ハイプロンの強さはどれくらい?期待できる効果や注意点も解説

この記事では、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬「ハイプロン」の強さについて、効果や注意点を踏まえて詳しく解説します。ハイブロンは、海外で販売されているソナタ(ザレプロン)のジェネリック医薬品です。作用時間が短く、寝つきが悪い入眠障害や途中で目覚めてしまう中途覚醒の人に用いられます。

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記事公開日:2025.01.23

最終更新日:2025.01.23

お薬通販部スタッフ[監修]

ハイプロンの強さはどれくらい?期待できる効果や注意点も解説

不眠症状に悩む人の中には、どの睡眠薬を選べばよいのか迷ってしまうケースも少なくありません。

睡眠薬の1つであるハイプロンは、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の1つで、海外で販売されているソナタ(ザレプロン)のジェネリック医薬品です。

ハイプロンは作用時間が短いので、寝つきが困難な入眠障害の改善に効果を発揮します。

また依存性が低く、ふらつきなどの副作用も少ない特徴があります。

この記事では、睡眠薬の1つであるハイプロンの作用の強さについて解説します。



ハイプロンは比較的強い睡眠薬

ハイプロンは超短時間型に分類される、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬で、入眠効果が比較的強く、作用時間は短いのが特徴です。

そもそも、睡眠薬は作用時間と効果の強さによって分類されます。

一般的に、超短時間型は「キレが良い」といわれることがあり、持ち越し効果と呼ばれる翌日に眠気が残りにくい作用が特徴です。

また、超短時間型の睡眠薬は超短時間型のものがあり、ベンゾジアゼピン系のお薬のような副作用が少ないのが特徴です。

種類作用時間代表的な成分作用発現持続時間効果の強さ持ち越し効果依存性
超短時間型※非ベンゾジアゼピン系2〜4時間ゾルピデム・ザレプロン(ハイプロン)早い3〜4時間強いなし低い
短時間型4〜8時間トリアゾラムやや早い4〜6時間中程度やや少ないやや低い
中間型8〜12時間エスタゾラム普通6〜8時間中程度中程度中程度
長時間型12時間以上クアゼパム遅い8時間以上弱い〜中程度多いやや高い

上記の表のとおり、ハイプロンの先発薬であるザレプロンを服用した場合、15〜30分で効果があらわれ始めます。

基本的には就寝前に服用し、横になって過ごすのがポイントです。

体から排出されるまでの時間も短いため、翌日にお薬の作用が残ってふらつきなどがあらわれる持ち越し効果がほとんどありません。



ベンゾ系と非ベンゾ系の違い

睡眠薬は、大きく分けてベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系に分類されます。

2種類の主な違いは以下のとおりです。

項目ベンゾジアゼピン系非ベンゾジアゼピン系
副作用ふらつき、転倒、前向性健忘、奇異反応などふらつき、転倒、前向性健忘、奇異反応など
依存性やや強い弱い
持ち越し効果少々ほぼなし
筋弛緩作用強い弱い
作用時間短時間~長時間まである超短時間型しかない

2種類の大きな違いは、筋肉への作用が起きるかどうかです。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の両方とも、ベンゾジアゼピン受容体に作用します。このベンゾジアゼピン受容体にはω1、ω2、ω3といったタイプがあります。

ω1受容体は主に催眠・鎮静作用に関わり、ω2受容体は主に抗不安作用や筋弛緩作用に関わります。

睡眠薬に多いベンゾジアゼピン系は、受容体ω1とω2の両方に作用しますが、ハイプロンを含む非ベンゾジアゼピン系はω1受容体のみです。

したがって、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて、ハイプロンなどの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は筋肉への作用が弱く、ふらつきや転倒などへのリスクがより少なくなるでしょう。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、依存性が形成されやすく、筋肉をほぐす作用があり、特に高齢者では転倒リスクが高まる可能性があります。



非ベンゾ系の睡眠薬における種類の違い

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の主な種類について、それぞれの特徴を以下の表で比較しました。

特徴(アイテム名)ゾルピデム(マイスリー)エスゾピクロン(ルネスタ)ザレプロン(ハイプロン)
作用発現10~15分15~30分15~30分
半減期約2.5時間約6時間約1時間
主な効果入眠・熟睡入眠・熟睡入眠
特徴的な作用深い睡眠効果バランスが良い超短時間作用

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はすべて超短時間型で、中でも日本で販売されているものはゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロンの3種類です。

そのうち、ゾピクロンの改良版として作用が強い部分を抽出したお薬がエスゾピクロンです。ゾルピデムは、日本で販売されている医薬品の中で、より作用発現時間や半減期が短くなります。

