バイアグラの飲み合わせに注意!抗生物質などの併用禁忌薬と種類は?
お薬通販部[監修]
バイアグラは勃起不全(ED)治療薬として世界的に有名な医薬品です。
勃起不全や勃起力向上を目的として、素晴らしい効果が期待できますが、飲み合わせにも注意しなければならないのはご存じでしょうか。
例えば、血圧に変化を及ぼす特性を持つため、高血圧の薬とは相性が悪いことも。
飲み合わせに注意が必要なケースもあれば、絶対に一緒に飲んではいけないお薬というのも存在します。
今回の記事では「バイアグラの併用禁忌薬はどれ?注意が必要な薬とは」について紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
バイアグラの併用禁忌!飲み合わせに注意しよう
バイアグラと併用してはいけない薬として、以下のものがあります。
一緒に飲むとどうなるか | |
硝酸剤及びNO供与剤ニトログリセリン亜硝酸アミル硝酸イソソルビドニコランジル等 | 血管拡張作用により、血圧が急激に低下してしまうおそれがあります。 |
アミオダロン塩酸塩アンカロン | アミオダロンが持つQT延長(心拍数をゆっくりにさせる)作用を増強させてしまうおそれがあります。 |
sGC刺激剤リオシグアト | 両者がもつ血管拡張作用が重なり合い、長時間にわたって全身の血管を拡張させてしまい、過度に血圧を下げてしまうおそれがあります。 |
これらの薬剤は併用により重篤な症状を引き起こしかねないお薬の組み合わせですので、絶対に一緒に飲まないようにしましょう。
降圧作用とは何か?
降圧作用とは、血圧を下げる効果のことです。
例えば、高血圧の治療などに用いられる薬はそのほとんどが降圧作用を有しています。
血圧を下げることで血管への負荷を和らげ、身体の水分を抜くことで結果的に血圧が下がるなど、さまざまな薬剤が存在します。
バイアグラには血管拡張作用があるため、高血圧治療薬などと併用することにより過度な降圧作用を引き起こしてしまうおそれがあります。
そのため、バイアグラの使用方法を明記した“添付文書”では、これらを注意が必要な薬剤であることを明記していますし、硝酸剤については併用禁忌薬に指定されています。
バイアグラが持つ効果については以下にリンクを貼っておきますので、参考にしてみてください。
臨床症状の結果。血圧に変化か?
バイアグラと硝酸剤は絶対に一緒に使用してはいけないと定められています。
もし併用してしまった場合、どのようなことが起こるの?
バイアグラは平滑筋を弛緩させ、血管を広げる作用をもつ“cGMP”を分解する酵素“ホスホジエステラーゼ5(PDE5)”を阻害する効果を持っています。
硝酸剤はcGMPの生成を促し、量を増やすことで血管を拡張させて心臓の負担を和らげてくれます。
この2つの有効成分が同時に効果を発揮することで、危険なほど血圧が下がってしまうのです。
どの程度血圧が降下するかは一概には言えませんが、仮に収縮期血圧が90mmHg以下、30mmHg以上の下降をした場合には心原生ショックをひき起こし、意識を失ってしまう可能性があります。
実際に国内外でバイアグラと硝酸剤を併用してしまい、死亡してしまった例も報告されています。
そのほかの症状として
などがあげられます。
該当する薬剤一覧
硝酸剤の代表的な有効成分としては、ニトログリセリンと硝酸イソソルビドが有名です。
複数の剤形タイプが展開されており、内服薬、舌下錠、テープ剤、スプレー、注射薬などがあります。
以下に一覧を表記しておきます。
有効成分名 | 医薬品名 |
ニトログリセリン | ミリスロールニトロダームTTSバソレーターテープミオコールスプレーニトロペン舌下錠冠動注用ミリスロール ミオコール静注ミニトロテープ ミリスロール注 |
硝酸イソソルビド | ニトロールフランドル イソピットテープ |
一硝酸イソソルビド | アイトロールフランドル錠 タイシロール錠 |
ニコランジル | シグマート ニコランジル錠 ニコランジル点滴静注用 ニコランマート錠 |
亜硝酸アミル | 亜硝酸アミル |
ニプラジロール | ハイパジールコーワ錠 |
塩酸アミオダロン製剤 | アンカロン錠100 アミオダロン塩酸塩錠 |
ニトロプルシドナトリウム水和物 | ニトプロ持続静注液 |
ニトログリセリンをはじめ、一硝酸イソソルビドなどが有効成分として含まれる医薬品は、バイアグラとの併用には気をつける必要があります。
もしも常用している薬の中に該当する医薬品が含まれていた場合には、バイアグラが使用できない可能性がありますので十分に注意しましょう。
バイアグラと抗生物質は一緒に飲んでも大丈夫?
今までの項目でバイアグラと飲み合わせが良くない薬がどんなものなのか、万が一一緒に飲んでしまった際どのようなことが起こりうるのかが分かっていただけたかと思います。
では、他はどうでしょうか。
バイアグラと抗生剤は全く別の分野の医薬品ですが、一緒に飲んでも大丈夫なのでしょうか?
