ゾビラックスの効果|ヘルペス・帯状疱疹の治療効果を解説
ゾビラックスは抗ウイルス薬の一種で、ヘルペスや帯状疱疹の治療薬として用いられています。この記事では、ゾビラックスの効果や、効果を高める服用方法を解説します。
お薬通販部スタッフ【監修】

ゾビラックスはイギリスのグラクソ・スミスクラインが開発した抗ウイルス薬の一種で、有効成分はアシクロビルです。
アシクロビルにはヘルペスウイルスの増殖を抑える作用があるため、口唇ヘルペスや性器ヘルペス、帯状疱疹などのヘルペスを治療する目的で用いられています。
この記事ではゾビラックスに期待できる効果や作用時間、服用方法などを解説します。
目次
ゾビラックスとは

ゾビラックスはイギリスのロンドンに本拠地を置く「グラクソ・スミスクライン」が開発した抗ウイルス薬の一種です。
グラクソ・スミスクラインは世界でも有数の製薬企業で、日本では感冒薬や抗炎症薬、入れ歯安定剤、歯磨き粉など大衆薬がメインです。
ゾビラックスの効果

ゾビラックスの有効成分であるアシクロビルには、ヘルペスウイルスの増殖を抑える働きがあります。
ヘルペスウイルスの増殖が抑えられ、身体の免疫力が高まると、口唇ヘルペスや帯状疱疹などの症状が快方に向かいやすくなります。
ここでは、ゾビラックスの治療効果として、以下の2つを解説します。
性器・口唇ヘルペスの治療効果
ゾビラックスには、性器ヘルペスや口唇ヘルペスを治療する効果が期待できます。
国内の136施設で実施された試験では、次のような結果が出ています。
有効率 | ||
二重盲検試験 | 一般臨床試験 | |
単純疱疹 | 81.3%(26/32例) | 89.2%(522/619例) |
単純疱疹とは、性器ヘルペスや口唇ヘルペスの総称です。
二重盲検試験での有効率は81.3%、一般臨床試験では89.2%でした。
この結果から、ゾビラックスには、性器ヘルペスや口唇ヘルペスの治療に有効性があることがわかります。
また、小児にゾビラックスを投与した試験では、0〜5歳で87.8%(43/49例)、6〜15歳で84.4%(27/32例)に効果が見られたという結果が出ています。
帯状疱疹の治療効果
ゾビラックスは、帯状疱疹の治療効果も期待できます。
単純疱疹と同様に国内の136施設で行われた試験では、次のような結果が出ています。
有効率 | ||
二重盲検試験 | 一般臨床試験 | |
帯状疱疹 | 75.0%(60/80例) | 93.4%(142/152例) |
二重盲検試験での有効率は75.0%、一般臨床試験では93.4%でした。
この結果から、ゾビラックスは帯状疱疹に対しても有意な効果を示すことがわかります。
ゾビラックスの効果が作用する時間

臨床試験の結果から、血中濃度が最大になる時間は服用から約1.3時間後、血中濃度が半減する時間は服用から約2.5時間であることがわかっています。
ヘルペスの発症が疑われる際には、ウイルスの増殖を抑えるため、すみやかにゾビラックスを服用するのがおすすめです。
ゾビラックスとバルトレックスの効果の違い

