アルダラクリームの副作用とは?症状の発現頻度もあわせて解説
アルダラクリームに関する副作用を徹底解説。重大な副作用から比較的まれな皮膚反応まで、発現頻度や注意点を疾患別に紹介します。副作用を抑えるためのポイントや、臨床試験結果もわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
お薬通販部スタッフ[監修]

アルダラクリームは、尖圭コンジローマや日光角化症などの治療に用いられるお薬です。
疾患部位に直接作用し、免疫反応を促すことでウイルスや異常細胞を排除する働きがあります。
一般的に安全性が高いお薬といえますが、使用に伴って一定の副作用が報告されています。
特に皮膚への影響は頻度が高く、軽度の赤みやひりつきから、まれに強い炎症やびらんといった重い反応に進行するケースも存在します。
他にも、まれに重大な副作用があらわれる可能性もあるため、あらかじめリスクを理解し、適切に対処できるよう備えておくことが重要です。
この記事では、アルダラクリームに関して報告されている副作用の内容や発現頻度、臨床試験結果などについて解説します。
副作用を抑えるためのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
アルダラクリームの使用による重大な副作用

アルダラクリームは、比較的安全性の高い外用薬とされていますが、ごく一部の症例においては重篤な副作用が報告されています。
ここでは、重大な副作用として知られる以下の症状について詳しく解説します。
重篤な皮膚障害
アルダラクリームは、免疫反応を活性化させる作用により、皮膚にさまざまな炎症反応を引き起こすことがあります。
通常は軽度の赤みやかゆみにとどまりますが、過度に反応が強く出た場合には、びらん、潰瘍、滲出を伴う皮膚障害へと進行することがあります。
こうした重篤な皮膚症状は、特に以下のような状況で起こりやすいとされています。
このように、重度の皮膚反応があらわれた際にはただちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
また、皮膚の反応が改善するまで使用を避けることが推奨されます。
排尿困難
排尿困難は、特に尖圭コンジローマの治療において外陰部・尿道周辺にお薬を塗布した場合に発現することがあります。
この副作用は、局所の粘膜に強い炎症や腫脹(はれ)が生じた結果、尿道が一時的に狭くなることによって起こるとされています。
特に、以下のような兆候には注意が必要です。
通常は一過性のものですが、症状がひどい場合には医師の判断で治療の中断や部位の保護が必要になることもあります。
特に、既に泌尿器に持病のある方は使用前に医師に相談してください。
アルダラクリームの使用によるまれな副作用

アルダラクリームは、一般的に軽微な皮膚反応が中心の副作用が多いといえますが、一部では注意を要する症状が報告されています。
ここでは、アルダラクリームの使用によるまれな副作用として以下を解説します。
これらの症状は個人の体質や塗布部位、使用方法、他の皮膚疾患との併発などによってあらわれることがあり、使用中の違和感や異常が見られた際には早めの対処が重要です。
紅斑・びらん
アルダラクリームの使用部位に、皮膚が赤くなる(紅斑)またはただれる(びらん)といった反応があらわれることがあります。
これらは本剤の免疫活性化作用による局所的な炎症反応の一環としてあらわれるケースが多く、ある程度は予測されたものとも言えます。
ただし、以下のような症状が見られる場合には、副作用としての重症化が疑われるため、注意が必要です。
これらの症状は、塗布量が多すぎる場合や、誤って健康な皮膚に薬が広がった場合に起こりやすくなります。
症状が軽度で自然に治まる場合は経過観察でも問題ありませんが、痛みが強い、広範囲にわたる、化膿の兆候があるなどのケースでは使用を中止し、医師に相談してください。
単純ヘルペス
免疫調整薬であるイミキモドは、まれに潜在していたウイルス性疾患を再活性化させることがあり、特に「単純ヘルペスウイルス(HSV)」による再発が報告されています。
以下のような兆候がある場合には、単純ヘルペス再発の可能性が考えられます。
このような症状が塗布部位、またはその周辺にあらわれた場合、自己判断で治療を続けるのではなく、医師によるウイルス感染の有無の確認が必要です。
再発例では、抗ウイルス薬との併用が検討されることもあります。
頭痛・めまい
イミキモドは基本的に局所作用型の外用薬ですが、まれに全身症状として頭痛やめまいを訴える例も報告されています。
頭痛やめまいは、以下のような条件で起こりやすいと考えられています。
症状が軽度で一時的であれば、様子を見ても問題ありません。
ただし、日常生活に支障をきたすような強い頭痛や深刻なめまいが続く場合は、使用を中止して医療機関を受診してください。
また、運転や高所での作業前には念のため使用を控えるようにしてください。
ヒリヒリ感
軽度のヒリヒリ感や熱感は、アルダラクリームを使用するうえで比較的よく見られる症状ですが、強く不快に感じられる場合には注意が必要です。
特に、以下のような状況では刺激が強くなりやすい傾向にあります。
もしヒリヒリ感が「焼けつくような痛み」「しびれ」「強いかゆみ」などを伴う場合は、塗布を一時的に中止し、医師へ相談してください。
その他
アルダラクリーム(イミキモド)は免疫系に作用する特性をもつため、皮膚以外にも多様な副作用があらわれることがあります。
以下は、イミキモドの使用によるその他の副作用をまとめた表です。
分類 | 5%未満 | 頻度不明 |
過敏症 | 湿疹 | – |
皮膚(塗布部位) | 表皮剥離、落屑、乾燥、小水疱、亀裂、出血、色素沈着など | 灼熱感、圧痛、刺痛、発疹、ざ瘡、つっぱり感、股部白癬など |
その他 | 痔核の悪化、排便痛、アトピー性皮膚炎の悪化、リンパ節症、リンパ節炎、発熱、下痢など | 関節痛、疲労、無力症、悪寒 |
これらの副作用はあくまでまれなケースとされていますが、使用する人の体質や併用薬によって発現する可能性があります。
また、副作用の一部は治療に伴う免疫反応の一環としてあらわれることがあるため、自己判断で使用を中止するのではなく、症状の強さや持続時間を医師に報告することが大切です。
特に、発熱やリンパの腫れ、精神的な不調などが続くようであれば、他の疾患との鑑別も必要になるため、すみやかに医師の診察を受けてください。
アルダラクリームの副作用に関する臨床試験結果