これらに比べて、ハイプロンの主成分であるザレプロンは最も作用時間が短く、服用後の翌朝への影響が少ないのが特徴です。

そのため、就寝時間が不規則な人や、夜中に起きる可能性がある人にも服用しやすいでしょう。



ハイプロンを飲んで期待できる効果

不眠症の症状は、主に以下4つのタイミングで症状が分類されます。

不眠症が生じるタイミング不眠症の名称症状
入眠(眠る時)入眠障害寝床についてから眠るまでに時間がかかる状態で30分以上眠れない状態
中途(眠っている途中)途中覚醒夜中に何度も目が覚めてしまう状態
早朝(起きる時間)早朝覚醒起床時間よりも数時間早く目が覚めてしまう状態
熟眠感(睡眠の質)熟眠感欠如十分な睡眠時間があっても、眠った感じがしない状態

この中でハイプロンがより効果を発揮するのは、主に入眠障害と中途覚醒です。

入眠時の睡眠改善だけでなく、中途覚醒に悩む人には途中で目が覚めた時にも服用することで、さらに効果を発揮するでしょう。


入眠障害の改善

ハイプロンは作用発現が15分程度と短いため、入眠障害の人に適しています

寝床に横になり、服用後に15〜30分程度で眠くなり自然な眠りへと導かれるでしょう。このように、ハイプロンには入眠をサポートする働きがあります。

実際に、入眠障害を持つ患者さんの約70%が服用後30分以内に入眠でき、プラセボ(偽薬)と比較して、入眠までの時間が平均で15〜20分短縮され、睡眠時間が40分増えたという報告もあります。



夜間覚醒時の二度寝

夜中に目が覚めてしまった際にも、ハイプロンを服用できます

これは、作用発現が速く、半減期が短いために可能になります。ただし、夜間中途覚醒の際に服用する場合は、起床予定時刻まで4時間以上の余裕がある場合に限定されます。

ハイプロンは、体内からお薬の半分が消失する半減期が約1時間と短いのが特徴です。

臨床試験では投与後4時間以上で認知、記憶、精神運動能力、または日常使用範囲で車を運転する能力には影響を与えないことが示唆されました。

また、1日の総服用量は規定量を超えてはいけません。

中途覚醒が何度も起こる場合は、睡眠環境の改善や生活習慣の見直しもしながら、服用する睡眠薬を変更するなどを医師に相談することをおすすめします。





ハイプロンは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、海外で用いられているソナタのジェネリック医薬品です。作用時間が短い点が特徴で、入眠障害や中途覚醒といった睡眠障害をお持ちの方に適応があります。副作用も少ない点が特徴です。

1箱:4,050円


ハイプロンを摂取する際の注意点

ハイプロンは基本的に副作用が少ない睡眠薬ですが、それでも正しく服用することが重要です。

主な注意点として以下が挙げられます。

  • 服用が注意・禁止されている人に該当しないか確認する
  • 用法用量を必ず守る
  • 服用前に乳製品や高脂質・高カロリーの食事は避ける
  • 服用後は自動車運転や機械操作をしない

各注意点の詳細については、次の項目で具体的に説明します。


服用が注意・禁止されている人に該当するか確認する

ハイプロンは、服用して睡眠随伴症状(夢遊症状など)として異常行動を発現したことがある人には禁止、もしくは注意が必要とされています。

他にも、死亡を含む重篤な健康被害に繋がるケースもあるので、事前にしっかりと把握しておきましょう。睡眠随伴症状が見られた場合は、 ハイプロンをすぐに服用を中止してください。

他にも、以下に該当する場合はハイプロンの服用に注意が必要です。

  • 肝機能障害がある人(重度の場合は推奨されない)
  • 呼吸器に重篤な障害のある人
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある人(推奨されない)
  • 授乳中の人(微量だが乳汁中に移行するので推奨されない)
  • うつ病の治療を受けている人
  • アルコール依存症の既往がある人
  • 睡眠時無呼吸症候群(試験では影響は見られなかった)
  • 小児(安全性・有効性が確立していないため推奨されない)
  • 他の睡眠薬などを使用している人

また、高齢者は薬物の代謝機能が低下しているおそれがあり、医師による慎重な判断が必要です。

上記に該当する可能性がある場合は、必ず医師にご相談の上、適切な判断を仰いでください。




用法用量を必ず守る

ハイプロンを服用する場合、用法用量を厳守することが重要です。

1日の服用量は1回5〜10mgですが、高齢であったり、基礎疾患がある場合、服用が初めての場合は5mgを使用しましょう。

以下の点に特に注意が必要です。

  • 1日の最大摂取量(10mg)を超えない
  • 就寝前に服用する(寝る直前)
  • 4時間以上の睡眠時間が確保できる時のみ服用する
  • 高脂肪食を摂取してすぐに飲まない(効果が減弱する)

