トリキュラーとの併用に注意が必要な薬剤とは?対象の薬剤の効果とメカニズムを詳しく解説!

トリキュラーは避妊効果のある低用量ピルです。この記事ではトリキュラーの併用注意の薬剤とメカニズムに関して詳しく解説しています。

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記事公開日:2024.03.25

最終更新日:2024.06.04

お薬通販部スタッフ[監修]

トリキュラーとの併用に注意が必要な薬剤とは?対象の薬剤の効果とメカニズムを詳しく解説!

トリキュラーは、世界中で使用されており、安心して使用できる避妊薬としてよく知られています。

ただし、トリキュラーとの併用に注意すべき薬があることはご存知でしょうか?

トリキュラーの説明書には記載されていますが、意外と見落としがちな項目だと思います。

また、薬剤名が記載されていても、どういった症状で服用されている薬なのかが把握しにくく、分かりにくい問題もあります。

そこでこの記事では、トリキュラーとの併用に注意が必要な薬剤や注意事項、薬剤の効果を詳しく解説します。

この記事を読むと、副作用も最小限に抑え、安心して希望の頻度でトリキュラーを使用できるようになります。

その結果、しっかりと避妊効果を得られるようになりますよ。




トリキュラーと併用に注意が必要な薬剤

トリキュラーと併用に注意が必要な薬剤の見出し画像

トリキュラーとの併用に注意が必要な薬剤について、併用した場合の症状ごとにまとめました。

対象薬剤の効果についてもまとめているので、ご自身が服用されている可能性も考慮しつつ読んでみてください。

症状の頻度については、飲み合わせの薬剤で異なるため、専門の医師や薬剤師に確認しましょう。


トリキュラーとの併用時に薬剤の作用が増強するおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
副腎皮質ホルモン プレドニゾロン等抗炎症作用や抗アレルギー作用、免疫抑制作用を有しており、慢性副腎皮質機能不全や関節リウマチ、エリテマトーデス等で広範囲にわたり使用される
三環系抗うつ剤 イミプラミン等うつ病や遺尿症の治療薬として使用される
セレギリン塩酸塩パーキンソン病の治療薬として使用される
シクロスポリン臓器(腎、肝、心、肺、膵、小腸)移植における拒絶反応の抑制やベーチェット病などの治療薬として使用される
オメプラゾール胃酸の分泌を抑制する効果があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの治療薬として使用される

トリキュラーを併用して服用することで、上記薬剤の代謝を抑制すると考えているため、薬剤の作用が想定よりも増強されてしまう副作用が発生する可能性があります。




薬剤の血中濃度上昇のおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
テオフィリン気管支喘息や喘息性(様)気管支炎の治療に使用される
チザニジン塩酸塩頸肩腕症候群や腰痛症、痙攣麻痺の治療に使用される

トリキュラーを併用して服用することで、上記薬剤の代謝酵素であるCYP1A2を阻害し、血中濃度を上昇させる副作用があると考えられています。




薬剤の血中濃度低下のおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
ラモトリギンてんかん患者の治療に使用される
モルヒネ激しい疼痛時の鎮痛や激しい咳嗽発作時の鎮咳として使用される
サリチル酸角化性の皮膚疾患の治療に使用される

トリキュラーを併用して服用することで、上記薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられています。




薬剤の作用を激弱にするおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
Gn-RH誘導体 ブセレリン酢酸塩等子宮内膜症や中枢性思春期早発症、子宮筋腫などの治療に使用される
血糖降下剤  インスリン製剤、  スルフォニル尿素系製剤、  スルフォンアミド系製剤、  ビグアナイド系製剤等糖尿病の治療に使用される

Gn-RH誘導体は、性ホルモンの分泌を低下することで薬効を示すため、性ホルモンであるトリキュラーを併用して服用することで、Gn-RH誘導体の効果を低下させる可能性があります。

また、血糖降下剤について、トリキュラーが血糖降下剤の作用を低下させる可能性があると考えられています。




トリキュラーの効果激弱のおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
HIVプロテアーゼ阻害剤、ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル(リトナビル併用時)、ロピナビル、リトナビル配合剤等HIV感染症に対して使用される
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、ネビラピンHIV-1感染症に対して使用される

トリキュラーを併用して服用することで、エチニルエストラジオールのAUC(薬物血中濃度時間曲線下面積)が減少するためです。

AUC:薬物動態学の分野における、血漿中の薬物濃度の変化を時間の関数として記述した曲線の定積分。



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トリキュラーの効果減弱及び不正性器出血の発現率増大の恐れ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
リファンピシン肺結核及びその他の結核症などの治療に使用される
バルビツール酸系製剤 フェノバルビタール等てんかんのけいれん発作や自律神経発作、精神運動発作の治療に使用される
ヒダントイン系製剤 フェニトインナトリウム等てんかん発作重責症の治療に使用される
カルバマゼピン精神運動発作やてんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんの痙攣発作の治療に使用される
ボセンタン肺動脈性肺高血圧症の治療に使用される
モダフィニルナルコレプシーや特発性過眠症の治療に使用される
トピラマート他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作に対する抗てんかん薬との併用治療に使用される
テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン等歯周組織炎や抜歯創、口腔手術創の二次感染予防治療に使用される
ペニシリン系抗生物質 アンピシリン等感染症の治療に使用される
セイヨウオトギリソウ( St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品血液凝固防止薬や免疫抑制剤、経口避妊薬などに含まれていることがある

テトラサイクリン系抗生物質およびペニシリン系抗生物質は、腸内の細菌を変化させ、トリキュラーの腸肝循環による再吸収を抑制する副作用があると考えられています。

また、その他の上記薬剤を服用すると薬物代謝酵素を誘導し、トリキュラーの代謝が促進されるため、トリキュラーの効果が低下すると考えられています。

さらに、セイヨウオトギリソウを含む食品は、薬物代謝酵素を誘導し、トリキュラーの代謝を促進すると考えられています。




トリキュラーの血中濃度上昇のおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
HIVプロテアーゼ阻害剤  アタザナビルHIV-1感染症に対して使用される
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤  エトラビリンHIV-1感染症に対して使用される
フルコナゾール真菌血症や呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎の治療に使用される

上記薬剤を併用して服用によって、トリキュラーの代謝酵素を阻害すると考えられています。




トリキュラーおよび薬剤の血中濃度上昇の恐れ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
ボリコナゾールカンジダ感染の治療薬として使用される

トリキュラーおよびボリコナゾールがお互いの代謝酵素を阻害すると考えられています。




トリキュラーの血中濃度上昇のおそれ、及び薬剤の血中濃度低下のおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
アセトアミノフェン各種疾患及び症状の鎮痛薬として使用される

アセトアミノフェンは、エチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害する副作用があると考えられています。

また、トリキュラーが、肝におけるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進する副作用があると考えられています。




月経異常のおそれ

【対象薬剤】

薬剤名等効果
テルビナフィン塩酸塩白癬や皮膚カンジダ症、癜風の治療に使用される




まとめ

まとめ見出し画像

ここまで、トリキュラーとの服用に注意が必要な薬剤や注意事項、薬剤の効果を詳しく解説しました。

ご自身が服用している薬をしっかりと確認できる良い機会になったと思います。

今後もトリキュラーを服用する際は、専門の医師に飲み合わせを確認したり、自分でもしっかり調べたりして、十分注意するよう心がけましょう!

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