媚薬にはいろいろな意味とタイプがあり、性交時に性欲や感度を高めるために用いられるものや恋愛感情を高めるために用いるタイプなどがあります。媚薬の歴史は古く、各地に残る神話の世界からすでにその存在が記されています。
現代では服用タイプや塗布タイプ、香水タイプなどがあり、今回は塗布タイプ(媚薬クリーム)を紹介していきます。媚薬クリームは性器周囲に塗ることで刺激を得て性的興奮が増す作用があるとされています。
媚薬といっても医薬品ではありませんので効果には個人差がありますが、人気のある媚薬クリームには「効果がある」という意見が多く、倦怠期や不感症、EDに悩む人は試して見てはいかがでしょう。
催淫効果がある媚薬成分を配合したクリームやスプレーなどが現在の主流で、直接性器に塗布して性交やオナニー中の刺激や興奮を高めます。歴史的には神話の中にも登場するぐらい古く、昔は毒性が強い麻薬成分を含んでいたものも実在していました。
性器に塗ることで粘膜や皮膚から吸収されていき、塗布部が刺激を受けることで脳は性的な刺激と認知し興奮が増す、というタイプが多いのですが、現在主流のものはめぐりを改善して性器を敏感にすることを目的として使われる安全性が高いタイプです。
皮膚や粘膜を介して吸収される有効成分には雑多なタイプがありますがあくまでも医薬品や医薬部外品のカテゴリーではないので、日本製のものには厚生労働省が承認している医薬品成分が配合されていることはありませんが、生薬(漢方薬の原料となる動植物由来の成分)やハーブが配合されているタイプは数多く存在します。
また使用感をよくするためにヒアルロン酸やコラーゲン、グリセリンなどを配合して行為後の保湿効果を高めているタイプも多く存在します。さらに塗った時のアロマ効果で催淫作用を高めるためにイランイランやバニラ、サンダルウッド、ジャスミンなどのハーブ精油が配合されています。
塗布タイプの媚薬には主に性交やオナニーをスムーズにするための成分が多く含まれています。たとえばグリセリンですが、これは保湿効果が高く、滑りを良くする作用があるため潤滑ジェルやオイルにも含まれている成分です。
また増大系サプリメントでもおなじみのアルギニンや催淫作用がある漢方成分のジャコウまたはそれに類する成分が含まれていることが多いというのも特徴です。
このことからも、皮膚からの吸収だけでなく嗅覚や触感などをトータルでサポートして行為におよびやすくするのが塗布タイプの媚薬に求められる効果です。肝臓や腎臓にはほとんど負担をかけない上にフレグランス効果で催淫を促すので、行為におよぶ直前に使うことで最大限の効果が期待できるというメリットがあります。
グリセリンには潤滑作用があるため、性交の途中で生じる摩擦を和らげ、滑りが良くなることで男女共感度が上がり性交時の興奮を高める作用が期待できます。
また保湿効果があり、食品添加物としても使われるほど安全性が高い上に行為の後のケアにも最適なので塗るタイプの媚薬には広く用いられています。
注意すべき点があるとすれば、グリセリンは浣腸でもおなじみの成分なので、アナルセックスの時に過剰に使いすぎると便意を催しやすいという点です。しかし、それ以外のデメリットはほとんどない安全性の高い成分なのでトータルスコアでは高評価を獲得しているといえるでしょう。
アルギニンはアミノ酸の一種で、筋肉の増強やスタミナ回復にとても強力な効果を発揮します。もともと人体内でも合成される成分ですが、加齢とともに性ホルモンの分泌量が減ると男女共合成量が低下していきます。
アルギニンは食事でも補給することができますが、40代以上の人はサプリメントや強壮剤での補給も合わせておこなうことが望ましいといわれています。
昔から精力剤や増大系サプリメントの主成分の一つで、塗布するタイプの媚薬では性器の感度を上げる効果が期待できます。
また塗布部の血流が増大するため、早漏や中折れのリスクも改善できる可能性が高まります。さらに、過剰摂取することでおこる悪影響がほとんどないため、媚薬成分としても主役級の働きをします。
ジャコウとはジャコウジカのオスの陰嚢付近にある強い香気(フェロモン)を放つ部分を乾燥させた生薬の一種です。古来より日本や中国などの東アジアでは漢方薬の成分(生薬)として重用されていて、ヨーロッパでも香水の成分「ムスク」として愛用されてきました。
