尖圭コンジローマとは、HPV(ヒトパピローマウイルス)ウイルスによって起こる性感染症で、特に性行為を頻繁におこなう若い方に発症しやすいとされています。
感染すると性器や肛門周辺にイボができ、連鎖的に広がりますが、、痛みやかゆみといった感覚的な症状はほとんどないため、ウイルス感染したことに気づくのが遅れる、または気づかないこともあるほどです。
HPVにはいくつか型があり、全部で100種類ほどのウイルスが存在しています。尖圭コンジローマの原因はローリスク型に分類されるHPV9やHPV11で、性器にできるイボのほとんどはこのHPV9と11のいずれかが原因です。
性感染症の原因は、ウイルスや細菌、小さな微生物によるものがあり、尖圭コンジローマの場合には、ウイルスの一種であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものです。
感染の多くは、性行為によるものが大半で、特に性行為の頻度の高い若い世代に発症する傾向があります。一般的な膣性交渉以外にも、肛門を使ったアナルセックス、口を使ったオーラルセックスからも感染するなど、性行為の多様化により感染するリスクも高まっているのが現状です。
HPVにはいくつか種類があり、2016年に判明しているだけで180種類あるといわれており、そのたくさんある種類のうち、9型と11型の感染が一般的です。
感染するとイボ状の突起が性器周辺に現れ、症状が出ても痛みやかゆみの症状は少なく、違和感を持つ程度がほとんどで、感染後、数週間から数ヶ月程度の潜伏期間を経て発症します。
感染したことに気づかないことも多く、性行為を通じて知らずのうちにパートナーに感染させるおそれがあるでしょう。
感染源が行ったり来たりする、いわゆるピンポン感染を引き起こします。治療して完治したように見えても、数ヶ月以内に再発するリスクが高いので注意しましょう。
尖圭コンジローマの症状は、イボ状の突起ができることで、発症する部位は男性、女性とも共通し、性器周辺や肛門付近が多くなっています。
多くの場合、性行為によって感染し徐々に発症し、すぐに症状が出ることはなく、数週間から数ヶ月程度の潜伏期間を経て発症します。
発症しても痛みやかゆみの症状はほとんどなく、あまり目立たず、場合によっては特徴的な症状は現れずに、そのまま完治することもあるでしょう。しかし、一度感染すれば再発するリスクも高いのも大きな特徴で、感染した自覚がないまま、パートナーに感染源を移し、また感染源を戻されるピンポン感染も起こります。
性器周辺に違和感がある、見慣れないイボがあったら、早めに病院で診察を受けましょう。
>男性に感染した場合の症状として、主にペニスやその周辺に症状が現れ、ペニスに発症した場合には、陰茎尖圭コンジローマや略して陰茎コンジローマと呼ばれます。
性行為をしたパートナーからの感染が大半で、感染後、発症までは数週間から8ヶ月間の潜伏期間があり、個人差はありますが平均して2〜3ヶ月前後で発症することが多いです。
発症すると、ペニス周辺に突起状のイボが現れますが、外側から見えるところとは限らず、包皮の内側の亀頭や、その付け根周辺の冠状溝にも現れるので、包茎であまり皮をむくことがなく、不潔にしている場合には注意が必要です。
ほかにも陰嚢(いんのう)や肛門周辺までのラインに発症することがあり、発症した最初の頃は、あまり目立たずに尖圭コンジローマと気づきにくいですが、痛みやかゆみの感覚も少なく、そもそも感染していることに気づかないケースはよくあります。
時間が経過とともに1つのイボがどんどん増殖し、上や横方向に広がります。そのときになって違和感を持ち、発症したことに気づくケースが大半で、感染したことに気付かずに、パートナーと性行為をすることで相手に感染源を広げます。
女性に感染した場合の症状として、主に膣周辺や肛門周辺に症状が現れ、男性の場合は陰茎コンジローマのように部位を示す症状で呼ぶこともありますが、女性には特になく、発症した部位に関係なく、尖圭コンジローマと呼ばれます。
