リザクト(リザトリプタン)の併用禁忌と服用してはいけない人の特徴を解説
リザクトは、片頭痛の症状が起きた際に服用する急性期片頭痛治療薬の1種です。この記事では、リザクトとの併用ができない医薬品や服用できない人の特徴を解説します。実際に服用する前に、確認しておきましょう。
お薬通販部スタッフ[監修]

この記事では、リザクト(リザトリプタン)の併用禁忌について解説します。
片頭痛は、鎮痛剤の他に片頭痛の治療薬を用いて治療します。
治療薬は頭痛がない時に飲む予防薬から、頭痛が発症した時のみ服用する急性期治療薬などさまざまで、リザクトは急性期片頭痛治療薬の1つです。
この記事では、リザクトの併用禁忌や服用してはいけない人の特徴を解説します。片頭痛にお困りの人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
リザクト(リザトリプタン)の併用禁忌とは?

リザクトを服用する際には、必ず併用禁忌について確認しておきましょう。
併用禁忌とは、一緒に服用すると深刻な健康被害が起きたり本来の効果を得られなかったりするおそれがあることから、併用しないように定められているお薬の飲み合わせのことです。
ここでは、リザクトの併用禁忌について以下5点を解説します。
順番に見ていきましょう。
エルゴタミン
古くから服用されている片頭痛の治療薬として、エルゴタミンが挙げられます。
具体的なものは以下3種類です。
片頭痛の治療に使うお薬がエルゴタミンからトリプタン製剤に切り替わる場合や、その逆の場合もありますが、併用する際には一方の服用から24時間以上空ける必要があります。
併用禁忌の理由として、それぞれに血管収縮作用があり、血圧上昇や血管攣縮(血管が異常に収縮して虚血状態になること)の可能性が高まることが挙げられます。
エルゴタミン誘導体含有製剤
リザクトとの併用が禁止されている医薬品として、エルゴタミン誘導体含有製剤があります。
主な種類は以下のとおりです。
エルゴタミンと同様に、血圧上昇や血管攣縮が強まるおそれがあるため、併用の際には24時間以上間隔を空ける必要があります。
エルゴタミン誘導体含有製剤の1種であるジヒデルゴットは、片頭痛や起立性低血圧の治療薬でしたが、現在は販売中止になっており現在は手に入りません。
5-HT1B/1D受容体作動薬
5-HT1B/1D受容体作動薬は、片頭痛治療薬の1つとして使用されます。
主に、以下の4種類があります。
基本的にリザクトと5-HT1B/1D受容体作動薬の種類や効果が同様であるため、併用する際は24時間以上の間隔を空けてください。
また、併用による血圧上昇や血管攣縮などのリスクも考えられます。
MAO阻害剤
MAO阻害薬は、パーキンソン病などの治療で使用される医薬品です。
主な種類として、以下が挙げられます。
MAO阻害薬を服用している場合は、リザクトの併用ができません。
ただし、MAO阻害薬の服用を中止した場合でも、中止から2週間経てばリザクトの服用が可能になります。
併用できない理由として、リザクトの分解代謝が体内で妨げられることで作用が強くあらわれたり、効き目が失われるまでの時間が長くなったりするおそれがあるためです。
MAO阻害薬はあまり併用することがない薬ですが、当該疾患を罹患している人などは治療を始める際には必ず確認しましょう。
プロプラノロール塩酸塩
プロプラノロール塩酸塩は、不整脈や高血圧に用いられる医薬品です。
リザクトとの飲み合わせが悪いお薬ですが、片頭痛の治療薬としても使用されるなど頻度が高い医薬品であるため、必ず確認してください。
併用すると、リザクトの分解や代謝が妨げられて、作用が強くあらわれたり消失するまでに時間がかかったりします。
そのため、プロプラノロール塩酸塩を服用している人はリザクトを服用できません。
また、服用を中止した場合でも錠剤なら24時間、徐放剤なら48時間以上空ける必要があります。
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リザクト(リザトリプタン)の服用が禁止されている人

ここでは、リザクトの服用を禁止されている人について見ていきましょう。
上記7点を順番に解説します。
また、上記の他にも妊婦や授乳中の人、小さな子どもは服用を禁止されているため、注意してください。
リザクト(リザトリプタン)に対して過敏症の既往歴のある人
リザクトの主成分は、リザトリプタン安息香酸塩です。
過去にアレルギー症状などを起こしたことがある人は、再度服用すると症状が深刻になるおそれがあります。
以前、リザクトやリザトリプタンを服用してアレルギー反応が出た人は、服用を避けてください。
心筋梗塞の既往歴がある人
リザクトは血管を収縮する医薬品であるため、心筋梗塞の既往歴がある人が服用すると血管収縮によって不整脈や狭心症、心筋梗塞などの重篤な虚血性心疾患の症状があらわれることがあります。
また、以下の場合も症状があらわれるおそれがあるため、注意してください。
該当する人が片頭痛の治療薬服用を希望する場合、医師に相談するなど慎重な行動が必要です。
虚血性心疾患の症状や兆候または異型狭心症がある人
心筋梗塞の既往と同様の理由から、虚血性心疾患の症状や兆候がある人、また異型狭心症がある人もリザクトを服用できません。
リザクトの血管収縮作用によって、不整脈や狭心症、心筋梗塞などの症状があらわれることがあります。
海外では、副作用として不整脈や狭心症、冠血管攣縮などが起きた事例が報告されています。
脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往歴がある人
脳血管障害や一過性脳虚血性発作になったことがある場合、リザクトの血管収縮作用によって症状があらわれることがあります。
そのため、これらの疾患にかかったことがある人は、服用を避けてください。
実際に海外では、因果関係が認められる、あるいは疑われる脳血管障害や一過性脳虚血発作の報告があります。
末梢血管障害を有する人
末梢血管障害とは、手や足の血管(動脈)が狭くなったり詰まったりしてしまうことで、血流が悪くなる疾患のことです。
リザクトや5-HT1B/1D受容体作動薬の血管収縮作用によって悪化するおそれがあるため、服用を避けてください。
実際、海外における市販後調査では、有害事象として末梢血管障害の報告があります。
コントロールされていない高血圧症の人
高血圧症の場合、リザクトの血管収縮作用によって血圧が上昇するおそれがあるため、服用しないでください。
ただし、降圧薬などを服用して血圧がコントロールされている場合は、血圧上昇のリスクが低いといえます。
臨床試験の段階で血圧が145/95mmHgを超える人は除外されていたこともあり、安全性が確立していません。
また海外では、副作用の1つに高血圧の報告があります。
重篤な肝機能障害を有する人
リザクトは主に肝臓で代謝されるため、肝臓の働きが低下していると体内のリザクトの濃度が高くなります。
中程度の肝機能障害の場合は濃度が30%程度上昇し、作用だけでなく副作用が増強するおそれがあります。
重度の肝機能障害を指摘されている人は服用しないでください。
まとめ

この記事では、リザクトの併用禁忌について解説しました。
リザクトは片頭痛の症状が起きた際に有効な医薬品ですが、併用禁忌となるお薬が多くあります。
特に、同じ片頭痛治療薬の中で併用が禁止されているものが多くあるため、服用する際には注意事項をしっかり確認することが大切です。
また、服用を禁止されている人の特徴も多く、既往歴や年齢によっても制限があります。
正しく服用して、片頭痛を効果的に治療しましょう。
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