トリコモナスとは、トリコモナス原虫と呼ばれる原生生物の一種が性器などに定着することで発症する感染症です。
哺乳類や鳥類にも感染し、それらを総称して「トリコモナス」と呼ばれることもあります。
ここでは、人間に感染した性感染症について紹介していきます。
トリコモナスは、性行為が主な感染源となります。膣内や尿道に感染すると、悪臭や炎症、下腹部の痛みなどを引き起こします。
性行為以外にも、不特定多数の人が触れているタオルやお風呂、トイレなどから感染することもあります。
性行為のパートナー同士で感染源をうつしあう「ピンポン感染」も頻繁に起こります。
また、トリコモナスに感染することで、エイズを引き起こす原因になるHIVの感染リスクや、未熟児のリスクも高くなるといわれています。
ピンポン感染を予防し、他の性感染症の感染リスクを下げるためにも、パートナーとともに早期治療することが重要です。
性感染症のもととなる原因の多くは、細菌やウイルスですが、トリコモナスはそれらの原因とはことなり、原虫の一種であるトリコモナス原虫という微生物が原因の性感染症です。
トリコモナス原虫の見た目はミジンコに類似しており、移動するための鞭毛が4〜6本生えています。感染しても比較的症状は軽いものの、再発する可能性の高い性感染症のため、やはり注意するに越したことはありません。
感染する原因の多くは、性行為によるものです。
特に女性の膣内はトリコモナスにとって格好の住処となります。
本来、膣内は酸性に保たれていて、細菌やウイルスの増殖を抑制しています。
しかし、生理や体調の変化により、膣内がアルカリ性に傾くと、免疫機能が低下し、これまで活動を抑制されていた、トリコモナスを含む細菌やウイルスが増殖することとなります。膣内の分泌物などをエサにして、分裂や増殖を繰り返し感染を広げていくのです。
トリコモナスが増殖の際に産出された成分は、悪臭を放ち、黄緑色の泡状のおりものが出ることもあります。
性行為をしていない時期や性行為自体が未経験であっても、トリコモナスに感染している方が触れたものから感染することがあります。
不特定多数の人が触れるタオルやお風呂、トイレの便座などがその例で、トリコモナス感染のを予防するには、それらの不潔なものに直接触れないように気をつけることも必要です。
トリコモナスのもっとも一般的な感染経路は性行為によるものです。
パートナーがトリコモナスに感染していることに気づかず、性的接触をすることでうつってしまうケースがもっとも多くあります。
1人で治療し完治しても、パートナーが感染したままだと、ピンポン感染のリスクも高まるので、パートナーと一緒に治療し、また治療期間中は性行為を控えることが大切です。
性行為以外にも、母体から胎児に感染する「垂直感染」や、お風呂やタオルなど不特定多数の人が触れるものからも感染することがあります。
それらの感染経路から、トリコモナスは性行為未経験の方や幼い子どもたちでさえ、感染する可能性がある性感染症といえます。
トリコモナス感染の原因の多くは、性行為によるもので、中でも膣性交での感染リスクがもっとも高いといわれています。
トリコモナス原虫がヒトに感染する場合、膣、口腔、腸などの部位に定着します。
トリコモナスに感染して増殖する大半の部位は膣になります。
トリコモナス原虫は、温かくジメジメした環境を好み、乾燥に弱い性質があるため、膣内は増殖に適しトリコモナス原虫の住みやすい環境にあるといえます。
他の性感染症でもいえることですが、不特定多数のパートナーと性行為すると感染するリスクが高まります。
男性の場合には、他の女性からトリコモナスに感染し、尿道内に生息します。
そして女性と性行為することで、女性に感染源を広げます。
自覚症状がほとんどないため、本人が知らない間に感染し、また性行為をすることでパートナーへと移してしまっている場合が多々あります。
感染を自覚し1人でこっそり治療しても、パートナーも感染している可能性が多く、感染源を再びもらい受けることもあるため、感染した場合には必ずパートナーにも治療してもらいましょう。