抗生物質と飲んではいけないED薬
結論から言えば、バイアグラと抗生剤は併用禁忌ではありません。
そのため、バイアグラと抗生剤を一緒に使用することもできます。
ただし、バイアグラ以外のED治療薬である“レビトラ(現在発売中止)”はマクロライド系抗生物質とは併用禁忌です。
それ以外にも“イトラコナゾール”や“ケトコナゾール“などのアゾール系抗真菌薬、”リトナビル“、”アタザナビル“、”パキロビット“、”エンシトレルビル“などの抗ウイルス薬も併用禁忌とされています。
これらの薬はバイアグラとシアリスでは併用禁忌ではありませんが、併用注意とされているものも含まれています。
一緒に使用できないわけではありませんが、併用により副作用を引き起こしてしまうかもしれません。
併用禁忌薬を飲んでしまったら
前述したマクロライド系抗生物質やアゾール系抗真菌薬はCYP3A4阻害作用を有しています。
肝臓ではさまざまな酵素が存在しており、それらが食べ物や有害物質、薬などの代謝を担っておりますが、このうち薬の一部はCYP3A4とよばれる酵素によって分解され無毒化されていきます。
抗生剤や抗ウイルス薬はCYP3A4阻害作用により薬の分解を妨げ、結果として体内の薬が増えてしまうよう働きかけてしまうのです。
体内の血中濃度が増えることで、副作用が生じるリスクが増加する、薬の効果が強くですぎてしまうなどといったリスクがあります。
もしも一緒に使用してしまった場合、ED治療薬のもつ血管拡張作用が強くなり、めまい、ふらつき、立ち眩み、頭痛などの副作用を引き起こしてしまうかもしれません。
持病や体質、服用の状況によっては、併用禁忌薬と同様に危険なレベルでの低血圧症状がおこり、命を落としてしまう可能性も考えられます。
併用する際には十分な注意が必要でしょう。
必要でない場合にはできるかぎり併用を避け、副作用リスクを未然に防ぐのが賢明と言えるでしょう。
高血圧でも飲めるed薬はあるのか?
ED治療薬は少なからず血圧に影響を及ぼす医薬品であるため、高血圧の人は使用に注意が必要な薬です。
血圧のお薬を使用している場合、ED薬との併用によって降圧作用を増強してしまうおそれがあります。
なお、いずれのED治療薬でも低血圧の患者(90mmHg/50mmHg以下)又は治療による管理がなされていない高血圧の患者(170mmHg/100mmHg以上)”の両者については使用が禁忌とされています。
使用する際にはご自身の血圧の状態がどの程度かを事前に確認してみてください。
服用後も血圧に大きな変化がないか、体調変化がないかを確認しながら使用した方が良いでしょう。
バイアグラの他の薬を知ろう!
前の項目でも少し触れましたが、ED治療薬はバイアグラの他にも“レビトラ”、“シアリス”などがあります。
レビトラは現在販売が中止されており、レビトラのジェネリックとしてさまざまな名前で売られていますが、効果はレビトラと同様です。
いずれの薬剤もPDE5阻害作用を持っており、勃起不全の改善効果ができる薬剤です。
各薬剤の特徴などについて以下に表記しておきます。
バイアグラ | レビトラ | シアリス | |
用量 | 25mg、50mg、100mg (100mgは国内未承認) | 10mg、20mg | 10mg、20mg |
効果が出るまで | 30分~1時間 | 15~30分 | 1~2時間 |
持続時間 | 5~6時間 | 7~8時間 | 30~36時間 |
飲むタイミング | 性行為1時間前 | 性行為1時間前 | 性行為3時間前 |
特徴 | 世界で初めてのED治療薬歴史の長い薬剤のため安全性高め。効果時間は短いがキレも良い。 | 他のED治療薬と比べると効き目が出るまでが早い。 | 長時間にわたり作用が持続するため、事前に飲んでおくことも可能。マイルドな効き目なので、より自然な流れで勃起をサポート |
食事の影響 | 吸収が遅れ、効果が弱くなる | 食事可能だが制限あり。700kcal以下かつ脂肪分30%以内 | 食事制限なし |
バイアグラを飲む前に必ず確認しましょう
PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬とも呼ばれているとおり、バイアグラなどのED治療薬はPDE5の働きを抑えて陰茎の血管を押し広げ、血液の流れをスムーズにしていくことで勃起不全を改善してくれます。
素晴らしい効果をもたらしてくれるバイアグラですが、飲み合わせや持病など注意しなければならない点がいくつかあります。
バイアグラを服用する前には必ず硝酸剤を使用していないか、不整脈の治療を行っているか、高血圧など血圧の値に異常はないか、併用してはいけない抗真菌薬はないかなど、事前に十分に確認し問題ないことを確認してから使用してください。
万が一併用してしまった場合、心臓の動きに影響が出る可能性があります。
性行為の前に意識を失いパートナーを心配させることのないように、バイアグラの併用禁忌薬の有無は事前に調べておくことをおすすめします。
まとめ
「バイアグラの併用禁忌薬はどれ?注意が必要な薬とは」について紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
バイアグラは効果の仕様上、血管を拡張させる効果をもっています。
そのため、高血圧などで使われる血圧を下げるような薬、血管を押し広げる薬などと一緒に併用してしまった際には血圧が下がりすぎてしまい心原生ショックを引き起こしてしまうかもしれません。
併用注意でなくても、抗生剤や抗真菌薬など併用に注意が必要な薬もあります。
バイアグラを使用する際には事前に服用しても問題がないか確認した上で服用するとよいでしょう。
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この記事を書いた人
吉村 宏樹
生年月日:1979/06/16 趣味:競馬 野球/サッカー観戦※大谷翔平と中田翔大好き 格闘技も見る 生い立ち:健康食品メーカー出身 サプリの開発に携わっていた 3ヶ月に一度日本に帰る
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