この記事では、バイアグラ・レビトラ・シアリスの違いについて解説します。

バイアグラやレビトラ・シアリスは、ともに3大ED治療薬ですが、効果の持続時間や勃起力などに違いがあります。

また、お薬の効果には個人差もあるため、必ずしも効果が期待できるとは限りません。

ED治療薬を検討している人は、自分にあったものを見極める必要があるでしょう。

この記事では、バイアグラやレビトラ・シアリスの違いについて、効果の持続時間や作用時間、有効成分などのさまざまな観点から比較します。

バイアグラ・レビトラ・シアリスの主な違いを比較

バイアグラ、レビトラ、シアリスはどれもED治療薬です。

作用機序は同じですが有効成分に違いがあるため、効果の持続時間や作用時間などに以下のような違いがあります。

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
有効成分	シルデナフィル	バルデナフィル	タダラフィル
作用時間	約30分～1時間	約15～30分	約1～3時間
効果の持続時間	約3～5時間	約5～8時間	約30～36時間
効果が最大になる時間	約1時間	約1時間	約3時間
飲み方（服用方法）	性行為の約1時間前に服用	性行為の約1時間前に服用	性行為の約1時間前に服用
副作用	血管拡張、頭痛、鼻炎、鼻閉など	ほてり、頭痛、鼻閉、消化不良など	潮紅、消化不良、頭痛、鼻閉など
併用注意・禁忌薬	〈併用禁忌薬〉 硝酸剤およびNO供与剤 アミオダロン塩酸塩 リオシグアトなど 〈併用注意薬〉CYP3A4阻害剤CYP3A4誘導剤 降圧剤など	〈併用禁忌薬〉 硝酸剤およびNO供与剤 リオシグアト CYP3A4阻害剤など 〈併用注意薬〉 ビカルタミド カルペリチドα遮断薬など	〈併用禁忌薬〉 硝酸剤およびNO供与剤 リオシグアト 〈併用注意薬〉 CYP3A4阻害剤 HIVプロテアーゼ阻害剤CYP3A4誘導剤など
服用注意・服用してはいけない人	〈服用してはいけない人〉 硝酸剤およびNO供与剤を服用している人 心血管障害など性行為が不適当だと考えられる人 重度の肝機能障害がある人など 〈服用注意の人〉 陰茎の構造上欠陥がある人 持続勃起症の素因となる疾患がある人 PDE5 阻害薬または他の勃起不全治療薬を服用中の人	〈服用してはいけない人〉 硝酸剤およびNO供与剤を服用している人 心血管障害など性行為が不適当だと考えられる人 最近6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴がある人など 〈服用注意の人〉 陰茎の構造上欠陥がある人 持続勃起症の素因となる疾患がある人 出血性疾患または消化性潰瘍がある人など	〈服用してはいけない人〉 硝酸剤およびNO供与剤を服用している人 可溶性グアニル酸シクラーゼ（sGC）刺激剤（リオシグアト）を服用中の人 心血管障害など性行為が不適当だと考えられる人 〈服用注意の人〉 陰茎の構造上欠陥がある人 持続勃起症の素因となる疾患がある人 出血性疾患または消化性潰瘍がある人など
食事の影響	受けやすい	やや受けにくい	受けにくい

有効成分の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
有効成分	シルデナフィル	バルデナフィル	タダラフィル

主な有効成分は、それぞれのED治療薬ごとに異なります。

バイアグラの有効成分はシルデナフィル、レビトラはバルデナフィル、シアリスはタダラフィルです。

どの成分もホスホジエステラーゼ5（PDE5）を阻害して血管拡張作用のあるcGMPの分解を阻害し、陰茎海綿体への血流量を増大させて勃起を促します。

作用時間の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
作用時間	約30分～1時間	約15～30分	約1～3時間

お薬が効き始めるまでの時間はレビトラが最も早く、シアリスが最も遅いです。

即効性を求めるなら、レビトラもしくはバイアグラを選ぶとよいでしょう。

シアリスは、遅い人で効き始めるまでに3時間ほどかかるため、飲むタイミングによっては十分な効果を得られないことがあります。

効果の持続時間の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
効果の持続時間	約3～5時間	約5～8時間	約30～36時間