単独の治療で完治しても、性行為をすることで再発し、お互いがうつしあっている状態に陥ります。
これがいわゆる「ピンポン感染」で、卓球でピンポン球を打ち合うようなことから状況からそのように呼ばれています。
垂直感染とは、母体から胎児にウイルスや細菌が感染し、それにともなう悪影響が出ることです。
トリコモナスは、垂直感染のリスクは少ないとされていますが、可能性はゼロではありません。万が一垂直感染すると、胎児や新生児に影響を与えることは間違いありません。
女性が妊娠をすると、膣内や子宮内の環境が大きく変わります。
特に乳酸菌の総称である細菌叢(さいきんそう)が増え、この細菌叢が増えることで、胎児に影響をおよぼす細菌やウイルスの増殖や侵入を抑制します。
出産後に母体の細菌叢が新生児にも移り、腸内細菌の善玉菌のもととなります。
ところが、母体の体調悪化や妊娠中の性行為により細菌叢が減少し、膣内や子宮内の環境が悪化して、トリコモナスを含む細菌やウイルスが増殖するリスクが高まるのです。
細菌性膣炎を引き起こした状態で治療を放置する、症状が悪化すると、胎児に影響し、結果として、流産や早産、先天性の障害や症状を引き起こすことがあります。
不妊に悩む女性の膣内や子宮内の環境診断結果によると、細菌叢が少なく膣内環境が乱れている傾向が多くなっていることが多いようです。
妊娠を望む女性は、膣内環境が乱れると性感染症やトリコモナスの垂直感染などのリスクが高まることは認識し、感染時には早急に治療をすることをおすすめします。
トリコモナスは、性行為の経験がない子ども、性行為をしていない中高年にも感染します。不特定多数の人が触れるもの、トリコモナスに感染した方が触れたものなどからうつってしまうことがあるのです。
具体的には、お風呂や便器、下着、タオルなど、性器が触れる可能性のあるものから感染する可能性があります。
ただし、性行為からの感染と比べれば、非常に稀なケースと考えられています。
性行為に関しては、完治するまで避けることが大前提ですが、自分や身近な方がトリコモナスに感染した場合には日常生活でも注意しなければなりません。
お風呂の湯船には最後に入るなどして、極力感染リスクを減らすようにしましょう。
タオルも念のため、共有せず別々にしたほうがいいでしょう。使用後にも、他の人が誤って触れないようにする配慮が必要です。
汚れたタオルや下着は、一緒に洗濯しても特に問題ありません。
トリコモナスは体内から離れてしまうと生存できません。
また乾燥にも弱いため、洗濯後はしっかり日干しをする、乾燥機を使うのもおすすめです。
トリコモナスの症状は男女に違いが出ます。これは性器の違いによるものです。
女性に感染した場合に、トリコモナスの症状が出やすい特徴があり、代表的な症状としては、女性器から悪臭が漂う、炎症を引き起こす、下腹部の痛みなどがあります。
トリコモナスに感染しても、症状が軽い場合には無自覚の場合も多くあります。
自分が感染していることに気づかずに、症状を悪化させる、知らずに相手に感染するおそれがあり、トリコモナスに感染したことをキッカケにして、ほかの性感染症を引き起こすこともあります。
おかしいなと気づいたら、自己判断せずに詳細は病院で検査してもらいましょう。
男性の場合、感染によって少量の分泌物が尿道から出ることが主な症状となります。
感染しても軽度な症状になる場合がほとんどで、自覚症状がないまま過ごすことが多いようです。
トリコモナスは原虫と呼ばれる一種の微生物です。
増殖活動をするためには、何らかの栄養源や生息しやすい環境が必要となります。
トリコモナスは感染すると尿道に生息します。
ジメジメとした温かい環境を好むため、尿道はトリコモナスが生息するには適した場所です。尿や粘膜などを栄養源にして、分裂を繰り返すことで増殖していきます。
増殖の際に生産物として、分泌物が生成され、これにより炎症を引き起こします。
炎症が起きても症状が軽いことも多く、排尿時に痛みを少し感じる程度です。
