バイアグラとグレープフルーツの飲み合わせは危険?服用後の副作用も解説
この記事では、バイアグラの飲み合わせとしてグレープフルーツの危険性について解説します。バイアグラは、基本的に水やぬるま湯で飲むことを推奨されているED治療薬です。その他の食べ物や飲み物と併用する場合は、十分に注意する必要があります。
お薬通販部スタッフ[監修]

この記事では、バイアグラの飲み合わせとしてグレープフルーツに危険性があるのか解説します。
バイアグラは、基本的に水やぬるま湯で飲むことを推奨されているED治療薬です。
その他の食べ物・飲み物と併用する場合は、十分に注意する必要があります。
この記事では、バイアグラとグレープフルーツを併用した場合に生じる相互作用の時間や、起こりうる副作用などについて解説します。
グレープフルーツ以外で、バイアグラと相性の悪い食べ物も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
バイアグラとグレープフルーツの飲み合わせは危険?

バイアグラとグレープフルーツは、添付文書などに「併用禁忌」や「併用注意」との記載はありません。
しかし、グレープフルーツにはバイアグラの代謝を阻害してしまうリスクがあります。
バイアグラは、薬物代謝酵素の1つであるCYP3A4によって代謝されるお薬です。
グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は、CYP3A4の働きを阻害する効果を持っています。
そのため、バイアグラとグレープフルーツを併用すると、バイアグラの代謝が阻害されて血中濃度が必要以上に上昇するおそれがあります。
血中濃度が上昇すると「効果が高まるからメリットなのでは」と思う人もいるかもしれませんが、副作用が起こるリスクも高まるため手放しに喜ぶことはできません。
グレープフルーツの相互作用が続く時間
グレープフルーツによるCYP3A4の阻害作用は、24時間程度続くという報告から72時間ほど続くという報告まであります。
そのため、バイアグラを服用する前後にグレープフルーツを飲食していなかったとしても、前日の分が残っており効果に影響を及ぼすおそれもあるでしょう。
ただし、グレープフルーツによるCYP3A4阻害作用は、不可逆的です。
お薬の代謝には個人差もありますが、バイアグラを服用する際は念のため72時間はグレープフルーツを飲食しないようにしましょう。
他のED治療薬とグレープフルーツの併用
レビトラ(バルデナフィル)やシアリス(タダラフィル)も、グレープフルーツの影響を受ける可能性があります。
なぜなら、レビトラとシアリスは、どちらも主にCYP3A4によって代謝を受けるからです。
レビトラに関してはバイアグラと同様、添付文書にグレープフルーツとの併用に関する注意事項は記載されていません。
しかし、シアリスには併用注意の欄にグレープフルーツジュースの記載があります。
そのため、バイアグラ以外のED治療薬もグレープフルーツとの併用には注意が必要です。
バイアグラとグレープフルーツを併用した後に生じる副作用

バイアグラとグレープフルーツを併用すると、血液中にあるバイアグラの濃度が通常よりも高くなり、副作用が生じやすくなるおそれがあります。
バイアグラを単体で服用すると、以下のような副作用が起こる可能性があります。
1%以上 | 0.1~1%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
主な副作用 | 血管拡張(ほてり、潮紅)、頭痛、 | 動悸、めまい、傾眠、悪心、胃腸障害、消化不良、鼻炎、関節痛、眼充血、視覚障害など | 不整脈、無気力、射精障害、半勃起持続、鼻閉、咽頭炎、脱毛症、皮膚障害など | 心筋梗塞、低血圧、失神、持続勃起、尿路感染、鼻出血、副鼻腔炎、視力低下など |
グレープフルーツを併用した場合も、起こりうる副作用は同じです。
ただし、グレープフルーツの摂取によって副作用が起こる頻度が変動する可能性があるでしょう。
バイアグラとグレープフルーツを実際に併用した人の事例

バイアグラとグレープフルーツを併用した人で、大きな副作用が出たとの報告は見当たりません。
しかし、併用によって最高血中濃度(Cmax)に到達するまでの時間が延長する傾向が見られたとの報告があります。
これにより、副作用のリスクが増大するとは考えにくいですが、シルデナフィルの効果発現や持続時間などに影響する可能性があるため、併用は避けた方がよいでしょう。
バイアグラの服用中にグレープフルーツを摂取する場合の注意点

