バイアグラの併用禁忌薬は?飲み合わせに注意が必要なお薬も解説

ED治療薬として有名なバイアグラですが、医薬品によって飲み合わせることにより重篤な副作用を引き起こすおそれのある種類があります。服用前に併用禁忌薬を確認して重篤な副作用が起こらないようにすることが大切です。

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記事公開日:2023.10.12

最終更新日:2025.05.28

お薬通販部スタッフ[監修]

バイアグラの併用禁忌薬は?飲み合わせに注意が必要なお薬も解説

この記事では、バイアグラの併用禁忌薬や飲み合わせに注意が必要なお薬について解説します。

バイアグラは、ED治療薬として世界的に有名な医薬品です。

勃起不全や勃起力向上を目的として、素晴らしい効果が期待できますが、飲み合わせにも注意しなければなりません。

たとえば、血圧に変化を及ぼす特性を持つため、高血圧のお薬とは相性が悪いこともあるでしょう。

飲み合わせに注意が必要なケースもあれば、絶対に一緒に飲んではいけないお薬も存在します。

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バイアグラの併用禁忌薬一覧

以下のお薬は、バイアグラの併用禁忌薬に該当します。

  • アミオダロン塩酸塩
  • 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤
  • 硝酸剤及び一酸化窒素(NO)供与剤

併用するとどのような影響があるのか、詳しく見ていきましょう。




アミオダロン塩酸塩

アミオダロン塩酸塩は、不整脈の治療に用いられるお薬です。

バイアグラと併用すると、アミオダロンによるQTc延長作用が増強するおそれがあります。

どのような機序でQTc延長作用が増強するのかについてはわかっていませんが、突然死の原因にもなるため注意が必要です。




可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤

可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症や肺動脈性肺高血圧症の治療に用いられるお薬です。

併用すると、血管拡張作用のあるcGMPの濃度が増加します。

バイアグラにはcGMPの分解を抑制する働きがあることから、併用によりcGMPの濃度が増大して症候性低血圧を起こすことがあります。




硝酸剤及び一酸化窒素(NO)供与剤

ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどに代表される硝酸剤や一酸化窒素供与剤は、バイアグラと併用できません。

これらのお薬には、cGMPの産生を刺激して血管を拡張する作用があります。

バイアグラの主成分であるシルデナフィルにはcGMPの分解を抑制する働きがあるため、併用するとcGMPの増大により血管が拡張して血圧が低下するおそれがあります。




バイアグラの併用注意薬一覧

バイアグラには、併用禁忌薬の他に、併用注意薬もあります。

併用注意薬は、絶対に併用できないわけではありませんが、バイアグラや併用薬の効果に影響が出るおそれがあります。

そのため、以下の併用注意薬を普段から服用している人は、バイアグラを服用する前に医師や薬剤師に相談してください。

  • 降圧剤
  • α遮断剤
  • カルペリチド
  • チトクロームP450 3A4阻害薬




降圧剤

アムロジピンなどの降圧剤とバイアグラを併用すると、降圧作用が増強されることがあります。

これは、バイアグラにも血管を拡張する働きがあり、併用によって降圧作用が増強するためです。

アムロジピン5mgまたは10mgを常時服用している本態性高血圧の患者16例を対象にシルデナフィル併用の影響を調べたところ、次のような結果が出ています。

併用薬姿勢基準値からの最大変化
収縮期血圧(mmHg)拡張期血圧(mmHg)
シルデナフィル仰臥位-17.0±9.7-7.9±5.2
立位-20.1±13.3-11.6±11.2
プラセボ仰臥位-8.7±5.4-2.1±5.4
立位-9.6±7.7-3.0±4.6

このことから、シルデナフィルと降圧剤を併用すると、血圧が低下しやすいことがわかります。




α遮断剤

ドキサゾシンなどのα遮断剤と併用すると、めまいなどの自覚症状を伴う血圧低下が生じる可能性があります。

α遮断剤には血管を拡張する働きがあり、バイアグラと併用すると降圧作用が増強することがあるので注意しましょう。

ドキサゾシンで前立腺肥大症の治療を行っている外国人17例を対象にシルデナフィル併用の影響を2週間にわたり調べた研究では、仰臥位血圧において平均で収縮期血圧が7.4mmHg、拡張期血圧が6.8mmHg低下したとの結果が出ています。




カルペリチド

カルペリチドは、α型心房性ナトリウム利尿ポリペプチド製剤と呼ばれるお薬です。

急性心不全や、慢性心不全の急性増悪期の治療に用いられます。

カルペリチドにも血管を拡張する働きがあるため、バイアグラと併用すると降圧作用が増強することがあります。




チトクロームP450 3A4阻害薬

チトクロームP450 3A4は、薬物代謝酵素の1つです。

バイアグラは、主にチトクロームP450 3A4によって代謝されます。

そのため、チトクロームP450 3A4阻害薬と併用すると、バイアグラの血中濃度が上がり、副作用が出やすくなるおそれがあるでしょう。

代表的なチトクロームP450 3A4阻害剤は、以下のとおりです。

  • リトナビル
  • ニルマトレルビル・リトナビル
  • ダルナビル
  • エリスロマイシン
  • シメチジン
  • ケトコナゾール
  • イトラコナゾール
  • エンシトレルビル フマル酸






