EDの診療・検査の費用
ED診療の費用はどれくらいかかるのか
ED治療は、どれぐらい費用がかかるのでしょうか。
EDの診療は、基本的に自由診療です。
生活習慣病などの患者さんは、保険診療なので総医療費の1~3割を支払いますが、ED診療は医療費全額を患者さんが負担することになります。
ED治療薬の価格も医療機関が自由に決めることができるため、その価格はさまざまです。
日本の医療機関ではバイアグラ50mgで約1,500円、バイアグラジェネリック 50mgで約1,000円程度が相場となっています。
さらに初診料や再診料がかかるケースもありますので、受診前に医療機関に確認されることをおすすめします。
なおバイアグラとは世界初のED治療薬であり、その薬効から現在でも根強い人気を誇る反面で偽物も多くでまわっています。
特にインターネット上で相場より安い製品が売られていることもありますが、見た目だけ似せた粗悪品の可能性もありますので十分に注意しましょう。
目次
ED診療・検査をする前にできること
セルフチェックによってEDの疑いがあることがわかった場合、もしくは明らかに勃起状態に異常が見られる場合、ED治療を行っている医療機関で本格的に診察してもらうことができます。
EDなのかどうか、そうだった場合は何が原因なのか診断し、その結果に合わせた治療法で改善します。
症状が重症化している場合は、陰茎に直接医薬品を注入する、外科手術を受けるなどの治療法を選択しなければいけないこともあります。
投薬治療
症状が軽度の場合は、ED治療薬を服用して症状を改善することが可能です。
まずはED治療薬を一定期間服用し、様子を見てみるのもいいでしょう。
多くのED治療薬は、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬に分類されます。
ED(勃起不全)は陰茎の血管を拡張させる働きを持つcGMP(環状グアノシン一リン酸)の働きが、PDE5という酵素によって阻害されて起こる症状です。
PDE5阻害薬に分類されるED治療薬とは、その名のとおりPDE5を抑制する作用があります。
この作用によってcGMPの分解を抑えることで血管拡張作用がスムーズに働き、性的刺激を受けた際に陰茎に血液が流れやすい状態を作ります。
ただし、ニトログリセリンや硝酸剤といった医薬品を使用している方、もしくは近々使用する予定がある方はED治療薬を服用できません。
ED治療薬は、年齢に関係なく効果が期待できます。
また、どの商品も安全性が高く用法用量を守って服用すれば、副作用のリスクを最小限に抑えられます。
バイアグラ、シアリス、レビトラなど3大ED治療薬だけではなく、それらのジェネリック医薬品も世界中の製薬会社から販売されているため、経済的な負担も抑えることができます。
費用はバイアグラ50mgとレビトラ10mgが1錠あたり約1,500円、バイアグラジェネリックの場合は高いものでも約1,000円程度で購入できます。
また、シアリス10mgは約1,700円で、レビトラ20mgとシアリス20mgは約2,000円となっており、病院やクリニックで処方してもらう場合は薬代のほかに初診料や診察料などがかかります。
あまり効果を実感しない場合やED治療薬の服用によって強い副作用が出た場合などは、すみやかに医師に相談することをおすすめします。
ED改善や精力増強の効果が期待できるサプリメントも、数多く開発されています。
ED治療薬は、基本的にED治療を行っている医療機関から処方してもらう必要がありますが、サプリメントであれば薬局で購入できる商品もあります。
また使用する薬の効果や副作用、体質に合うかなどがわかっている場合は個人輸入か個人輸入代行による通販で購入するのも良いでしょう。
医薬品の服用による副作用を心配する方は、サプリメントを使って様子を見てみるのも一つの手段かもしれません。
カウンセリング
日常生活で感じている精神的な疲労やパートナーとのトラブルによるストレスによってEDを発症している場合、カウンセリングを受けることで症状を改善できる可能性があります。
EDの原因になる精神的な要因には、ストレスのような身近で自覚しやすい『現実心因』と過去のトラウマのような自分では意識できない『深層心因』の2種類があります。
現実心因の場合は、一般的なカウンセリングで改善できる可能性が十分にあります。
また、「自分なりの気分転換をする」「パートナーに相談する」といった方法で、個人の解決も不可能ではありません。
一方、深層心因の場合は、精神科医をはじめとする専門的な医療機関で、本格的な診察や検査を受ける必要があります。
カウンセリングを受けることで精神面の問題を解消することができれば、自然にEDの症状も改善していくでしょう。
カウンセリングの費用は、対面であれば1時間5,000~10,000円程度と病院やクリニックによって異なります。
一番はじめのメールでの相談や初回であれば無料で受け付けているクリニックもありますので、ホームページを確認するか予約前に電話で確認しましょう。
普段から精神的な疲労を溜め込んでいると感じる方は、まずカウンセリングを受けてみるものよい方法です。
