この記事では、手汗がひどいときに考えられる原因や対処法について詳しく解説します。

手汗は誰でもかくものですが、量が多いと日常生活に支障をきたしてしまいます。

多くのケースでは体質やその日の健康状態などによるものですが、手から汗が滴るほどの場合は、病気の可能性も否定できません。

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汗がひどいときに考えられる反応

汗は体温調節のために欠かせない生理反応ですが、量が多いと困ってしまうものです。

汗の量が多いときの原因として、主に以下4つが考えられます。

温熱性発汗

温熱性発汗は、体温が上がったときに体表から熱を逃すために生じるものです。

高温多湿の環境や厚着、運動直後、発熱時などに起こり、原因は主に体温上昇です。

生理的なもので、体のバランスを守るために欠かせないものですが、汗の量が多いと水分・電解質の不足を招くことがあります。

日常的に温度管理や服装の調整、適切な水分補給を意識することが重要です。

味覚性発汗

味覚性発汗は、食事中に香辛料や熱い料理を摂取したときに起こる発汗反応です。

辛味成分であるカプサイシンなどが舌や口腔の神経を刺激し、体温が上がっていないにもかかわらず交感神経を活性化させ、汗が出やすくなります。

この発汗は一時的なもので、刺激がおさまれば自然に消失することがほとんどです。

人によっては、わずかな辛味でも強く発汗する場合もあります。

生理的な反応の1つではありますが、食事中に不快感を覚えたり発汗量が多かったりする場合は、刺激物の摂取量や食習慣を見直すことが望ましいでしょう。

精神性発汗

精神性発汗とは、緊張・不安などの心理的刺激により交感神経が興奮し、汗腺が活発に働く反応です。

体温調節とは関係なく、感情の変化に連動して起こります。

たとえば、人前での発表や試験、商談、面接など、プレッシャーを感じる場面で額や手のひら、足の裏などに汗が出やすくなることが特徴です。

手掌多汗症

手掌多汗症とは、体温が上昇したり激しい運動をしたりしていないにもかかわらず、手のひらから過剰に汗が分泌される状態です。

発症の明確な原因は解明されていませんが、自律神経の働きや遺伝的要因が関係していると考えられています。

手掌多汗症の重症度は、HDSSによって分類されています。

このうち、「3」と「4」に該当する人は「重症」とされます。

発汗の程度は個人差が大きく、書類が濡れる、握手がしづらい、電子機器の操作が難しいなど、生活面で不便を感じる人も少なくありません。

手汗がひどいときに考えられる原因

手汗が止まらないとき、背景には以下のようにさまざまな原因が隠れています。

緊張や不安などの心理的なストレス、交感神経の過剰な働きによる自律神経の乱れ、さらには体質や遺伝的要素などが複雑に関係していることが特徴です。

特に手のひらは、精神的な刺激に敏感に反応しやすいため、心身のバランスが崩れると発汗が増えやすくなるでしょう。

過度なストレス

強い緊張や不安を感じたときに手のひらが湿るのは、交感神経が活発になるためです。

人間の体はストレスを受けると、逃走や戦闘に備える生理的反応を起こし、汗腺を刺激して手足の発汗を促すことで、滑りにくくしようとする仕組みが働きます。

慢性的にストレスを抱えている場合、交感神経の興奮が続き、日常的に手汗が出やすくなることがあります。

自律神経の乱れ

自律神経は、体温調節や発汗などを無意識にコントロールしています。

交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、体の温度調整がうまくいかず、必要以上に汗が出ることがあるのです。

睡眠不足や不規則な生活、過労なども自律神経の働きを乱す原因となります。

生活習慣の乱れ

不規則な生活は体のリズムを乱し、発汗のコントロールにも影響を与えます。

睡眠不足、偏った食事、過剰なカフェイン摂取、運動不足などが続くと自律神経が緊張状態に傾き、手汗が出やすくなることもあるでしょう。

また、現代人に多いスマートフォンやパソコンの長時間使用も、交感神経の興奮を引き起こす一因です。

体質・遺伝による影響

手汗が出やすい体質の人は、遺伝的な要素が関係している場合があります。

家族に多汗傾向のある人がいる場合、汗腺の数が多くなったり、交感神経が過剰に働いたりすることがあるでしょう。

海外の調査では、原発性多汗症（原因となる疾患がない多汗症）を発症した5.7〜65％で家族歴が見られると報告されています。

トフィソパムは、コンサーンファーマが開発した自律神経調整薬で、グランダキシンのジェネリック医薬品です。自律神経系の緊張不均衡を是正し、自律神経失調症などに伴う頭痛・頭重、倦怠感、心悸亢進、発汗などの各種症状を幅広く改善する自律神経調整薬です。 1箱：2,080円〜