発症する部位は、外見で確認できるところとして、大小陰唇や腟前庭、肛門周辺があり、外見から確認しづらい発症部位は、膣や子宮頸部、尿道口があります。
感染後、数週間から8ヶ月間の潜伏期間を経て発症し、個人差はあるものの男性同様、平均して2〜3ヶ月前後で発症し、症状が現れるまで時間がかかるため、その間にパートナーに感染させる可能性があります。
発症すると突起上のイボができ、時間の経過とともに増殖します。ほかの性感染症と合併することも多く、注意が必要です。一例としてトリコモナスやカンジダ、淋病などがあり、症状としては、悪臭が漂うおりもの増える、痛みやかゆみなどがあります。
性行為後しばらく経過してから、性器周辺に違和感がある場合、早めに病院で診察を受けるようにしましょう。
尖圭コンジローマの感染経路の多くは、性行為によるものですが、一般的な膣性交だけでなく、アナルセックスやスキンシップ、妊娠中に尖圭コンジローマに感染し、出産時に子どもに感染する垂直感染があります。
ただし性行為以外からの感染経路は、非常にレアなケースで、性行為をする回数や機会が多く、性行為の危険性に対しても無頓着なこともあり、結果として20代の男女が尖圭コンジローマに感染することが多くなっています。
尖圭コンジローマの感染を予防するためには、性行為を控えるのが効果的で、性感染症に感染する原因の1つとして、不特定多数の人と性行為を持つことが多く、パートナーが増えれば、それだけ性感染症に感染しているパートナーと接触するリスクが高まり、逆に自分が別のパートナーに対して、性感染症を感染させるリスクも高まってしまいます。
性行為をするときには、コンドームの使用で感染リスクを減少できますが、コンドームに触れていない部分から感染するリスクは避けられません。パートナーを限定しコンドームを使用することで、性感染症のリスクを極力減らすようにしましょう。
尖圭コンジローマの特徴として、潜伏期間は長いことで、個人差はあるものの、3週間〜8ヶ月と幅広くなっていますが、平均して2〜3ヶ月で発症しますが、特有の症状であるイボが目立たずに、感染していることに気づかないこともあります。
潜伏期間とは、感染してから症状が現れる前までの期間で、別名では潜伏期と呼ぶことがあります。潜伏期間中は症状が現れず、自覚症状がないだけで、感染していることには変わりありません。
つまり、性行為をしてしばらく経ったあと、イボが出ていることに気づいて感染したと判明するのがほとんどで、自覚症状がないため、この間に性行為をおこなうと、パートナーに感染させるリスクが高まります。
体質によっては感染しても症状は現れずに、そのまま完治するケースもありますが、注意したいのは、再発リスクがあることで、一度、ウイルスのHPVに感染すると、症状が現れないだけで皮膚には存在し続けます。
怖いのは感染させたパートナーから再度感染させられ、それを交互に繰り返すピンポン感染で、尖圭コンジローマは潜伏期間も長く、症状も現れにくいため、感染に気づくのが遅れがちです。
多くの性感染症の場合、病院や通販で手に入れられる検査キットで、感染の有無が確認できますが尖圭コンジローマの場合、検査による感染は確立されていないのが現状です。
血液検査をすることで異常を発見することが一般的ですが、尖圭コンジローマはイボができていることを目視で発見して、確認するしか方法がなく、早期発見が難しくなっています。
通常、病気やウイルスに感染すると、エイズの場合、HIVウイルスに対しての抗体が増えることで発見できますが、尖圭コンジローマの原因であるウイルスHPVは、性器周辺の皮膚表面に付着するだけです。
感染が限定的で、抗体や免疫機能が有効に働かず、血液検査で発見することもできず、女性の場合、子宮頚管部の粘膜を採取することで、HPVに感染しているかをやっと確認できる程度です。
