バイアグラの服用前後に筋トレしても良い?避けた方が良い行動も
この記事では、バイアグラの服用前後における筋トレについて解説します。ED治療薬であるバイアグラは、服用前後に筋トレをするのはなるべく避けたほうが良いといわれています。
お薬通販部スタッフ[監修]

この記事では、バイアグラの服用前後に筋トレをしても良いのか解説します。
バイアグラは勃起不全の改善に効果的なED治療薬の1つです。
1993年3月に販売開始されて以降、症状に悩む多くの男性が服用してきました。
また、主成分であるシルデナフィルには早漏(PE)の改善にも効果があると実証されています。
バイアグラは医療用医薬品に該当するので、服用するときにはいくつかの注意点があります。
その1つが、バイアグラの服用前後における筋トレや運動です。
バイアグラの服用を検討している男性のなかには、日常的に運動を取り入れている人もいるでしょう。
この記事ではバイアグラの服用前後における筋トレ・運動のリスクや、それ以外の注意点も詳しく解説します。
目次
バイアグラの服用前後の筋トレ・運動はリスクが高い

バイアグラの服用前後に筋トレを行うことは禁止されていませんが、一定のリスクがあります。
なぜなら、服用することであらわれる副作用をより誘発するおそれがあるからです。
バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、ホスホジエステラーゼ(PDE5)と呼ばれる酵素を阻害し、血管を拡張して陰茎海綿体に血液を送り込む働きがあります。
血流が良くなるため、人によってはめまいや立ちくらみ、頭痛などの副作用が出ることがあります。
筋トレなどの激しい運動は、さらに血流が良くなり副作用が出やすくなるでしょう。
また、血流が促進された状態で運動を行うことは、心肺機能に大きな負担を与えます。
服用前後どれくらいの間隔を空けるべきか
バイアグラの服用前後に筋トレや運動をする場合は、呼吸や脈が落ち着いたのを確認してから服用することを推奨します。
バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、服用後約1時間で血中濃度がピークになり、約3時間でピーク時の半分の血中濃度になります。
個人差がありますが、バイアグラの効果は4時間程度続くので、少なくともそれ以前の激しい筋トレ・運動は避けることが望ましいでしょう。
性行為は運動に該当するのか
性行為は、少なくとも安静にしている状態よりもエネルギーを消費する活動だといえます。
国立健康・栄養研究所が公表した資料を見ると『身体活動のメッツ(METs)表』に性行動(性行為)の欄が記載されています。
性行為は、ランニングやウォーキングと同様に身体活動に該当する項目であり、時には運動と同等の労力を費やす可能性があるでしょう。
【身体活動のメッツ表の一例】
身体活動 | メッツ(※) | 個別活動(活動レベル) |
ランニング | 7.0 | ジョギング全般 |
コンディショニング運動 | 2.8 | 健康体操(腹筋運動やクランチなど) |
性行動(性行為) | 2.8 | 積極的な労力 |
前述した内容を踏まえると、性行為を行っている際は筋トレや運動と同様に心拍数や血圧、心筋酸素消費量が増加することが考えられます。
バイアグラは心血管系の病気を発症するリスクがあるため、性行為中に気分が悪くなるなどの症状が出たらすぐに医療機関を受診してください。
バイアグラの服用後に筋トレ・運動以外で避けた方が良い行動

