フラジールを服用時に注意すべきポイントを解説。服用できない人と注意すべき飲み合わせとは?
フラジールは、トリコモナス症や胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ感染症の除菌に利用されているお薬です。この記事では、フラジールの服用時の注意点についてご説明します。
お薬通販部スタッフ[監修]

フラジールはトリコモナス症をはじめとした病原性原虫や、ヘリコバクター・ピロリ菌のような嫌気性細菌感染症に有効性があります。
この記事ではフラジールを服用する際に注意が必要な人の特徴や、避けるべきお薬の飲み合わせを解説します。
目次
フラジールを服用してはいけない人

フラジールは副作用が現れにくく、耐性菌になる可能性が低いことから医療現場で重宝されているお薬ですが、フラジールと相性が悪く服用できない人もいます。
以下に当てはまる人は原則的にフラジールの服用ができないため注意が必要です。
フラジールに過敏症がある
以前にフラジールを服用して、過敏症の症状が出たことがある場合にはフラジールを服用することができません。
再度服用することによって重篤な過敏症の症状が現れる可能性が高まるためです。
過敏症では38°以上の高熱や全身のじんましんのような症状、リンパが腫れるなどの症状が見られます。
脳・脊髄に疾患がある
脳膿瘍以外の疾患で脳や脊髄に疾患がある人は、フラジールを服用することができません。
フラジールを服用することで中枢神経系障害になるリスクがあるためです。
中枢神経障害では脳症やけいれん、錯乱、幻覚などの症状が見られる場合があります。
また脳膿瘍の治療で服用する場合でも、以下のような中枢神経障害の初期症状がないか十分な観察が必
要です。
妊娠3か月以内の女性
フラジールは胎盤を通過して胎児に移行することが報告されています。
このため妊娠3ヶ月以内の女性では、原則的に服用ができません。
フラジールの服用に注意が必要な人

基礎疾患や健康状態によっては、フラジールの服用により副作用が発生しやすい人がいます。
特定の疾患の合併症がある
フラジールで治療する疾患のほかに、以下に当てはまる特定の疾患の合併症がある場合は服用に注意が必要です。
血液疾患の患者では白血球や好中球の減少が見られます。
コケイン症候群の患者では肝機能が大幅に低下し肝不全になるリスクがあります。
肝臓、腎臓に機能障害がある
フラジールは肝臓で代謝され腎臓から排泄されるお薬であるため、肝臓や腎臓の機能障害の有無は重要です。
肝機能が低下するとお薬の作用が強くなりすぎたり、腎臓機能が低下しているとお薬が排泄されず副作用が現れるリスクが上昇します。*2
妊娠3ヶ月以降の妊婦・授乳婦・小児・高齢者である
服用したフラジールは乳汁に移行するため、服用した際には授乳を控える必要があります。
また胎盤から胎児に移行することから、妊娠3ヶ月目以降では治療によるメリットとリスクを検討し、必要な場合にのみ服用します。
小児ではフラジールの安全性が不明であること、高齢者では体の機能が落ちていることから注意が必要です。
フラジールとの併用で相互作用をするお薬

以下に示すお薬は、フラジールと併用することで相互作用をきたし副作用につながる可能性があります。
服用時には注意して観察しましょう。
医薬品名 | 主な治療目的 |
リトナビル含有製剤 | HIV感染症 |
ジスルフィラム | 慢性アルコール中毒 |
ワルファリン | 血栓塞栓症 |
リチウム | 躁うつ薬 |
ブスルファン | 造血幹細胞移植の前治療 |
5-フルオロウラシル | がんの治療(抗がん剤) |
シクロスポリン | 免疫抑制 |
フェノバルビタール | 不眠症、てんかんのけいれん発作 |
食事の制約について

フラジールを服用する際には食事の制約はありませんが、飲酒には注意が必要です。
フラジールはアルコールと相互作用をきたすことで分解が遅れ、お腹のキリキリとした痛みや嘔吐、二日酔いに似た症状が現れる可能性があります。
服用期間中の飲酒は控えるようにしましょう。
まとめ

フラジールは幅広い病原性原虫や細菌による感染症に有効なお薬です。
安全に服用するためにも、服用の注意事項をあらかじめ把握した上で服用しましょう。
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