しかし、子宮頚管部以外の部位、男性の場合には検査ではほとんど発見できないため、性感染症のリスクを減らすためには、不要な性行為や不特定多数の性行為を控えるのがいいでしょう。
感染していない場合にかぎり、予防接種をおこなうのも有効です。
尖圭コンジローマの治療方法には大きく2種類に分けられます。
1つ目は治療薬による治療方法で、有効成分イミキモドが配合された薬を、直接患部に塗る方法です。
2つ目は外科による治療方法で、患部を凍結またはメスなどを用いて物理的に除去する方法です。症状が進行して、イボの発症範囲が広範囲におよぶ場合に用いられます。
それぞれ一長一短はありますが、完治するまで治療を続けることが重要で、基本的には保険が適用されますが、治療を受ける病院や治療方法によっては、保険適用外になることもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
有効成分イミキモドを配合した、ベセルナクリームを使う治療方法で、ベセルナクリームは、医療用医薬品として登録されているため、保険適用の対象です。薬の作用や効果としては、ウイルスのHPVに働きかけることで、増殖や再発抑制効果が期待できます。
使用方法は、就寝前に患部にクリームを直接塗布します。皮膚のただれなど効果が強いため、翌朝に水や石けんで患部を洗い流すことを忘れないようにし、毎日は使用せず、1日おきに使用するのが良いでしょう。
見た目のイボが消えても、皮膚表面にはウイルスが存在しているので、再発を防ぐためにも医師の指示があるまで、治療を続けることが重要で、薬がなくなったら再度検査をおこなって、治療継続の判断をしてもらいましょう。
凍結療法は、液体窒素を染み込ませた綿棒を患部に当てて、取り除く治療方法で、多くの病院で保険適用の対象です。
治療方法としては、マイナス196度まで冷やした液体窒素を綿棒に染み込ませ、その綿棒をイボのある部分と周辺に当てて、凍傷いわゆる冷たいやけどにさせることで、、ウイルスの大半は死滅します。
イボが小さい段階の初期症状で用いられる方法で、基本的には麻酔を使用しないため、患者への負担も少なくて済みます。
治療当日は凍傷の部分に軽い痛みが出ることもありますが、徐々に落ち着くでしょう。
イボの大きさや症状にあわせて、ほかの治療方法と組み合わせることもあります。
電気焼灼(しょうしゃく)は、患部を電気メスで焼灼して、取り除く治療方法で、多くの病院では保険適用の対象です。治療方法としては、手術前に局所麻酔をおこない、電気メスで患部を焼灼して、物理的に取り除きます。
電気メスとは、鋭利な刃の付いた一般的なメスとは違い、イメージとしては、基盤に半導体を接着するときに使う、はんだごての形状をしています。
電気メスを患部に当て、高熱で患部を焼いて取り除き、切った瞬間に熱で皮膚表面が凝固するため、出血はほとんどありません。
手術する範囲も局所的であるため、傷跡もほとんど残らないでしょう。尿道付近など、皮膚の薄いところは治療に適していません。
炭酸ガスレーザー蒸散は、患部にレーザーを当てて、取り除く治療方法で、多くの病院では保険適用の対象です。
炭酸ガスとは二酸化炭素のことで、CO2レーザーとも呼ばれており、美容整形分野ではホクロやシミの除去、歯科分野では虫歯除去や切開にも使われています。
治療方法としては、手術前に局所麻酔をおこない、患部とその周辺にレーザーを当てることで、HPVを高熱で焼き切って死滅させます。患部が大きい場合、電気メスや一般のメスで除去後、皮膚の下まで症状がある場合、補助的に使用することもあります。電気焼灼と比べて、レーザーの照射部分がしばらく残る可能性もあります。
外科的切除は、メスなどを使用して物理的にイボを取り除く方法です。薬物療法以外の治療方法として、外科的療法と総称して呼ばれており、凍結療法、電気焼灼、炭酸ガスレーザー蒸散がこれに該当します。多くの病院では保険適用の対象です。
