日頃、健康に無頓着だったり忙しかったりして、食習慣や生活習慣が乱れたり、過労やストレスにさらされたりすると、胃や肝臓をはじめとする自分の健康を支えてくれている臓器を痛めてしまいます。
身体の調子が悪くなるということは身体からのSOSです。
胃にも肝臓にも、日々大きな負荷がかかっています。胃も肝臓も負荷がかかりすぎるとその機能が損なわれてしまい、時には病気になってしまうこともあります。
では、具体的にどのように胃や肝臓の病気を予防・治療していけばいいでしょうか?
この記事では胃炎・肝臓病の原因、食事との関係性、胃炎・肝臓病の治療薬とその効果について解説していきます。
「胃炎・肝臓病って具体的にはどういうものなの?」「胃炎や肝臓病になった時にはどうすればいいの?」胃や肝臓は毎日の私たちの健康を支えてくれています。
一方で胃や肝臓を健全に保つには?と聞かれると自信がない方も多いのではないでしょうか。この項では、そんな皆さんのよくある疑問にお答えしていきたいと思います。
肝臓が悪いとどんな症状が出るのでしょうか?症状としては、以下が挙げられます。
■肝臓が悪いと出る症状例
消化器官の不調 | 食欲の低下、吐き気、嘔吐 |
---|---|
外見上にあらわれる変化 | 黄疸、身体のむくみ |
痛み | 上腹部の痛み |
その他 | 全身の倦怠感、腹水、皮膚のかゆみ、発熱 |
しかし、肝臓は”沈黙の臓器”と言われていて、よほど病状が進行しない限り症状が出ないことも多いです。
次に胃炎を自力で治す方法ですが、急に胃の調子が悪くなったら、まず胃の安静を保つために下記のことを試してみましょう。
まずは胃炎の原因を取り除き、原因のウイルスや細菌が体外に出れば症状も落ち着くことがあります。
それまでの間、脱水に注意し、吐気が辛ければ吐き気止めを、腹痛や発熱が辛ければ痛み止めや解熱薬を、下痢が辛ければ整腸薬を使います。
このあたりのお薬は薬局やドラックストア、通販などで購入して、常備薬として家に備えておいてもいいかもしれません。通常数日で治りますが、症状が一週間以上続く場合もあります。長く症状が続くようならば病院を受診しましょう。
肝臓が悪いとき、例えば肝炎などの場合、みぞおちが痛くなることもあります。
しかし、原因が肝臓の不調以外の場合もあり、胃、腸、肝臓、すい臓、胆のう、心臓などの病気が関わっていることがあります。急性虫垂炎(盲腸)も最初はみぞおちのあたりが痛いと感じる人もいます。
一過性の症状の場合もありますが、放置すると命に関わることもあります。心筋梗塞など急を要する場合や、肝臓がんなどの悪性腫瘍がある程度進行した状況でみぞおちの痛みが出て発見されること考えられます。
みぞおちの痛みが続くようならば、大丈夫だろうと決めつけずに病院を受診するようにしましょう。
参考文献:ユビー 病気のQ&A「みぞおちが痛いがとき、何科を受診したらよいですか?」
胃炎が酷い時は、まずは胃炎の原因になっているものを早く胃から出した方がいいので食事は1〜2食分控えてみることがおすすめです。その間は、スポーツドリンク・経口補水液などで水分を十分にとり、脱水を予防しましょう。
胃の症状が治まってきて、吐き気が引いてきたら、徐々に、消化の良いジュースやゼリー、おかゆや果物などから食事を始めましょう。また、胃炎が起こってしばらくは、辛いものや酸っぱいもの、香辛料などの刺激物は控えてくださいね。
胃炎や肝臓病は、いったんなると生活に大きな影響をきたすので気をつけていきたい病気です。
体からのSOSを見逃さないこと、生活習慣・食生活を見直すことで予防していくことができます。この項では、胃炎・肝臓病の症状と原因、予防方法などにふれていきます。
胃炎・肝臓病の原因と予防方法を知って上手に生活に取り入れていきましょう。