ほかにも頻尿が起こることもあります。
女性と比べて症状の軽い理由は、尿で流されやすいのと生息できる範囲が狭いためです。
尿道だけの感染であれば症状が軽く、無自覚でいることが多くなります。
ただ無自覚であったとしても、トリコモナスに感染していることには変わりありません。
自分が感染していることを知らずに、性行為によってパートナーに感染させるリスクが高まります。適切な治療をおこなわずに症状が進行すると、尿道炎や前立腺炎を引き起こすこともあります。
トリコモナスの症状は男性より女性のほうが、現れやすくなっています。
それでも男性と同様に、軽い症状や無自覚の場合も多く、結果として、知らずのうちにパートナーに移すリスクも高くなります。
トリコモナスは、膣トリコモナスと呼ばれることから、膣内に感染するのがもっとも多い事例です。
特有の症状としては、強烈な悪臭で、人によっては魚の腐ったような臭いであるとたとえる人もいるくらいです。
正常な膣内環境は酸性になっており、これによりトリコモナスを含む細菌やウイルスの増殖を抑制します。
体質の変化によって、酸性からアルカリ性に変わると、トリコモナスや雑菌などが繁殖しやすくなります。増殖によって産出された生産物が、悪臭となって現れます。
ほかにも黄緑色の泡状のおりものが大量に出ることもあり、おりもの以外では、排尿時や性行為時に痛みを感じることがあります。
軽い症状の場合には痛みがあっても、気にならずに日常生活を送ることもできます。
特に注意したいのは、感染していても無自覚のケースがよくあることです。
自分が感染していることに気づかないため、パートナーに感染させてしまうことになります。
感染された側も、同様に無自覚や軽い症状のため、治療せずにさらに感染源を広げる結果となるため、違和感があったら放置せず早期治療することが肝心です。
ヒトに感染するトリコモナスの感染部位は、性器、口の中、腸の3種類となります。
それぞれの部位の名称をとり、膣トリコモナス、口腔トリコモナス、腸トリコモナスと選別されます。
一般的にトリコモナスといえば、感染率の高い「膣トリコモナス」を指します。
性器の感染部位は、膣のほかには尿道があります。
感染した部位や男女の違いにより、症状の現れ方がことなりますが、感染したとしても顕著に現れずに、いつの間にか症状を感じなくなることもあります。
症状を感じなくてもトリコモナスは存在するため、ほかの性感染症と合併して症状を悪化させることもあるため、感染した場合にはしっかりと治療することをおすすめします。
男性の感染部位は、尿道や尿路になります。
男性の場合にはトリコモナスの感染率は低く、日本において1〜2%の男性がかかっているといわれています。症状も女性と比べて軽く、無自覚の場合も多くあります。
トリコモナスは微生物であり、ほかの性感染症で多い細菌やウイルスではないため、肌や皮膚の内側に侵入して、症状を発症させることはありません。粘膜や皮膚の表面に付着しているだけです。
そのため、尿によってトリコモナスが排出されやすく、男性は症状が軽いともいわれています。
主な症状としては、尿道の炎症や、排尿時などに痛みを感じます。
感染すれば無自覚であっても、感染させるリスクが高いことには変わりありません。
特に女性に症状が出やすいため、男性側がトリコモナスを持っていると、少しであっても増殖する可能性が高くなります。
性感染症の場合、パートナー同士で感染源が行ったり来たりします。
いくら自分は症状が軽くても、増殖した状態で女性から性感染症を移されて、症状を悪化させることにもなります。
尿道炎の症状が悪化すると、前立腺炎に発展することもあります。
ほかの性感染症と合併することもあるため、早めの治療が重要です。
女性の感染部位は、男性と同様に尿道や尿路、そして女性特有の感染部位としては、膣内になります。
膣トリコモナスと呼ばれるように、膣内に感染しやすくなります。
