ストラテラ

ストラテラは脳内神経伝達物質の一種であるノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害し、ノルアドレナリンとドパミンの濃度を上昇させます。

ストラテラは効果も副作用も比較的マイルドなため、コンサータなどその他のADHD治療薬に比べると依存性が低い点がメリットの1つです。

ただし、急に服用をやめると症状が悪化する恐れもあるため、自分の判断で服用を中断することは避けてください。

参考文献：アトモキセチン:ストラテラ - おくすり110番

ストラテラの主な効果は、脳内神経伝達物質のノルアドレナリンとドパミンの濃度を上昇させることです。

ストラテラを服用してから効果があらわれ始めるまでは、およそ1時間かかり、4時間ほど作用が持続します。

参考文献：ストラテラ添付文書 - 日本イーライリリー株式会社

ストラテラは次の症状を改善します。

適応症状

• 注意欠陥・多動性障害（ADHD）

参考文献：注意欠陥・多動性障害（ADHD）治療薬の解説｜日経メディカル処方薬事典

ストラテラには有効成分としてアトモキセチン塩酸塩が配合されています。
アトモキセチン塩酸塩にはノルアドレナリン・ドパミンの濃度を高める作用があるため、不注意や多動、衝動的、落ち着きがないといった症状の抑制に効果的です。

6歳以上18歳未満のADHD患者を対象に行われた二重盲検群間比較試験において、ADHD Rating Scale（有効性の評価尺度）に以下の変化が見られました。

副作用の発現頻度は50.3%（183例のうち92例）でした。主な副作用としては頭痛や食欲減退、傾眠、悪心が挙げられています。

前述の二重盲検群間比較試験を終えた患者に対して行われた長期継続投与試験において、ADHD Rating Scale（有効性の評価尺度）に以下の推移が見られました。

副作用の発現頻度は68.0%（228例のうち155例）でした。主な副作用としては頭痛や食欲減退、傾眠、嘔吐が挙げられています。

参考文献：ストラテラ添付文書 - 日本イーライリリー株式会社

18歳未満は1日0.5mg/Kgより服用を始め、その後0.8～1.2mg/Kgまで増量し、1日1.2～1.8mg/Kgで維持します。
18歳以上は1日40mgから服用を始め、80mgまで増量し、1日80mg～120mgで維持します。
いずれの場合も1日2回に分け、なるべく食後すぐに服用してください。

ストラテラを服用すると眠気やめまいを引き起こすことがあるため、車の運転や危険をともなう機械の操作などは避けてください。

参考文献：自動車運転注意薬一覧 - 愛媛大学医学部付属病院

ストラテラの効果や副作用を強く感じる場合や副作用の頻度が気になる方、症状が治まらない方は様子を見て服用を中止してください。

重大な副作用

頻度不明

• 肝機能障害
• 黄疸
• 肝不全
• アナフィラキシー

いずれも発症頻度は不明とされていますが、ストラテラの服用にともない何らかの異常が起こった場合、直ちに服用を中止して医療機関に受診してください。

その他の副作用

5％以上

• 悪心、食欲減退、腹痛、嘔吐、便秘、口渇
• 頭痛、傾眠、浮動性めまい、不眠症
• 動悸
• 体重減少

1～5%未満

• 下痢、消化不良、口内乾燥
• 体位性めまい、睡眠障害、易刺激性、不快気分
• そう痒症
• 頻脈、血圧上昇、心拍数増加
• 多汗症
• 排尿困難、勃起不全、不規則月経
• 胸痛、無力症、疲労、ほてり、悪寒、味覚異常

1%未満

• 早朝覚醒型不眠症、気分変化、振戦、抑うつ気分、錯感覚、不安、感覚鈍麻、幻覚を含む感覚障害、うつ病、攻撃性、リビドー減退、チック、激越、落ち着きのなさ
• 発疹、蕁麻疹
• 心電図QT延長、失神
• 皮膚炎
• 生殖器痛、尿閉、月経困難症、射精障害、前立腺炎、頻尿
• 結膜炎、胸部不快感、末梢冷感、冷感、筋痙縮

頻度不明

• 鼓腸
• びくびく感
• レイノー現象、潮紅
• 持続勃起、勃起時疼痛、射精不能、精巣痛、オルガズム異常、尿意切迫
• 散瞳

参考文献：医療用医薬品 : ストラテラ (ストラテラカプセル5mg 他) - KEGG

ストラテラは通常ADHDの治療に用いられますが、不安・緊張などの症状にも有効です。

参考文献：アトモキセチン:ストラテラ - おくすり110番