アルダラクリームは尖圭コンジローマや日光角化症、基底細胞癌など、複数の疾患に対して臨床試験が行われており、疾患ごとに副作用の出現頻度や症状の傾向に違いがあります。
以下では、疾患別に副作用発現の傾向をまとめた試験結果を紹介します。
尖圭コンジローマに関する臨床試験結果
この臨床試験は、日本国内の後期第II相試験として実施され、外性器または肛門周囲に疣贅(ゆうぜい)を持つ165名の患者が参加しました。
5%イミキモドクリームを1日1回、6〜10時間、週3回、最大16週間使用するという条件下で、副作用の有無と内容が記録されました。
項目 | 内容 |
試験名 | 国内後期第II相試験 |
対象疾患 | 尖圭コンジローマ |
被験者数 | 165名 |
投与スケジュール | 週3回(1日おき)、最大16週間 |
塗布部位 | 外陰部または肛門周囲 |
観察期間 | 最大16週間(反応に応じて期間調整) |
つづいて、観察された主な副作用の発現頻度を以下に示します。
症状 | 頻度 | 備考 |
紅斑 | 56.4% | 塗布部位の局所反応として最も多く報告されており、軽度の赤みから強い炎症に至ることもある。症状が強い場合は塗布頻度の調整が推奨される。 |
びらん | 40.0% | 皮膚がただれたような状態になり、ヒリヒリとした痛みを伴うことがある。粘膜周辺では特に注意が必要。 |
表皮剥離 | 34.5% | 古い皮膚がめくれるように剥がれることがあり、一時的な皮膚の乾燥感や薄皮状のめくれが見られる場合がある。 |
疼痛 | 30.9% | 塗布部位にピリピリとした刺激感や痛みを感じるケースで、治療の継続可否は痛みの程度に応じて判断される。 |
これらの副作用は比較的高頻度で報告されていますが、多くは塗布部位に限定され、時間の経過とともに軽快する傾向にあります。
強い皮膚反応が出た場合でも、治療の一環として評価されることが多く、医師の指導のもとで継続使用が可能です。
日光角化症に関する臨床試験結果
日光角化症に関する臨床試験は、184名の患者を対象とし「週2回群」「週3回群」「基剤群」に分けて4週間(必要に応じてさらに4週間)塗布する形式で実施されました。
副作用の発現は、塗布頻度と相関して上昇する傾向が確認されています。
項目 | 内容 |
試験名 | 国内後期第II相試験 |
対象疾患 | 日光角化症(顔面・頭皮) |
被験者数 | 184人 |
投与スケジュール | 週2回、1サイクル4週間(必要に応じて繰り返し) |
塗布部位 | 顔面または頭皮(最大25cm²) |
観察期間 | 4週間 × 最大2サイクル |
次に、副作用の詳細について以下に記載します。
症状 | 頻度 | 備考 |
紅斑 | 68.3% | 塗布部位に明らかな赤みが生じることが多く、使用初期にあらわれやすい症状。皮膚の反応が強すぎる場合は休薬が検討される。 |
痂皮(かさぶた) | 57.1% | 皮膚の炎症後に形成されるかさぶた。自然に剥がれるまで触れずに経過観察する。 |
浮腫 | 46.0% | 塗布部位が腫れぼったくなる反応で、眼周囲に使用した場合は特に慎重な対応が求められる。 |
落屑/乾燥 | 44.4% | 皮膚が粉をふいたように乾燥したり、角質が剥がれ落ちたりする症状。保湿剤の併用で対処可能。 |
びらん/潰瘍 | 44.4% | 皮膚がただれる、あるいは軽度の潰瘍状になる症状。外用薬の一時中断が必要なケースもある。 |
湿潤/滲出 | 39.7% | 塗布部位から液体がにじみ出る状態。衛生状態の保持と乾燥管理が重要になる。 |
日光角化症の治療では、紅斑やかさぶたなどの皮膚変化は治療効果と関連することが多く、必ずしも副作用とは限りません。
ただし、痛みや不快感が強い場合は無理に使用を継続せず、適切なタイミングで医師に相談してください。
アルダラクリームの副作用を抑えるポイント