効果の持続時間が最も長いのはシアリスです。

最大36時間効くため、性行為のタイミングを気にせず気軽に使用できます。

一方、バイアグラは持続時間が短いことから性行為を行う時間にあわせて服用することが大切です。

効果が最大になる時間の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
効果が最大になる時間	約1時間	約1時間	約3時間

服用後、効果が最大になる時間はお薬ごとに異なります。

バイアグラとレビトラは約1時間で血中濃度が最大になりますが、シアリスは約3時間かかります。

そのため、シアリスは効果が十分に発揮されるにはやや時間がかかるといえます。

飲み方（服用方法）の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
飲み方（服用方法）	性行為の約1時間前に服用	性行為の約1時間前に服用	性行為の約1時間前に服用

飲み方は、どのお薬も同じです。性行為を行う予定の約1時間前に服用してください。

ただし、シアリスの血中濃度が最大になるまでには約3時間かかります。

効果を最大限に発揮したい場合は、3時間前には服用しておくとよいでしょう。

副作用の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
副作用	血管拡張（ほてり、潮紅）、頭痛	ほてり、心悸亢進、頭痛、めまい、鼻閉、消化不良、嘔気	潮紅、消化不良、背部痛、筋痛、四肢痛、頭痛、鼻閉

ここでは、報告頻度が1％以上の副作用のみを記載しています。

ほてりや潮紅など血管拡張に伴う副作用は、バイアグラ・レビトラ・シアリスのいずれも高頻度で報告されています。

一方、その他の副作用に関しては頻度にやや違いがあります。

バイアグラでは血管拡張や頭痛の副作用が主ですが、シアリスでは背部痛や筋痛、四肢痛などが高頻度で見られます。

併用注意・禁忌薬の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
併用禁忌薬	硝酸剤およびNO供与剤 アミオダロン塩酸塩 リオシグアト	硝酸剤およびNO供与剤 リオシグアトCYP3A4を阻害する薬剤 アタザナビル、ホスアンプレナビルなど ケトコナゾール、イトラコナゾール エンシトレルビル コビシスタットを含有す る製剤 クラスⅠA抗不整脈薬 クラスⅢ抗不整脈薬	硝酸剤およびNO供与剤 リオシグアト
併用注意薬	CYP3A4阻害剤CYP3A4誘導剤 降圧剤 α遮断薬 カルペリチド	CYP3A4阻害剤 ビカルタミド  CYP3A4誘導剤 α遮断薬	CYP3A4阻害剤 HIVプロテアーゼ阻害剤 CYP3A4誘導剤 α遮断剤 降圧剤 カルペリチド ベルイシグアト

併用禁忌薬や併用注意薬は、お薬の種類によって大きく異なります。

ただし、バイアグラ・レビトラ・シアリスのいずれも硝酸剤、およびNO供与剤は併用禁忌となっているので注意してください。

ニトログリセリンや亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの硝酸剤・NO供与剤と併用すると、cGMP増大を解する降圧作用が増強し、低血圧をきたすおそれがあります。

服用注意・服用してはいけない人の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
服用してはいけない人	バイアグラに対して過敏症の既往歴がある人 硝酸剤あるいは一酸化窒素（NO）供与剤を服用している人 心血管障害を持つなど性行為が不適当と考えられる人 重度の肝障害がある人 低血圧の人 治療による管理がされていない高血圧の人 脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある人 網膜色素変性症がある人 アミオダロン塩酸塩を服用している人 リオシグアトを服用している人	レビトラに対して過敏症の既往歴がある人 硝酸剤あるいは一酸化窒素（NO）供与剤を服用している人 心血管障害を持つなど性行為が不適当と考えられる人 先天性のQT延長がある人 クラスⅠAまたはクラスⅢの抗不整脈薬を服用している人 脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある人 重度の肝障害がある人血液透析が必要な腎障害がある人低血圧の人 治療による管理がされていない高血圧がある人 不安定狭心症がある人リオシグアト、CYP3A4阻害剤を服用している人 網膜色素変性症がある人	シアリスに対して過敏症の既往歴がある人 硝酸剤あるいは一酸化窒素（NO）供与剤を服用している人 リオシグアトを服用中の人心血管障害を持つなど性行為が不適当と考えられる人 不安定狭心症がある人 性交中に狭心症を発現したことがある人 コントロール不良の不整脈がある人低血圧の人 コントロール不良の高血圧がある人 心筋梗塞、の既往歴が最近3ヶ月以内にある人 脳梗塞、脳出血の既往歴が最近6ヶ月以内にある人 重度の肝障害がある人 網膜色素変性症がある人
服用注意	陰茎の構造上の欠陥がある人 持続勃起症の素因となる疾患がある人 ホスホジエステラーゼ5（PDE5）阻害薬または他のED治療薬を服用している人 出血性疾患または消化性潰瘍がある人 多系統萎縮症がある人 重度の腎障害がある人 重度の肝機能障害がある人 高齢者	陰茎の構造上の欠陥がある人 持続勃起症の素因となる疾患がある人 ホスホジエステラーゼ5（PDE5）阻害薬または他のED治療薬を服用している人 出血性疾患または消化性潰瘍がある人 大動脈弁狭窄症、特発性肥大性大動脈弁下狭窄症等、左室流出路の閉塞がある人	陰茎の構造上の欠陥がある人 持続勃起症の素因となる疾患がある人 ホスホジエステラーゼ5（PDE5）阻害薬または他の勃起不全治療薬を服用している人 出血性疾患または消化性潰瘍がある人重度勃起不全の人 コントロールが十分でない高血圧がある人