外科的切除の場合、患部を取り除くことができるため、早い症状緩和が期待でき、イボが大きい場合、薬物療法では時間がかかるため、外科的切除をおこなうのが一般的で、切除部分が広範囲の場合、患部の状態に応じて縫合することもあります。
患部を除去しても患部周辺にウイルスが残ることもあり、再発する可能性もありますので、切除後は医師の判断により、定期検査や薬物療法を併用することもあるでしょう。
尖圭コンジローマ治療薬として、日本国内にはベセルナクリーム5%があり、医療用医薬品として登録され、病院から処方してもらうことで手に入れることが可能です。
ベセルナクリーム5%は、持田製薬社が開発や製造、販売しているクリーム剤で、2007年12月に保険適用の尖圭コンジローマ治療薬として発売されました。皮膚がんの一種である日光角化症にも用いられており、製品形状は、顆粒剤に使われるようなアルミ状の分包袋になっています。
有効成分はイミキモドで、この有効成分がHPVのウイルス細胞に作用して、増殖を抑制します。イミキモドを配合した治療薬は、1997年にアメリカの食品医薬品局(FDA)で認可され、Aldara(アルダラ)の商品名で販売されました。
当初は尖圭コンジローマの治療で用いられましたが、2004年には日光角化症の治療で保険適用を受け、アメリカでの発売開始から約10年後に、日本国内にある持田製薬社からベセルナクリーム5%として販売されました。
現時点において日本国内ではジェネリックはなく、医療用医薬品のみですが、一部の海外の製薬会社では、イミキモドを配合したジェネリックが販売されています。
現在、日本において尖圭コンジローマ治療薬は、ベセルナクリームのみで、医療用医薬品のため、病院から処方してもらうことで、手に入れることができます。
医薬品には、先発医薬品とジェネリック医薬品と呼ばれる後発医薬品があり、現在、日本においてベセルナクリームのジェネリック医薬品はありません。
将来的に日本国内のドラッグストアや通販で購入できるかに関しては今のところ未定ですが、海外の一部地域においては、ジェネリック医薬品が存在します。尖圭コンジローマ以外にも、皮膚がんの一種である日光角化症などの治療にも用いられています。
アルダラクリームは、スウェーデンのソルナに本社があるメダ社が製造、販売しているジェネリックで、主成分はイミモキドです。尖圭コンジローマのほかにも、皮膚がんの一種である日光角化症の治療に用いられています。
メダ社は2001年に創業した、比較的新しい製薬会社で、日本ではあまり馴染みがない製薬会社ですが、世界中に展開する大手製薬会社で、100以上の国に医薬品の販売をおこない、シェア率は80%ともいわれています。
独自の販売ルートを確保するだけでなく、企業買収を繰り返して成長および発展し、2016年にはアメリカの大手製薬会社マイランに買収され、その買収額は1兆円ともいわれています。現在はマイランの子会社となり、アメリカを含む、主要欧州国で製造や販売、輸出をおこなっています。
使用方法としてはアルダラクリームを1日1回、就寝前にイボができている患部へ直接塗布し、イボのないところには、なるべくつかないように注意しましょう。
起床後に、水や石けんで塗布した患部をキレイに洗い落としてください。1日おきに週3回使用し、イボがキレイになくなるまで塗布を続けます。
イミクアッドは、インドに本社があるグレンマーク社が製造、販売しているジェネリック医薬品で、主成分はイミモキドです。尖圭コンジローマのほかにも、皮膚がんの一種である日光角化症の治療に用いられています。
グレンマーク社は1977年に創業した製薬会社で、ジェネリック医薬品の製造や販売をおこなっています。インド国内だけでなく、アメリカや欧州にもジェネリック医薬品を販売し、飛躍的に売上を伸ばして急成長しました。2016〜2017年度の売上は約12億ドルで、インド国内製薬会社で4番目に位置づけられています。
使用方法としてはイミクアッドを1日1回、就寝前にイボができている患部へ直接塗布し、イボのないところには、なるべくつかないようにしましょう。
