ゼニカルの有効成分オルリスタットとは?
ゼニカルの有効成分オルリスタットには、脂肪の吸収を阻害し、肥満症を改善する効果が期待されています。本記事ではオルリスタットの特徴について解説します。
お薬通販部スタッフ【監修】

デスクワークの方が多くなった現代社会において、肥満は大きな悩みの1つです。大人だけでなく、子どもも運動不足や清涼飲料水などの飲みすぎで肥満になる児童が少なくありません。
ゼニカルの有効成分であるオルリスタットには、腸管へ脂肪が吸収されるのを妨げる作用があり、ダイエットに効果的として注目されています。
本記事では肥満治療薬のゼニカルに含まれている有効成分、オルリスタットについて解説します。
肥満治療薬の歴史

肥満は人類に共通する悩みの1つで、古くからさまざまなダイエット法や食事療法が実践されてきました。
また、世界各国で多くの有効成分を配合した肥満治療薬が開発され、発売中止になってきた歴史があります。
ここでは、世界で主に開発された有効成分、および肥満治療薬の歴史を紹介します。
有効成分 | 作用 | 期待できる効果 | 各国での取り扱い |
---|---|---|---|
マジンドール | モノアミンの再取り込みを阻害 | アドレナリンの分泌量を増加させて食欲を減退させる | 米国→73年承認の後01年に中止 EU→中止 日本→92年承認 |
フェンフルラミン | セロトニンを刺激 | セロトニンの放出を増強して食欲を抑制する | 米国→73年承認の後93年に中止 EU→97年中止 日本→未承認 |
デクスフェンフルラミン | セロトニンを刺激 | セロトニンの放出を増強して食欲を抑制する | 米国→96年承認の後97年に中止 EU→97年中止 日本→未承認 |
シブトラミン | モノアミンの再取り込みを阻害 | アドレナリンの分泌量を増加させて食欲を減退させる | 米国→97年承認の後10年に中止 EU→中止 日本→申請取り下げ |
リモナバン | カンナビノイド受容体に拮抗 | 内在性カンナビノイド受容体を遮断して減量につなげる | 米国→未承認(07年申請取り下げ) EU→06年承認の後08年に中止 日本→08年開発中止 |
オルリスタット | リパーゼの働きを阻害 | 摂取した脂肪の吸収を妨げ体外へと排出する | 米国→99年承認 EU→98年承認 日本→24年承認 |
上記の表から分かるように、肥満治療薬は米国やヨーロッパ、日本で開発・承認を経ては使用中止を繰り返しています。
日本で肥満治療に用いられている有効成分はマジンドールのみで、代表的な治療薬がサノレックスです。
しかし、マジンドールは体重を減少させる効果に乏しく、副作用のリスクが高いため、臨床的にはそれほど利用されていないと考えられています。
アメリカやヨーロッパでは、オルリスタットを有効成分とするゼニカルが承認され、現在では世界80ヶ国以上で肥満治療薬として使用されています。
ゼニカルは日本国内では未承認薬ですが、美容クリニックのなかにはゼニカルをダイエット目的で使用している所が少なくありません。
医療用医薬品ではありませんが、日本では2024年に要指導医薬品のオルリスタット錠「アライ」が販売され、生活習慣改善のサポートに用いられています。
国内におけるオルリスタット製剤

欧米では長きにわたってオルリスタットが使用されてきましたが、日本では大正製薬によってはじめてオルリスタット製剤のアライが開発されました。
ただし、ゼニカルとは異なりアライは医療用医薬品ではなく、要指導医薬品となっています。
大正製薬によるとアライは飲むだけで内臓脂肪や腹囲が減少するような治療薬ではなく、生活習慣の改善をサポートするための医薬品とされています。
オルリスタットの特徴

欧米をはじめとする世界80ヶ国以上で肥満治療薬として用いられているゼニカルには、有効成分としてオルリスタットが配合されています。
ここではオルリスタットの構造、および作用機序について見ていきたいと思います。
オルリスタットの構造
ゼニカルの有効成分であるオルリスタットの分子式は「C29H53NO5」、分子量は「495.7348」です。
オルリスタットは服用してからおよそ30分から1時間で効果が最大になり、2時間程度で効果が半減します。
ゼニカルの作用によって腸管へ吸収されなかった脂質は、服用から24〜48時間後に便と一緒に排出されます。
オルリスタットの作用機序
オルリスタットの作用機序について理解するためには、脂質が腸管へと吸収される仕組みについて知っておく必要があります。
食事から摂取した脂質は体内に存在する酵素の一種「リパーゼ」の働きで、脂肪酸とグリセロールに分解され腸管に吸収されます。
ゼニカルの有効成分であるオルリスタットには、リパーゼの働きを阻害する作用があるため、脂質が腸管に吸収されにくくなる点が特徴です。
オルリスタットの薬力学
オルリスタットにはリパーゼの働きを阻害する働きがありますが、食事から摂取した脂質すべてが腸管に吸収されない訳ではありません。
オルリスタットを1日に3回、1回あたり120mg摂取すると、食事から摂取した脂質のおよそ30%が腸管に吸収されなくなります。
まとめ

ゼニカルの有効成分であるオルリスタットにはリパーゼの働きを阻害して、腸管への脂質の吸収を妨げる作用があります。
糖尿病など生活習慣病の治療薬として用いられているほか、国内でも美容クリニックなどがダイエット目的で利用しています。
ただし、ゼニカルをはじめとするオルリスタット製剤は国内未承認のため、信頼できる個人輸入代行サイトで購入し、用法・用量を守って正しく服用してください。
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