ゾビラックスの有効成分アシクロビルとは
ゾビラックスはヘルペスなどの治療に用いられる医薬品で、有効成分としてアシクロビルを配合しています。アシクロビルの効果や適応症状について解説します。
お薬通販部スタッフ【監修】

ゾビラックスはイギリスの一大製薬企業「グラクソ・スミスクライン」が開発した抗ウイルス薬の一種で、ヘルペスウイルス感染症の代表的な治療薬です。
有効成分としてアシクロビルを配合しており、体内に潜伏しているヘルペスウイルスの増殖を抑え、症状の早期改善を図ります。
本記事ではゾビラックスの有効成分であるアシクロビルの効果・効能や適応症状、作用機序などについて解説します。
アシクロビルについて

アシクロビルはDNAポリメラーゼ阻害薬の一種です。
DNAポリメラーゼはDNAの複製に欠かせない酵素の1つで、ウイルスが増殖する際にも重要な働きを持ちます。
アシクロビルにはDNAポリメラーゼの働きを阻害する作用があるため、ヘルペスウイルスの増殖を抑えるのに有効です。
最初にアシクロビルの歴史や効果・効能、適応症状について解説します。
アシクロビルの歴史
アシクロビルはグラクソ・スミスクラインの前身の1つである「パローズ・ウェルカム社」に所属していた研究者によって1974年に開発されました。
当時はヘルペスをはじめとするウイルスの活動を抑制できるほどの化合物は、正常な細胞まで傷つけるとの考え方が一般的でした。
パローズ・ウェルカム社の研究者は正常な細胞を傷つけることなく、特定の病原体のみを死滅、もしくは増殖を阻止する有効成分の構造を設計したのです。
その設計を元に研究者はヘルペスの治療薬であるアシクロビルをはじめとする多くの医薬品を開発し、1988年にはノーベル生理学・化学賞を受賞しています。
アシクロビルの効果・効能
アシクロビルの効果・効能はヘルペスウイルスの増殖を抑える点にあります。
ヘルペスウイルスは大きく単純ヘルペスウイルス(HSV)と、水痘・帯状疱疹ウイルス(VAV)の2種類に分類されます。
アシクロビルは単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスの双方の増殖を抑える点が特徴です。
適応症状
アシクロビルの適応症状は以下の通りです。
アシクロビルは免疫機能の低下が見られない患者に対して投与するのが原則です。
自己免疫疾患や悪性腫瘍などが原因で免疫力が低下している方には、点滴静脈内注射の実施を検討します。
水痘の治療目的でアシクロビルを投与する対象は、原則として16歳未満の小児および児童です。
性器ヘルペスに関しては1年間に6回以上発症を繰り返す患者で、体重が40Kg以上の場合にアシクロビルの投与を検討します。
アシクロビルの構造

ゾビラックスの有効成分であるアシクロビルの分子式は「C8H11N5O3」、分子量は「225.20」です。
ゾビラックスは服用してからおよそ2時間程度で効果が最大になり、3時間から4時間程度で効果が半減します。
その後、およそ24時間で有効成分が体内からすべて排出されます。
アシクロビルの作用機序
ゾビラックスの有効成分であるアシクロビルが単純ヘルペスウイルス、もしくは水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した細胞内に入ると、ウイルス性チミジンキナーゼによって一リン酸化されます。
その後、細胞性キナーゼによってリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV-TP)へと変化します。
アシクロビル三リン酸にはウイルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスのDNAが複製されるのを阻害する作用があるため、ヘルペスウイルスがもたらす諸症状の緩和に効果的です。
まとめ

ヘルペスや水痘、帯状疱疹の治療薬であるゾビラックスには、有効成分としてアシクロビルが配合されています。
アシクロビルにはDNAポリメラーゼの働きを阻害する作用があるため、ヘルペスウイルスの増殖を抑えるのに有効です。
ゾビラックスは用法用量を守って正しく服用し、口唇ヘルペスや帯状疱疹の早期改善にお役立てください。
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