臨床試験の結果から読み解くニゾラールクリームの有用性について
ニゾラールクリームはケトコナゾールを有効成分とする抗真菌薬です。ニゾラールクリームの有用性を臨床試験の結果から読み解きます。
お薬通販部スタッフ[監修]

ニゾラールクリームはカンジダを始めとする真菌感染症の治療薬で、有効成分としてケトコナゾールが配合されています。
イミダゾール系抗真菌薬であるケトコナゾールには、真菌の繁殖を抑制して皮膚の炎症を改善する効果が期待されています。
本記事では臨床試験の結果をもとに、ニゾラールクリームの有用性について解説します。
目次
ニゾラールクリームの特徴

ニゾラールクリームの有用性について解説する前に、まずはニゾラールクリームの特徴について知っておいてください。
ニゾラールクリームには主に以下2つの特徴があります。
真菌の増殖を阻害する
ニゾラールクリームの有効成分であるケトコナゾールは真菌が細胞膜を合成するのを妨げ、真菌の増殖を抑制して炎症を鎮める点が特徴です。
真菌はカビの一種で、人間の表皮にも常在菌の形で生息しています。常在菌には外部の侵入者から肌を守ったり、肌の水分を保ったりする働きがあります。
しかし、何らかの原因により常在菌が異常繁殖すると、皮膚に炎症を生じ肌トラブルを引き起こす結果となるのです。
例えば常在菌の一種であるマラセチアは皮脂をエサとして異常繁殖し、脂漏性皮膚炎を発症させることがあります。
ケトコナゾールにはマラセチアの増殖を妨げる作用があるため、炎症状態を徐々に緩和する効果が期待できます。
カンジダへの有効性が高い
ニゾラールクリームはイミダゾール系抗真菌薬の一種ですが、イミダゾール系抗真菌薬は作られた年代により異なる特徴を持ちます。
1990年以前に製造されたイミダゾール系抗真菌薬のなかには、カンジダへの有効性が高いものの、白癬に対する効果がそれほど高くない薬剤があります。
ニゾラールクリームはイミダゾール系抗真菌薬のなかでも、特にカンジダに対する効果が高い点が特徴です。
臨床試験の結果から見るニゾラールクリームの有用性について

ニゾラールクリームの適応症状は白癬(はくせん)・皮膚カンジダ症・癜風(でんぷう)・脂漏性皮膚炎です。
臨床試験の結果から、それぞれの症状に対するニゾラールクリームの有用性について解説します。
白癬・皮膚カンジダ症・癜風に対する比較試験
国内で行われた比較試験を含む245例において、菌陰性化率および有効率に関して以下の結果が出ました。
疾患名 | 菌陰性化率(菌陰性化症例数/症例数) | 有効率(有効以上症例数/症例数) |
足白癬 | 76.9%(70/91) | 71.4%(65/91) |
体部白癬 | 80.9%(38/47) | 80.9% (38/47) |
股部白癬 | 97.3%(36/37) | 94.6%(35/37) |
カンジダ性間擦疹 | 93.8% (15/16) | 93.8% (15/16) |
カンジダ性指間糜爛症 | 91.7% (11/12) | 91.7% (11/12) |
乳児寄生菌性紅斑 | 100% (8/8) | 100% (8/8) |
癜風 | 100% (34/34) | 97.1% (33/34) |
上記の表からも明らかなように、ニゾラールクリームは白癬や皮膚カンジダ症、癜風に対して有効と分かります。
脂漏性皮膚炎に対する臨床試験
脂漏性皮膚炎の患者148例にニゾラールクリームを塗布したところ、以下の臨床結果が得られました。
疾患名 | 菌陰性化率(菌陰性化症例数/症例数) | 有効率(有効以上症例数/症例数) |
脂漏性皮膚炎 | 71.4% (15/21) | 79.1% (117/148) |
上記の表から、ニゾラールクリームが脂漏性皮膚炎に対しても有用であると分かります。
まとめ

ニゾラールクリームの有効成分であるケトコナゾールには真菌の繁殖を抑制し、炎症状態を鎮める効果が期待できます。
臨床試験の結果からもニゾラールクリームは白癬や皮膚カンジダ症、癜風、脂漏性皮膚炎に対して有用性があると分かりました。
ニゾラールクリームを購入する際には信用できる個人輸入代行サイトを利用し、用法・用量を守って正しく使用してください。
おすすめ商品
この記事を書いた人
お薬通販部スタッフ