バイアグラは筋トレや運動だけでなく、他にも避けた方が良い行動があります。
挙げられる行動としては、主に以下のとおりです。
運転
バイアグラの服用後は、なるべく運転を控えてください。0.1〜1%未満と頻度は高くありませんが、バイアグラでは傾眠の副作用が報告されています。
他にも、バイアグラの臨床試験において視覚障害やめまいなどの報告があるので、運転を含め機械の操縦はなるべく避けるべきでしょう。
バイアグラの服用後に運転すること自体は禁止されていませんが、服用後にはしっかりと経過観察をしながら行動することを推奨します。
入浴・サウナ
バイアグラの服用後は、入浴やサウナもなるべく避けたほうが良いでしょう。
バイアグラの副作用には潮紅やほてりなどの血管拡張が副作用として報告されています。
入浴やサウナなど高温な環境は血管を拡張させる作用があるので、より副作用があらわれやすくなるおそれがあります。
また、お風呂上がりは急激に血圧が下がる場合があるので注意が必要です。
もともとバイアグラでは、低血圧の副作用も報告されています。
過度な血圧低下を避けるためにも、バイアグラの服用後4〜6時間は高温な環境を避けることが望ましいでしょう。
高所での作業
バイアグラの服用後は、高所での作業もなるべく避けてください。
低頻度ではありますが、バイアグラはめまいや湿疹の副作用が報告されています。
高所での作業中にめまいや湿疹が起きると、大きな事故に繋がるおそれがあるでしょう。
特に、硝酸剤や一酸化窒素供与剤を服用している人がバイアグラを服用すると、大幅に血圧が低下したり、失神したりするリスクがあるといわれています。
そもそも、硝酸薬やNO供与剤を服用している人はバイアグラを使用できませんが、このようなリスクもあることを知っておきましょう。
飲酒
アルコール自体が、バイアグラの効果に影響を与えることはありません。
しかし、バイアグラの服用後に飲酒をすると、思わぬ副作用が起こるリスクが高まります。
バイアグラの主成分であるシルデナフィルと、アルコールを同時に摂取した40代の男性が脳血管出血を起こして死亡した例が報告されています。
なお、報告に挙がった男性に既往歴や手術歴はありませんでした。
これは稀な事例ではありますが、決して可能性がゼロというわけではありません。
重大な事故を防ぐためにも、バイアグラ服用後の飲酒はなるべく控えることを推奨します。
バイアグラと筋トレに関するよくある質問

バイアグラは男性にとって非常に有用なお薬ですが、使用するにあたっていくつか気をつけるべきことがあります。
ここでは、バイアグラと筋トレに関して良く聞かれる以下の質問に回答します。
バイアグラを飲むと運動機能が向上するって本当?
現在、バイアグラの服用によって運動機能が向上するといった明確なデータはありません。
ラットを使った研究では、シルデナフィルを投与されたラットが有酸素運動トレーニングを行ったところ、動脈圧の上昇や骨格筋の炎症状態の悪化などが見られています。
このような悪影響もあることから、バイアグラで運動機能の向上を目指すのは避けるべきだといえるでしょう。
バイアグラはドーピング検査に引っかかる?
バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、日本アンチ・ドーピング機構が公表している『2024禁止表国際基準』には掲載されていません。
現時点で、バイアグラが競技能力を不当に向上させるという化学的根拠は、不足しているといえるでしょう。
つまり、アスリートのようなドーピングに注意を払う必要がある人でも、過度でなければバイアグラは服用できます。
ただし、前述したとおりバイアグラにはいくつかの副作用があるので、運動の直前にバイアグラを服用すること自体はなるべく避けた方が良いといえます。
ED治療に効果的な運動は?
ED治療には、有酸素運動が効果的だといわれています。
EDの原因は多岐にわたり、糖尿病などの生活習慣病や血流悪化も原因の1つです。
有酸素運動を行うと、生活習慣病の予防や改善ができ、血流も改善できます。
EDに対する運動の効果を調べた研究では、中程度から強度の有酸素運動がEDを改善するという結果が出ました。
体に負担をかけすぎないように注意しながら、ジョギングやウォーキングなどの運動を習慣化してみると良いでしょう。
まとめ

この記事では、バイアグラの服用前後における筋トレや運動について解説しました。
筋トレや運動を行うと血流が良くなり、バイアグラの副作用である、めまいや立ちくらみなどの症状が出やすくなるおそれがあります。
また、心肺機能に負担をかけてしまうこともあるので、バイアグラの服用前に筋トレした場合は、呼吸や脈拍が完全に落ち着いてから服用してください。
バイアグラの服用後に筋トレをする場合は、最低でも4時間は空けることをおすすめします。
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