プロバンサイン | プロスパス | ソリアン | ファモチジン | シリマリン | |
---|---|---|---|---|---|
有効成分 | プロパンテリン | プロパンテリン | スルピリド | ファモチジン | シリマリン |
効果 | 胃腸や胆管の異常けいれんを抑える、痛みの緩和 | 胃酸過多・胃十二指腸潰瘍、幽門痙攣、胃炎の改善 | 胃粘膜の分泌促進と血流促進 | 逆流性食道炎や急性胃炎、胃潰瘍などの改善 | 肝機能の改善 |
1錠あたり単価 | 54円~ | 42円~ | 95円~ | 40円~ | 27円~ |
製薬会社 | アスペンファーマケア | ロイドラボラトリーズ | サノフィ | 沢井製薬 | Life Extension |
胃や肝臓が悪いとどんな症状が出るのでしょうか?まず、胃が悪いと出る症状は次の通りです。病気の種類によっても出る症状は変わってきます。
■胃が悪いと出る症状例
痛み | みぞおちの痛み、胃痛 |
---|---|
出血 | 吐血、下血、タール便(黒色の血の混じった便) |
消化機能 | 悪心(吐き気)、嘔吐、下痢、 食欲不振、胃もたれ、胸焼け、 むかつき、腹部膨満 |
その他 | 呼吸困難、体重の減少、足のむくみ |
参考文献:胃腸.jp「胃の病気」
下記の急性型胃炎と慢性型胃炎の違いの項目でも触れていますのでよかったらそちらも読んでみてください。
肝臓は”沈黙の臓器”と呼ばれていて、症状がわかりやすく出てきた時には病状がかなり進んでいることがあります。
下記の肝臓病の症状の原因と予防方法は?ウイルス感染やアルコールに注意の項目でも触れていますのでよかったらそちらも読んでみてください。
胃炎・肝臓病は生活習慣を改善していくことで予防していきましょう。生活習慣を改善するために気をつけていきたいことは次の通りです。
■生活習慣を改善するために気をつけていきたいこと
食事面で気をつけたいこと | 動物性脂肪を控え、青魚などの魚を積極的にとる |
---|---|
食品の衛生・鮮度・品質に気をつける | |
多種類の食品をバランスよくとる | |
野菜・果物を積極的にとる | |
過食をしない | |
コレステロールを多く含む食品を控える | |
生活面で気をつけたいこと | 手洗い・うがいなどを徹底する |
適度な運動を習慣にする | |
十分な睡眠をとる | |
それ以外で気をつけたいこと | 過労やストレスをためない、上手に発散する |
肥満を改善する | |
余分な薬は飲まない | |
飲酒は適量を守る |
ここにあげた全てをすぐに習慣にするのは難しいかもしれませんが意識をして少しずつ生活に取り入れていくことで徐々に生活習慣を良く変えていくことができます。
参考文献:全国健康保険協会 協会けんぽ「【肝臓の病気】 肝臓には痛みなどを感じる神経がありません」
参考文献:千葉県「健康診断で「肝機能に異常がある」と言われたのですが、どのような食事(食習慣)および生活習慣にすればよいですか。」
胃炎はアレルギーなどによる胃酸の異常分泌やストレスやアルコールなどによって胃粘液が壊れてそこに胃酸が接し炎症が起こります。
そういった胃炎を治していくためには、胃酸分泌抑制薬、胃粘膜保護薬などの投薬が有効です。それぞれ複数ある中から症状や体質などに合ったものを選択しましょう。
胃炎の症状が出ると市販薬で治そうとする方も多いと思いますが、同じ症状が起こる病気には胃潰瘍や胃がんなどもあるため、こうした深刻な病気を見逃さないためにも、専門医を受診することをおすすめします。
胃炎は大きく分けて、急性胃炎、慢性胃炎に分類されます。では、この二つの違いはなんでしょうか?