トフィカームは、サンファーマ社が開発した自律神経調整薬です。有効成分トフィソパムの作用により、自律神経のバランスを改善します。多汗症のほか、自律神経の不調で起こる頭痛や倦怠感、動悸などの治療にも使われるお薬です。 1箱：3,850円～

プロバンサインは、アセチルコリンの働きを抑制する抗コリン薬です。神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑え、手や脇、顔などの過剰な発汗を改善します。長年多汗症治療薬として使用されているお薬です。 1箱：8,600円～

プロスパスは、プロバンサインのジェネリック医薬品です。抗コリン作用があり、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えて過剰な発汗を改善します。多汗症や夜尿症に悩む人におすすめです。 1箱：4,450円～

手汗を一瞬で止める方法・対策

人前でのあいさつや発表の直前など、今すぐ手汗を止めたいと感じる場面が多いでしょう。

手汗はストレスや緊張、体温の上昇などによって交感神経が活発になることで発生します。

根本的な改善には時間がかかりますが、状況に応じてすぐに実践できる一時的な対処法もあります。

ここでは、以下5つの対処法を確認していきましょう。

手汗を拭き取り風に当てる

手汗を一瞬で抑えたいときは、汗を拭き取って風を当てるとよいでしょう。

ハンカチやティッシュで手の水分を取り除き、その後にハンディファンやうちわなどを利用して手のひらに風を当てると、蒸発冷却の効果で皮膚温度が下がり、手汗も引いてきます。

ただし、手汗をかいていることを周りに知られたくない場合、人前でハンディファンなどを取り出せる状況ではない場合には向いていません。

腹式呼吸を行う

緊張やストレスによって手汗が増える場合、腹式呼吸が効果的です。

息を吐くときにお腹が凹み、吸うときに膨らむのを意識してゆっくり深く呼吸してください。

これを数分行うだけでも、心拍数が安定して緊張やストレスがほぐれ、手汗が引いていきます。

呼吸を整える習慣を身につけることで、緊張する場面でも発汗を抑えられるでしょう。

ツボを刺激する

手のひらには、発汗や自律神経のバランスに関わるツボがいくつか存在します。

特に有名なのが「労宮（ろうきゅう）」と呼ばれるツボで、手のひらの中央よりやや右側に存在します。

他にも、手汗に効果が期待できるといわれているのが「合谷（ごうこく）」です。

手の甲の人差し指と親指の合わさった谷の部分にあります。5秒ほど押して離す動作を数回繰り返すと、神経の興奮がやわらぐでしょう。

ベビーパウダーを使用する

ベビーパウダーは、皮膚の表面をサラサラに保ち、汗によるべたつきを軽減する効果があります。

汗を拭き取った後、少量のベビーパウダーを手のひら全体に薄く伸ばしてください。すると、パウダーが余分な水分を吸収してベタついた状態が改善されます。

制汗剤を使用する

手汗が気になるときは、制汗剤を使用するのも効果的です。

特に塩化アルミニウムが配合されたものは、汗腺の出口を一時的に塞ぐ効果があるため、手汗を抑える効果が期待できます。

頻繁に使う場合は肌への刺激を考慮し、塩化アルミニウムの濃度が低濃度のものから選ぶのがおすすめです。

日常的に手汗を防止するためのポイント

一時的な手汗対策だけでなく、日常の中で汗をかきにくい体の状態を整えることも大切です。

発汗は自律神経のバランスや体温調整と密接に関係しているため、生活習慣を整えると手汗の量を軽減できる可能性があります。

手汗が気になる人が押さえておきたいポイントは、主に以下の4つです。

こまめに水を飲む

汗を抑えるためには、水分を控えるのではなく、こまめな水分補給が大切です。

特に夏場は熱中症のリスクもあるので、発汗量に見合った水分を補給することが必要になるでしょう。

一気に飲むと余分な水分が汗として出ていってしまうので、一気に飲むのを控えるようにしましょう。

また、常温の水を少量ずつこまめに摂ることで体温を一定に保ち、過剰な発汗を防げる可能性があります。

カフェインの過剰摂取を控える

コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインは、交感神経を刺激し、体を覚醒状態に導く作用があります。

