スマトリプタンの併用で注意が必要な人やお薬を紹介!
スマトリプタンは、片頭痛の治療薬として広く用いられており、頭痛を効果的に抑える作用があります。ただし、服用するときは他のお薬との併用に注意が必要です。特定の抗うつ薬や血圧に関わる医薬品と併用する場合、副作用のリスクが増すため、医師の指導のもとで適切に服用することが求められます。
お薬通販部スタッフ[監修]

この記事では、スマトリプタンの服用・併用で注意が必要な人やお薬について詳しく解説します。
スマトリプタンは片頭痛の改善に効果がある治療薬です。
頭痛発作時に、過度に拡張した頭蓋内外の血管を収縮させることで片頭痛を改善します。
ただし、特定のお薬との併用には注意が必要です。
特に、セロトニン症候群などを引き起こすおそれがある抗うつ薬や、血圧に影響を与えるお薬との併用は注意が必要とされています。
スマトリプタンの服用・併用にあたって、注意すべき人やお薬などを理解したうえで安全に服用することが重要です。
目次
スマトリプタンの併用で注意が必要なお薬

スマトリプタンを服用する際に併用に注意が必要とされる医薬品として、特に以下の3つに分類されるお薬が挙げられます。
分類 | 効果 | 注意事項 |
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) | 脳内の神経伝達を改善することで、憂鬱な気分などを改善するお薬 | 作用が増強され、不安や焦燥、興奮などのセロトニン症候群があらわれることがある |
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI) | 脳内の神経伝達を改善することで、憂鬱な気分などを改善するお薬 | 作用が増強され、不安や焦燥、興奮などのセロトニン症候群があらわれることがある |
けいれんの閾値を低下させるお薬 | 筋肉の収縮による発作を改善するお薬 | けいれんの閾値を低下させるおそれがある |
思わぬ副作用を避けるためには、それぞれのお薬が作用するメカニズムと、スマトリプタンとの相互作用について理解することが重要です。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
SSRIは、うつ病や不安障害、パニック障害の治療に用いられる抗うつ薬で、脳内のセロトニン濃度を高めることで症状の改善を図ります。
これにより、スマトリプタンと同時に服用すると、脳内セロトニンが過剰になり、セロトニン症候群と呼ばれる危険な状態が引き起こされる可能性があります。
名称 | 効果 |
フルボキサミンマレイン酸塩 | うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害 |
パロキセチン | うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害 |
セルトラリン | うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害 |
セロトニン症候群は発熱や発汗、ふるえ、錯乱、けいれんなどの症状を伴うので注意が必要です。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
SNRIは、うつ病や不安障害の治療において、セロトニンとノルアドレナリンの両方の再取り込みを阻害する医薬品です。
スマトリプタンと併用することで、SSRIと同様にセロトニン症候群のリスクが高まる可能性があり、異常な興奮や筋肉の硬直、ふるえなどが生じることがあります。
名称 | 効果 |
デュロキセチン塩酸塩 | うつ病・うつ状態、疼痛(糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症) |
ベンラファキシン塩酸塩 | うつ病・うつ状態 |
ミルナシプラン塩酸塩錠 | うつ病・うつ状態 |
特にデュロキセチンやベンラファキシンは、頭痛の合併症として慢性疼痛の治療にも使われるため、スマトリプタン服用時には慎重な判断が求められます。
けいれんの閾値を低下させるお薬
けいれんの閾値を低下させるお薬は、中枢神経に作用し、発作を引き起こすおそれがあります。
スマトリプタンと併用すると、相互作用によりけいれんのリスクがさらに上昇するので注意が必要です。
特に、鎮痛作用を持つNSAIDsや抗菌薬、抗精神薬などは閾値を下げるとされていて特に併用に注意が必要です。
精神疾患を持つ患者では抗精神薬の服用によって、逆に片頭痛を起こしやすくなっており、片頭痛のお薬が追加されることもしばしばあります。
スマトリプタンの服用に注意が必要な人

スマトリプタンは片頭痛の効果的な治療薬ですが、一部の患者には服用が推奨されない、もしくは細心の注意が必要な場合があります。
特に、以下に該当する人は副作用や健康リスクがあるため、医師と相談の上で適切に判断することが重要です。
特徴 | 注意事項 |
虚血性心疾患のリスクがある人 | 不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。 |
けいれんやてんかんの既往歴がある人 | てんかん発作が発現するおそれがある。 |
スルホンアミド系医薬品に過敏症の既往歴がある人 | 交叉過敏症(皮膚の過敏症やアナフィラキシー)があらわれるおそれがある。 |
高血圧の治療を受けている人 | 一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇があらわれるおそれがある。 |
肝機能や腎機能が低下している人 | 重篤な腎機能障害・肝機能障害がある人は血中濃度が上昇するおそれがある。 |
妊婦および授乳中の人 | 妊婦は治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ服用する。授乳中の人は、服用後12時間は授乳しないことが望ましい。 |
小児および高齢者 | 10歳未満の小児などを対象とした臨床試験が実施されていないため、服用を避けることが望ましい。高齢者は、高い血中濃度が持続するおそれがある。 |
スマトリプタンは、特定の疾患や症状を有する人はなるべく服用を避けたほうが良いでしょう。
まとめ

スマトリプタンは、片頭痛の改善に効果的なお薬です。
作用は脳内の血管収縮を促すことで痛みを緩和するものであり、臨床試験でも高い有効性が確認されています。
しかし、スマトリプタンにはアナフィラキシーショックや虚血性心疾患、てんかん発作といった重大な副作用が報告されています。
さらに、消化器症状や倦怠感、めまいなどの比較的軽度な副作用もあり、頻繁な服用は薬物乱用頭痛のリスクも伴います。
安全に効果を得るためには、適切な用量と服用頻度を守ることが重要です。
この記事で紹介した内容を参考に、副作用や注意点を十分に理解したうえで服用することが大切です。
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