血液中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態を脂質異常症といい、放置すると動脈硬化や心疾患のリスクが高まる深刻な生活習慣病です。

健康診断でコレステロール値や中性脂肪の数値が気になる方も多いのではないでしょうか。

実は、脂質異常症の改善には食事療法が最も重要な治療の柱となります。

食事療法は脂質異常症の治療の柱のひとつであり、適切なエネルギー摂取量への改善や栄養バランスのよい食事の実践、継続が重要とされています。

この記事では、脂質異常症の方が避けるべき食品から、積極的に食べたい食材、さらには市販サプリや薬の活用法まで、血中脂質を改善するための実践的な方法を詳しく解説します。

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脂質異常症とは？原因と診断方法をわかりやすく解説

脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を指します。

具体的には、LDLコレステロール（悪玉コレステロール）、HDLコレステロール（善玉コレステロール）、トリグリセライド（中性脂肪）の血中濃度の異常があり、これらは動脈硬化の進行と密接に関連しています。

脂質異常症の診断基準は、

とされています。

原因としては、食生活の乱れや運動不足、肥満などの生活習慣要因が最も多く、遺伝的要因による家族性高コレステロール血症もあります。

LDLコレステロールや中性脂肪が高くなる仕組み　

LDLコレステロールや中性脂肪が高くなる背景には、肝臓での脂質代謝の仕組みと日常生活の影響が深く関わっています。

食べ物や生活習慣の乱れが積み重なることで、血中脂質のバランスが崩れやすくなります。

これらの要因が重なると、血中のLDLコレステロールや中性脂肪が慢性的に高い状態となり、動脈硬化や生活習慣病のリスクが高まります。

高脂血症や生活習慣病と脂質異常症の関係　

中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態。

「高脂血症」から2007年に名称が改められたのが脂質異常症です。

HDLコレステロール（いわゆる善玉コレステロール）が少なすぎることも問題があるという認識が高まったためです。

脂質異常症は生活習慣病の一種であり、特にメタボリックシンドロームの診断基準に用いられる脂質の指標は、HDLコレステロールとトリグリセライドです。

しかしLDLコレステロールは単独でも強力に動脈硬化を進行させるため、メタボリックシンドロームの有無に関係なく、LDLコレステロールの値にも注意する必要があります。

これらの生活習慣病は相互に関連し合い、動脈硬化を進行させる重要な危険因子となっています。

生活習慣病と脂質異常症の関係を以下の表にまとめました。

疾患名	脂質異常症との関係	主な影響
メタボリックシンドローム	HDLコレステロール低下・中性脂肪上昇	動脈硬化の進行
糖尿病	血糖値上昇により脂質代謝異常を促進	血管障害リスク増加
高血圧	血管への負荷増加	心疾患・脳血管疾患リスク
肥満症	内臓脂肪蓄積による脂質代謝悪化	インスリン抵抗性

脂質異常症が放置されると起こるリスクと合併症　

脂質異常症はそれだけでは特に症状が現れることはありませんが、放置すると重大な合併症を引き起こします。

これらの脂質異常症は心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患の原因となります。

最も深刻なのは動脈硬化の進行です。

悪玉（LDL）コレステロールは、余分なコレステロールを血管の壁に沈着させ、動脈硬化を起こします。

動脈硬化は血管の内腔を狭くし、最終的には心筋梗塞や脳卒中といった致命的な疾患につながります。

動脈硬化性疾患は総死亡の約22％を占めており、日本人の主要な死因となっています。

さらに、中性脂肪が高い状態では急性膵炎（すいえん）と脂肪肝のリスクも高まります。

また、高コレステロールの食べ物によって発症する病気の1つとして胆石症も挙げられます。

脂質異常症で食べてはいけないもの一覧！控えるべき食品　

脂質異常症の改善において食事療法は最も重要な治療法の一つです。

脂質異常症の人だからといって、食べてはいけないものはありませんが、病状の悪化を防ぐためには特定の食品を控える必要があります。

特に注意すべき食べ物は肉類の加工肉や脂身、乳製品の脂肪分が多いもの、卵黄、油脂類の飽和脂肪酸が多いもの、インスタント食品や菓子類です。

飽和脂肪酸は豚バラ肉や牛バラ肉、ベーコン、ソーセージなどの脂肪分の多い肉類や加工肉に多く含まれ、肝臓のLDL受容体の働きを抑制し、血中LDLコレステロール値の上昇を引き起こします。

また、摂りすぎて余ってしまったエネルギーは、肝臓でのコレステロールやトリグリセリド（中性脂肪）に合成されて、血液中の脂質が高くなりますため、全体的なカロリー制限も重要です。