まず、急性胃炎は、主に薬物、飲酒、喫煙、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の感染、ストレス・不安などが原因になって引き起こされます。
お腹の上方の急激な腹痛、吐き気(悪心)、嘔吐、腹部の膨満感、食欲不振などの症状があらわれ、ひどい時には吐血やタール便(黒色便。食道や胃、十二指腸から出血していることを意味する)が出ることもあります。
次に慢性胃炎ですが、慢性胃炎は胃の炎症が長期にわたって持続している状態です。慢性胃炎ではほとんどの原因が、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)への感染、または薬物によるものとされています。
慢性胃炎の症状は、基本的に急性胃炎と同じような症状ですが、急性胃炎ほど明確な症状ではないことが多いです。上のような症状がなくても、急性胃炎・慢性胃炎とも薬物にが原因のものの場合は、無症状でも胃粘膜障害や胃潰瘍が生じている場合があります。
お薬を常用している場合には胃に負担になっていることもあるので主治医に相談してみてください。
また、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)への感染を放置すると、胃潰瘍や胃がんのリスクがあります。ピロリ菌に感染していることがわかったら放置せず、医師と治療していきましょう。
■急性型胃炎と慢性型胃炎の違い
急性型胃炎 | 慢性型胃炎 | |
---|---|---|
腹痛 | 上方の急激な腹痛 | 食後、時に空腹時に痛む |
腹部の膨満感 | あり | あり |
吐き気(悪心) | あり | あり |
胃もたれ | 時にあり | あり |
食欲不振 | あり | あり |
吐血・タール便、下血
※食道や胃、十二指腸から出血していることを意味する |
あり | 時にあり |
原因 | 薬品・薬物、食べ過ぎ、刺激物、飲酒、喫煙、ピロリ菌への感染、細菌感染や食中毒、ウイルス感染、寄生虫、ストレス、不安、腎不全や肝硬変などの全身性疾患 | ほとんどの原因がピロリ菌への感染によるもの または薬物 |
ピロリ菌への感染の可能性 | あり | ほとんどの場合当てはまる |
参考文献:エーザイ「常に不快・胃もたれ・食事後の腹痛は慢性胃炎!?【主な胃の病気とその症状】」
肝臓病は、脂肪肝、肝炎、肝硬変と進んでいき、肝がんへと発展してしまうこともある恐ろしい病気です。
脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまった状態をいい、脂肪肝になると肝機能が低下します。肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。肝硬変になると肝臓の機能はほぼ失われて臓器が回復することはないといわれています。
ここまで病状が進むとあとは肝移植に頼ることになります。なので早期のうちに肝臓を痛めつけている原因を改善していくことが大切です。
肝臓病の主な原因と違い、予防方法は次の通りです。
■肝臓病の主な原因と違い、予防方法まとめ
アルコール性 | 非アルコール性 | ウイルス性 | |
---|---|---|---|
主な原因 | お酒の飲み過ぎ | 過食、肥満、運動不足 | A、B、C、D、E型などの 肝炎ウイルスへの感染 |
脂肪肝 | アルコール性脂肪肝 | 非アルコール性脂肪肝 | ウイルス性脂肪肝 |
肝炎 | アルコール性肝炎 劇症化して死にいたるケースも放置で脂肪肝、肝がんになる可能性 | 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、放置で肝硬変、肝がんになる可能性 | ウイルス性肝炎 稀に劇症化して死に至るケースも放置で肝硬変、肝がんになる可能性 |
肝硬変 | アルコール性肝硬変 | 非アルコール性肝硬変 | ウイルス性肝硬変 |
予防方法 | 飲酒は適量を守る、休肝日を儲けるアルコール肝炎の場合は断酒 | 食習慣の改善、適度な運動の習慣化、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧の予防・改善 | 肝炎ウイルスの検査を受ける |
A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスの感染によって起こるのがウイルス性肝炎です。A型、E型肝炎ウイルスは主に食べ物を介して感染し、B型、C型、D型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。
中でもB型、C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因ともなります。
アルコールのとりすぎにより引き起こされるアルコール性肝障害は、そのまま放置すると、「アルコール性脂肪肝」「アルコール性肝炎」「アルコール性肝硬変」へと進んでいきます。アルコール性肝硬変の前段階であるアルコール性肝炎でも、劇症化して死亡するケースがあります。
また、お酒を飲まない人でも過食や肥満、運動不足などが原因で「非アルコール性脂肪肝」になる可能性があります。病状が進むと「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」になり、肝硬変へと移行したり、肝がんを発症したりする場合も考えられます。
肝臓病の予防方法としてまず挙げられるのが、生活習慣の改善です。アルコール性肝障害や脂肪肝は、自らの意思で発症を予防できます。お酒を飲む習慣のある人は、適量を守ることが大切です。日本酒は1合、ビールは中びん1本など、適量とされるアルコール摂取量におさえるようにしましょう。
休肝日を作るのもおすすめです。肝臓をいたわってあげましょう。アルコール性肝炎が疑われた場合は、断酒が必要なこともあります。お酒を飲まない人も、過食や運動不足などによる肥満は脂肪肝の原因となるので、肥満を改善するとともに、糖尿病、脂質異常症、高血圧の予防・改善をおすすめします。
肝臓の機能が落ちていないか知るためには、健康診断、がん検診を受けることも大切です。定期的に健康診断、がん検診を受診することで自分自身の健康を守ることにもなります。
また、定期的に肝炎ウイルスの検査を受けましょう。自分が肝炎ウイルスに罹っているかを知ることで適切な治療に繋げることが可能になります。肝臓病の予防ポイントを心において上手に自分の肝臓をいたわってあげてくださいね。
参考文献:厚生労働省「ウイルス性肝炎について」
参考文献:全国健康保険協会 協会けんぽ「【ウイルス性肝炎】 日本人に最も多い肝臓病」
通販ではどのような胃炎や肝臓病を購入できるのでしょうか?