日本において女性の感染率は5〜10%といわれており、男性の1〜5%と比べると少し多くなりますが、男性と同様に症状が軽いことも多く、感染しても無自覚で気づかない場合も多々あります。
膣内環境は酸性であり、これにより酸性に弱い細菌やウイルスが増殖できません。
体調悪化によりアルカリ性に傾き、トリコモナスに感染すると、膣内環境が変わってしまうことで、今まで活動を抑えられていた細菌やウイルスが、トリコモナスとともに増殖することがあります。
その結果、膣炎による炎症や、雑菌の繁殖にともなう悪臭が発生するのです。
注意したい点としては、トリコモナスによりHIVなどの性感染症と合併するおそれがあります。
妊娠している場合には、胎児に影響をおよぼすことにもなります。先天性の感染症のリスクも高くなり、出生後に障害を負うことも十分考えられます。
早産のリスクとあわせて、不妊を引き起こす原因ともされており、パートナーへ感染源をうつす、ピンポン感染のリスクも高まります。
自分だけの問題と考えずに、パートナーと一緒に治療して完治することが重要です。
トリコモナスの潜伏期間は平均10日前後となります。
潜伏期間を過ぎても症状が軽いことも多く、発症しても気づかないことがあります。
潜伏期間とは病気の症状が現れるまでの期間です。
トリコモナスを含む、細菌やウイルスは個体差があるものの、感染してから症状が出るまでタイムラグがあります。
潜伏期間中は体内で増殖する準備をおこないます。
ある一定数を超えると症状が現れると同時に、体内の免疫機能も異常を感知して活動を始めます。
風邪などの場合、発熱や咳、体の痛みなどが出て、そこで発症したことに気づきます。
このように症状が出る場合、薬を飲む、休んで安静にするなど対応が可能ですが、トリコモナスの場合、潜伏期間を過ぎて症状が出ても気づかないことが多くあります。
痛みやかゆみといった症状は性感染症だけでなく、日常的によく起こる症状のため、ほかの原因と置き換えてしまうこともあります。
おかしいことに気づいても、しばらくすると落ち着くこともあるため、やはり見過ごされがちです。
結果として、自分がトリコモナスに感染したことを知らず、パートナーに感染を広げることになり、パートナーも無自覚のまま、自分に再び感染し、いつまでも治らないピンポン感染を繰り返すことになってしまいます。
トリコモナスに感染している、または疑いがある場合には早期治療が肝心です。
まずはトリコモナスを発症しているかどうかを確かめましょう。
検査することでトリコモナスなのか、もしくは別の性感染症が原因なのかを確認します。
性病の検査は、性感染症を専門とする外来や泌尿器科、婦人科などで可能です。
病院に抵抗がある場合には、検査キットを取り寄せて確認することが可能です。
感染が判明したら、薬による治療をおこないます。
医師の指示があるまで、完治が判明するまで使用し続けることが重要となります。
また自分の治療とあわせてパートナーも同時に治療をおこなうことが重要です。
一緒に治療をおこなうことで、ピンポン感染や第三者への感染を防止することが可能となるため、ぜひパートナーとともに治療をおこなってください。
性感染症の治療で最初におこなうのは検査です。検査をしないことには、正確な判断ができません。
特徴的な症状であれば、見た目で判断も可能ですが、性感染症は原因となる細菌やウイルスなど異なっても、同じような症状が出ることもあります。1つの性感染症だけでなく、複数の性感染症を合併していることもあるため、必ず検査をしましょう。
もっとも確実なのは、病院での検査です。
検査ができる診療科目としては、性病科、泌尿器科、婦人科や産婦人科などで、検査費用はそのケースによって、保険適用または自由診療と違ってくるので事前に調べておくとよいでしょう。
複数の性感染症を同時に検査できるコースも用意されています。
トリコモナスは、その日のうちに判明するケースが多くなっています。
性感染症の種類や症状にあわせて薬が処方されます。
治療薬は保険適用になり、トリコモナスの場合、約1週間分処方されて2,000円前後です。