脂質異常症で避けたい食品！揚げ物や高脂質のお菓子

脂質異常症の改善には、揚げ物や高脂質のお菓子の摂取を控えることが重要です。

油脂や加工食品の過剰摂取は血中のLDLコレステロールや中性脂肪を上昇させ、肥満や動脈硬化のリスクを高めます。

これらの食べものを控えるだけでなく、調理方法や食材選びを工夫することで、脂質の摂取量を自然に減らせます。

納豆や卵・ヨーグルトは脂質異常症で注意すべき食品？

納豆、卵、ヨーグルトは脂質異常症の方が誤解しやすい食品ですが、正しい知識をもって摂取すれば改善のサポートになります。

魚類や大豆製品、野菜、発酵食品を中心に、肉類や卵黄、脂肪分の多い乳製品は控えることが基本です。

これらの食品は、単に脂質を控えるだけでなく、腸管からのコレステロール吸収抑制や血液循環の改善など、体に有益な作用も期待できます。

コレステロールが高い人が控えるべき食事と飲み物　

コレステロールが高い方は、日々の食べものや飲み物に注意することで血中脂質をコントロールできます。

特に食品由来のコレステロールや脂質、糖分の摂取量を意識し、バランスのよい食事と適切な飲み物選びが重要です。

これらのポイントを意識し、日々の食事や飲み物を見直すことで、コレステロール値を自然に下げる助けになります。

エゼンチアは脂質異常症に効果のあるジェネリック医薬品で、血中コレステロールや中性脂肪を下げる作用があります。狭心症や糖尿病の予備軍にも予防効果があり未然に防ぐ事が出来ます。 1箱：2,760円～

アトルリップは、脂質異常症(高コレステロール症)治療薬です。アトルリップはジェネリック医薬品のため、先発薬であるリピトールと同等の有効性がありながらコストパフォーマンスは優れた商品です。 1箱：1,440円～

アトルは、脂質異常症の治療薬で有効成分アトルバスタチンを含有したリピトールのジェネリック医薬品です。コレステロールを合成する酵素の働きを阻害する作用があります。 1箱：1,570円～

リパンシールはアボットが販売しているリピディルのジェネリック医薬品で高脂血症の原因となっているコレステロールとトリグリセリドの血中濃度を下げる作用があると期待されています。 1箱：4,310円～

脂質異常症改善に効果的な食事療法とサプリ・薬の活用法

脂質異常症（高脂血症）は、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が増えすぎることで、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な疾患を引き起こすリスクを高めます。

そのため、日常生活の中で早めに改善に取り組むことがとても大切です。

なかでも基本となるのが食事療法です。

肉の脂身やバターなどに多く含まれる飽和脂肪酸や、コレステロールの多い食品を控える一方、青魚や大豆、野菜、海藻、きのこ類など、良質な脂質や食物繊維を豊富に含む食べものを取り入れることが推奨されています。

さらに、食事だけでは足りない栄養素を補う目的で、サプリメントの活用を検討する人も増えています。

EPAやDHA、植物ステロール、ナイアシンなど、研究で効果が示唆されている成分もありますが、まずは食生活のバランス改善が第一歩。

脂質異常症で食べたほうがいい食品！野菜や魚の成分　

脂質異常症を改善するには、悪玉脂質を抑えるだけでなく、むしろ体に有益な成分を含む食品を“積極的に”選ぶことが重要です。

中性脂肪やLDL（悪玉コレステロール）を低下させ、血管を守る働きが期待できる成分を持つ魚・野菜・大豆製品・良質な油脂などを、日々の食事にバランスよく取り入れましょう。

食品群	主な成分・特徴	期待できる作用
青魚・魚介類	EPA／DHA（オメガ-3系多価不飽和脂肪酸）	中性脂肪を下げる、血管炎症を抑制
野菜・海藻・きのこ類	水溶性食物繊維、植物ステロール	コレステロール吸収抑制、排泄促進
大豆製品	大豆タンパク質、イソフラボン、植物ステロール	LDL低下作用、脂質代謝改善
良質な油脂	一価不飽和脂肪酸（例：オレイン酸）、α-リノレン酸	LDLを減らし、HDLを保護

この表の成分を意識することで、従来の「脂を控える」発想をアップグレードできます。

たとえば、サバやイワシなど青魚を週に 2～3 回取り入れて EPA／DHA を補い、野菜・海藻・きのこを副菜・汁物・スープで多めに使い、豆腐・納豆など大豆製品により動物性脂肪の代替を図ります。