天然のジャコウの香嚢には強壮作用や興奮作用があるとされ、ヨーロッパの貴族の間でも催淫作用がある香水(媚薬)成分として用いられてきた歴史があります。
現在では天然のジャコウは絶滅危惧種に指定されているため合成されたジャコウアイが用いられることが多くなりました。このため強壮作用というよりも香りで脳を興奮させる催淫作用を目的として用いられます。
漢方薬(和漢薬)の原料となる生薬の一種で、原産地は中国東北部、シベリヤ、モンゴル、韓国などですが、日本でも栽培可能です。白い紫陽花のような花をつけ、原種の蛇床子(ジャショウシ)は希少価値が高く、現在では亜種のオカゼリやヤブジラミが蛇床子(ジャショウシ)として用いられています。
種子の部分に独特の香りがあり、潰した時の香りが強いものほど良品とされています。媚薬に使われるのも種子から抽出された香りの成分です。
強壮作用や催淫作用に優れ、媚薬以外にも性器のかゆみ止めとしても使われるため、塗布タイプの媚薬成分として広く用いられており、また強壮作用に期待して製薬会社の強壮ドリンクなどにも用いられているほど安全性の高い成分です。
清涼感のある香りが性交時の嫌な臭いを和らげ、気分の高揚を誘います。また強い皮膚刺激感があり、血管が拡張することで塗布部分の血流量が上がるため、性器に塗ると感度が上がることが期待されます。(ただし塗りすぎは禁物です)
男性の場合は血流増大効果とリフレッシュ効果によるED改善対策としても用いられることがあります。
天然のメントールは薄荷(はっか)やミントから抽出される香り成分ですが、科学的に合成された香料を用いる場合もあります。歯磨きやチューインガム、マウスウォッシュなど日用品にも広く用いられていて、食品添加物としても承認されている安全性の高い成分です。
性交という行為自体女性と男性とでは感じ方が異なるため、媚薬クリームにも男性用と女性用に区別されています。しかし、基本的には塗った後に
という刺激によって性的な興奮度を上げることにつながるため、刺激性成分が多く配合されています。また男性には女性の反応を見ることで興奮するという傾向があるため、女性側に先に使用すると効果が得やすいともいわれています。
ヒリヒリとした痛みに近い刺激は長時間持続すると逆に性的興奮が萎えてしまうので、塗った直後に感じたら、その後はすぐに消えるのが理想的でしょう。この辺りの感じ方には個人差があるのでいくつか試してみて自分に合う媚薬クリームを使うようにしてください。
男性用の媚薬クリームに特徴的なのは、持続力を維持するために麻酔効果のある成分を配合しているタイプがあるという点です。男性は女性と違い射精すると一気に性的な興奮が萎えてしまうのが正常な生理現象なので、少しでも長く性交を楽しむために麻痺させる作用がある成分を配合します。
女性の場合、麻酔成分が配合されていると不感症対策には逆行するので、これは男性向け媚薬クリームならではの特徴といえるでしょう。
さらにこちらは余談ですが、水虫薬や痔の薬にはかゆみや痛みを抑えるためにキシロカインやリドカインなどの麻酔成分が含まれているので早漏回避を目的で性交の時に性器に塗る人もいます。
こうした麻酔成分は医療用成分なので国産の媚薬クリームには配合されることはありませんが、海外製の媚薬クリームや早漏防止スプレーなどには配合されていてドイツではメジャーな仕様です。
また、温感成分は男女共感度を上げるのに有効的です。そのため媚薬クリームとは異なりますが、ホットタイプのローションはそれだけで媚薬効果があるといわれています。
男性向け媚薬クリームを使うタイミングは商品によってそれぞれですが、挿入直前に性器に塗ると挿入時の滑りがよくなり感じやすくなるので、これがもっとも一般的な使い方です。
女性は男性よりも性的な興奮に対して鈍感といわれています。そのため媚薬クリームは性交のノリを良くするために非常に効果的です。
性交に持っていくまで使うことができないというデメリットがありますが、前戯で使用すると女性側の感度が上がり、その様子を見て男性側の興奮も高まりやすくなるので、クリームタイプの媚薬は女性向けの商品が多くなっています。