その結果、緊張が亢進したり心拍数が上昇したりして手汗が増えることがあるでしょう。

もともと緊張しやすい人、仕事や勉強に集中するためにカフェインを頻繁に摂取している人は摂り過ぎに注意しましょう。

軽い運動を取り入れる

日常的に軽い運動を行うことも、手汗を抑える効果が期待できます。

ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの有酸素運動は、自律神経を調整する効果が期待できるため、毎日少しでもいいので取り入れてみましょう。

激しい運動ではなく、呼吸を意識しながら心地よく行うことがポイントです。

リラックスできる時間を設ける

心身の緊張を解きほぐすリラックスタイムは、特に精神性発汗を防ぐうえで欠かせません。

ストレスや不安を感じると交感神経が活発になり、手汗が出やすくなります。

これを防ぐには、副交感神経を優位にするためにリラックスすることが重要です。

たとえば、入浴や音楽鑑賞、アロマテラピー、深呼吸などには、交感神経の高ぶりを抑えて心を落ち着かせる効果があります。

手汗を止める方法として治療薬も選択肢の1つ

生活習慣の見直しを行っても、手汗の程度が変わらないケースもあります。

そのようなときは、お薬を使うのも検討するとよいでしょう。

お薬通販部では、手汗を緩和するお薬として主に以下を取り扱っています。

トフィソパム

アイテム名	トフィソパム
有効成分	トフィソパム
作用機序	GABAの働きを増強して神経機能抑制作用を促進する
期待できる効果	自律神経失調症や更年期障害などによる発汗、心悸亢進などを緩和する

トフィソパムは、自律神経の乱れによる不安や緊張をやわらげる抗不安薬です。

一般的な抗不安薬と異なり、眠気や依存性が少ないことが特徴として知られています。

多汗症そのものを直接的に治すお薬ではありませんが、精神的な負担を軽減することで発汗を落ち着かせる働きがあります。

トフィカーム

アイテム名	トフィカーム
有効成分	トフィソパム
作用機序	GABAの働きを増強して神経機能抑制作用を促進する
期待できる効果	自律神経失調症や更年期障害などによる発汗、心悸亢進などを緩和する

トフィカームは、トフィソパムと同様に自律神経のバランスを整える働きを持つお薬です。

ストレスによって体調が不安定になりやすい人や、精神的な緊張が原因で手汗が出る人に適しています。

眠気が少なく、集中力を保ちながら使用できる点が特徴です。

プロバンサイン

アイテム名	プロバンサイン
有効成分	プロパンテリン臭化物
作用機序	アセチルコリンの作用を抑制して発汗を抑える。
期待できる効果	多汗症による発汗を抑える

プロバンサインは、汗の分泌を抑える作用を持つ抗コリン薬です。

発汗を促す神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを遮断し、汗腺の活動を抑制します。

多汗症治療では古くから用いられており、手のひらだけでなく、脇や顔などの汗にも有効です。

ただし、副作用として口の渇きや便秘などが出る場合があります。

プロスパス

アイテム名	プロスパス
有効成分	プロパンテリン臭化物
作用機序	アセチルコリンの作用を抑制して発汗を抑える
期待できる効果	多汗症による発汗を抑える。

プロスパスは、プロバンサインのジェネリック医薬品です。

抗コリン作用を持ち、アセチルコリンの働きを抑制して発汗を抑えます。

ジェネリック医薬品のため、比較的安価で手に入ることが特徴です。

口渇や便秘などの副作用が出ることがあるため、常飲するのではなく、手汗が出たら困るタイミングで頓服として服用するのがおすすめです。

まとめ

手汗は緊張やストレス、自律神経の乱れなど、さまざまな要因によって引き起こされる生理的な反応です。

多くの場合は一時的なものですが、人前での挨拶や作業中などに気になってしまうことも少なくありません。

そのようなときは、ハンディファンなどで手に風を送る、腹式呼吸を行う、ツボを刺激するなどの方法で軽減できる場合があります。

また、カフェインを控えたり軽い運動を行ったりするのもよいでしょう。

これらの方法を行っても効果が十分でない場合は、お薬を使った方法も検討した方がよい場合があります。

手汗の原因や対策を正しく理解し、自分にあった方法を見つけることで、日常生活の快適さを取り戻しましょう。