ゾビラックスと同じように性器ヘルペスや口唇ヘルペス、帯状疱疹に使われるお薬にバルトレックスがあります。2つの違いは、主に以下のとおりです。
ゾビラックス | バルトレックス | |
有効成分 | アシクロビル | バラシクロビル |
効能効果 | 〈成人〉 ・単純疱疹 ・造血幹細胞移植における単純ヘルペス感染症(単純疱疹)の発症抑制 ・帯状疱疹 〈小児〉 ・単純疱疹 ・造血幹細胞移植における単純ヘルペス感染症(単純疱疹)の発症抑制 ・帯状疱疹 ・性器ヘルペスの再発抑制 | ・単純疱疹 ・造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制 ・帯状疱疹 ・水痘 ・性器ヘルペスの再発抑制 |
用法用量 | 〈成人〉 ・単純疱疹:アシクロビルとして1回200mgを1日5回経口で服用する ・造血幹細胞移植における単純ヘルペス感染症(単純疱疹)の発症抑制:アシクロビルとして1回200mgを1日5回、造血幹細胞移植施行7日前から施行後35日まで経口で服用する ・帯状疱疹:アシクロビルとして1回800mgを1日5回経口で服用する 〈小児〉 ・単純疱疹:体重1kgあたりアシクロビルとして1回20mgを1日4回経口で服用する(1回の最高用量は200mg) ・造血幹細胞移植における単純ヘルペス感染症(単純疱疹)の発症抑制:体重1kgあたりアシクロビルとして1回20mgを1日4回、造血幹細胞移植施行7日前から施行後35日まで経口で服用する(1回の最高用量は200mg) ・帯状疱疹:体重1kgあたりアシクロビルとして1回20mgを1日4回経口で服用する(1回の最高用量は800mg) ・性器ヘルペスの再発抑制:体重1kgあたりアシクロビルとして1回20mgを1日4回服用する(1回の最高用量は200mg) | 〈成人〉 ・単純疱疹:バラシクロビルとして1回500mgを1日2回服用する ・造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制:バラシクロビルとして1回500mgを1日2回、造血幹細胞移植施行7日前から施行後35日まで経口で服用する ・帯状疱疹:バラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回経口で服用する ・水痘:バラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回経口で服用する ・性器ヘルペスの再発抑制:バラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口で服用する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数 100/mm3以上)はバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口で服用する 〈小児〉 ・単純疱疹:体重40kg以上の小児は、バラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口で服用する ・造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制:体重40kg以上の小児は、バラシクロビルとして1回500mgを造血幹細胞移植施行7日前から施行後35日まで経口で服用する ・帯状疱疹:体重40kg以上の小児は、バラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回経口で服用する ・水痘:体重40kg以上の小児は、バラシクロビルとして1回1,000mgを1日3回経口で服用する ・性器ヘルペスの再発抑制:体重40kg以上の小児は、バラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口で服用する(なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数 100/mm3以上)はバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口で服用する) |
製造販売元 | グラクソ・スミスクライン株式会社 | グラクソ・スミスクライン株式会社 |
大きく異なる点は、効能・効果と用法用量です。
ゾビラックスは単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制、帯状疱疹、性器ヘルペスの再発抑制のみに効果があります。
一方、バルトレックスはゾビラックスと共通の4つに加えて、水痘にも効果があるのが特徴です。
ただし、その他のジェネリック医薬品は水痘にも効果があるものがあります。
ゾビラックスは、小児にしか性器ヘルペスの再発抑制効果がありませんが、バルトレックスは成人にも小児にも効果があります。
ほかにも、ゾビラックスは最大で1日に5回服用しなければなりませんが、バルトレックスは最大3回で済むのも大きな違いです。
バルトレックスはゾビラックスを改良して作られたお薬のため、使い勝手はバルトレックスの方がよいといえます。
ゾビラックスの効果を高める服用のタイミング

ゾビラックスを服用する場合、ヘルペスや帯状疱疹を発症してからできるだけ初期の段階で治療を始めることが重要です。
治療開始が遅れると、症状の改善に時間がかかったり、ウイルスが増殖して他の部位にも症状が広がったりするおそれがあります。
ここでは、ゾビラックスの適切な服用タイミングとして、以下の2つを紹介します。
ヘルペス発症から1日以内
ヘルペス治療としてゾビラックスを服用するときは、発症から1日以内に始めましょう。
以下のような初期症状が出たら、すぐに服用することを推奨します。
上記の症状が出たら早めに治療を開始してください。
帯状疱疹の発症から3日以内
帯状疱疹の場合は、発症してから3日以内に治療を始めてください。
治療が遅れると、発熱や頭痛のような全身症状があらわれるおそれがあります。
ただし、皮疹が出てから5日以降でも新しい皮疹が出ている場合や、角膜炎や顔面神経麻痺などの合併症を伴う場合は、ゾビラックスを服用した方がよいといえます。
まとめ

ゾビラックスは抗ウイルス薬の一種で、ヘルペスウイルスの増殖を抑える点が特徴です。
ヘルペスの初期に服用すると、口唇ヘルペスや帯状疱疹のつらい症状を早期に改善する効果が期待できます。
ゾビラックスを購入した際には用法用量を守って正しく服用し、口唇ヘルペスや帯状疱疹の早期改善にお役立てください。
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