また、揚げ物ではなくオーブン焼きや蒸し料理にし、調理油にはオリーブ油やキャノーラ油など不飽和脂肪酸主体のものを使うよう心がけましょう。

ドラッグストアで買えるコレステロール対策サプリ　

ドラッグストアで手に入りやすいサプリには、コレステロール・中性脂肪を改善する可能性を持つものが複数あります。

ただし、効果は個人差が大きく、既存の薬との併用・安全性も注意が必要です。

以下は代表的な成分と特徴を整理した表です。

成分・サプリ	期待できる作用	使用上の注意点	商品の例
植物ステロール / スタノール	腸管でのコレステロール吸収を抑制 → LDL低下の可能性	食事と同時摂取が推奨、過剰摂取は脂溶性ビタミン吸収抑制の可能性あり	・DHC「健康ステロール」
イソフラボン（大豆由来）	総コレステロールやLDLをわずかに下げる可能性	大豆アレルギー注意、ホルモン感受性疾患併存時は医師相談	・大塚製薬「エクエル」(エクオール含有)・オリヒロ「大豆イソフラボン」など
フラックスシード（亜麻仁、リグナン）	LDL低下効果が報告される例あり	粉末や種子形式で、水分と一緒に摂ること、消化器症状注意	・日清オイリオ「アマニ油」
ニンニク（ガーリック）	総コレステロール・LDLをわずかに低下させるという報告あり	臭気、消化不良、抗凝固薬との相互作用に注意	・小林製薬「にんにく卵黄」 ・ネイチャーメイド「ガーリック」
EPA / DHA（魚油）	中性脂肪低下作用が比較的確立	大量摂取で出血傾向、魚アレルギー留意	・Ｄｅａｒ－Ｎａｔｕｒａ 「ＧＯＬＤ ＥＰＡ＆ＤＨＡ」 ・サントリー「DHA&EPA＋セサミンEX」
レッドイーストライス（紅麹）	モナコリンK 含有製品では LDL低下作用が報告	モナコリンK は低用量スタチンと同様の作用を持ちうるため、副作用・相互作用に注意	近年の規制・自主回収で取り扱い減。 ネット通販が主流。

上記を用いたサプリは、あくまで補助的な役割です。

たとえば、植物ステロールは食事由来のコレステロール吸収を抑えるメカニズムをもち、サプリ形態でも一定の LDL 低下が示唆される研究があります。

また、魚油中の EPA/DHA は中性脂肪を減らす効果は比較的確かなものとされますが、LDL・HDL に対する影響は個人で異なります。

ニンニクや大豆、亜麻仁などは、低用量での効果は“わずか”かつ研究結果が混在しており、過度な期待は禁物です。

いずれのサプリも、次の点に注意しましょう

市販サプリは「健康補助」の位置づけであり、脂質異常症の根本的な治療は食事・運動・薬の三本柱が基本です。

市販サプリで不十分な場合は？高脂血症薬ジェネリックも選択肢　

市販サプリだけではコレステロールや中性脂肪が十分に下がらない場合、医療機関で処方される薬物療法が必要になることがあります。

脂質異常症治療の基本は食事・運動・生活習慣の改善ですが、それでも数値が高い場合や合併症リスクが大きい場合には、薬で血中脂質を直接コントロールすることが推奨されます。

特にジェネリック医薬品は、同一成分・同一効果で薬価を抑えられるため、長期的に治療を続ける際の選択肢となります。

以下に高脂血症薬ジェネリック商品をご紹介します。

商品名	商品画像	先発品	効果	有効成分	副作用	商品ページ
エゼンチア		ゼチーア	脂質異常症の改善	エゼチミブ	便秘、発疹、下痢、腹痛、腹部膨満、吐き気・嘔吐など	商品詳細
アトルリップ		リピトール	脂質異常症の改善	アトルバスタチン	胃不快感、かゆみ、四肢しびれ、不眠、下痢、胸やけ、便秘、頭痛、全身倦怠感など	商品詳細
アトル		リピトール	脂質異常症の改善	アトルバスタチン	胃不快感、かゆみ、四肢しびれ、不眠、下痢、胸やけ、便秘、頭痛、全身倦怠感など	商品詳細
ロスマック		クレストール	高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症	ロスバスタチン	筋肉痛、ALT上昇などの肝機能異常、CK上昇	商品詳細
リパンシール		リピディル	脂質異常症の改善	フェノフィブラート	胃に不快感や発疹、肝機能検査値やAST、GOTといった各種検査値に異常	商品詳細
ベザリップ		ベザトール	脂質異常症の改善	ベザフィブラート	傾眠、不眠、しびれ感、頭痛、筋肉痛、消化器障害、発疹、蕁麻疹、肝臓機能障害	商品詳細

ジェネリック薬はコスト面で有利ですが、必ず医師の診察と定期的な血液検査のもとで使用することが大切です。

スタチン系やフィブラート系などは肝機能や筋肉への副作用、他の薬との相互作用に注意が必要です。

また、薬の種類によってLDLコレステロール、中性脂肪、HDLコレステロールへの作用が異なるため、自己判断での切り替えは避けましょう。

まとめ　

脂質異常症の改善には、食事・運動・薬の三本柱が基本です。

まず食事では、飽和脂肪酸やコレステロールの多い食品を控え、青魚や野菜、大豆製品、良質な油脂をバランスよく摂取することが重要です。

必要に応じて、EPAやDHA、植物ステロールなどを含むサプリで補助する方法もあります。

しかし市販サプリだけでは不十分な場合も多く、その際は医師の指導のもと、ジェネリック薬を含む高脂血症薬で血中脂質を直接コントロールすることが推奨されます。

Ｑ＆Ａ