また女性向けのクリームには滑りを良くして感度を上げる作用が期待できるため、ワセリンやグリセリンが配合されています。このような保湿成分は粘膜を保護する役割もあり、性交中やその後の痛み、擦れ防止に役立つので積極的に取り入れられる傾向があります。
女性の性感は「暖かくなる」、「甘い香り」などで高まるとされていて、温感成分やバラ、バニラなどの甘い芳香を放つハーブオイルが使われることも多いです。
そして女性は安全性に敏感なので、生薬由来の高麗人参、葛根、生姜エキスや南米でも女性の不妊症治療に用いられるといわれているガラナやマカエキスなどが配合されているタイプが日本では主流です。
塗布タイプ(クリームやスプレー)の媚薬の使い方も男女用で違いがあります。女性向けの媚薬クリームにはめぐりを改善して徐々に感度を上げるタイプが多いため、挿入に入る前、できれば前戯の段階から使うのが効果的です。
前戯の時に女性器をマッサージするように擦り込むことで、じわじわと温かさを感じ性的な興奮を高めていきます。女性の場合性的興奮の高まりが男性よりも時間がかかるので、媚薬クリームも性交開始直後から使い始め、継ぎ足しながら使うのが効果的でしょう。
一方の男性向けの媚薬クリームは持続力を増すための麻酔によく似た成分が配合されている場合が多いので、挿入後に最適な効果を得るためにも挿入直前の使用が挿入の直前に使用するのが理想的です。
時間が経ちすぎるとせっかく塗ったクリームやスプレーが乾いてしまいますし、オーラルセックスの前に塗るとパートナーが嫌がることもあります。ほとんどが口に入れても無害な成分ですが、女性のデリケートさを考えるとオーラルセックスの前に塗るのは避けたほうがよいでしょう。
「媚薬」の歴史は非常に古く世界中の文献にその記載が残されており、特に日本では江戸時代になって漢方薬の理論が体系化されたことで、媚薬レシピが多く考案されてきました。漢方というと中国のイメージが強いのですが、実は日本が発祥なのです。
ところがこの頃の「媚薬」には毒性の強い成分が使われていたものが多く、今となってはぞっとしますが、アヘンやトリカブトなども媚薬成分として用いられており、麻薬や神経毒の成分によって幻覚症状や鎮痛効果をもたらし、かなり効果は高かったことがわかっています。
もちろん今の媚薬クリームにはこうした成分が配合されていませんのでご安心ください。それでは江戸時代特に人気があったとされる媚薬を2種類紹介していきましょう。
長命丸(チョウメイガン)は江戸時代に実際に存在していた男性向けの塗る媚薬です。成分にはアヘン、水銀、せんそ(ヒキガエルの毒素)と今では考えられない成分で構成されています。アヘンやせんそには幻覚作用と鎮静作用があり、皮膚から吸収されると快楽が増し、水銀の持つ鎮静作用との相乗効果で勃起の持続時間が延長化するため非常に人気のある媚薬だったといわれています。
ただし、誤飲すると死んでしまう危険性もある毒性の強い薬で、民俗学者の南方熊楠氏は実際に誤飲して死亡した例を記録しています。
・アヘンの効能:アヘンは今でもごく限られた条件下で使用が認められている医療用麻薬成分です。激しい下痢や咳に見舞われた時の鎮静作用。また痛みが激しい時の鎮痛目的で投与されます。抗凝血作用もあるため陰茎動脈への血流が増し、勃起しやすくなると考えられます。また幻覚作用によって性交中の快感が増す効果も期待できます。
・せんその効能:ヒキガエル(がま)の耳下腺から多量に分泌されるステロイド成分で、強い毒性があります。吸引または塗布すると幻覚作用をおこし興奮しやすくなるので媚薬の成分として重用されていました。
・水銀の効能:強い神経毒性があり、鎮痛、鎮咳、化膿止めなどに用いられてきた成分です。漢方では早漏の治療薬として用いられてきた歴史があります。
女悦丸(ニョエツガン)はその名の通り女性用の媚薬として江戸時代の富裕層に対して処方されていたといわれています。長命丸(チョウメイガン)には鎮静作用を利用して勃起時間を延長する作用をもたせていましたが、こちらは覚醒作用のある成分を使って女性の感度を上げる働きに優れていたようです。
