消えた髪を追え!|生え際と頭頂部に隠された事件
生え際や頭頂部だけ髪が減るのはなぜ?AGAの犯人DHTと5α還元酵素の正体、進行パターン、フィナステリド・ミノキシジルによる対策を分かりやすく解説。

朝、鏡を見た瞬間、あなたは気づいてしまった。
愛すべき住人たちが、いなくなっている。昨日まで確かにいた彼らが、音もなく姿を消していた。
気づいた時には、すでに現場は空白地帯と化していた。
額のライン、頭頂部、かつての髪の前線基地は、後方へと撤退を続けている。他人に指摘されるまで、あなたは知らなかった。視界の外で密かに進行していた惨劇を。
なぜ側頭部や後頭部の住人たちは無傷なのか。同じ頭皮に住みながら、なぜ生え際と頭頂部だけが標的にされたのか。
これは単なる加齢現象ではなく、体内で密かに遂行された、極めて計画的な犯行だ。
犯人は誰なのか。どんな手口で髪たちを消し去ったのか。
集団失踪事件の全貌を捜査し、明らかにしていこう!
目次
犯人の特定と黒幕の存在|ホルモン変貌の裏にあるトリック
実行犯の名はDHT(ジヒドロテストステロン)。
だが、彼は最初から悪党ではなかった。もともと彼は、テストステロンという名の英雄だった。筋肉を育て、バイタリティを生み出す正義の味方。
しかし、英雄テストステロンは、5α還元酵素(ごアルファかんげんこうそ)という【黒幕】にそそのかされた。
体内の暗部に潜む【黒幕】がささやくと、英雄テストステロンはDHTへと変貌する。
ダークサイドに堕ちた英雄の誕生である。
凶暴化したDHTは毛根に侵入。毛乳頭細胞の受容体に結合して「ヘアサイクル短縮爆弾」をセットする。
これが爆発すると、本来は数年かけて成長する髪が、わずか数ヶ月で退行期へ移行して抜け落ちる。
爆発が繰り返されることによって、やがて毛根そのものが沈黙してしまうのだ!
では、なぜ生え際と頭頂部だけが狙われたのか?
答えは、生え際と頭頂部には【黒幕(5α還元酵素)】のアジトがあり、その活性が高いエリアだから。
3つのエリアの現場検証|各部位に残された犯行の手口
薄毛の進行パターンは実に9種類にも分類される(詳細は別の機会に捜査する)。
今回は被害が集中している3つの主要現場に焦点を当ててみよう。
鏡を見るとき、あなたは以下の兆候に心当たりはないだろうか?
- 額の生え際が後退している
- こめかみの髪が薄くなった
- つむじ周辺の頭皮が目立つ
一つでも当てはまるなら、犯行はすでに始まっている。
【1.生え際エリア】見た目の印象を激変させる正面突破
最初の現場は額の生え際。
犯人は堂々と正面から攻め込む。額のラインが後退し、顔の面積が拡大していき、鏡を見るたびに顔が広がっていることに気づく。
生え際は黒幕の濃度が最も高い最前線だ。毎日突きつけられる恐怖。正面突破がこの現場の手口である。
【2.M字エリア】黒幕のアジトと左右からの挟み撃ち
次の現場はM字エリア。
犯人は左右両サイドから同時に攻め込む。すると髪はこめかみから後退し、綺麗なMの字を描く。組織的かつ計画的な、二方向で同時に進む侵攻だ。
M字エリアこそが、【黒幕(5α還元酵素)】の本拠地。
ここでは【黒幕(5α還元酵素)】の活性が極めて高く、DHT生成も旺盛。M字が進行すると生え際の髪は孤立し、やがて頭頂部への道が開かれる。
挟み撃ち作戦の恐ろしさは、逃げ場を奪うことにある。
【3.頭頂部エリア】自分では見えない背後の死角
最後の現場は頭頂部。
手口は実に巧妙だ。
なぜなら、被害者の目が届かないから。鏡で正面を見ても、頭頂部は視界に入らない。犯人は静かに、ひそかに背後から攻め込む。
あなたが「つむじが少し薄いかな?」と疑念を抱いても見過ごしやすい。他人に指摘されて気づいた時には、すでに現場は焼け野原になっている。
頭頂部の薄毛はつむじを中心にO字型に広がり、ついには最悪のシナリオが訪れる。M字とO字の融合である。
前線と後方が結びついた時、髪の王国は完全に崩壊して末期状態となるが、自分では見えないため発見が遅れてしまうのだ!
事件解決を導く2つの装備|天王山の戦い
犯人と手口が明らかになった。
だが、失われた髪を取り戻すための解決策が必要である。
そこで登場するのが、科学捜査に基づいた二つの装備。
【1.フィナステリド】黒幕の無力化と進行阻止
最初の装備はフィナステリド。【黒幕(5α還元酵素)】の働きを阻害する防衛装備だ。
【黒幕(5α還元酵素)】が活動しなければ、テストステロンはDHTに変貌しない。「ヘアサイクル短縮爆弾」は仕掛けられず、被害拡大を防げる。
【2.ミノキシジル】現場の血流改善と蘇生措置
二つ目はミノキシジル。こちらは攻撃装備だ。
血管を拡張して毛包周囲の血流を改善することで栄養が行き渡り、瀕死の毛母細胞を蘇生させる。
守りのフィナステリドで犯行を止め、攻めのミノキシジルで現場を復興させる。
二段構えの装備が、事件終結への道筋だ。
まとめ:迷宮入りを防ぐ最終局面|専門家との連携による解決
薄毛は怪奇現象ではない。
犯人が特定され、手口が解明された、解決可能な事件である。
だが、犯人は今も、あなたの頭皮で犯行を行っているかもしれない。
必要なのは優秀なパートナー。専門医とタッグを組み、万全な装備で挑むことが、事件を解決へと導く唯一の道筋である。
今後もAGAに関するレポートをお届けする。楽しみにお待ちいただきたい。
参考記事
この記事を書いた人
AGAの仕組みや治療薬の選択肢を、専門情報に基づき分かりやすく解説するヘルスケアライター。難解になりがちな薄毛の原因を「事件捜査」の視点で読みやすく構成し、納得して判断できる情報提供を心がけています。