過量摂取は重大な健康被害に繋がるおそれがあります。

効果が感じられないからといって、自己判断で量を増やすことは避け、その場合は医師に相談してください。


服用前に乳製品や高脂質・高カロリーの食事は避ける

ハイプロンの服用前に乳製品や高脂質・高カロリーの食事を摂取すると、十分な効果が期待できなくなる可能性があります。

お薬の吸収が遅くなることが原因で、効果発現が遅れるだけでなく、最大血中濃度も減るため、十分な睡眠への効果が得にくくなることが考えられます。

具体的には、以下のような影響が報告されています。

  • 医薬品の吸収が遅くなり眠気の出現が遅くなる
  • 効果の発現時間が不安定になる
  • 十分な睡眠効果が得られなくなる

夕食を摂るのが遅い人や、寝る前に夜食を摂る習慣がある人、寝る前に牛乳などの乳製品を摂取する人などは、効果を得るためにも食生活を見直すことを推奨します。


服用後は自動車運転や機械操作をしない

ハイプロンは、服用後15分程度と急速に眠気を催す作用があり、服用して自動車の運転や機械の操作は非常に危険です。

また、お薬の影響が翌朝以降も残り、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあります。

睡眠薬の影響下での運転は、重大な事故につながるおそれがあるので、服用するタイミングを意識することが非常に大切です。



ハイプロンを服用しても症状が改善されないときの対処法

ハイプロンを正しく服用しても十分な効果が得られない場合、以下のように対処することを推奨します。

  • 根本的な睡眠習慣を改善する (睡眠環境、食事・生活習慣の見直し)
  • 他の睡眠薬と併用する(医師に相談)
  • 作用時間の長い睡眠薬に変更する(医師に相談)

なお、自己判断でお薬を増量・併用することは重大な健康被害につながる可能性があるため、避けてください。


根本的な睡眠習慣を改善する

不眠症の改善でまず行うのは、環境の改善です。

効果が実感できない場合は、基本的な睡眠習慣を再度見直しましょう。

具体的には、以下のポイントを意識して見直しを行うことをおすすめします。

ポイント改善例
就寝環境の整備・室温を20度程度、湿度は40~70%に保つ
・夜は暖色系の照明を使用する
・静かな環境を整える
生活リズムの調整・毎日同じ時間に起床・就寝する
・できるだけ毎日午後に適度な運動を取り入れる
・就寝の2〜3時間前に入浴する
・朝、起きたら光を浴びる
夜の過ごし方の改善・就寝5〜6時間前からカフェインの摂取を控える
・寝酒はしない
・リラックスできるようにして過ごす



他の睡眠薬と併用する

ハイプロンを使用して1週間を目安に効果が見られない場合、他の睡眠薬との併用により効果が得られる場合があります

ただし、併用を検討する際はハイプロンに影響を及ぼす、または併用薬に影響するようなお薬は避ける必要があります。

具体的には、以下の中枢神経系に作用するお薬との併用に注意が必要とされています。

  • 抗不安薬
  • 抗うつ薬
  • 抗ヒスタミン薬
  • 麻薬性鎮痛薬

ハイプロンと他のお薬を併用する場合、まずは医師に相談することを推奨します。


作用時間の長い睡眠薬に変更する

ハイプロンを服用して十分な効果が得られない場合には、作用時間が長い睡眠薬への変更が有効な場合があります。

医師に相談して超短時間型であるハイプロンから、作用時間の長い睡眠薬へ変更することで改善することもあるでしょう。

作用時間の長い睡眠薬に変更する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 翌朝への持ち越し効果が出る可能性が高まる
  • 依存が生じやすいベンゾジアゼピン系睡眠薬になる可能性が高い
  • ふらつきなど副作用の発現に注意する



まとめ

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ハイプロンは、副作用が少なく超短時間型で体に残りにくい非ベンゾジアゼピン系の超短時間型睡眠薬です。

入眠への効果が特に期待できるお薬ですが、副作用や食事の影響などの注意事項もあります。

服用後の運転や機械の従事を避ける必要もあるので、安全に配慮しながら上手に服用することが非常に重要です。

万が一、十分な効果が得られない場合は、睡眠習慣の改善やその他の治療法について検討することも手段の1つです。

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