バイアグラ・レビトラ・シアリスを服用してはいけない人・服用注意の人にはやや違いがあります。

たとえば、アミオダロン塩酸塩を服用しているとバイアグラとレビトラは服用できませんが、シアリスは服用可能です。

種類によって、禁忌や注意の基準が異なるので、事前にしっかりと確認することを推奨します。

食事の影響の違い

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
食事の影響	受けやすい	やや受けにくい	受けにくい

バイアグラは、ED治療薬の中でも食事の影響を受けやすいお薬です。

食事とともにバイアグラを服用すると、空腹時に服用したときと比べて、効果発現までの時間が延長されるケースがあることがわかっています。

レビトラは、標準的な食事であれば特に影響はありません。

シアリスに関しても、インタビューフォームには食事の影響はないと記載されています。

バイアグラ・レビトラ・シアリスのその他の違いを比較

バイアグラとレビトラ、シアリスには有効成分や効果の持続時間など以外にも以下のような観点で違いがあります。

価格の違い

お薬通販部で取り扱っているバイアグラ、レビトラ、シアリスの価格は以下のとおりです。

	バイアグラ	レビトラ	シアリス
1錠あたりの価格	1,600円～	2,536円～	2,398円～

1錠あたりの価格は、バイアグラが最も安くなっています。レビトラやシアリスは食事の影響を受けにくくバイアグラよりも使い勝手が良いものの、価格も高めです。

ジェネリック医薬品の違い

バイアグラ、レビトラ、シアリスにはそれぞれジェネリック医薬品も存在します。お薬通販部で取り扱っている主なアイテムは、以下のとおりです。

	バイアグラジェネリック	レビトラジェネリック	シアリスジェネリック
主なジェネリック医薬品	カマグラゴールドカマグラゼリーバイスマスーパーカマグラ	バリフレビスマジマトラジェビトラ	メガリスシアスマタダリフトタダライズ

ジェネリック医薬品は、効果や安全性が先発医薬品と同等のお薬のことを指します。

価格も抑えられているので、先発医薬品にこだわりがない人は、ジェネリック医薬品を利用するとよいでしょう。

バイアグラ・レビトラ・シアリスを同時に服用しても大丈夫か

バイアグラ、レビトラ、シアリスを同時に服用することは推奨されていません。

同時に服用すると、血管拡張作用が増強して低血圧やその他の副作用のリスクが高まるおそれがあります。

また、同時に服用したからといって、それぞれのお薬の長所を活かすこともできません。

安全性や有効性に関する臨床データも不足しているので、同時に服用するのは避けてください。

まとめ

バイアグラ、レビトラ、シアリスは、どれもホスホジエステラーゼ5を阻害することで陰茎海綿体への血流量を増加させ、勃起を促すお薬です。

作用機序は同じですが、有効成分がそれぞれ異なるため、作用時間や効果の持続時間、副作用などに違いがあります。

一概にどのお薬が優れているとはいえないため、自分のライフスタイルに合うものを見つけましょう。