アルコール依存症診断の基準や方法は？病院受診から治療まで解説

アルコール依存症は進行型の病気のため、発症が疑われる際には速やかに治療を始める必要があります。アルコール依存症の診断基準や病院を受診する流れなどについて解説します。

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記事公開日：2025年10月16日

最終更新日：2025年10月16日

お薬通販部医療監修チーム

アルコール依存症は進行型の病気のため、発症が疑われる際には速やかに治療を始める必要があります。

本記事では、アルコール依存症の診断基準や病院を受診する流れなどについて解説します。

アルコール依存症が疑われる方はもちろん、ご家族の方も参考にしてください。

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1 アルコール依存症診断の基準とは？DSM-5とICDの違いを整理
2 アルコール依存症診断の方法と受診の流れを詳しく紹介
3 アルコール依存症改善に使える市販薬や禁酒サプリの選び方
4 まとめ
5 アルコール依存症の診断に関するQ&A
- 5.1 アルコール依存症の診断はどこで受けられますか？
- 5.2 アルコール依存症は障害認定の対象ですか？

アルコール依存症診断の基準とは？DSM-5とICDの違いを整理

アルコール依存症の診断は、主にDSM-5とICDを基に行われます。

それぞれのチェック項目について解説します。

アルコール依存症診断DSM-5のチェック項目とは

DSM-5はアメリカの精神医学会が定めた国際的なマニュアルです。

アルコール依存症においてはAUD（アルコール使用障害）として分類されており、以下の項目のうち2つ以上が12ヶ月以内に見られる場合、AUDと診断されます。

項目	分類	内容
1	依存	意図したより大量、または長期間にわたり飲酒する
2	依存	断酒・節酒しようとするが失敗に終わる
3	依存	アルコールの購入・飲酒・酔いからの回復に多くの時間を費やす
4	渇望	飲酒に対する強い欲求がある
5	乱用	飲酒により社会的な役割が果たせなくなる
6	乱用	社会・対人関係に問題が起こるが飲酒をやめられない
7	依存	飲酒のために娯楽や社会的活動を放棄している
9	乱用	身体的に危険な状況下でも飲酒を継続する
10	依存	心身の悪化を自覚していても飲酒がやめられない
11	依存	以前と同じ量では満足できず飲酒量が増えている
12	依存	断酒・節酒により離脱症状が発生、回避のために飲酒してしまう

ICD-10とICD-11で異なるアルコール依存症診断

ICDはWHO（世界保健機関）が定める、病気や死因を体系的に分析するための分類システムです。

ICD-10とICD-11では収載物質に以下の違いがあります。

ICD-10		ICD-11
コード	物質	コード	物質
0	アルコール	0	アルコール
2	大麻類	1	大麻
1	アヘン類鎮静剤または睡眠剤	2	合成カンナビノイド
4	コカイン	3	オピオイド
5	カフェインを含む他の精神刺激剤	4	鎮静薬、睡眠薬又は抗不安薬
6	幻覚剤	5	コカイン
7	タバコ	6	精神刺激薬
8	揮発性溶剤	7	合成カチノン
9	多剤使用および他の精神作用物質の使用	8	カフェイン
		9	幻覚薬
		A	ニコチン
		B	MDMA又は関連薬物
		C	揮発性吸入剤
		D	解熱性薬物
		E	他の特定される精神作用物質
		F	複数の特定される精神作用物質
		G	不明又は特定不明の精神作用物質
		6C4H	精神作用のない物質

ICD-11では下記3項目のうち、2項目に該当する場合にアルコール依存症と診断されます。

コントロール障害
飲酒中心の生活
生理学的特性（離脱症状や耐性など）

アルコール依存症の定義と国際診断基準を解説

アルコール依存症は、アルコール摂取に関するコントロールが効かなくなった状態と定義されます。

国際的な診断基準にはICDが用いられています。

アルコール依存症診断の方法と受診の流れを詳しく紹介

次に、アルコール依存症の診断法や病院を受診する流れなどを解説します。

アルコール依存症診断は何科で受けるのが適切か

アルコール依存症の診断は精神科、心療内科で受けるのが一般的です。

近年はアルコール依存症を専門とした外来やクリニックもあります。

アルコール依存症診断に使われる検査とテスト方法

アルコール依存症の診断には、主に以下のテスト方法が用いられます。

テスト方法	特徴
AUDIT	WHOが作成したスクリーニングテスト。世界中で用いられる
CAGE	4項目からなる簡易的なスクリーニングテスト
KAST	男女別のアルコール依存症のスクリーニングテスト

アルコール依存症診断書の発行条件と提出先の注意点

アルコール依存症の診断書を発行してもらうためには、専門医による「継続的かつ病的」との判断が必要です。

診断書を添えて申請書を居住地の障害福祉担当窓口に提出すると、症状の程度に応じて障害等級が決定されます。

アルコール依存症改善に使える市販薬や禁酒サプリの選び方

最後に、アルコール依存症の改善に役立つ市販薬や禁酒サプリの効果や選び方について解説します。

アルコール依存症治療を補助する市販薬やサプリの効果

アルコール依存症の治療を補助する際に、市販薬やサプリを用いる方法があります。

	特徴	選び方
市販薬	アルコールの分解を促進	パッケージを確認しアレルギーの心配がない商品を選ぶ
サプリ	不足する栄養素を補給	日々の食事で不足しがちな栄養素を配合した商品を選ぶ

ただし、市販薬やサプリは飲酒にともなう二日酔いを予防したり、不足しがちな栄養素を補給する目的で用いるのが原則です。

アルコール依存症自体を改善する効果は期待できません。

通販で購入できる禁酒サプリと依存症改善薬の特徴

通販では主に以下の禁酒サプリが購入できます。

商品名	主な成分	期待できる効果
バイタルミー・シリマリン	シリマリン	二日酔い予防・改善
RU-21	ビタミン、L-システインなど	二日酔い予防・改善
パーティースマート	アンドロカスミソ、アムラなど	二日酔い予防

市販のサプリメントと同様に、禁酒サプリにもアルコール依存症自体を改善する効果は期待できません。

アルコール依存症自体を改善するためにはレビアやノックビン、もしくはそれらのジェネリック医薬品を用いる必要があります。