チトクロームP450 3A4誘導薬

チトクロームP450 3A4誘導薬とバイアグラを併用すると、バイアグラの代謝が促進されて効果が減弱するおそれがあります。

ボセンタンやリファンピシンなど、チトクロームP450 3A4を誘導する作用があるお薬との併用には注意が必要です。




バイアグラの服用に注意が必要な人

バイアグラは、これまでに多くの人が服用してきた歴史がありますが、実は服用に注意が必要な人もいます。

以下に該当する人は、バイアグラを服用できない場合があるので、事前に医師へ相談してください。

  • 重度の肝機能障害がある人
  • 6ヶ月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞の病歴がある人
  • 心血管系障害がある人
  • 腎機能障害がある人
  • 高齢者




重度の肝機能障害がある人

重度の肝機能障害がある人は、バイアグラを服用できません。

実際に、肝硬変がある患者12例と健康成人男性12例を対象にバイアグラ50mgを投与した試験があります。

その結果、肝機能障害がある人にシルデナフィルを投与した場合の最高血中濃度(Cmax)と血中濃度-時間曲線下面積(AUC)の平均値が、健康成人と比較してそれぞれ約47%および85%増加しました。

バイアグラは主に肝臓で代謝されるため、重度の肝機能障害がある人が服用すると、排泄が遅れて血漿中濃度が増大し、副作用が出やすくなるおそれがあります。




6ヶ月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞の病歴がある人

6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴がある人はバイアグラを服用できません。

バイアグラを服用すると、全身の血管が拡張して心臓や脳に負担をかけるおそれがあります。

また、心筋梗塞を発症した後の状態にある人は、性行為そのものが心臓に負担をかける原因になります。

これらのことから、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある人は服用厳禁です。




心血管系障害がある人

狭心症や心筋梗塞、不整脈や弁膜症など性行為が不適当と考えられる心血管系障害がある人はバイアグラを服用できません。

性行為時には心拍数や血圧、心筋酸素消費量が増加します。

そのため、心血管系障害がある人がバイアグラを服用して性行為を行うと、より強い負担が心臓にかかることになるでしょう。




腎機能障害がある人

重度の腎機能障害(Ccr<30mL/min)がある人は、バイアグラの服用に注意が必要です。

服用できないわけではありませんが、低用量(25mg)から服用を開始する必要があります。

これは、腎機能の低下によってバイアグラの血漿中濃度が増加することがあるためです。

実際に、腎機能障害がある人にバイアグラ50mgを単回投与した試験では、次の結果が出ています。

腎機能障害の程度Ccr(mL/min)Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC∞(ng・hr/mL)t1/2(hr)
正常(>80)0.8±0.3246±120756±3733.4
重度(<30)0.5±0.0464±1621519±6393.9
※Tmax=最高血中濃度到達時間
※Cmax=最高血中濃度
※AUC=血中濃度-時間曲線下面積
※t1/2=血中濃度半減期

表を見るとわかるように、重度腎機能障害患者ではCmaxとAUCが健康成人と比べて約2倍の値を示しました。




高齢者

高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、低用量(25mg)から服用を開始するなどの慎重な判断が必要です。

65歳以上の外国人を対象にシルデナフィル50mgを単回傾向投与したところ、若年者に投与したときと比べてCmaxが約1.7倍、AUCが約2倍の値を示しました。

副作用のリスクも高まるため、高齢者は慎重に服用する必要があります。




バイアグラの併用に関するよくある質問

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最後に、バイアグラの併用に関する以下の3つの質問にお答えします。

  • バイアグラと風邪薬は併用しても大丈夫?
  • バイアグラと精力剤は併用しても大丈夫?
  • バイアグラと抗生物質は併用しても大丈夫?




バイアグラと風邪薬は併用しても大丈夫?

バイアグラと風邪薬は、基本的に併用しても問題ありません。

市販されている総合かぜ薬や咳止め、鼻炎薬などは併用できます。



バイアグラと精力剤は併用しても大丈夫?

バイアグラと精力剤は、併用しても基本的に問題ありません。

ただし、精力剤に含まれている成分によっては、併用に注意が必要なことがあります。

安全のため、精力剤を服用している人は医師や薬剤師に相談してください。



バイアグラと抗生物質は併用しても大丈夫?

バイアグラと抗生物質は、併用禁忌にも併用注意にも該当していないため併用できます。

ただし、抗真菌薬の中にはバイアグラとの併用に注意が必要なものもあります。




まとめ

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この記事では、バイアグラの併用禁忌薬や飲み合わせに注意が必要なお薬について解説しました。

前述のとおり、バイアグラの併用禁忌薬には以下のものがあります。


  • アミオダロン塩酸塩
  • 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤
  • 硝酸剤及び一酸化窒素(NO)供与剤

これらのお薬は、バイアグラとの併用ができません。

また、この他にも併用に注意が必要なお薬も多く存在します。

特に、併用禁忌薬を飲むと命に関わる危険性もあるため、注意が必要です。

普段から服用しているお薬がある人は、念のため医師や薬剤師に相談してからバイアグラを服用するのをおすすめします。

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