臨床試験の結果から読み解くゼニカルの有用性について
ゼニカルは有効成分オルリスタットを配合した肥満治療薬です。臨床試験の結果からゼニカルの有用性について解説します。
お薬通販部スタッフ【監修】

日本国内で肥満に該当する割合は男性でおよそ3割、女性でおよそ2割とされており、生活習慣病のリスクを高めるため注意が喚起されています。
肥満に悩まされているのは日本人だけではありません。海外では日本よりも高い肥満率の国も多く、これまでにも多くの肥満治療薬が開発されてきました。
ゼニカルは有効成分としてオルリスタットを配合した肥満治療薬で、欧米を中心に世界80ヶ国以上で用いられています。
今回はゼニカルの有用性について、オルリスタット錠の臨床試験の結果を読み解いて分かりやすく解説します。
ゼニカルとは

ゼニカルはスイスのバーゼルに本拠地を置く「エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社」が開発した肥満治療薬です。
エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社は世界的な製薬およびヘルスケア企業で、150ヶ国以上でビジネスを展開しています。
ゼニカルに関しては、現在はドイツのチェプラファーム(Cheplapharm Arzneimittel)と、イタリアのデルファームミラノ(Delpharm Milano S.r.l.)が販売しています。
ゼニカルの有効成分はオルリスタットです。
オルリスタットには、体内の酵素の一種であるリパーゼの働きを阻害し、腸管へ脂肪が吸収されるのを防ぐ作用があります。
そのため、アメリカやヨーロッパをはじめとする世界80ヶ国以上で、ゼニカルが肥満治療薬として用いられています。
国内では未承認のゼニカルですが、美容クリニックなどではダイエット目的でゼニカル(もしくはオルリスタット内服薬)を利用しているところが少なくありません。
臨床試験の結果から見るゼニカルの効果について

次に、ゼニカル(オルリスタット)を用いた臨床試験の結果を紹介します。
体重が5%以上減少した例
1日に3回、1回につき120mgのゼニカルの服用、および食事療法を併用した臨床試験において、食事療法のみ行ったプラセボ群との間で以下の差が見られました。
研究番号 | ゼニカル服用群 | 例数 | プラセボ群 | 例数 | p値 |
---|---|---|---|---|---|
14119B | 35.5% | 110 | 21.3% | 108 | 0.021 |
14119C | 54.8% | 343 | 27.4% | 340 | ≺0.001 |
14149 | 50.6% | 241 | 26.3% | 236 | ≺0.001 |
14161 | 37.1% | 210 | 16.0% | 212 | ≺0.001 |
14185 | 42.6% | 657 | 22.4% | 223 | ≺0.001 |
上記の表から分かるように、ゼニカルの服用と食事療法を併用した群では、食事療法のみ行ったプラセボ群に比べ、有意な体重の減少が見られました。
体重が10%以上減少した例
1日に3回、1回につき120mgのゼニカルの服用、および食事療法を併用した臨床試験において、食事療法のみ行ったプラセボ群との間で以下の差が見られました。
研究番号 | ゼニカル服用群 | 例数 | プラセボ群 | 例数 | p値 |
---|---|---|---|---|---|
14119B | 16.4% | 110 | 6.5% | 108 | 0.022 |
14119C | 24.8% | 343 | 8.2% | 340 | ≺0.001 |
14149 | 22.8% | 241 | 11.9% | 236 | 0.02 |
14161 | 19.5% | 210 | 3.8% | 212 | ≺0.001 |
14185 | 17.7% | 657 | 9.9% | 223 | 0.006 |
食事療法のみ行ったプラセボ群では、体重が10Kg以上減少した例は平均すると一けた台に留まっています。
一方、ゼニカルの服用と食事療法を併用した群では、およそ2割の方が10Kg以上の体重減に成功しています。
リスク因子の平均的変化
1年間にわたり行われた臨床試験において、ゼニカルの服用と食事療法を併用した群と、食事療法のみ行ったプラセボ群とでは、リスク因子に以下の変化が見られました。
リスク因子 | ゼニカル服用群 | プラセボ群 |
---|---|---|
総コレステロール | -0.2% | +5.0% |
LDLコレステロール | -4.0% | +5.0% |
HDLコレステロール | -9.3% | +12.8% |
LDL/HDL | -0.37 | -0.20 |
トリグリセリド | +1.34% | +2.9% |
空腹時血糖値(mmol/L) | -0.04 | ±0.0 |
空腹時インスリン(pmol/L) | -6.7 | +5.2 |
収縮期血圧(mmHg) | -1.01 | +0.58 |
拡張期血圧(mmHg) | -1.19 | +0.46 |
ウエスト(cm) | -6.45 | -4.04 |
ヒップ(cm) | -5.31 | -2.96 |
上記の表から分かるように、ゼニカルの服用と食事療法を併用した群では、食事療法のみ行ったプラセボ群に比べ、生活習慣病のリスク因子が減少していると分かります。
まとめ

ゼニカルは有効成分としてオルリスタットを配合している肥満治療薬で、アメリカやヨーロッパをはじめ、世界80ヶ国以上で使用されています。
オルリスタットには酵素の一種であるリパーゼの働きを阻害し、身体に脂肪を溜めにくくする働きがあります。
臨床試験の結果からも体重減少だけでなく、生活習慣病のリスクを下げる効果が期待できると分かりました。
ただし、ゼニカルは国内では認可外の医薬品のため、個人輸入代行サイトで購入し、用法用量を守って服用してください。
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