ここでは、アルダラクリームの副作用を抑えるためのポイントとして以下を解説します。
正しい用法用量を守る
アルダラクリームの副作用を抑えるうえでもっとも重要なのが、用法用量を守ることです。
医師の指示通りの頻度で使用し、必要な量を超えて塗布しないことが大切です。
なお、アルダラクリームは以下の疾患ごとに用法用量が異なります。
疾患 | 用法用量 | 備考 |
尖圭コンジローマ | 週3回、最大16週間 | ・1日1回を基本とし、適量を塗布する・1日空けて塗布する(月・水・金など)・塗布後6〜10時間を目安に必ず洗い流す |
日光角化症 | 週3回、最大4週間(塗布後4週間休薬) | ・1日1回を基本とし、適量を塗布する・1日空けて塗布する(月・水・金など)・塗布後約8時間を目安に必ず洗い流す・25㎡の範囲を塗布部位とする |
過量に塗布してしまうと局所の炎症が強くなったり、全身性の副反応を引き起こす可能性があります。
塗布範囲や回数、放置時間などは必ず疾患ごとに設定された用法用量に従ってください。
使用後は必ず手を洗う
アルダラクリームの塗布後に手を洗わないまま放置すると、お薬が他の部位に付着したり、誤って目や口などの粘膜に触れるリスクがあります。
イミキモドは免疫応答を活性化させる作用があるため、正常な皮膚や粘膜に付着した場合でも、刺激や赤み、炎症を起こす可能性があります。
アルダラクリームの塗布後は、必ず石けんとぬるま湯で丁寧に手を洗うことが必要です。
綿棒や手袋を使用した場合も、廃棄または洗浄を徹底してください。
患部が日光や紫外線に触れないようにする
アルダラクリームの使用中は、塗布部位の皮膚が一時的に敏感になるため、日光や紫外線による刺激で症状が悪化することがあります。
特に、顔面や頭皮といった露出部に使用する日光角化症の治療では、紫外線を避けることが治療の一部ともいえます。
帽子や日傘の使用や外出を控えるなどの対策に加え、日焼け止めはお薬を完全に洗い流してから使用してください。
炎症がある場合は完治するまで使用しない
アルダラクリームの塗布部位に出血やただれ、強い赤みなどがある場合には治療を一時中断してください。
使用を続けると炎症反応がさらに悪化し、皮膚のバリア機能が損なわれる場合があります。
一方、軽度の赤みやかさぶたはイミキモドの治療効果である可能性があります。
炎症の程度は自己判断せず、医師の診察を受けたうえで継続可否を判断してください。
重篤な症状が発現したら使用を中止する
アルダラクリームの使用によって、通常の皮膚反応とは異なる全身性の症状が見られた場合は、直ちに中止してください。
これは、重度のアレルギー反応や皮膚障害などの重篤な副作用の可能性があるためです。
また、症状が進行する前に医師に相談することで、すみやかな治療や他のお薬への切り替えなど、適切な対応が可能になります。
副作用を見逃さず、異常があればすぐに医療機関に相談することが大切です。
まとめ

アルダラクリームは、尖圭コンジローマや日光角化症などの治療に用いられる外用薬です。
さまざまな症状に対して有効性が確認されていますが、皮膚の赤みやヒリヒリ感、紅斑、びらんなどの副作用が一定の割合で報告されていることも事実です。
治療中は定期的に皮膚の状態を観察し、少しでも異常を感じたら医師に相談してください。
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