臨床試験の結果から読み解くオルリファストの有用性について
オルリファストは有効成分オルリスタットを配合した肥満治療薬です。臨床試験の結果からオルリファストの有用性について解説します。
お薬通販部スタッフ【監修】

オルリファストは有効成分としてオルリスタットを配合した、肥満治療薬「ゼニカル」のジェネリック医薬品です。
欧米を中心に世界で広く利用されているオルリファストですが、日本でも美容クリニックなどで処方されています。
今回はオルリファストの有用性について、先発医薬品ゼニカルの添付文書を基に分かりやすく解説します。
目次
オルリファストとは

オルリファストは、肥満治療薬として広く知られている「ゼニカル」のジェネリック医薬品です。
オルリファストの特徴
オルリファストには有効成分としてオルリスタットが配合されています。
オルリスタットは過去に開発された肥満治療薬および有効成分とは異なり、体内の酵素の一種であるリパーゼの働きを阻害する点が特徴です。
リパーゼには食事から摂取した脂質を分解し、脂肪細胞へと蓄積する働きがあります。
オルリファストの作用によりリパーゼの働きが妨げられると、脂肪が体内に蓄えられにくくなります。
オルリファストは現在のところ国内未認可の医薬品ですが、美容クリニックなどではダイエット目的でオルリファスト(もしくはオルリスタット内服薬)を利用しているところが少なくありません。
臨床試験の結果から見るオルリファストの効果について

オルリファスト(オルリスタット)の効果について、先発医薬品であるゼニカルの臨床結果を基に解説します。
5%以上の体重減少
1年間にわたるランダム化比較試験において、ゼニカル(オルリスタット錠)を服用した群とプラセボ群との間で以下の差が見られました。
研究番号 | オルリスタットを服用群 | 例数 | プラセボ群 | 例数 | p値 |
14119B | 35.5% | 110 | 21.3% | 108 | 0.021 |
114119C | 54.8% | 343 | 27.4% | 340 | ≺0.001 |
14149 | 50.6% | 241 | 26.3% | 236 | ≺0.001 |
14161 | 37.1% | 210 | 16.0% | 212 | ≺0.001 |
14185 | 42.6% | 657 | 22.4% | 223 | ≺0.001 |
オルリスタット錠服用群は120mg配合の錠剤を1日に3回摂取するとともに、食事療法を合わせて行いました。
プラセボ群は偽薬と食事療法を並行して行っています。
上記の表から分かるように、オルリスタット錠の服用と食事療法を行った群では、偽薬と食事療法を行ったプラセボ群に比べ、有意な体重の減少が見られました。
10%以上の体重減少
前述の実験で体重が10%以上減少した被験者数に関して、オルリスタット錠服用群とプラセボ群との間で以下の差が見られました。
研究番号 | オルリスタットを服用群 | 例数 | プラセボ群 | 例数 | p値 |
14119B | 16.4% | 110 | 6.5% | 108 | 0.022 |
114119C | 24.8% | 343 | 8.2% | 340 | ≺0.001 |
14149 | 22.8% | 241 | 11.9% | 236 | 0.02 |
14161 | 19.5% | 210 | 3.8% | 212 | ≺0.001 |
14185 | 17.7% | 657 | 9.9% | 223 | 0.006 |
偽薬と食事療法を行ったプラセボ群では、10Kg以上の体重減少例は平均すると一けた台に留まっています。
一方、オルリスタット錠の服用と食事療法を行った群では、およそ2割の方が10Kg以上の体重減に成功しています。
リスク因子の平均的変化
1年間にわたり行われた臨床試験において、オルリスタット錠の服用および食事療養を行った群では、偽薬と食事療養を行ったプラセボ群にくらべ、リスク因子の減少が見られました。
リスク因子 | ゼニカル服用群 | プラセボ群 |
総コレステロール | -0.2% | +5.0% |
LDLコレステロール | -4.0% | +5.0% |
HDLコレステロール | +9.3% | +12.8% |
LDL/HDL | -0.37 | -0.20 |
トリグリセリド | +1.34% | +2.9% |
空腹時血糖値(mmol/L) | -0.04 | ±0.0 |
空腹時インスリン(pmol/L) | -6.7 | +5.2 |
収縮期血圧(mmHg) | -1.01 | +0.58 |
拡張期血圧(mmHg) | -1.19 | +0.46 |
ウエスト(cm) | -6.45 | -4.04 |
ヒップ(cm) | -5.31 | -2.96 |
オルリスタット錠の服用と食事療法を行った群では、偽薬と食事療法を行ったプラセボ群に比べ、生活習慣病のリスク因子が減少しています。
まとめ

先発医薬品であるゼニカルの臨床試験の結果から、オルリファストには体重を減らしたり生活習慣病のリスクを下げたりする効果が期待できると分かりました。
オルリファストは比較的副作用のリスクが低く、先発医薬品よりも安価なため世界中で肥満治療薬として利用されていますが、国内では認可外の医薬品のため、個人輸入代行サイトで購入し、用法用量を守って服用してください。
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