イベルスマートの副作用とは?症状の発現頻度も解説
イベルスマートの副作用について、重篤な症状からまれな症状まで幅広く解説します。服用時に注意したい症状の兆候や発現頻度、副作用を抑えるためのポイントも解説するので、イベルスマートの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
お薬通販部スタッフ[監修]

イベルスマートは、糞線虫症や疥癬などの寄生虫感染症に治療効果が期待できるお薬で、有効成分としてイベルメクチンを含んでいます。
イベルスマートは海外でも長く使用されてきた実績がありますが、服用によっていくつかの副作用があらわれることもあります。
たとえば、発疹や頭痛といった比較的軽度な症状から、皮膚や肝機能への重い影響が報告されるケースまで、多岐にわたる点に注意が必要です。
この記事では、イベルスマートの副作用や臨床試験結果による発現頻度、副作用を抑えるポイントなどを解説します。
目次
イベルスマートの服用による重大な副作用

イベルスマートの服用によって、以下の重大な副作用が報告されています。
上記の発現頻度は明確に報告されておらず、頻繁はきわめて低いといえます。
しかしながら、副作用には個人差があるため、イベルスマートの服用後に少しでも違和感が生じた場合は医療機関を受診してください。
中毒性表皮壊死融解症
イベルスマートの服用によって、体全体に紅斑(赤み)や水ぶくれが生じ、皮膚が大きく剥がれてしまう中毒性表皮壊死融解症が報告されています。
初期には発熱やのどの痛み、全身の倦怠感といった感冒様の症状で始まることが多く、見過ごされがちです。
皮膚だけでなく、眼や口腔、陰部などの粘膜にもびらんがあらわれることがあり、痛みや不快感を伴います。
皮膚の変化が急速に進行することもあるため、日ごろから皮膚の状態に注意を払いつつ、違和感があれば医師に相談してください。
皮膚粘膜眼症候群
イベルスマートの服用による、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)の副作用が報告されています。
皮膚粘膜眼症候群は発熱やのどの痛み、目の充血などに続いて皮膚に赤みや水ぶくれがあらわれる症状です。
発疹は体の一部から始まり、徐々に広がる傾向があります。
粘膜にもびらんやただれが生じるため、口内の痛みや目の異常を伴うことが多くなります。
発症初期は感冒のように見えることもあり、普段の風邪とは様子が異なると感じた場合、ただちに医師に相談してください。
肝機能障害・黄疸
イベルスマートの服用による、肝機能障害・黄疸の副作用も報告されています。
たとえば、食欲の低下やだるさ、尿の色が濃くなる、皮膚や白目が黄色く見えるなどが症状として挙げられます。
これらの変化は、肝臓の働きに負担がかかっているサインと考えられます。
自覚症状が曖昧なケースもありますが、全体的に体調がすぐれない日が続いた場合、肝機能の異常が関与している可能性があります。
少しでも違和感を覚えたら、すみやかに医療機関を受診してください。
血小板の減少
イベルスマートの副作用として、血小板の減少も報告されています。
具体的な症状として、普段よりあざができやすくなったり、鼻血が出やすくなったりすることが挙げられます。
また、歯茎からの出血が止まりにくい症状も見られる場合があります。
こうした変化は見逃されがちですが、出血の傾向が普段と異なると感じたときには、すみやかに医師に相談してください。
意識障害
イベルスマートの副作用として、意識障害も報告されています。
具体的な症状として反応が鈍くなる、思考がはっきりしない、言葉が出にくいといった状態が挙げられます。
めまいやふらつきが感じられる場合もあり、特に疲労や体調不良と重なると気付きにくくなることもあります。
普段と感覚が異なると感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
意識の変化が一時的なものであっても、普段から記録をつけておくことで早期発見に繋がります。
イベルスマートの服用によるまれな副作用

