以前であれば勃起が起こらないのは年齢などが原因と諦めるしかありませんでしたが、現在ではED治療薬によって改善が期待できるようになっています。

今回はバリフの有効成分であるバルデナフィルについて、歴史や分子構造、作用機序などを徹底解説します。

バルデナフィルの歴史

EDの治療薬としてよく知られているバイアグラは、世界で初めて製造・販売されたED治療薬でもあります。

世界で2番目に製造・販売されたED治療薬がレビトラで、有効成分として配合されているのがバルデナフィルです。

バルデナフィルを製造・販売していたのはドイツの薬品会社、バイエル・ファーマシューティカルズです。

そのため、レビトラといえば、バイエル・ファーマシューティカルズが独自に製造したと思われている方も少なくありません。

アメリカではレビトラを販売してからわずか数週間でED治療薬として一般に認知されたほど、注目の高い医薬品です。

日本での販売

日本では2004年の6月から5mgおよび10mgのレビトラが販売されました。

しかし、糖尿病や脊髄損傷が原因で発症したEDの改善効果が十分ではなかったため、専門家の間でも問題視されていました。

レビトラは国内での販売を2022年に終了していますが、現在では沢井製薬と東和薬品、富士化学工業からジェネリックのバルデナフィル錠が販売されています。

バリフの販売元

レビトラと同じ有効成分バルデナフィルを配合したジェネリックの「バリフ」は、インドの製薬会社アジャンタファーマによって製造・販売されています。

アジャンタファーマではバリフ以外にも、カマクラゴールドやタダラフィルといったED治療薬のジェネリック医薬品を製造・販売しています。

バリフの構造

バリフの有効成分であるバルデナフィルの分子式を見ると、世界初のED治療薬であるバイアグラの有効成分シルデナフィルとよく似ていることが分かります。

	分子式	分子量
バルデナフィル	C23H32N6O4S・HCl・3H2O	579.11
シルデナフィル	C22H30N6O4S・C6H8O７	666.70

バルデナフィル（レビトラの有効成分）と、シルデナフィル（バイアグラの有効成分）は分子式が似ているため、似たような効果が期待できます。

例えば治療薬の効果が持続する時間を比較すると、バルデナフィルとシルデナフィルはおよそ5時間です。

また、バルデナフィルとシルデナフィルが食事の影響を受けるのに対し、タダラフィルは食事の影響を受けにくくなっています。

バリフにも有効成分としてバルデナフィルが配合されているため、レビトラと同じような効果が得られます。

バリフとEDとの関係

バルデナフィルとEDとの関係について理解するためには、EDを発症するメカニズムおよびバルデナフィルの作用機序について知っておく必要があります。

EDのメカニズム

一般的に勃起が起きて射精し、勃起が鎮静化するまでには、体内で次のような反応が起こっています。

EDを発症している方の場合、環状グアノシン一リン酸（cGMP）が増加せず、ホスホジエステラーゼ（PED5）だけが放出されている傾向にあります。

そのため、性的刺激が加わっても勃起に必要なだけの環状グアノシン一リン酸（cGMP）が生成されず、EDを発症する結果となるのです。

バリフの作用機序

バリフの有効成分であるバルデナフィルには、EDを引き起こす原因となるホスホジエステラーゼ5（PDE5）を選択的に阻害する点が特徴です。

ホスホジエステラーゼ5（PDE5）が選択的に阻害されると、cGMPの働きが活性化するため、陰茎に送られる血液量が増加し、勃起を起こしやすくなります。

バリフの効果作用時間

バリフの効果作用時間は、バルデナフィルを有効成分として配合しているレビトラと同程度と考えられます。

バリフに限らずED治療薬の効果の持続時間には個人差がありますが、バルデナフィル錠に関しては平均するとおよそ5時間から10時間の効果が期待できます。

10mgでは十分な効果が得られない場合、バルデナフィルに対する忍容性を考量し、安全性を確認したうえで20mgまで増量可能です。

バリフは20mgのバルデナフィル錠のため、10mgを服用する際にはピルカッターなどで半分に切る方法があります。

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バリフは先発薬レビトラと同様の効果を持つ、人気ジェネリック医薬品です。 1箱：1,700円～

バルデナフィル含有する商品

バルデナフィルは医薬品名ではなく、バルデナフィル塩酸塩水和物の総称です。製剤名がバルデナフィル塩酸塩錠で、レビトラやバリフは商品名となっています。

レビトラ

レビトラは世界で2番目に製造・販売されたED治療薬で、水に溶けやすい（水和物）ため、その他のED治療薬に比べて即効性が期待できます。

国内でのレビトラの販売は2022年に終了していますが、レビトラと同様の有効成分を配合したジェネリック医薬品が各製薬会社から販売されています。

バルデナフィル錠

バルデナフィル錠とは、バルデナフィル塩酸塩水和物を配合した医薬品を意味します。代表的なバルデナフィル錠がレビトラですが、前述のように国内での販売は2022年に終了しています。

現在、国内では沢井製薬と東和薬品、富士化学工業からジェネリック医薬品のバルデナフィル錠が販売されています。

バリフは国内では未承認の治療薬のため、個人輸入代行サイトなどから購入する方法があります。

まとめ

バリフには世界で2番目に製造・販売されたレビトラと同じ有効成分バルデナフィルが配合されています。

バルデナフィルは水に溶けやすいため、その他のED治療薬に比べて即効性を期待できる点が特徴です。

バリフは海外の製薬会社が製造・販売しているバルデナフィルのジェネリック錠ですが、レビトラに比べ価格がおよそ1/6と安価な点が特徴です。

国内では未認可の治療薬ですが、バリフにはレビトラと同じ有効成分が含まれているため、レビトラと同等の効果が期待できます。