フラジールの有効成分メトロニダゾールとは?治療のメカニズムとお薬の作用を徹底解説
フラジールは性感染症であるトリコモナス症や感染性腸炎、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌に利用されているお薬です。この記事では、フラジールの有効成分であるメトロニダゾールの作用について解説します。
お薬通販部スタッフ[監修]

メトロニダゾールを有効成分とするフラジールは、原虫や細菌が引き起こす感染症の治療に効果を発揮することに加え、さまざまな感染症に有効性があり副作用が起こりにくい性質から広く利用されているお薬です。
この記事では、メトロニダゾールの治療のメカニズムや人体への影響などの特徴についてご説明します。
有効成分メトロニダゾールの特徴

フラジールの有効成分であるメトロニダゾールは、感染症の原因となる原虫(トリコモナスや赤痢アメーバのような単細胞生物)や細菌の治療が可能です。
ここでは、メトロニダゾールによる感染症の治療メカニズムや、他のお薬と比べた特徴について解説します。
メトロニダゾールのメカニズム
メトロニダゾールは原虫や細菌内で酸化還元反応を引き起こし、感染症を治療します。
原虫や細菌内に取り込まれたメトロニダゾールは、酸化還元系の作用によって還元されニトロソ化合物に変化します。
また化合物が変化する過程でヒドロキシラジカルという活性酸素も生成されます。
ニトロソ化合物には抗原虫、抗菌作用があることに加え、活性酸素のヒドロキシラジカルにも原虫や細菌のDNAを切断する作用があり、これらによって感染症を治療します。
メトロニダゾールの薬理作用
服用したメトロニダゾールは、胃や十二指腸で吸収され、血中から肝臓に移行して胆汁として排泄された後、腸管で再度吸収されることが分かっています。
吸収されたメトロニダゾールは主に腎臓から排泄され、尿として体外へ排出されます。
メトロニダゾール内服錠250mgを1回経口服用した実験では、2時間後に血中濃度が最大を示し、1日2回12時間ごとに複数回服用をした場合では治療に十分な濃度を維持することが報告されています。*1
またメトロニダゾールはさまざまな感染症に有効でありながら耐性菌が発生しにくいことが報告されており、お薬への耐性化が問題になっている嫌気性菌治療薬の中でも優れた効果を発揮します。*2
人体への影響
人体にとってお薬は異物であることから、体外に排出しやすいようにお薬の物質を別の構造に変換する代謝という仕組みがヒトの体には備わっています。
メトロニダゾールは主に肝臓で代謝され、大半がヒドロキシメトロニダゾールという物質に作り替えられます。
代謝にはCYPという酵素が関与しており、メトロニダゾールはアルコール代謝においてアセトアルデヒドが酢酸に代謝されるアルデヒド脱水素酵素(ALDH)を阻害する特徴があります。*1
アセトアルデヒドはお酒の成分であるアルコールが肝臓で一度代謝された後の物質ですが、代謝されずに体内に残ったアセトアルデヒドは頭痛や吐き気のような二日酔いの原因になります。*3
このため有害物質であるアセトアルデヒドは、再び代謝により酢酸に変換される必要があります。
つまりフラジールを服用中にお酒を飲んでしまうと、酢酸に代謝されずに体内に残り続けることで腹痛や嘔吐、顔の紅潮などを生む原因になります。
メトロニダゾールを有効成分として含むフラジールを服用している期間中は、代謝酵素によって相互作用するリスクがあるため飲酒を控えましょう。
まとめ

フラジールの有効成分であるメトロニダゾールは、原虫と細菌に対して優れた有効性があり、耐性菌が問題になっている嫌気性菌感染症にも高い効果を発揮します。
フラジールを使用する際には飲酒を控え、用法用量を守って服用しましょう。
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