ここでは、イベルスマートの服用によって生じる比較的まれな副作用を解説します。
過敏症
イベルスマートの服用により、まれにアレルギー反応に分類される過敏症が起こることがあります。
皮膚に赤みやかゆみ、蕁麻疹が出る例が多く、体質によっては急に症状が広がることもあるでしょう。
皮膚症状に加え、軽い発熱や倦怠感を伴うケースもあり、全身的な免疫反応の一環として報告されています。
特に、服用初期の数日間は注意が必要です。
症状が軽度の場合でも、日々の変化に気づけるように肌の状態を確認しておくと、早期発見に繋がります。
貧血
イベルスマートの副作用として、まれに赤血球やヘモグロビンの減少による貧血が報告されています。
特に倦怠感や動悸、顔色の悪さなどが生じた場合は、血液の状態に変化が起きている可能性があります。
過去に貧血の既往歴がある人や、胃腸の不調・食欲不振などが重なる場合には、特に注意が必要です。
症状の進行はゆるやかであることが多く、自覚しにくいのが特徴です。
イベルスマートの服用後に「疲れやすさが増した」「立ちくらみが多い」などの変化に気づいた際は、原因を見極める1つの視点として副作用も視野に入れてください。
悪心・嘔吐
イベルスマートの服用後に、胃の不快感や吐き気が生じた例も報告されています。
服用後にむかつきを感じる、食後に軽い吐き気を覚えるといったケースが多く、消化器系にあらわれやすい副作用の1つです。
空腹時の服用や水分不足なども症状を誘発しやすく、特に体調が不安定なときには注意が必要です。
症状の傾向としては軽度から中等度が多く、服用タイミングや飲み方を見直すことで軽減される可能性があります。
とはいえ、自己判断は重篤な健康被害に繋がるリスクもあるので、症状があらわれたら医療機関を受診してください。
血尿
イベルスマートの服用後、血尿が生じた例も報告されています。
目に見えて尿の色が赤く変化する場合もあれば、検査で判明するケースもあります。
これは、腎臓や尿路系に軽微な影響が生じていることが原因と考えられ、体調や水分摂取量との関係性にも注目すべき点があります。
一時的な変化にとどまることもありますが、排尿時に痛みがある、回数が増えるなどの症状が併発する場合は、ただちに医療機関を受診してください。
その他
イベルスマートの服用によって、前述した副作用の他にも以下が報告されています。
症状 | 説明 |
治療初期のそう痒悪化 | 治療開始後、一時的にかゆみが悪化することがある。 |
ヒゼンダニ死滅後のアレルギー反応(そう痒の蔓延) | ヒゼンダニの死骸に対する反応で、かゆみが長引く場合がある。 |
脳症 | 寄生虫感染歴のある患者でまれに重篤な脳症が報告されている。 |
関節痛・背部痛・頸部痛 | 筋肉や関節に不快感を伴う痛みが見られることがある。 |
発熱 | 全身の免疫反応として一時的な発熱が起こる場合がある。 |
結膜出血・眼充血 | 目のかすみや赤みなどが一時的にあらわれることがある。 |
浮腫 | 顔や手足にむくみを感じることがある。 |
尿失禁・便失禁 | 排尿・排便のコントロールが一時的に困難になる場合がある。 |
呼吸困難 | 軽度の息苦しさから、強い呼吸抑制まで幅広く報告されている。 |
これらの症状は個人差があり、寄生虫の死骸による反応や基礎疾患の影響が関与していることもあります。
また、合併症の既往歴がある人や妊婦、高齢者など特定の背景に該当する人は重篤な副作用が生じるケースもあります。
神経症状や呼吸症状などがあらわれた場合は、すみやかに医師へ相談してください。
イベルスマートの副作用に関する臨床試験結果