起床後に、水や石けんで塗布した部分をキレイに洗い落とします。1日おきに週3回使用し、イボがキレイになくなるまで塗布を続けます。
改善されない場合には、病院での診察や治療を受けてください。イボが大きい場合、薬物療法だけでは高い効果が期待できないため、病院で外科的療法とあわせて治療することをおすすめします。
性感染症は、自分だけの問題ではなくパートナーにも関わる問題で、尖圭コンジローマを完治するためには、予防と再発防止が重要です。これらをおこなうことで、自分だけでなくパートナーの感染リスクを下げることができるでしょう。
主な方法としては、大きく分けて3つあります。
1つ目は予防ワクチンの接種で、尖圭コンジローマを発症するHPVには、複数の型があるので、事前に免疫をつけることで、発症のリスクを下げます。
2つ目はコンドームの使用で、100%ではありませんが、感染源に直接触れるリスクを減らせるでしょう。
3つ目は検診で、尖圭コンジローマは、がんを発症するリスクを抱えているため、定期検診が重要です。
ここでは、それぞれの予防・再発防止策について詳しく説明します。
予防ワクチンを接種することで、尖圭コンジローマの感染や発症を軽減させることができ、特に女性には積極的に受けてほしい予防方法です。症状を引き起こすウイルスであるHPVは、ローリスク型とハイリスク型の2種類があり、ハイリスク型の場合、子宮頸癌を引き起こすおそれがあるためです。
予防ワクチンは性行為を体験する前、小学校高学年〜高校生の間に接種するのが理想です。
予防ワクチンには、現時点においてサーバリックスとガーダシルの2種類があり、サーバリックスは2価ワクチンと呼ばれ、子宮頸癌を引き起こすHPVの型である16型と18型に有用です。
ガーダシルは4価ワクチンと呼ばれ、2価ワクチンにプラスして6型と11型に有用です。
性感染症の予防としてコンドームの使用は有効で、コンドームをしないとウイルスに感染するだけでなく、感染が往復するピンポン感染のリスクが高まります。
薄いゴム状によって、体液や精液を直接接触することを避けることが可能ですが、コンドームを正しく使用することが前提で、サイズの合わないコンドームを使用しますと、性行為中に破れたり、外れるリスクが高くなります。
使用期限にも注意をして、古くなったもの、傷がついているものは使用しないようにしましょう。注意したい点としては、コンドームに触れていない部分から、感染するリスクがあることです。
性器以外の部位に感染源がある場合、効果が薄れるので注意しましょう。不特定多数の人と性行為をしないことも重要です。
尖圭コンジローマは、一度発症するとウイルスの除去が難しい上、再発するリスクが高く女性は子宮頸癌や、胎児に感染する垂直感染に注意が必要です。原因であるHPVの感染は、性行為の経験がある女性の6〜8割は感染するといわれています。
多くの場合、一時的に発症しても免疫機能により完治するのが一般的ですが、再発しやすいことが尖圭コンジローマの特徴で、性行為を多くおこなう20代に多く発症しています。
女性だけでなく男性も定期的な検診を利用することで、早期発見と予防治療をおこないましょう。
尖圭コンジローマの一般的な治療方法は、治療薬を用いる方法で、メリットとしては、自宅で治療が可能な点です。
イボの症状が広範囲におよんでいなければ、継続的に使用を続けることで、徐々にイボの症状が消えていくでしょう。入手方法としては、病院での処方、自分で薬を手に入れる方法の大きく2種類です。
病院での治療は確実ですが、時間や手間がかかります。自分で薬を手に入れる場合は、手軽ですが自己判断でおこなう必要があります。それぞれにメリットやデメリットがあるため、その点を理解して利用することが重要です。
ここでは、治療薬の入手方法にあわせて、特徴や具体的な方法を詳しく紹介していきます。
病院で尖圭コンジローマの症状を見て、治療方法を判断します。治療方法は大きく分けて、薬物療法と外科的療法の2種類で、薬物療法の場合、有効成分イミキモドが配合された、ベセルナクリーム5%が処方されます。