使用した女性は「慎みを忘れるほど淫乱になる」といわれたほど強力な媚薬だったとされていますが、成分については開示されていませんので一般に知る手立てはありません。
したがって存在そのものも疑問視されていて、この媚薬が登場するのは艶本(江戸時代の成人向けの書籍)の中にわずかにその名を止めるのみです。
ヤモリの黒焼きや今でも基本的な漢方レシピとされる地黄(ジオウ)によく似た作用があるといわれていますが、現在の地黄(ジオウ)や八味地黄丸でそのような催淫効果がもたらされることは稀ですので、真偽のほどはわかりません。(ただし、更年期障害に伴う不感症の改善に八味地黄丸が用いられることは今でもあります)
江戸時代の媚薬に対する開発心は非常に旺盛なものがあり、今でも精力剤として用いられているオットセイや深海ザメなども実は江戸時代から使われていたといわれています。日本でオットセイは意外ですが、現在の北海道にオットセイが生息していたことは和漢三才図会などに記録が残っています。
塗布タイプの媚薬は手軽に使えて、飲むタイプよりも副作用などのリスクが少ないといわれています。しかし、その分効果も弱いのでこれだけで勃起、快楽を得るというよりは性交の快楽を増すためのサポート的な役割と考えておいた方がいいでしょう。
江戸時代に人気があったとされる塗る媚薬には強い麻薬成分や毒が使われていましたが、それだけ人間は性に対する探究心が強いということなのでしょう。
今の塗る媚薬の主成分はアルギニンやオルニチン、シトルリン、亜鉛など健康食品にも用いられている栄養成分なので使用するのに問題はありません。またヒアルロン酸やワセリンなど潤滑成分も含んでいるので性交をスムーズにして事後も保湿効果でカバーしてくれるので積極的に用いることをおすすめします。
食品会社サイト
江崎グリコ株式会社
1929年に創業者・江崎利一によって設立され、コーポレートメッセージは”おいしさと健康”。ハート・ヘルス・ライフのフィールドでいきいきとした生活づくりに貢献している総合食品メーカー。
情報サイト
コトバンク
2009年発足、朝日新聞社が主体となってとりまとめたインターネット百科事典。新聞社が提供するウェブサイトの特色として報道記事中の用語解説を強化し、朝日新聞サイト掲載記事にリンクしています。
公益社団法人東京生薬協会
優良生薬の確保とその振興を図り、生薬業界の発展向上とあわせて国民の保健衛生の向上に寄与し、公共 の福祉に貢献することを目的に活動している団体です。東京都薬用植物園の管理業務を受託し、薬用植物や生薬・ハーブなど の栽培育成や漢方薬・薬草などに関する情報発信のためのイベントもおこなっています。
KYジェリーは、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発した潤滑剤で、2014年にレッキットベンキザー社がブランド購入をしました。
主に女性の不感症改善に効果のある薬で、陰部に塗布することでしっとりと潤い摩擦による性交痛を緩和する効果があります。
無味無臭で人体に影響をおよぼす成分は含まれていないため、性行為に支障なく安心してご使用いただけます。
また、陰茎にコンドームを装着し、KYジェリーを塗布することでコンドームの破損防止にもなります。
ヒムコリンは、インドのヒマラヤハーバルズ社が開発したED(勃起不全)改善ジェルです。
内服薬タイプのED治療薬と異なり、男性器に直接塗ることでED改善効果を促します。
塗布後すぐに効果発現するため、性行為の時間のタイミングに合わせて服用する必要がありません。
ED治療薬の服用に抵抗のある方におすすめの商品となっております。
ビバクリームは、MDサイエンス社が開発した女性の性的快感を向上させるためのジェルクリームです。
有効成分にはメンソールやセイヨウハッカオイルなどによる刺激感をうけるものや、患部の血行を促進する効果があり、敏感な部分に塗布することで、性的刺激に対して感度が上昇しオーガズムへと導きやすくなります。
普段は濡れにくい女性でも、愛液分泌量が増え、痛みを緩和しながら挿入することが可能となります。
性行為をより楽しみたい女性や、不感症に悩む女性のための媚薬クリームとしてご使用ください。