臨床試験の結果から読み解くインシッドLの有用性について

インシッドLはドイツのノルトライン＝ヴェストファーレン州に本社をおく製薬会社「バイエル」が製造・販売しているアレルギー治療薬です。臨床試験の結果に基づいてインシッドLの有用性について解説します。

記事公開日：2025.06.17

最終更新日：2025.06.17

お薬通販部スタッフ[監修]

インシッドLは抗アレルギー薬の一種で、ドイツのノルトライン＝ヴェストファーレン州に本社をおく製薬会社「バイエル」が製造・販売しています。

有効成分のセチリジン塩酸塩には、アレルギーの原因となるヒスタミンの放出をブロックし、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を緩和する効果が期待できます。

抗アレルギー薬の中では比較的即効性に優れており、長時間にわたり効果が持続する点も特徴です。

本記事ではインシッドLの有用性について、国内で行われた臨床試験の結果をもとに解説します。

インシッドLについて

インシッドLの効果について解説する前に、まずはどのような医薬品なのか特徴や適応症状について解説します。

インシッドLはアレルギー治療薬「ジルテック」のジェネリック（後発医薬品）です。

ジルテックはベルギーのブリュッセルに本社をおく製薬会社「UCB（Union chimique belge）」が製造・販売しているアレルギー治療薬です。

有効成分のセチリジン塩酸塩には、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの放出をブロックし、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を緩和する効果が期待できます。

インシッドLの先発医薬品「ジルテック」は第二世代の抗ヒスタミン薬に分類されます。

一般的に1982年以前に開発された抗ヒスタミン薬を「第一世代の抗ヒスタミン薬」、1983年以降に開発された抗ヒスタミン薬を「第二世代の抗ヒスタミン薬」と呼んでいます。

第二世代の抗ヒスタミン薬は、第一世代の抗ヒスタミン薬に比べて眠気を催しにくく、抗コリン作用が少ない点が特徴です。

抗コリン作用が強いと神経伝達物質の一種であるアセチルコリンのはたらきが阻害され、口渇や便秘、胃部不快感、頭痛などの副作用が出やすくなります。

第一世代の抗ヒスタミン薬を服用すると口渇や便秘などの副作用が出やすいのは、抗コリン作用が強いためです。

インシッドLの有用性について、国内で行われた臨床試験の結果をもとに解説します。

参照URL

2歳以上15歳未満のアレルギー性鼻炎患者を対象に、セチリジン塩酸塩を投与する二重盲検比較試験が行われました。

2週間にわたる試験の結果、総合鼻症状スコア（くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉、鼻内そう痒感）に以下の変化が得られました。

上記の結果から、セチリジン塩酸塩が総合鼻症状スコア（くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉、鼻内そう痒感）の改善に効果的と分かります。

成人の蕁麻疹患者にセチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与する二重盲検比較試験が行われました。

その結果、投与3日後に47.9%の方、投与1週後に 64.9%の方、投与2週後に71.6%の方に症状の中等度以上の改善が見られました。

同様に成人の蕁麻疹患者にセチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与する一般臨床試験も行われています。

その結果、投与3日後に46.7%の方、投与1週後に 53.2%の方、投与2週後に72.9%の方に中等度以上の改善が見られました。

3歳以上15歳未満のアトピー性皮膚炎患者を対象に、ケトチフェンフマル酸塩に対するセチリジン塩酸塩の非劣性が検証されました。