医療用医薬品であるため、保険適用を受けることができ、診察料を含めて数千円程度です。使用方法に関しては、医師や薬剤師の指示に従って治療をおこないましょう。基本的な使用方法としては1日1回、就寝前に患部に直接クリームを塗布します。
一般的な使用と異なるのは、毎日ではなく1日おきに塗布する方法で、翌朝になったら、かぶれ防止のため水や石けんでクリーム剤を洗い流します。
薬がなくなりましたら再度検査をおこなって、完治したかを確認してもらい、完治していない場合には、引き続き薬物療法による治療を続けます。
治療中はHPVのウイルスが体に付着した状態のため症状がよくなったとしても油断はできません。治療が終わっても数ヶ月以内の間に、再発するリスクの高い性感染症なので、パートナーに感染させないためにも、性行為はしばらく控えるようにしてください。
病院に行く手間が面倒な場合には、市販薬の購入を検討されると思いますが、病院で処方されるベセルナクリーム5%や、それに代わる治療薬は手に入れることができません。
現時点において、尖圭コンジローマの治療薬は、日本国内においては医療用医薬品のため、病院での処方がないと手に入れることができない状態です。理由としては一般の人に取り扱いが難しく、健康被害のおそれがあるためです。
医療用医薬品は、著しい効果が期待できる一方、副作用が強く出ることもあり、体調や体質、持病や飲んでいる薬による、影響も注意する必要があり、処方箋なしで一般の人が購入できるかは、現時点において未定です。
尖圭コンジローマはイボができるため、イボコロリなどで除去や治療ができるのと誤解されがちですが、製造販売をおこなっている横山製薬では、尖圭コンジローマの治療には使わないこと、といった注意書きがあります。
間違った使い方は症状を悪化させるおそれもあるため注意してください。
日本で尖圭コンジローマの治療薬を自分で手に入れる場合、海外の通販を利用する方法があります。いわゆる個人輸入を利用する方法です。
個人輸入のメリットは、病院の処方箋がなくても購入可能なので、誰にも知られずに購入できるので、性感染症にかかったことを人に知られたくないと感じる方におすすめです。
ただし、個人輸入の場合には慣れない手続きがあるため、非常に手間がかかるため、海外の医薬品を取り扱う、輸入代行業者を使用するのがおすすめです。
海外では、日本で手に入らないジェネリック医薬品がたくさん販売されており、使用している有効成分は先発医薬品や医療用医薬品と同等なので、同じ効果が期待でき、安く手に入れることができます。
輸入代行業者を利用して購入する場合、通販サイトを利用します。国内通販を利用するのと同じ感覚で、日本語で購入が可能です。
病院ではおこなうことができない、まとめ買いも可能なため安く購入できます。ただし、海外から直接配送されるため、国内通販と比べると届くまで若干時間はかかるため、余裕を持って注文することをおすすめします。
尖圭コンジローマは、痛みやかゆみの症状が少ないため、放置されやすいのが現状で、感染してから症状が出るまで、時間がかかることもあり、知らないうちに感染を広げることもあります。症状を放置すると、がんになるリスクもあるため、早めの治療が重要です。
性感染症はパートナーからもらう、逆に感染させるピンポン感染が起こる可能性もあり、ピンポン感染だけでなく第三者に感染させないためにも、パートナーと一緒になって治療をおこないましょう。
現在は治療薬もあるため、しっかりと治療をおこなえば、それほど恐れる心配はありません。
感染してからすぐに治療をすることも重要ですが、やはり予防対策が必要不可欠で、性行為時にコンドームを使用して感染予防する、不特定多数の人と性行為をするのを避けることが重要です。
医薬品情報サイト
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