ノルレボの臨床試験結果は?ヤッペ法との違いも解説
お薬通販部スタッフ[監修]
1998年にフランスで承認され、現在ではWHO(世界保健機関)の必須薬に指定されているノルレボ。
主成分であるレボノルゲストレルは開発から半世紀の期間が経つ成分で、豊富な臨床試験がおこなわれており、女性の健康を守るための有効性が示されています。
本記事ではノルレボの専門的な臨床試験のデータを解説します。
ノルレボの臨床試験結果を解説していきます。
目次
ノルレボの妊娠阻止についての臨床試験:ヤッペ法との比較
ノルレボの緊急避妊薬としての使用が確立される前はヤッペ法が主流でした。
ヤッペ法とは性行為後72時間以内に50μgのエチニルエストラジオールと0.5mgのdl-ノルゲストレル(NGR)を含有する中用量ピルを2錠、さらにその12時間後に2錠服用するというものです。
この二つの避妊法の比較をおこないました。
ノルレボとヤッペ法の妊娠阻止率
1955人の女性に対し、使用した所、妊娠率はノルレボ(レボノルゲストレル)群では1.1%(976任中11人に対し、ヤッペ療法群では3.2%(979人中31人)でした。相対リスクは0.36(95%Cl 0.18 ~ 0.70)でした。
性交後、緊急避妊薬服用までの時間による妊娠阻止率は、次の表の数値となります。
妊娠阻止率 | ノルレボ | ヤッペ法 |
---|---|---|
全体 | 85% | 57% |
24時間以内 | 95% | 77% |
25~48時間 | 85% | 36% |
49~72時間 | 58% | 31% |
中用量ピルを服用するヤッペ法と比較して、ノルレボの方がアフターピルとして優れた有効性を備えています。
ヤッペ法と比較し、ノルレボの方がアフターピルとして優れていることがわかりました。
ノルレボとヤッペ法の副作用発現率
ヤッペ法の副作用としては悪心・嘔吐が多く出るとされています。51%に悪心がみられ、19%に嘔吐が出現するとされています。
薬服用後、2~3時間で嘔吐すると正しい効果がでないため、妊娠阻止ができない可能性が出ます。
ノルレボおよびヤッペ法の薬服用による主な副作用の発現は次の表の通りです。
悪心 | 下腹部痛 | 頭痛 | 嘔吐 | |
---|---|---|---|---|
ノルレボ | 23% | 18% | 17% | 6% |
ヤッペ法 | 51% | 21% | 20% | 19% |
ノルレボはヤッペ法と比較して、特に嘔気と嘔吐の副作用が少ないという結果が報告されています。
緊急避妊薬を効果的に服用するうえで嘔吐が出ないのは重要なため、ノルレボの方が優れているといえるでしょう。
緊急避妊薬を服用後の性交と避妊率の関係
緊急避妊薬はあくまで、性交後に望まない妊娠を防ぐための薬です。
性交後に服用した場合の避妊率についても研究がおこなわれており、次のような結果が報告されています。
緊急避妊薬服用後の性行為 | 対象女性数 | 妊娠数 (失敗数) | 実際の有効率(%) |
---|---|---|---|
なし | 952 | 13 | 98.6 |
あり | 388 | 12 | 96.9 |
緊急避妊薬の有効性は、服用のタイミングが性行為がおこなわれた前か後かが、影響します。
この結果から性交前の服用では効果が低いため、必ず性交後に緊急避妊としてアフターピルを服用しましょう。
アフターピルの注意点
臨床試験が示すように、アフターピルも100%の避妊効果はありません。
またガイドライン上も3週間後、生理が来るかどうかの妊娠のチェックが推奨されています。
ノルレボは排卵を遅らせる効果があるため、その後に避妊しない性交渉をおこなった場合には妊娠する可能性があります。適切な方法で避妊を行ってください。
ノルレボの避妊効果は絶対ではありません。
まとめ
ノルレボは、有用性が高いアフターピルとして評価されておりで、副作用も以前の緊急避妊方法より抑えられています。
また長い使用実績があり、現在ではWHO(世界保健機関)の必須薬となるほどの信頼性も持ちあわせる優れた医薬品です。
万が一避妊に失敗したときや、望まない性交渉で「妊娠してしまうかもしれない」と思った場合には、ノルレボを服用して妊娠を回避しましょう。
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