この項では、
といった、通販で買える胃炎・肝臓病の医薬品、通販と市販の薬の違いについて説明していきます。
プロバンサインは、アスペンファーマケア社が開発した胃腸の不調を治す抗コリン性鎮痙薬です。
胃腸の消化器運動は副交感神経の働きで強まります。アセチルコリンの働きを抑える抗コリン作用で自律神経に働きかけることで、消化管の収縮運動を抑えて、胃腸や胆管の異常けいれんを抑え痛みを緩和する機能があります。
通常、胃・十二指腸潰瘍、胃酸過多症、幽門痙攣、胃炎、腸炎、過敏大腸症(イリタブルコロン)、膵炎、胆道ジスキネジー、夜尿症または遺尿症、多汗症などの治療に用いられます。
プロスパスもまた、胃腸の不調を治療する抗コリン性鎮痙薬で、ロイド・ラボラトリーズ社が開発したプロバンサインのジェネリック医薬品です。
抗コリン作用で多汗症やワキガを抑制する内服薬です。胃腸や胆管の異常けいれんを抑制し痛みを緩和します。消化器症状(胃酸過多・胃十二指腸潰瘍、幽門痙攣、胃炎)や夜尿症などの治療にも使用されます。
ソリアンは、サノフィ社が開発した精神情動安定薬・視床下部作用性抗潰瘍薬で、ドグマチールのジェネリック医薬品です。
胃薬として開発された医薬品ですが、服用量の違いにより抗うつ薬や抗精神病薬としても使用されています。胃粘膜の分泌促進と血流促進、アセチルコリンの増加で胃の動きを良くし食欲を改善します。
低用量でドーパミンを刺激し、高用量でドーパミンをブロックするため、うつ状態の改善と統合失調症の改善に使用されます。
ファモチジンは、沢井製薬が開発・販売している医薬品で、胃酸の分泌を抑えることで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療に効果があります。
ファモチジンを含む商品としては、先発薬のガスターやジェネリック品のファモチジン錠など多くの種類があります。胃粘膜の壁細胞にあるH2受容体を選択的に遮断することにより、胃酸ならびにペプシンの分泌を抑制します。
通常、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群の治療および急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変の改善に用いられます。
シリマリンは、アメリカの会社LifeExtensionで製造発売されている肝機能改善サプリです。現在でもヨーロッパ各国の医療機関で使用され、効果が認められています。
ヨーロッパでは2000年以上も前から肝機能の治療として使用されてきているマリアアザミという種子に含まれるフラボノイドの一種で、植物性の治療薬になります。
日本で流通している薬には一般用医薬品と医療用医薬品、要指導医薬品があります。
そのうち一般用医薬品と要指導医薬品は薬局や薬店で購入することができます。これらは市販薬、大衆薬、OTC医薬品(薬局のカウンター越しに買える薬)などとも呼ばれます。
一般用医薬品は、医療用医薬品に比べて薬の有効成分の含有量を少なくしてあり、効き目が抑えめであることが多いです。薬局・薬店・ドラックストアだけでなく、通販(インターネット)でも買うことができます。
薬局のレジのカウンター越しに買える薬要指導医薬品は、医療用医薬品から市販薬に転用されたばかりの薬を指します。市販薬として新しいうちは、まだ取扱いに十分な注意が必要で、より安全に使用されるように、購入の際には必ず薬剤師から対面での指導や情報提供を受ける決まりになっています。
そのため、通販(インターネット)での購入はできません。要指導医薬品は、原則3年間市販薬として販売された後、安全性に問題がなければ一般用医薬品へ移行されます。
通販で一般用医薬品と要指導医薬品を買うことのメリットとデメリットとしては、
などが挙げられます。
参考文献:中外製薬「医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品」
参考文献:厚生労働省「一般用医薬品のインターネット販売について」(PDF)
最後にオススメとして紹介した、胃炎・肝臓病の治療薬の口コミ評価について見ていきます。口コミにはユーザーの使用感が含まれていますので、ご購入時の一つの参考としてご活用ください。