病院で検査をする場合、薬代のほかに診察料や検査費用が別途かかります。
病院に行くのに抵抗がある場合、検査キットを購入する方法もあります。
国内通販や海外通販、病院でも検査キットを購入することが可能です。
検体を採取後、決められた場所に送付することで、より詳しく判定してもらうこともできます。
検査をしてトリコモナスなどの性感染症が判明したら、治療をおこないます。
性感染症の治療として一般的なのは、薬を飲むことです。
トリコモナスの場合、抗トリコモナス剤で治療をおこないます。薬の有効成分には、メトロニダゾールやチニダゾールがあります。
主な副作用は、かゆみや刺激感、発疹や悪心、胃腸の不快感などで、チニダゾールの場合はアルコールと相性が悪く副作用を強めるおそれがあります。
ほかにも薬の成分に過敏症がある場合、妊娠中やその可能性がある場合、医師に相談しましょう。治療中は当然のことながら性行為は控えましょう。
これらの有効成分を含んだ治療薬が、医療用医薬品として複数存在します。
薬の形状である、いわゆる剤形は内服薬と膣錠の2種類です。
内服薬は、一般的な薬のように口から錠剤を投与します。
膣錠は女性専用であり、膣内に丸い錠剤を挿入します。
これらの有効成分が、トリコモナスを形成するDNAに作用し、DNAを切断して破壊することで、増殖を抑制する効果が期待できます。薬を使用する期間は約1週間です。
薬がなくなったら、病院などで再度検査をおこないます。
トリコモナスが検出されなかったら、治療は終了となります。
トリコモナスに感染した場合、必ず感染源があります。感染源の多くは、パートナーとの性行為によるもので、性行為以外の感染原因はあるものの、非常にレアなケースです。
性感染症を完治するためには、自分そしてパートナー双方で治療をおこなう必要があります。
自分だけ治療しても、パートナーの性感染症は残ったままです。完治しても治療をしていないパートナーと性行為をすれば、再度トリコモナスが発症し、感染源がお互いを行き来して、卓球のラリーのように感染を繰り返してしまいます。
このピンポン感染を防止する最初のステップは、パートナーに正直に話すことです。
当然ですが、パートナーはショックを受けるかもしれません。しかし、黙っていても性感染症の完治はできません。
場合によっては、ほかの方に感染源を広げることもあるため、お互いに病院に行って検査や治療をおこなうようにしましょう。
治療中の性行為は控えましょう。症状がよくなったからといって、勝手な判断で治療を中断するのもいけません。
完治したかどうかは、薬を飲み終わった後、再度検査をして確認するしかありません。
トリコモナスの治療には、抗原虫薬や抗菌薬を使用します。主に細菌や原虫のDNAを破壊することで、増殖を抑制します。
使用される有効成分としては、メトロニダゾールやチニダゾールが用いられます。
これらの有効成分を含んだ内服薬や、膣内に入れる錠剤状の薬があり、医師の指示に従って、10日前後治療を続けるのが一般的です。
薬がなくなる頃に再度検査をおこなって、薬による治療を続ける必要があるか確かめましょう。
薬である以上、効果がある一方で副作用が現れることがあります。現在服用している薬や持病によっては、使用できない可能性もあります。アレルギー体質や特定の成分に過敏症を持っている場合にも注意が必要です。
治療を受ける際には、お薬手帳を見せたり、持病の状況や経歴を伝えたりするようにしましょう。
メトロニダゾールは、トリコモナス治療薬の第一選択として使用されています。
メトロニダゾールは成分名であり、有効成分でもあります。
この有効成分を含んだ商品では、フラジールが有名で、医療用医薬品として病院の処方薬にも登録されています。フラジールは、内服薬と膣に入れる膣錠の2種類があります。
メトロニダゾールの効果は抗菌作用や抗原虫作用で、有効成分が細菌や原虫のDNAに作用します。この成分の作用によりDNAを切断そして破壊して、細菌やトリコモナスの分裂や増殖を抑制します。