イベルスマートの有効成分イベルメクチンは、国内での承認にあたり実施された臨床試験で評価されています。
この試験は、日本人の腸管糞線虫症患者を対象に行われたものです。
以下に、試験の設計とその中で報告された副作用の詳細をまとめています。
項目 | 内容 |
試験対象 | 腸管糞線虫症患者(日本人) |
症例数 | 50例 |
投与方法 | イベルメクチン 200μg/kg を2週間間隔で2回経口投与 |
評価期間 | 2回目投与後、適切な観察期間を設けて評価 |
主な評価項目 | 副作用の発現有無、有害事象の内容と頻度、重篤な副作用の有無 |
この試験では、50人の腸管糞線虫症患者に対してイベルスマートを投与し、副作用の有無が評価されました。
以下は、副作用の発現割合や重篤性など、全体的な評価結果をまとめたものです。
項目 | 内容 |
副作用が認められた症例 | 4例(8.0%) |
重篤な副作用 | なし |
投与中止に至った例 | なし |
副作用が認められた4例については、いずれも軽度の症状にとどまり、治療継続が可能な範囲でした。
以下は、4例で確認された副作用の具体的な内容です。
副作用 | 該当症例数 | 発現頻度 | 分類 | 重症度 |
ALT(GPT)上昇 | 2例 | 4.0% | 肝機能異常 | 軽度 |
AST(GOT)上昇 | 1例 | 2.0% | 肝機能異常 | 軽度 |
好酸球増多 | 1例 | 2.0% | 血液学的異常 | 軽度 |
そう痒 | 1例 | 2.0% | 皮膚症状 | 軽度 |
このように、副作用は一部の患者に限定的に見られましたが、いずれも軽度で重篤な副作用や投与中止例は報告されていません。
肝機能値の変動や皮膚症状などは注意が必要ではあるものの、全体として安全性に大きな懸念は見られない結果となっています。
イベルスマートの副作用を抑えるためのポイント

ここでは、イベルスマートの副作用を抑えるポイントとして以下を解説します。
低用量から服用を開始してみる
イベルスマートの通常の用量は「体重1kgあたり200μg」とされていますが、体質や基礎疾患によっては、少量でも十分な効果が得られる場合があります。
特に高齢者や肝機能に不安のある方では、薬の代謝・排泄が遅れることがあり、通常量でも副作用が出やすくなる傾向があります。
医師が判断したうえで、安全性を優先して低用量から段階的に使用することは、副作用リスクの軽減に有効とされています。
グレープフルーツとの併用を避ける
イベルメクチンの代謝には、主に肝臓に存在する酵素CYP3A4が関与しています。
グレープフルーツやグレープフルーツジュースは、この酵素の働きを阻害する成分を含んでおり、薬の分解が遅れて血中濃度が通常よりも高くなる可能性があります。
その結果、眠気、倦怠感、意識障害などの副作用が強く出る恐れがあるため、服用期間中はグレープフルーツの摂取を控えることが望ましいです。
アルコールを過剰摂取しない
イベルスマートと過度のアルコールを併用すると、中枢神経抑制作用が増強される可能性があります。
具体的には、眠気の増強、ふらつき、注意力の低下をはじめ、重症な場合は呼吸抑制などが起こることもあります。
少量の飲酒でもお薬の作用を強める可能性があるため、服用期間中は飲酒を控えるか、医師に相談したうえで判断してください。
副作用がひどいときは医師に相談する
イベルスマートの服用後に副作用の症状がひどい場合は、自己判断で服用を継続せずに医師へ相談してください。
特に、発疹やかゆみの悪化はアレルギー反応の可能性があり、繰り返し服用することで症状が悪化するおそれもあります。
異変に気づいたら早めに受診することが、安全な治療を継続するうえで非常に重要です。
まとめ

イベルスマートは、疥癬や腸管糞線虫症などに対して治療効果が期待できる一方、服用中にはいくつかの副作用が報告されています。
重大な副作用として、中毒性表皮壊死融解症や肝機能障害、意識障害などが挙げられ、いずれも発症頻度は低いものの早期発見と適切な対処が重要です。
また、過敏症や消化器症状、軽度の皮膚症状といった比較的まれな副作用も見られることがあり、体調の変化には日常的な観察が重要です。
国内の臨床試験においては、副作用の発現頻度は8%程度と報告されており、重篤な有害事象は確認されていませんが、服用時には個人差を考慮した慎重な対応が必要です。
イベルスマートを安全に服用するためには、正しい知識と適切な対処が大切です。
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