バイアグラとグレープフルーツを併用すると、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類がバイアグラの代謝酵素を阻害し、血中濃度を上昇させるおそれがあります。
もし、バイアグラを服用する予定がある人でグレープフルーツを摂取する場合は、次の注意点を守るようにしてください。
バイアグラを服用する72時間前から摂取を避ける
グレープフルーツのCYP3A4阻害作用は、約72時間までは影響するとの報告があります。
そのため、バイアグラを服用する72時間前からグレープフルーツの摂取は控えるようにしましょう。
グレープフルーツの果肉の他、果汁も代謝に影響するため、グレープフルーツそのものを摂取しないのがおすすめです。
バイアグラの効果を倍増させる目的で摂取しない
一部で、グレープフルーツがバイアグラの効果を高めるという誤解が広がっていますが、この認識は非常に危険です。
グレープフルーツによる血中濃度の上昇は予測困難で、特に影響がないこともあれば、重篤な副作用の引き金となることもあると考えられます。
バイアグラの効果が不十分な場合は、グレープフルーツを併用するのではなく、他のED治療薬に変更するなどの対策が重要です。
特にグレープフルーツジュースやゼリーは避ける
グレープフルーツジュースやゼリーなどの加工品は、果実よりも高濃度でフラノクマリン類を含んでいることが多く、より強い相互作用を引き起こすおそれがあります。
そのため、生のグレープフルーツだけでなく、加工食品でも影響があることを覚えておきましょう。
グレープフルーツ以外でバイアグラと相性の悪い食べ物

バイアグラと相性が悪い食べ物は、グレープフルーツだけではありません。
特に、以下に該当する食べ物や飲み物にも注意が必要です。
油分の多い食べ物
高脂肪食品はバイアグラの吸収を阻害し、効果の発現を遅らせる可能性があります。
揚げ物、肉類、チーズ、バターを使用した料理は特に注意が必要です。
脂肪分が胃の内容物の排出を遅らせ、お薬が小腸に到達するまでの時間を延長させることが原因だと考えられています。
バイアグラを服用するときは空腹時が推奨されていますが、どうしても食事を摂る必要があるときは、脂肪分が少ない軽い食事に留めるようにしましょう。
食物繊維を多く含む食べ物
豆類、玄米、野菜類、海藻類など食物繊維が豊富な食品もバイアグラの吸収に影響を与えるおそれがあります。
食物繊維は消化に時間がかかり、お薬が腸で吸収されるのが阻害される可能性があります。
神経質に食物繊維を避ける必要はありませんが、バイアグラの服用前後に摂りすぎないように注意が必要です。
柑橘系の果物
注意が必要な柑橘系はグレープフルーツだけではありません。
以下の柑橘系にもフラノクマリン類が含まれており、バイアグラの効果に影響をもたらす可能性があります。
上記の柑橘系も、バイアグラの服用前は念のため摂取しないことを推奨します。
バイアグラやグレープフルーツに関するよくある質問

最後に、バイアグラやグレープフルーツに関するよくある質問にお答えします。
少量のグレープフルーツなら併用しても大丈夫?
グレープフルーツは、少量でもCYP3A4阻害作用を示します。
量にかかわらず、バイアグラの代謝に影響が出るおそれがあるため、服用72時間前から摂取を控えるようにしてください。
バイアグラとお酒の飲み合わせは危険?
バイアグラとお酒を併用しても効果が増減することはありませんが、お酒を飲むと血管拡張作用が増強され、血圧が低下しやすくなります。
海外のデータでは、シルデナフィルとアルコールの併用により拡張期血圧が基準値より有意に低下したとの結果も出ています。
バイアグラとカフェインの飲み合わせは危険?
バイアグラとカフェインは併用禁忌とされていませんが、摂りすぎには注意が必要です。
カフェインには血圧や心拍数を増加させる働きがあるため、過剰に摂取すると心臓に負担がかかるおそれがあります。
まとめ

バイアグラとグレープフルーツの併用は禁忌とはなっていません。
併用注意にも指定されていませんが、バイアグラの代謝が阻害されて血中濃度が通常よりも上昇し、副作用が生じやすくなるリスクがあります。
グレープフルーツのCYP3A4阻害作用は約72時間続くという報告もあるため、バイアグラを服用する72時間前にはグレープフルーツの摂取を控えましょう。
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