フラジールを使用する期間はトリコモナスの場合、10〜14日間使用します。
その他の感染症を抑制する場合、使用頻度や使用期間が異なるため、医師の指示に従いましょう。
使用方法としては、剤形により変わります。
フラジール内服錠の場合には、250mgを1日2回、10日間服用します。
フラジール膣錠の場合には、250mgを1日1回、10〜14日間連続して膣内に挿入します。
一定期間使用後に、トリコモナスが検出されなければ完治となります。
副作用としては、局所のかゆみ、刺激感、発赤などがあります。
チニダゾールは、トリコモナスに特化した治療薬です。
チニダゾールは成分名であり、有効成分でもあります。
日本国内においては、医療用医薬品として病院の処方薬にも登録されており、処方薬としては、富士製薬社がチニダゾール錠とチニダゾール膣錠の2つを製造や販売しています。
チニダゾールは、トリコモナスの増殖を抑制する抗トリコモナス剤です。
日本未承認薬ですが、海外の医薬品を取り扱う通販業者では、チニダゾールを使用したジェネリックがいくつかあります。
内服薬であるチニダゾール錠は、200mgを1日2回、7日間連続して服用します。
ほかには、2000mgを1回服用する方法があるため、医師の指示に従いましょう。
チニダゾール膣錠は、200mgを1日1回、7日間連続して膣内に挿入します。
それぞれ使用後にトリコモナスが検出された場合には、医師の指示に従い使用をおこないます。
日本未承認薬ですが、海外ではファシジン、ハイシジン、チニバ、チンビスタの名称で製造や販売されており、いずれも有効成分はチニダゾールです。
副作用としては、発疹、食欲不振、吐き気、胃腸の不快感、下痢や腹痛があります。
アルコールと併用すると副作用が強く出るため、服用中は飲酒を控えるようにしてください。
トリコモナスを完治する方法は、薬による治療のみが有効です。
治療薬を手に入れる方法は、病院での処方と海外の通販を利用しての購入となります。
治療薬は医療用医薬品に該当するため、病院でトリコモナスと判断されると、治療薬が処方されます。
医療用医薬品の場合、薬局やドラッグストアで購入することはできません。同様に楽天やアマゾン、医薬品を扱う国内通販業者では取り扱いがありません。
海外の通販を利用する場合、個人輸入で手に入れることが可能です。ただし、個人では慣れない手続きや関税のこともあるため、一般的には輸入代行業者を利用します。
国内通販と同等のサイトが用意され、日本語での商品紹介、日本円での購入が可能です。
輸入代行業者を使用する場合、長い販売実績のある業者を利用しましょう。
病院でトリコモナスの治療薬を処方してもらう方法が一番確実でしょう。
メリットとしては専門分野である以上、確実な検査や治療ができることです。また、なにかあったときにも、すぐに相談することが可能です。
治療を受け付けている診療科目として、性病科、泌尿器科、婦人科、産婦人科があります。
性感染症の場合、問診はもちろんのこと、原因を特定するために検査をおこないます。
トリコモナスの場合には、その場で判明するのがほとんどです。
それ以外の性感染症も検査する場合、判明するまで数日かかるものもあります。
トリコモナスが発見されたら、1週間程度の治療薬を処方されます。
主にメトロニダゾールやチニダゾールの有効成分を含んだ内服薬、女性なら膣に挿入する膣錠が処方されます。
薬がなくなったら、再度病院で検査してもらい、トリコモナスが発見されなければ治療完了となります。
保険適用に関しては、処方薬は適用され、1週間分で約2000円前後となります。
病院内で処方する場合、病院の外にある調剤薬局で処方する場合によって、薬代が変わります。
検査に関しては、自由診療または保険適用のケースにわかれます。
性感染症の疑いがなかった場合には自由診療になる、最初から自由診療になるなど、病院により違いがありますので、費用が心配な方は受診前に問合せをすることをおすすめします。
