効成分としてデュタステリドを含んだ同じお薬のため、期待できる効果に変わりはありません。
主に、以下の効果があります。
順番に見ていきましょう。
5αリダクターゼの働きを抑制して抜け毛の進行を抑える
ザガーロとデュタスには、Ⅰ型とⅡ型両方の5αリダクターゼを抑制する働きがあります。
AGAが進行する原因は、ジヒドロテストステロンです。
男性ホルモンの代表的なものの1つであるテストステロンは、Ⅱ型5αリダクターゼの働きで、ジヒドロテストステロンに変換されます。
ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体(男性ホルモンレセプター)に結合すると、脱毛因子であるTGF-βやDKK1が誘導されてAGAを引き起こします。
ザガーロとデュタスはAGAを根本的に治すお薬ではありませんが、5αリダクターゼを阻害することで、抜け毛の進行を抑えることが可能です。
ヘアサイクルを改善して発毛・育毛を促進する
ザガーロ(デュタステリド)やデュタスには、ヘアサイクルを改善して発毛や育毛を促進する効果があります。
ヘアサイクルとは髪の毛が生えたり抜けたりを繰り返す一連の流れのことで、大きく次の3つの期間に分類できます。
成長期 | 髪の毛が太く長く成長する時期 |
退行期 | 髪の毛が成長を止める準備をする時期 |
休止期 | 髪の毛の成長が止まり、抜け落ちていく時期 |
健康な人の成長期の期間は約2〜6年ありますが、AGAを発症している人では数ヶ月から1年ほどしかありません。
ザガーロやデュタスは、この短くなった成長期の期間を元に戻し、髪の毛が太く・長く成長しやすい環境を作ります。
毛髪量が増加し毛質が変化する
ザガーロやデュタスは、Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼを阻害して強力にジヒドロテストステロンの産生を抑えるお薬です。
4,950名の男性を対象に6~60ヶ月にわたってデュタステリドを投与した試験では、頭髪写真評価において有意な毛量増加が確認されています。
また、フィナステリドとの効果を比較した試験でも、デュタステリドでは全毛髪数と髪の毛の直径で優れた効果が発揮されました。
研究結果から、ザガーロとデュタスには、毛髪量を増やし毛質を変化させる効果があることがわかります。
ザガーロ(デュタステリド)・デュタスと他のAGA治療薬の効果の違い
ザガーロ・デュタスと、他のAGA治療薬の効果の違いを比較すると以下のとおりです。
薬剤名 | ザガーロ・デュタス | ミノキシジル | フィナステリド |
有効成分 | デュタステリド | ミノキシジル | フィナステリド |
作用 | Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼを阻害して、ジヒドロテストステロンの産生を抑制する | 毛母細胞のアポトーシス(細胞死)を抑制してヘアサイクルを整える血流を改善する | Ⅱ型の5αリダクターゼを阻害して、ジヒドロテストステロンの産生を抑制する |
効能効果 | 男性におけるAGA(男性型脱毛症) | 男性におけるAGA(男性型脱毛症) | 男性におけるAGA(男性型脱毛症) |
このように、ザガーロ・デュタスとミノキシジルやフィナステリドには、有効成分や作用に違いがあります。
以下では、より具体的な違いについて見ていきます。
ミノキシジルとの違い
ミノキシジルは、短縮された成長期の期間を正常化して発毛を促すお薬で、休止期にある髪の毛が成長期に移行するように刺激を与える効果があります。
また、もともと高血圧の治療薬として開発されていたこともあり、血管を拡張して血流を良くする働きがあることも特徴です。
発毛を促す効果があるため、「攻めのお薬」と呼ばれることもあります。
一方で、ザガーロやデュタスは、抜け毛や薄毛の原因となるジヒドロテストステロンの産生を抑制するお薬です。
Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼを阻害し脱毛因子の誘導を抑制することで、AGA症状の進行を食い止めます。このことから、ザガーロやザガーロは、「守りのお薬」とも呼ばれています。
フィナステリド(プロペシア)との違い
フィナステリドも、ザガーロやデュタスと同じく、5αリダクターゼの働きを阻害するお薬です。
しかし、阻害する5αリダクターゼの種類に違いがあります。ザガーロとデュタスは、Ⅰ型とⅡ型の5αリダクターゼを両方とも阻害します。
一方で、フィナステリドはⅡ型の5αリダクターゼを阻害する効果しか持ちません。
サガーロ(デュタステリド)やデュタスの方がより多くの種類の5αリダクターゼを阻害できることから、フィナステリド(プロペシア)よりも高い治療効果が期待できます。
ザガーロ(デュタステリド)・デュタスの主な副作用
ザガーロとデュタスでは、主に以下の副作用が報告されています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
男性機能の低下
男性機能の低下とは、次のような症状のことです。
ザガーロにおいて、上記の副作用は1%以上の人で報告されています。
ザガーロの服用を中止した後も男性機能の低下の副作用が持続したとの報告もあるため、慎重に服用した方がよい場合もあるでしょう。
