有効成分オルリスタットとは?
オルリスタットは世界100ヶ国以上で用いられている肥満治療薬です。有効成分のオルリスタットの特徴について解説します。
お薬通販部スタッフ【監修】

肥満の指標として世界中で用いられているBMIですが、日本では成人男性のおよそ3割、成人女性のおよそ2割が「BMI25以上」の肥満と判定されています。
肥満は見た目の印象を左右するだけでなく、内科系疾患や整形外科系疾患などの発症リスクを増加させるため注意が必要です。
本記事では肥満治療薬の有効成分オルリスタットについて解説します。
目次
肥満治療薬の歴史

学術誌のランセットに掲載された研究報告によると、世界で肥満と判定されている成人は2022年の段階でおよそ9億人とされています。
2022年時点での地球の人口がおよそ79億人とされており、およそ8人に1人が肥満と判定される計算です。
肥満は人類共通の悩みであり、これまでに多くの肥満治療薬が開発され、発売中止になってきました。
はじめに、世界で開発された肥満治療薬に用いられる有効成分、および医薬品の歴史を紹介します。
有効成分 | 作用 | 期待できる効果 | 各国での取り扱い |
マジンドール | モノアミンの再取り込みを阻害 | アドレナリンの分泌量を増加させて食欲を減退させる | 米国→73年承認の後01年に中止 EU→中止 日本→92年承認 |
フェンフルラミン | セロトニンを刺激 | セロトニンの放出を増強して食欲を抑制する | 米国→73年承認の後93年に中止 EU→97年中止 日本→未承認 |
デクスフェンフルラミン | セロトニンを刺激 | セロトニンの放出を増強して食欲を抑制する | 米国→96年承認の後97年に中止 EU→97年中止 日本→未承認 |
シブトラミン | モノアミンの再取り込みを阻害 | アドレナリンの分泌量を増加させて食欲を減退させる | 米国→97年承認の後10年に中止 EU→中止 日本→申請取り下げ |
リモナバン | カンナビノイド受容体に拮抗 | 内在性カンナビノイド受容体を遮断して減量につなげる | 米国→未承認(07年申請取り下げ) EU→06年承認の後08年に中止 日本→08年開発中止 |
オルリスタット | リパーゼの働きを阻害 | 摂取した脂肪の吸収を妨げ体外へと排出する | 米国→99年承認 EU→98年承認 日本→24年承認 |
マジンドール
マジンドールは、現在国内で用いられている唯一の医療用医薬品としての肥満治療薬です。
しかし、副作用のリスクが高いためか、欧米では肥満治療に用いられていません。
フェンフルラミン
フェンフルラミンはセロトニンの放出を増強し、食欲を抑制する点が特徴です。
日本ではそもそも承認されておらず、欧米でも1990年代に相次いで使用中止となっています。
デクスフェンフルラミン
デクスフェンフルラミンは、フェンフルラミンと似た作用機序を持つ肥満治療薬です。
フェンフルラミン同様に日本では承認が行われず、欧米でも1997年に使用中止となっています。
シブトラミン
シブトラミンはアドレナリンの分泌量を増加させ、食欲を減退させる点が特徴の肥満治療薬です。
アメリカでは1997年に承認されましたが、2010年に販売を中止しています。
ヨーロッパでも肥満治療薬としての利用が中止されています。
日本でも肥満治療薬としてシブトラミンの承認を申請しましたが、後に取り下げられました。
リモナバン
リモナバンは内在性カンナビノイドを遮断する点が特徴の肥満治療薬です。
ヨーロッパでは2006年にリモナバンが肥満治療薬として承認されましたが、わずか2年で販売を中止しています。
アメリカでは2007年に承認申請が取り下げられています。
日本では2008年に開発が中止されました。
オルリスタット
オルリスタットは消化酵素の一種であるリパーゼの働きを阻害し、脂肪の吸収を抑制する作用があります。
欧米では1990年代後半に、日本では2024年に承認が行われています。
オルリスタットの構造

オルリスタットの分子式は「C29H53NO5」、分子量は「495.7348」です。
オルリスタットは服用してからおよそ30分から60分で効果が最大になり、2時間ほど効果が持続します。
その後、48~72時間が経過すると、オルリスタットの効果は消失します。
オルリスタットの作用機序

オルリスタットには消化酵素の一種であるリパーゼの働きを阻害する作用があります。
リパーゼには食事から摂取した脂肪を分解し、腸管に吸収させる作用があるため、オルリスタットを服用すると脂肪が体内に蓄えられるのを妨げます。
ただし、オルリスタットの働きにより吸収が妨げられる脂質は全体のおよそ30%程度です。
まとめ

オルリスタットには消化酵素の一種であるリパーゼの働きを阻害し、脂質の吸収を妨げる作用があります。
医療用医薬品としては国内での承認を受けていませんが、美容クリニックなどではダイエット目的で用いられています。
また、オルリスタットは個人輸入代行サイトでも購入可能です。
今回の記事を参考にオルリスタットを有効に活用し、ダイエットの成功にお役立てください。
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