最近は、店舗だけでなく通販業者を通して、薬を入手できるようになっていますが、トリコモナスの治療薬は、国内において医療用医薬品に分類されるため、病院の処方箋がないと、薬を手に入りません。
つまり、ドラッグストアや国内の通販業者からは、気軽にトリコモナスの治療薬を購入できない治療薬です。
医療用医薬品は効果がある一方、体質や体調、薬の飲み合わせにより副作用が強く出るおそれがあります。一般の人には取り扱いが難しく、命に関わるようなトラブルや事故を防ぐため、入手する方法を限定しています。
しかし、海外の通販を利用して個人輸入であれば、処方箋なしでトリコモナスの治療薬を手に入れることが可能です。個人輸入は手間もかかるため、海外の医薬品を取り扱う輸入代行業者を通して手に入れるのが一般的です。
メリットとしては、病院に行く手間や時間、費用を削減でき、国内の通販業者を利用する感覚で購入できます。
購入する場合には、評判のいい輸入代行業者を使用するようにしましょう。
悪質な輸入代行業者の場合、ニセモノを販売しているケースもあり、効果がないばかりか健康被害が出ることもあります。
個人輸入代行を利用する際には、正規品保証があるサイトを選ぶことが肝心です。
トリコモナスはピンポン感染により、改善しても再度感染するおそれの高い性感染症です。
性感染症は自分だけ治療しても、ピンポン感染によって再発しては、意味がありません。性感染症を完治したいのであれば、自分だけでなくパートナーの治療も必要です。
また一時的に症状がよくなっても、医師の指示があるまでは、しっかりと治療することも重要です。完治を最優先にして、治療中は性行為も避けるようにしましょう。
トリコモナスを含む性感染症の怖いところは、他の性感染症を呼び込むことです。
自分とパートナーだけでなく、身近な人にも感染しないように、早期発見そして早期治療をおこないましょう。
医薬品情報サイト
メディカルノート
現役の医師が運営する医師・病院と患者をつなぐ医療 Web メディア。
臨床の第一線で活躍する各科の専門家の監修・執筆やインタビューを通じて、病気や医療に関する信頼できる情報をわかりやすく伝えています。
行政機関サイト
厚生労働省
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医療保険制度の制定も担い、海外医薬品の輸入に関する規則や検査もおこなっています。
情報サイト
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関連商品
フラジール
>>フラジール
フラジールはサノフィ社が開発した抗原虫・抗菌薬です。
トリコモナス症は、男性の尿道や女性の膣などにトリコモナス原虫が感染し性器周辺の痛みやかゆみ、排尿時の不快感、おりものの増加する症状としてあらわれます。
アトリコモナス原虫のDNAを切断して殺虫殺菌作用を示し、トリコモナス膣炎だけでなく尿道の症状も併せて改善します。
嫌気性菌感染症やヘリコバクターの除菌にも使われる商品です。
ファシジン
>>ファシジン
ファシジンは、ファイザー製薬が開発したトリコモナス治療薬です。
膣トリコモナスは、トリコモナス原虫が性器内に入り炎症を起こしますが、性交渉以外にも、タオルや入浴といった所から感染する場合があります。
男性女性問わず感染しても自覚症状が少ない性感染症で、女性は男性よりも症状が強くなります。
具体的には、おりものの異常や膣または周辺部のかゆみや強い痛みが症状としてあらわれますが、ファシジンの服用で原虫の発育を抑えながら駆虫し症状を改善します。
チニバ
>>チニバ
チニバは、ザイダスキャディラ社が開発したトリコモナスの治療薬でファシジンのジェネリック医薬品です。
成分はチニダゾールで、トリコモナス原虫のDNA合成を妨げたり、DNAの機能障害を起こすことで生物細胞の分裂や増殖を抑えます。
トリコモナス原虫に対して殺虫的に効果を発揮するので治療が可能なります。
トリコモナス以外の原虫や嫌気性菌、嫌気性バクテリアに対しても有効な効果があるとされています。