アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療に使われるネリゾナ軟膏は、症状を和らげる効果が期待できる一方で、副作用のリスクも理解しておく必要があります。
この記事では、ネリゾナ軟膏の主な副作用と、安全に使用するための注意点を詳しく解説します。
ネリゾナ軟膏を使用する前に、ぜひこの記事を参考にしてください。
ネリゾナ軟膏とその特徴
ジフルコルトロン吉草酸エステルを有効成分とするネリゾナ軟膏は、皮膚の炎症を抑える作用があり、皮膚の赤みやかゆみ、腫れなどの症状を軽減する効果があります。
5段階あるステロイド外用薬の強度分類において、ネリゾナ軟膏はベリーストロング(II群)に分類される強い効果を持つ薬剤です。
適応となる主な皮膚疾患は以下の通りです。
- 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、日光皮膚炎など)
- 乾癬
- 掌蹠膿疱症
- 痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹など)
- 紅皮症
- 慢性円板状エリテマトーデス
- アミロイド苔癬
- 扁平紅色苔癬
 ネリゾナ軟膏は、アトピー性皮膚炎などの治療に処方されるステロイド外用薬です。強力な抗炎症作用で、局所的にすみやかに作用するため、湿疹や皮膚炎の症状を改善します。
1本:2,413円~ |
ネリゾナ軟膏の副作用
ネリゾナ軟膏は、効果的な薬である一方で、副作用のリスクも伴います。使用する際には、副作用についてしっかりと理解しておくことが大切です。
ネリゾナ軟膏の副作用には、重大な副作用とその他の副作用があります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
重大な副作用
ネリゾナ軟膏の重大な副作用として、以下のものが報告されています。
- 眼圧亢進、緑内障
まぶたの皮膚にネリゾナ軟膏を使用した場合、眼圧が上昇したり、緑内障を引き起こす可能性があります。
- 後のう白内障、緑内障
長期間または広範囲にわたって使用した場合、または密封法(ODT)を行った場合、白内障や緑内障を引き起こすことがあります。
これらの副作用は、頻度は不明ですが、起こる可能性を理解しておく必要があります。もし、目の異常を感じた場合は、すぐに医師に相談しましょう。
その他の副作用
ネリゾナ軟膏の使用によって、以下のようなその他の副作用が現れることがあります。
- 皮膚の感染症
真菌性感染症(カンジダ症、白癬など):皮膚の真菌(カビ)による感染症のリスクが高まります。
細菌性感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎など):皮膚の細菌による感染症のリスクが高まります。
特に、密封法(ODT)を使用すると、これらの感染症が起こりやすくなります。
- その他の皮膚症状
乾燥感:皮膚が乾燥しやすくなることがあります。
ステロイドざ瘡:長期使用により、ニキビのようなものができることがあります。
ステロイド皮膚:皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張することがあります。
ステロイド酒さ・口囲皮膚炎:口の周りや顔全体に赤み、ブツブツ、血管拡張などが生じることがあります。
魚鱗癬様皮膚変化:皮膚が魚の鱗のように変化することがあります。
多毛:毛が濃くなることがあります。
紫斑:皮膚に紫色のあざができることがあります。
色素脱失:皮膚の色が部分的に白く抜けることがあります。
- 過敏症
皮膚の刺激感:塗布した部位に刺激を感じることがあります。
発疹:皮膚に発疹が出ることがあります。
- 下垂体・副腎皮質系機能の抑制
大量または長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によって、下垂体や副腎皮質の機能が抑制されることがあります。
これらの副作用は、1%未満の頻度で現れることがあります。症状が現れた場合は、医師や薬剤師に相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。
ネリゾナ軟膏を安全に使用するための注意点
ネリゾナ軟膏を安全に使用するためには、以下の注意点を守ることが大切です。
- 使用量、回数、塗布部位、使用期間を守る
- 大量や長期使用を避け、広範囲への使用も控える
- 効果がない場合は使用中止し、医師に相談する
- 妊娠中や妊娠の可能性がある場合、大量・長期使用を避ける
- 小児や高齢者の使用は特に注意する
- 眼科用には使用せず、化粧下やひげそり後の使用は避ける
- 皮膚感染症がある場合、使用を避けるか抗菌剤と併用する
- 目の周りは使用しない、眼圧亢進のリスクがある
- 密封法(ODT)使用時は皮膚感染に注意し、急な使用中止を避ける
- 使用部位は清潔に保つ
まとめ
ネリゾナ軟膏は、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に有効な薬ですが、副作用のリスクも伴います。この記事で解説した副作用と注意点を参考に、正しく使用してください。