有効成分「アシクロビル」とは?
お薬通販部スタッフ[監修]
アシクロビルは、ヘルペスウイルス感染症の治療に用いられる非常に重要な薬剤です。
本記事では、アシクロビルの基本情報、開発の歴史、作用機序、そして治療効果について詳しく解説します。
目次
アシクロビルとは?
アシクロビルは、ヘルペスウイルス感染症の治療に広く使用される抗ウイルス薬です。1974年に合成され、1980年代に臨床使用が始まって以来、ヘルペス治療の標準薬として確立されました。
この薬剤の特徴は、ヘルペスウイルスに対して高い選択性を持つことです。
アシクロビルは、ウイルスが感染した細胞内で活性化され、ウイルスのDNA合成を効果的に阻害します。一方で、正常な細胞にはほとんど影響を与えないため、安全性の高い薬剤として知られています。
主に単純ヘルペスウイルス(HSV)と水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染症の治療に用いられ、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹などの症状緩和や性器ヘルペスの再発予防に効果を発揮します。
また、免疫機能が低下した患者におけるヘルペスウイルス感染症の予防にも使用されます。
アシクロビルは、錠剤、軟膏、点滴静注など様々な剤形で提供されており、症状や患者の状態に応じて適切な投与方法が選択されます。
その有効性と安全性から、現在でもヘルペスウイルス感染症治療の基本薬として重要な役割を果たしています。
開発と研究
有効成分アシクロビルは、1974年にガートルード・B・エリオンとジョージ・H・ヒッチングスによって開発されました。
当時、ウイルスの治療薬は正常な細胞も傷つけると考えられていましたが、彼らは病原体と正常細胞の違いを生化学的に研究し、特定の病原体だけを攻撃する薬を設計しました。
彼らは様々の抗ウイルス薬の開発にも貢献し、1988年にはノーベル賞を受賞しました。
アシクロビルは50年経った現在でもヘルペスウイルス感染症の治療薬として広く利用されています。
作用機序
アシクロビルは、ウイルスのDNA合成を阻害することでその効果を発揮します。
具体的には、アシクロビルはウイルスが自身のDNAを複製する過程で必要な酵素であるDNAポリメラーゼに結合します。
この結合により、ウイルスのDNA合成が阻害され、ウイルスの増殖が抑制されるのです。
これにより、感染症の進行を防ぎ、症状を軽減することができます。
抗ウイルス作用
アシクロビルは、特に単純ヘルペスウイルス(HSV)や水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に対して強い抗ウイルス作用を示します。
アシクロビルは、これらのウイルスによって引き起こされる様々な症状を緩和し、発症の頻度を減少させることができます。そのため、アシクロビルはヘルペスウイルス感染症の標準的な治療薬とされています。
治療効果が見込める主な症状
アシクロビルは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症に対して、高い治療効果を示す抗ウイルス薬です。
特に単純ヘルペスウイルス(HSV)や水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染症に効果的であり、以下のような症状や状況において治療や予防に用いられます。
単純ヘルペス感染症
単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染症には、口唇ヘルペスと性器ヘルペスが含まれます。アシクロビルは、これらの感染症の治療に非常に効果的です。
口唇ヘルペスでは、アシクロビルを用いることで症状の軽減や発症期間の短縮が期待できます。
性器ヘルペスにおいても、アシクロビルは症状の軽減や再発の予防に役立ちます。
造血幹細胞移植に対する単純ヘルペスウイルス感染症の発症抑制
造血幹細胞移植を受けた患者の方は、免疫機能が低下しているため、単純ヘルペスウイルスの再発や新たな感染のリスクが高まります。
アシクロビルは、このような患者に対して、単純ヘルペスウイルス感染症の発症を予防するために使用されます。
予防的にアシクロビルを投与することで、感染症の発症リスクを大幅に低下させることが可能です。
ゾビラックスはイギリスのグラクソ・スミスクラインが開発した抗ウイルス薬で、アシクロビルを有効成分として含んでいます。1988年にヘルペス感染症治療薬として発売されました。ヘルペスには、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、水痘・帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹の症状があります。有効成分のアシクロビルの働きによってヘルペスウイルスの増殖を抑制し、症状を緩和します。 1箱:2,090円~ |
帯状疱疹ウイルス感染症
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる疾患で、特に高齢者や免疫力が低下している人々に見られます。
アシクロビルは、帯状疱疹の症状の軽減や治癒の促進においても重要な役割を果たします。
小児の性器ヘルペスの再発抑制
性器ヘルペスは成人に多く見られますが、小児でも感染することがあります。
アシクロビルは、性器ヘルペスの再発を抑制するために予防的に使用されることがあります。
ただし、体重40kg以上に限り投与することが認められています。
まとめ
アシクロビルは、ヘルペスウイルス感染症に対する強力な治療薬であり、単純ヘルペス、帯状疱疹、そして造血幹細胞移植後の感染症予防、小児の性器ヘルペスの再発抑制など、様々な症状に対して有効です。
アシクロビルの正しい使用により、症状の軽減や治癒期間の短縮、感染の予防などが可能となり、患者の生活の質の向上に寄与します。
おすすめ商品
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ゾビラックスクリーム(軟膏)
ゾビラックスクリーム(軟膏)は、イギリス・ロンドンに本社を置くグラクソ・スミスクラインが製造・販売元の、アシクロビルを有効成分とする単純疱疹(単純ヘルペス)の治療薬です。有効成分のアシクロビルはウイルスDNAの複製を阻害するように働きますが、ウイルスに感染していない細胞には作用しないものと考えられています。
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アシビルDT
アシビルDTは、正常な細胞はそのままで、ヘルペスウイルスの細胞のみに働く抗ウイルス薬で、ゾビラックスのジェネリック医薬品です。口に含むと、唾液で崩壊するために再発の初期症状の口の周りのぴりぴりが出始めたら、水なしで服用できます。
5,500円~
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