ED診療とその費用
EDは男性にとって深刻な問題であるにもかかわらず、医療機関で診察や治療を受けることに抵抗を感じている人は少なくありません。
「性に関する悩みを人に打ち明けるのが恥ずかしい」「診察・治療で恥ずかしい思いをしたくない」という方は多いのではないかと思います。
病気やケガの診察や治療は医師に患部を直接見せることになります。
ED治療においても同様に、「医師に陰茎を見せなければいけない」「触診されるかもしれない」と思っている男性は多いのではないでしょうか。
現在、医療機関のED検査では『問診』『夜間陰茎勃起試験』『人工勃起試験』『カラードップラー試験』『DICC』などが行われますが、多くの場合は、問診後にED治療薬を処方されて終了するのが主な流れです。
少なくとも、問診時に医師に陰茎を見せたり触られたりといったことはありません。
しかし「処方されたED治療薬を服用しても効果が実感できない」「EDの原因をはっきり突き止めたい」といった場合、夜間陰茎勃起試験をはじめとする勃起機能の検査をすることがあります。
問診
ED治療の基本となるのが『問診』です。
待合室で待機している間に問診票を渡され、各設問に対する答えを記入します。
その内容を確認したうえで、医師がいくつかの問診を行って症状を診断するという流れが一般的です。
必要に応じて血液検査や心電図測定などの簡単な検査が行われますが、いずれも陰茎を医師に見せることはありません。
また、男性スタッフのみをそろえている医療機関を選べば、女性スタッフに性の問題・悩みを聞かれる心配もありません。
夜間陰茎勃起試験
睡眠中に繰り返しおこなわれる勃起(夜間勃起)の有無や反応を調べるのが夜間陰茎勃起試験であり、睡眠中の勃起状態を記録できる測定器『リジスキャン』を用いる方法が一般的です。
この測定器は勃起の有無や回数だけではなく、硬度や持続時間なども計測できるため信頼性が高いとされています。
EDの原因が身体的なものなのか、精神的なものなのか判断する必要がある場合に特に効果的です。
ただし、正確な診断結果を得るためには、3日以上入院して検査する必要があります。
リジスキャンを用いた検査方法とは別に、簡易的な『スタンプテスト』と呼ばれる方法もあるので希望する方は医師に相談してみましょう。
人工勃起試験
人工勃起試験とは、陰茎を構成する海綿体に勃起作用を持つ医薬品を直接注入し、勃起するかどうかを確認する検査方法です。
海綿体は勃起するために重要な役割を担っています。
性的興奮を得たことによって血流が活発になると、海綿体に流れ込む血液が増量します。
これによって海綿体が膨張し、陰茎全体が増大・硬化するのが勃起のメカニズムです。
人工勃起試験は、海綿体が正常に作用しているかどうかを診断できる検査なので、陰茎の障害が原因でEDを発症している疑いがある場合に効果的です。
カラードップラー試験
カラードップラー試験とは、超音波を用いて勃起に関係している血管に異常がないかを検査する方法です。
血流の状態を確認できるため、ED検査以外でも用いられています。
血管の障害によって、EDを発症している疑いがある場合に有効です。
また超音波を用いた検査方法なので「人体への影響が少ない」「検査に痛みをともなわない」といった特徴もあります。
DICC
DICCは、正式には『Dynamic Infusion Cavernosometry and Cavernosography』といい、日本語で『海綿体造影検査』と呼ばれるものです。
造影剤を用いた画像診断検査で、海綿体やその周辺の血管の状態を調べることができます。
勃起機能に大きく関係している海綿体を検査するという点で、ED検査としては有用な方法です。
しかし率先しておこなわれるものではなく、ほかの検査方法を用いてもEDの原因が明確にならなかった場合に行うケースがほとんどです。
「検査にともなう痛み」や「患者への負担」ということが、なるべく使用しない理由としてあげられます。
陰茎に2本の注射針を刺し医薬品を注入するといった方法でおこなわれるため、数ある検査の中でも身体を傷つけるリスクが高いといわれています。
ED治療のタイミングは人それぞれ
ED(勃起不全)は、その症状自体がただちに健康を害し生命の危機にかかわるものではありません。
そのため治療のタイミングを逸脱してしまいがちです。
では、いつ治療すればよいのでしょうか。
「満足に勃起できない」という自覚を持ち始め、不自由を感じた時こそがそのタイミングといえるでしょう。
また、EDによって満足な性行為ができないことでパートナーが不満を抱き、それがきっかけで関係性が悪化することも少なくありません。
「パートナーが性行為に不満を感じた時」が治療のタイミングという方もいらっしゃるでしょう。
ED治療を始めるタイミングは、人によってさまざまです。
自分のため、そしてパートナーのためにも、EDの疑いがあると感じた時点で検査・治療を行うことをおすすめします。
参考文献
ED治療薬
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