男性機能の低下が起こるのは、ザガーロやデュタスが男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの産生を阻害するからだと考えられます。
ザガーロの臨床試験(デュタステリド0.1mg投与群)では、リビドー減退が5%、勃起不全が3%、射精障害が2%の人で見られました。
肝機能障害
ザガーロとデュタスでは、頻度不明ですが肝機能障害が報告されています。
肝機能の指標となるAST(GOT)やALT(GPT)、ビリルビンなどが上昇してしまうケースがあります。
肝臓は、別名「沈黙の臓器」とも呼ばれているように、肝臓の大部分が障害を受けないと自覚症状がほとんどありません。
肝臓は、ブドウ糖や脂質の代謝・貯蔵、タンパク質の合成・分解、薬物などの解毒と排泄を行っている臓器です。
肝機能が低下すると、全身倦怠感が出たり、発疹や黄疸、食欲不振などが見られたりします。
乳房障害
乳房障害とは、以下のような症状のことです。
使用成績調査では、女性化乳房が0.07%、乳頭痛が0.05%、乳房痛が0.02%、乳房不快感が0.02%の人で見られました。
ザガーロやデュタスには、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの産生を抑制する働きがあります。
そのため、体内の女性ホルモンの量が相対的に増加し、乳房障害を起こすことがあると考えられます。
抑うつ症状
ザガーロやデュタスでは、抑うつ症状があらわれることもあります。
臨床試験(デュタステリド0.1mg投与群)では、1%未満の人で見られました。
抑うつ症状とは、憂鬱な気分が続いたり何もする気が起こらなかったりすることです。
抑うつ症状が出ると、次のような症状が見られることがあります。
抑うつ症状が見られるのは、ジヒドロテストステロンの生成が抑制されてホルモンバランスが乱れることが原因だと考えられています。
蕁麻疹
ザガーロやデュタスを服用すると、蕁麻疹の副作用が見られる場合があります。
使用成績調査では、0.07%の人で蕁麻疹の症状が見られました。
蕁麻疹とは、皮膚の表面が赤く盛り上がり、痒みを生じる病気のことです。赤く盛り上がった部分は、時間が経つと自然に消えます。
蕁麻疹の症状が出ている範囲が広かったり症状が持続したりする場合は、すぐに服用を中止して医師に相談してください。
ザガーロ(デュタステリド)・デュタスの服用上の注意
ザガーロとデュタスは、多くの人がAGA治療に用いているお薬です。
しかし、服用するにあたって以下の注意点があるのでしっかり押さえておきましょう。
順番に解説します。
初期脱毛が見られる場合がある
ザガーロやデュタスを服用すると、初期脱毛が見られる場合があります。
初期脱毛とは、お薬の服用を始めたことで起こる一時的な脱毛のことです。
お薬を服用しているのにかえって抜け毛が増えて精神的につらい思いをする人もいます。しかし、初期脱毛が起こるのはお薬がしっかりと効いている証拠です。
お薬を服用すると乱れたヘアサイクルが元に戻ろうとします。その過程で一時的に休止期に入る髪の毛が増えるため、初期脱毛が起こるといえます。
通常、1ヶ月半から2ヶ月ほどで症状が落ち着くでしょう。
女性は服用してはいけない
ザガーロやデュタスは、女性の服用は禁忌となっています。
ラットやウサギにデュタステリドを投与した試験では、オスの胎児の外生殖器に雌性化が認められているのです。
そのため、女性がザガーロやデュタスを服用すると、男性胎児の外生殖器の発達に影響が出るおそれがあります。
また、フィナステリド(プロペシア)は女性への有効性が認められなかったため適応がありません。
女性が薄毛の治療をする場合は、ミノキシジルが選択肢となります。
女性で薄毛が気になる人は、自己判断でお薬を服用せず必ず医師に相談しましょう。
服用中は献血してはいけない
ザガーロやデュタスの服用中は献血ができません。
服用中の人が献血をすると、有効成分が血液中に入ってしまい、献血を受けた人に有害事象が起こるおそれがあります。
具体的には、献血を受けた女性が妊娠をすると、男児の胎児の外生殖器の発達を阻害するおそれがあります。服用中止後6ヶ月は献血できないので注意してください。
また、フィナステリド(プロペシア)も服用中止後1ヶ月は献血ができません。
まとめ
ザガーロとデュタスは、有効成分も作用も大きな違いはありません。
デュタスは、ザガーロの特許が切れた後に販売開始されたジェネリック医薬品です。
ジェネリック医薬品は効果や品質の同等性が確認されているため、ザガーロとデュタスは同等の治療効果を発揮します。
類似薬のフィナステリドと比べると、阻害する5αリダクターゼの種類が多いため、より高い効果が期待できます。
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デュタスはインドの製薬会社「Dr.Reddy’s Laboratories」が製造・販売しているAGA治療薬です。デュタスの有効成分デュタステリドについて解説します。
デュタスはAGA治療薬ザガーロのジェネリック医薬品で、先発医薬品と同様の効果が期待できます。デュタスの有用性について、臨床試験結果に基づいて解説します。